前回、ようやく全員が揃い、ミサイルを止めるために動き出した一行。

安吾は本来の調子を取り戻し、リーダーシップを取り、皆を率いていきます。
果たして、ミサイルは止められるのでしょうかー?!

感想です☆





小暑の章18 「-PRIDEー」




※以下、ネタバレあり※








  <現在地>  
・春のチーム 
 ハル・のび太・・関東 夏のAの村
 花        ・・生死不明
 角又・ひばり   ・・佐渡へ
 藤子・ちさ    ・・不明 
・夏のAチーム 
 源五郎・鷭・小瑠璃・虹子・・関東 夏のAの村
 安吾・涼     ・・富士号
 あゆ       ・・東北へ
・夏のBチーム 
 ナツ・嵐・蝉丸・まつり・蛍・牡丹・・富士号
 ちまき      ・・ぞうとらいおんまる 
 百舌       ・・不明
・秋のチーム  関東 夏のAの村
・冬のチーム  東北へ




◎あらすじ◎

機械を登っていった一行は、ドアを開け、上の通路へと出る。
全員上がると、夏のBは疲れた、と呼吸を荒くして床にへたばるのだった。

一方安吾(あんご)と涼(りょう)は、様子を見てくる、とすぐに動き出す。
あいつら体力あるな・・そう呟く蝉丸(せみまる)に、嵐(あらし)は言った。
彼らは鍛えてきたのだ。
準備して、とんでもない修羅場をくぐって今ここにいる。

すごいな・・彼はそう口にし、息をつくのだった。

すると蝉丸は嵐に、すごく心配したんだからな、と怒る。
2人のやり取りに、ナツは思わず笑い、涙を浮かべるのだった。

それを見た蝉丸は、心配させたのはお前もだ、とナツに言う。
で、頑張ったのかよー?
彼に問われ、ナツは元気よく、はい、と返事する。
蝉丸はその頭を、くしゃくしゃに撫でるのだった。


安吾たちは、通路を見て回った。
ここも縦変換が上手くいかなかったようで、ドアは下にしかなかった。

そんな中ー安吾は涼に、逃げるという選択肢を持っていたか?と尋ねる。
涼はある訳がない、と答え、安吾もそうだよな・・とうなづく。

でも・・あったのか?
あったんだな・・彼は考える。

もしあの時、7人以外は殺されると知っていた俺が、小瑠璃(こるり)たちに逃げるように言ったら、結末は違っていたのか?
空を飛んで彼らが逃げていたら・・

すると涼が、自虐に走るな、と彼に注意した。
どうなってたかなんて考えても、分からない。もう来てしまったんだからー

その時、彼らはようやく上につながる梯子を見つける。
その梯子は格納されていたようで、誰かが使ったらしく外に出ていた。
それを確かめる安吾を見て、涼は彼が指を動かしているのに気づく。

そのことを指摘すると、安吾はさっき急に動くようになったのだ、と話した。
茂が治してくれたみたいだ・・。

それから、彼は嵐は侮れない、と語った。
彼は恐ろしいほど真っすぐ、正論を吐いた。
・・花(はな)に似てるなー

その言葉に、涼はお前も似てるよ、と返す。
彼は、安吾も元は正論ばかり吐く鼻持ちならない奴だった、と言った。
だから、花が気に障ったんだろ?
そして気に障ると同時に、気になっていたんだー

そう言われ、安吾は目を見開く。
彼は涼の言葉には答えず、上へと上がってみた。
するとー更に上から、誰かいるの?と声がした。
そして、牡丹(ぼたん)が顔を出すのだった。


牡丹と蛍(ほたる)を見た夏のBは、一斉に2人に駆け寄った。
彼らは口々にあったことを語り、場は一気に騒がしくなる。

ふと、涼は蛍がまた自分の手を見ているのに気が付いた。
彼女は笑って言った。
ちゃんと話せる時が来て、良かったですねー

その言葉に、涼は不意打ちを食らい固まってしまう。
牡丹が、2人の話は自分たちにも聞こえていた、と話した。
彼女は安吾と涼の肩を抱き、後で詳しく聞かせてほしい、と言う。
だが今は大事な話が皆にあるー
彼女は語りだした・・。

そうして、牡丹はミサイルについて分かっていることを、全員に話した。
ミサイルを日本に降らせるー
その言葉に、皆顔を見合わせる。

ナツが、あれはミサイルだったんだ・・と呟く。
そして彼女は気づいた。
あのカウントダウンは、ミサイル発射の時間を表していたんだー!!

