前回、パスまでは解いた一行。
けれども、ミサイル発射解除装置は、正常に作動しませんでした・・。

残り4時間・・彼らはミサイルを止めることができるのでしょうか?!

感想です☆




小暑の章20 「-勝手にしやがれー」




※以下、ネタバレあり※












  <現在地>  
・春のチーム 
 ハル・のび太・・関東 夏のAの村
 花        ・・生死不明
 角又・ひばり   ・・佐渡へ
 藤子・ちさ    ・・不明 
・夏のAチーム 
 源五郎・鷭・小瑠璃・虹子・・関東 夏のAの村
 安吾・涼     ・・富士号
 あゆ       ・・東北へ
・夏のBチーム 
 ナツ・嵐・蝉丸・まつり・蛍・牡丹・・富士号
 ちまき      ・・ぞうとらいおんまる 
 百舌       ・・不明
・秋のチーム  関東 夏のAの村
・冬のチーム  東北へ




◎あらすじ◎

スイッチを長押ししたのに、ミサイルのカウントダウンは止まらなかった・・。
嵐(あらし)は皆に、画面表示がどうなっているかを尋ねる。

するとナツ、蝉丸(せみまる)、安吾(あんご)の端末は、エラー表示が出ているとのことだった。
ということは、作動していないのは4の端末だ・・。
嵐は再起動し、彼らは再びスイッチを押してみる。

だが・・結果は駄目だった。
バクテリアでボロボロのこの部屋では、端末も無事ではなかったんだ・・。
嵐はうつむく。

ここまで来て・・と他の3人も失望を隠せない。
安吾が無駄だったな、と呟いた。
だがそれを聞いた蝉丸は、無駄ってことはないけどな・・と返す。

今まではこの船は怖くて気色悪いと思っていたけど、人が住んでて普通に生活していたことが分かったのだ。
それは無駄じゃない・・彼はそう言うが、安吾は理解できないようだった。

嵐とナツも、普通の人がミサイルのスイッチを押したということに、思いを馳せるー
そして、彼は電源を落とそうとして、ふと気づいた。

この船の主電源って、切れないのかなー

その言葉に、すぐさま蛍(ほたる)が調べ始める。
また嵐も地下の方にいるため、機関室などを見てくる、と告げる。
それを聞いたナツと蝉丸も、一緒に行くーと声を挙げた。

だが・・その時、ナツは気づく。
彼女がいた部屋のドアが、いつのまにかバクテリアに冒されていたのだ。

今までこの周りにはいなかったのに・・。
彼女は恐怖で、すぐに部屋を出るのだった。

するとーナツが元来た道は、びっしりとバクテリアがはびこっていた。
逆の道から行こう、彼女は急いで走るのだった。


一方安吾は、蛍のいるコントロール・ルームへと顔を出していた。
蛍は色々調べていたが、重要書類はパスワードがないと見れない仕様になっていた。
ただ最下層は立ち入り禁止区域なので、重要なものはそこにあるかもしれない、と彼女は嵐に伝える。

その姿を見ながら・・安吾は自分の無力を感じた。
コンピューターなどは、ほとんど習わなかった。
さっきのコードも、自分では見つけるのは無理だった。

夏のBが優秀な訳ではない。でもこいつらにしかできないことがある。
無駄だったのかー?
彼の表情が険しくなる。
あの施設で学んだことは、始めから終わりまで無駄だったのかー?

その時、涼(りょう)から安吾に通信が入った。
彼らもまた出口を探していたが、見つからなかったという。
抜け道を探してみよう・・そう牡丹(ぼたん)が言うのを聞き、安吾は涼に問う。

あそこで学んだことは、無駄だと思わないかー?
その質問に、涼は後で答える、と言った。
そうして通信を切ると、話を聞いていたまつりが皆落ち込んでいるね・・と呟いた。

彼女は自分も少し凹んだと言い、さっきのカレーの話を涼に振る。
涼はどんなカレーが好きだったのか、と。

だが涼は食べ物に好き嫌いはない、と答えるだけだった。
食えればなんでもいい―そう言うのを聞き、まつりは思い切って尋ねてみる。
人の好き嫌いは?あたしみたいなタイプは好き嫌いで言うとー?

