今回から、21巻です!

前回、ミサイルを止めることは結局できなかった一行。
彼らはバクテリアから逃れるために脱出することにしますが、果たしてミサイルは発射されてしまうのか。

彼らの命運はいかにー?!

感想です☆





小暑の章22 「-喝采ー」





※以下、ネタバレあり※








   <現在地>  
・春のチーム 
 ハル・のび太・・関東 夏のAの村
 花        ・・生死不明
 角又・ひばり   ・・佐渡へ
 藤子・ちさ    ・・不明 
・夏のAチーム 
 源五郎・鷭・小瑠璃・虹子・・関東 夏のAの村
 安吾・涼     ・・富士号
 あゆ       ・・東北へ
・夏のBチーム 
 ナツ・嵐・蝉丸・まつり・蛍・牡丹・・富士号
 ちまき      ・・ぞうとらいおんまる 
 百舌       ・・不明
・秋のチーム  関東 夏のAの村
・冬のチーム  東北へ





◎あらすじ◎

熱を放出するくらげー
花(はな)は彼らに囲まれて、海を漂った・・。

やがて彼女は岸に流れ着き、そこっで目覚めるー


目覚めた花は、小さな少女のようだった。
彼女は荷物を引き上げ、周囲を探索しに行く。

何か水っぽい音のする木があったので、花は石でその木の表面を砕いた。
そして中のものを引っ張り出し、口にする。
おいしくて、彼女は笑みを浮かべた。

それからお腹のすいた花は、何か食べられるものを探し、手当たり次第に試してみる。
すると、彼女は卵を見つけた。
それを一つもらうと、発光するくらげのいる場所に、彼女は卵を沈めた。

それから海岸線を行くと、貝もあった。
おいしかったので、花はそれをありったけ食べる。
だが暫くすると、彼女のお腹は不穏な音を立て始めた・・。


海の中で、用を済ませる花。
すると彼女の便に、小魚が群がってくる。
それが面白くて、彼女は何かいも便を出した。

その後、お腹の調子も良くなったので、花は魚と共に海を泳いだ。
海中には大きな魚もいた。
彼らと思う存分泳ぎ、花は疲れて岸へと戻る。

元いた場所に戻ると、くらげの熱で卵がいい感じに温まっていた。
中がとろっとしているのを見ると、花はすぐにかぶりついた。
塩もできている。

ふと、彼女は不思議な形の植物を見つけた。
背の高いその先には、実がなっている。
花は小枝でブーメランを作り、それを取ろうと奮闘した。

だが実はなかなか落ちてこない。
明日にしよう、と諦めかけたその時、一つぼったりと実が落ちてくる。
そこで花はその実にもかぶりつくのだった。


暫く食べていると、花の元に小さな猪のような姿の動物がやってきた。
花は彼に実を半分分け、一緒に食事をする。

その後はデザートに実から取れる甘い汁を飲み、ふわふわの植物を集めて、それを敷き詰めて眠る。
その横には、さっきの動物もやってきた。

夜中には、その動物はいつのまにか4匹に増えていた。
更に母親もやってきて、彼女は子供たちに乳を与えた。
花も思わずしゃぶりつく。

そうして温まりながら、彼女は眠ったのだった・・。


翌朝、猪たちは土を掘り起こし、何か芋のようなものを食べ始めた。
花も一口もらったが、とてもおいしかった。

それから彼女は近くにあった実のようなものに触れるが、それは虫の巣だった。
花と猪たちは、急いで虫の大群から逃げる。

彼らは偶然見つけた洞穴に逃げ込んだ。
そこには水場もあり、猪たちは水浴びをした。
その姿に、花はほほ笑むー


ふと、彼女はそこにナイフが落ちているのに気づく。
そこで、彼女は周囲を見渡した。
いつしか、その表情はいつもの花のものに戻っていたー

ここで生きていくー
彼女は思う。


そしてその思いは、嵐(あらし)も同じだった。
ナツも蝉丸(せみまる)もまつりも、皆が思った。

この世界に臨んで来た訳じゃない。
行きたいか?と誰も訊いてくれなかった。
初めは恨んだ。元の世界に戻りたかった。
こんなところで生きていけないと思った。

でも・・生きていく、この世界で。
皆と一緒に。


彼らは願った。
だから止まってくれ。
止まってくれー!!




















生きていた花。


今回は予想に反して、花の物語でした。

やっぱり生きていましたね!!
なんだか不思議な話でしたが、生きていたのを確認できただけで大満足です!!

一人でもたくましくやっていて、ほっとしました。



それにしても、彼女の姿が子供のように描かれているのは驚きました。

もしかして、花、記憶を失っているのかな・・?
ラストで自分のナイフを見つけても、反応薄かったですもんね。
なぜここにいるのか、わかっていない状態なのかな・・と思いました。


子供の姿になっているのも、それが関係しているのかもしれないですね。
一度この世界で生まれ変わった・・とでもいうのでしょうか。
一から始める、という意味がこめられているのかな、と感じました。


それにしても、しがらみとかがなくなると、自由に見えて解放感がありますね。
花の生活もただ感情に任せて動くだけ・・動物と近い姿でした。

本来、人間もこの世界ではこうやって生きていくべきなのかもしれませんね。
それこそ夏のBが毎日を楽しく過ごしているように。

もっと肩の力を抜いて生きていっても良かったのかもしれません。


元の暮らしを知っているから、皆元の生活に近づけようと躍起になっていた感じがします。
でもそれよりも、まずはここにあるものを観察し、調べ、生きていく糧にすべきだったのかもしれません。


人間も、所詮生物の一つなのですよね。
動物たちがそうしているように、彼らも新たに一つの生物として生きていくのもありかな・・と、そんなことを感じました。

敵ではなく、共生していく・・。
花の生活を見て、気づかされました。



そして、彼女もまた、ここで生きていくことを決意しました。

最初の頃の、恨みのこもった目をしていた花とは、もう違うのですね。

夏のBも、この世界で生きていきたいと思いました。
皆経験したことは違うけど、その結論に収束したのです。


なので、ミサイルにはなんとしても止まってほしいですね。
もはや祈るしかないというのがもどかしい。

この世界にミサイルが降り注いだら、今度こそ日本列島は終わりですね。
いずれは再生するかもしれませんが、今できた世界は全て滅びてしまいます。


過去の人たちが自分たちに未来を託してくれたのです。
その未来を、失いたくないですね。

せっかくつながった絆も、ここで終わりにするのは辛すぎます。

どうか、ミサイル発射が止まりますように・・。
次回、決着でしょうかー。







というわけで、次回は富士号編もラストでしょうか。

ミサイルは止まるのか。
電源を落としたことと、バクテリアの繁殖が良い方向に向かうといいのですが。。


自分たちでどうにもできないのが、なんとも歯がゆいですね。
どうか助かりますように・・。

次回も楽しみです☆