一気に青くなるナツたちを見て、牡丹が慌てて取り成す。
そうはいっても本当に動くかは怪しい、と。
だがー蝉丸が言った。
いや、動いていた、と。

彼はまつりと顔を見合い、機械がミサイルを運んでいたことを牡丹に伝える。
その音が今は止まっているので、準備が完了したのかもしれない・・と。

じゃあ・・本当にミサイルが発射される?
日本列島に、核まで積んでー?


牡丹が口を開いた。
それで、どうする?

すると安吾が後を継いだ。
選択肢は3つだ、彼はそう言った。

一つ目は、速やかにこの船を去る。
だがこれは、ぞうとらいおんまるが藻に絡めとられているのがネックになる。

二つ目は、なんとかしてミサイル発射を止める。
出来るかは分からないが、ギリギリまで努力してみる。

三つ目は、船を爆破して海に沈める。
ただやり方が難しいし、これもぞうとらいおんまるが動けないのがネックとなる。

どうするかー
そう問われ、嵐は間髪入れずに止めましょう、と答えた。

今の日本にも、人はいる。
春や秋や冬のチームがいる。花がいるー
彼は言った。
ミサイルを落とすなんて冗談じゃない、絶対に止めないと!!

それを聞いたまつりや蛍、蝉丸もそれに同意する。
牡丹もうなづくーすると安吾が言った。
OK、ミサイルを止める方向で動いてみようー。


そう決まると、彼はてきぱきと動き出した。
夏のBも、それに従う。
牡丹はその様子を、遠巻きに眺めた。

蛍がさっき見つけたものがある、と口を開いた。
それは、手動で発射解除をする装置の場所だった。

この船はABCDの4つのブロックからなっていて、そのブロックごとに解除のためのスイッチがあるらしい。
そしてスイッチは、それぞれABCDの順に、1234と数字が振られているのだった。

それを聞いた安吾は、とりあえず1番の場所を確認しにいこう、と話す。
彼は涼に、脱出路を確保してほしいと頼み、他の者に一緒に来るよう促す。
そこで嵐とナツが、安吾と行くことになった。
涼には、まつりが付くことになる。

そう決まると、安吾はもう一つ懸念がある・・と言った。
それは鉄を食べるバクテリアのことだった。
船の機能に影響するかもしれないから気をつけろー
彼は皆にそう警鐘を鳴らすのだった。


そうしてー彼らは二手に分かれる。
背を向ける安吾に、涼は尋ねた。
安吾、大丈夫か?

するとー安吾は笑みを浮かべ、答えた。
何がだ、大丈夫だー

そうして、3人は行ってしまう。
2人のやりとりを見ていた蝉丸は、残された涼に近づいた。
安吾ラブ。
彼はそう笑い、涼に飛びつく。
涼、俺お前好きかも!!

瞬間、蝉丸は涼に投げ飛ばされた。
一部始終を見ていた牡丹は、呆れてため息をつく。
彼女は自分が涼たちと行くから、蛍は蝉丸とここで待つように言うのだった。


皆が行ってしまうと、蛍はインターホンがあることを思い出した。
それで連絡を取ることもできた。
蛍の声は、壁の各所に設置されたインターホンから聞こえてくるのだった。

それを見た安吾は、改めて周囲を見渡した。
さっきは気が付かなかったが、確かに至る所にインターホンはあった。
また彼は、格納された通路や梯子があることにも気づく。

そうだ、ここは人が暮らしていたんだから、こういうものがあっても不思議ではない。
安吾は愕然とした。
見えてなかった。周りを何も見えてなかった・・。

彼は壁に、番号表示があるのにも気づく。
この船の歩き方を知れー
安吾は自分に命じた。
地形を頭に叩き込め。
出来るな?

出来るなー?