すると涼は、みたいなタイプ、とはどういう意味だ?と問い返す。
そこでまつりは、自分のことを話した。
いつも元気で明るくて、小柄でキュートで、くりくりでー
それを聞いた涼は答えた。

くりくりで元気がいいのは、嫌いじゃないー

その言葉に、まつりは衝撃を受ける。
くりくりで元気がいい人が、誰かいるんだー
彼女は涼が自分のことを言ったのではないことに気付いたのだ。

涼は今・・その人のことを考えたのだ・・。
彼女は思った以上にショックを受けている自分にも驚いていた。
そんな中、涼が船内図を見つける。

彼らのいる所は、まだ海面下だった。
上の階層には行かせない気かー涼は考える。
つまり壁に穴を開けて外に出ることはできない。
爆破も、船内にいては危険すぎる・・どうするか。

その時、落ち込んだまつりがぽつんと呟いた。
船が縦になってるってことは、ミサイルは先っちょから出るのかな・・。

それを聞いた涼は、あることに気付く。
彼はまつりの頭を撫で、よく気が付いた、とほめた。
まつりは訳が分からないながらも、ときめき頬を赤らめるのだった。

涼はすぐに、安吾に再び連絡を取る。
出口はできるはずだー
彼がそう言うのを聞き、安吾は首を傾げる。

それからな・・涼はまつりを振り返って訊いた。
まだここに来て良かったと思っているか?
その問いに、まつりは元気よくうなづく。

・・だそうだー。
涼は言った。
無駄だと思えば無駄になる。要は気の持ちようってことだ、と。

彼の意外な言葉に、安吾は驚く。
だがそこで連絡は切れた。
・・そんな曖昧なこと言う奴だったかー?
暫し信じられず、彼は呆然とするのだった。

そこへ、蝉丸が合流する。
彼は何やら慌てた様子だった。
バクテリアが急に繁殖し、下に進めなくなったというのだ。

嵐たちは上がってこれないぞ、どうするー?!
蝉丸に言われ、安吾は眉をひそめるのだった。


その頃、嵐は最下層で様々なスイッチを片っ端から切っていた。
機関室はかなりの部分をバクテリアにやられていたが、動くところは全て電源を落としていく。
止まれ、止まってくれー
彼は祈る。

ミサイルが落ちたらどうなるんだろう。
そこに花(はな)がいたら?他に誰かがいたら?
動物も植物も死んでしまって、放射能に汚染されたら・・当然俺たちも生きていけないー

止まれ、止まれ。
彼は祈り続けるのだった。

一方ナツは、バクテリアから必死に逃げていた。
彼女は不安に襲われていた。
何かおかしい・・、追いかけられている気がするー

そこで彼女は機関室に逃げ込む。
するとそこには、嵐がいた。
ナツの尋常じゃない様子に彼は驚くが、ナツは確証がないため大丈夫だ、と言葉を濁す。
そうして2人はスイッチを切り続けるのだった。


安吾たちは、下の様子を見に行っていた。
蝉丸の言う通り、下はバクテリアに汚染されていた。

嵐たちはきっと戻れないだろう・・。
安吾は考え、ロープで引き上げられる場所を探そう、と蝉丸に言う。

それを聞いた蝉丸は、安吾も涼もすごいな・・と呟く。
次に何をするか決めて、さっさと動く。すごいな・・。
だが安吾は、それを当たり前だ、といなすのだった。


一方涼は、土地勘を頼りにエレベーターのあった場所へと出た。
彼はその左手に、橋のようなものがあったのを記憶していたのだ。

涼は橋の強度を確認し、2人を呼ぶ。
この上でミサイルを発射するために、発射口が開くはずだー
彼の説明に、牡丹とまつりは目を見開いた。
涼は言う。
イコール、出口だろ?


ーカウントダウンは、3時間を切ろうとしていた。
機関室にいる嵐たちの元に、安吾から通信が入る。
彼は蝉丸はそこには行けないと話し、現状を伝えた。

バクテリアの繁殖が急激に進んでいる。
上と下を結ぶラインは、どの道も通れないーということを。

つまり・・来た道を戻れない?
戸惑う嵐に、安吾は引き上げる道を探すから早く戻れ、と話す。
蝉丸が、ナツは大丈夫か、怖くないか、と声をかけた。

ナツは、大丈夫だーと答える。
不思議と全然怖くないんだ・・そう話すと、安吾がそれを遮った。
ナツ、こんな状況で大丈夫だと思うなら、自分を疑え。

彼は精神状態がハイになっているのかもしれない、と警鐘を鳴らした。
怖くて当然だから、不安でいろ。だからこそ気を配って注意するんだ。
常に自分を信じながら疑えー

その言葉に、ナツはうなづく。
嵐と蝉丸も感心する。

蛍がコンピューターで地図を見て、進める道を示唆した。
Aブロックに、通風孔のような縦の吹き抜けがあるので、そこから上がるといい、と彼女は言った。
そこで安吾もそこで落ち合おうと言うが、嵐はもうちょっと機械を止めていきたい、と声を挙げた。

彼はどうしてもミサイルを止めたいと言い、ナツを先に助けてくれ、と2人に頼む。
だがその時ーナツの背後で、何かが動く気配がした。

振り返ると、彼女にバクテリアが群がろうとしていた。
驚いた嵐はすぐにナツをかばう。
その瞬間、物にぶつかって嵐の腕が切れた。
その血にーバクテリアは反応を見せる。


2人はすぐに部屋を出た。
そして急いで蛍に言われた方へと走り出す。
さっきのバクテリア、ナツを狙っていなかったかー?!
そう言われ、ナツもそんな気がする・・と打ち明ける。

嵐は、バクテリアは血に寄ってきていた、と話し、ナツに怪我をしていないか、と確認する。
それを聞いたナツはー血の気が引くのを感じた。

彼女は生理中だと打ち明け、嵐もそれで納得する。
バクテリアは血の匂いを嗅ぎつけてきてるんだー
2人は危険を感じ、走った。

バクテリアが襲ってきたから、合流地点に向かうー!
彼らの緊迫した様子に、安吾たちも急いで動き出すのだった。


その頃ー
涼は梯子を上っていた。
発射口からは、確かに空が見えていた。
それを見守っていた牡丹たちは、ナツたちが大変なことになっているのを聞きつける。

そこで牡丹は、涼にナツたちを助けてほしい、と頼んだ。
自分たちが出口を確保するから・・と。

それを聞いた涼は、うなづく。
牡丹が邪魔になるから、とまつりが行くのを止めた。
離れ離れになることを案じたまつりは、大げさに涼に別れを告げる。

その様子に、涼は思わず笑みを浮かべるのだった。


ナツと嵐は、バクテリアから必死に逃げていた。
彼らと安吾たちは、ほぼ同時に吹き抜けへと出る。

そこはかなりの高さがあった。
ロープの長さはギリギリだ。
蝉丸が、引き上げるのは無理だ、と騒ぐ中、安吾はナツたちの姿を見付け、叫んだ。

嵐、ナツ!2人共一気に引き上げるぞー!!




















動き出したバクテリア。



今回はミサイル発射解除に失敗し、地下で電源を落としていたナツたちが、バクテリアに襲われる話でした。


だいぶ佳境に入った感じがしますね。
出口はとりあえず見つかったので、後は脱出ですね。

でもこのままだとミサイル発射は止まりませんね・・。
電源を落としたことが、少しでも影響するといいのですが、分からないですね・・。

嵐の想像が、胸を打ちます。
皆の元にミサイルが降ったらどうなるか・・。

折角生きているのに、全てが終わってしまいます。

前回は天変地異で世界が終わりましたが、今回は人災ということになってしまいます。
そうなるのは、何が何でも避けたいですね。

後3時間・・もう祈るしかないのでしょうか。



ただ嵐に関しては、心配ですね。
最後までミサイルを止めるために船に残る、とか言いだしかねませんね。
今回もそんな感じでしたし。

花のためなら死ねると言ってるようで、ナツは辛いでしょうね。
気持ちはわかりますが、彼一人にできることなど限られています。
バクテリアも動き出したし、余りごねないでほしいな、と思います。



そのバクテリアですが、彼らが船を侵食していくことで、船の機能が止まっていってますね。

ということは、ミサイルも止められないのでしょうか・・。

あの辺にはバクテリアが行ってなかったから、無理かな?
でも機関室は侵されていたので、可能性はないとは言えないのではないか、と。


彼らの侵食は脅威ではありますが、このまま船をさび付かせたらシステムが止まることはあり得るのではないかと思います。

こっちの可能性にも、期待したいところですね。


でも、実際にたかられたらどうなるんだろう・・。
想像するとかなり怖いですね。

早く地下から脱出できるといいですね!





さて、後は安吾の思いについて。

前回良いところを見せられなかった彼、また自己嫌悪に陥ってます。

あの施設で学んだことは無駄だったのかー。

これ、あゆも思っていましたね。
鷭や源五郎も。


でも涼の言う通り、気の持ちようだと思います。
彼からそんな言葉が出るのは、確かに意外だったけどw

無駄だと思えば、全て無駄になる。
でも意味を見出そうとすれば、必ず意味はあるのです。

どんなに小さいことだって、血肉になったものは人を裏切らないと思います。
現に安吾や涼は、即座に判断できるだけの力を有しているじゃないですか。

できないこともあって当たり前、でも誰にだって、人より秀でる部分は必ずあります。
足りないところを補い合い、自分が出れる部分は前へ出ていくー
そうすれば、決して今までの経験は無駄にならないと思います。


涼は気づき始めたので、安吾も気付けるといいですね。
彼の能力は、決して無駄ではありません。
誰よりも、リーダーとしての素質を持っているのですから・・。






さて、次回はバクテリアからの脱出ですね。

出口も見つかり、いよいよクライマックスでしょうか。

まだミサイルを止められていないのが何よりも気がかりですが、もう打てる手が打ったと思います。
そろそろ脱出も視野に入れなくてはいけないですね。

花を思う嵐が暴走する予感もしますが、なんとか皆無事に脱出できるといいな、と思います。

次回も楽しみです☆