彼はうなづき、嵐とナツを連れて進むのだった。


一方涼たちは、牡丹の案内で上へと向かっていた。
だが彼女たちがいたところは、防火扉のようなものが降りていて、通ることができなくなっていた。

乗組員を閉じ込める仕組みなのかー?
涼が首をひねると、牡丹が言った。
・・というより、入れさせないようにしているんじゃないのか、と。

彼女は船員たちの怯えを感じていた。
彼らは船を取られないようにしていた。
だからもし乗っ取られたら、閉じ込めて自爆するつもりだったのかー

当時、世界各国では争いが起きていたのかもしれない・・
牡丹はそう呟くのだった。


それから、牡丹はインターホンで現在の状況を伝えた。
出口が封鎖されているのを知った蛍は、安吾たちの方はどうか、と尋ねる。

その安吾たちは、今まさに1番の解除装置がある部屋にたどり着いていた。
出口がないなら、ミサイルを止めるしかないようだなー
彼らは部屋の中へと、進むのだった。




















ミサイルを止める。


今回は船の中の全員が合流し、ミサイルを止めるために動き出す話でした。


安吾と涼が、力を発揮しだしましたね。
これですよ、彼らは本来こういうことが出来る人たちだったんですよね!!

皆に適切に指示を出し、最前線に出ていけるー
元の世界にいた頃の2人を見れた気がして、とても嬉しかったです。


やっぱり前回のことで、2人共吹っ切れたんですね。
こうなったら、なんだかミサイルも止められるような気がします。

でもきっと・・またパスワードとかいるんですよね。
そうなると難しいのかな・・。

ようやく生きようという意志が芽生えてきたのに、こんなところでミサイルを発射させたら全て終わってしまいます。
他のチームの皆だって、安吾たちや夏のBだって、助からない可能性の方が高いです。

なんとしてもミサイルは止めなければなりませんね。
夏のAとBが力を合わせれば、きっとできる!!
そう信じています。



それにしても、安吾は本当に頼りになりますね。
今までは夏のBは牡丹が率いていましたが、今回はそのポジションが安吾に移ったのが印象的でした。

そこで口を出さずに見守る牡丹も、すごいですよね。
事情を知って尚、2人を見守ることができるのですから・・。


安吾も涼も、これでもう大丈夫ですかね。
まさかこの期に及んで、テストとか言いだしはしないでしょう。

彼らだって、ミサイルで死んでほしくない人たちはいます。
たった7人生き残ったメンバーなのですから、彼らが死ぬのは絶対に避けたいですよね。

その気持ちがあれば、もう悪さはしないでしょう。
1つ問題が解決して、本当に良かったです。



で、今回感じたのですが・・牡丹の存在も、すごく大きいですよね。
もう生きているガイドは一人しかいないというのもそうですが、今回皆が牡丹を囲んでいるのを見て、彼女は母親のような存在なんだな、と感じました。

そう思うと、夏のBのガイドを女性にしたのも、何か意味がありそうですね。
柳のように口うるさいタイプでも駄目だったでしょうし、十六夜では彼らに押されちゃいそうだし・・。

牡丹はまさに適任だったと思います。


そして安吾たちにとっても、牡丹はある意味特別だと思います。
彼らは年上の女性と接する機会はなかったですからね。

いつも気を張っている2人なので、牡丹に少しずつ弱さも見せられたらいいですね。
彼女ならきっと受け入れてくれるー
今回の彼女を囲むシーンを見て、そんなことを思いました。





さて、後気になったのは、涼が安吾を花に似ているといったシーン。

なるほど、安吾は花が気になっていたからこそ、気に障ったのですね。
自分に似ているから・・だけなのかな?もしかして恋愛要素的な意味も含まれているのですかね?
よく分かりませんでした・・。


ただそうなると、やっぱり彼のしたことが重くのしかかってきますね。

いくら改心しても、夏のAの村で彼らがしたこと、そして十六夜を殺した事実は消えません。
この辺が、これから歪みを起こしていきそうですね。

そうなると、今の夏のAとBの関係も、一過性のものなのかな・・。
安吾が嵐を認めてき始めただけに、この展開は辛いですね。

でも罰は受けなくてはいけないので、仕方ないのかもしれませんね。
せめてそれまでに、もっと心を通わせ、人間らしさを嵐から学べるといいと思います。


それと、花を殺した件についてはカミングアウトするのでしょうかね?
茂のことは解決したけど、まだそこが残っていますよね・・。

さすがにここでは言わないかな?
まぁまだ死んだと決まった訳でもないですしね・・。

でも馬鹿正直な安吾のことだから、なんかぽろっと言っちゃう気もします。
そこも気にかけていきたいですね。








さて、次回はミサイルを止めるために、4つの部屋を回る話でしょうか。


一体どうやったら止められるのでしょうね?
またパスワードだったら、どうしよう・・。

そして、出口も見つけることはできるのでしょうか?!

次回も楽しみです☆