前回、ユキの下についた吾代。

一方望月たちにはめられた弥子たちは、麻薬取引の現行犯に仕立て上げられそうになります!

弥子たちは無事に逃げ切れるのか。
そして望月の会社の、真の目的とはー?!

感想です☆




鎧の兄弟~第40話 「裏【うらのうら】」




※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

煙幕で犯人に逃げられてしまった筑紫(つくし)は、急いで笛吹(うすい)に事情を報告した。
電話で状況を把握した笛吹は、急に入ってきたタレコミだったから準備不足は仕方がない・・と筑紫を労う。

ここからの指示は、自分が出そうー
彼はそう言うと、すぐに周囲の道路の検問を手配し、筑紫たちには2つに分かれて埠頭を当たるように伝える。

電話を終えると、横にいた刑事が笛吹の指示の早さに感心した。
それから彼らは、犯人が置いていったトラックを改めて見て息をつく・・。

これだけの量を一気に密輸しようだなんて、犯人もいい度胸だ・・。
彼らの目の前には、荷台一杯ー10トンはあるだろうコカインが積まれているのだった。


一方弥子(やこ)たちは、その様子を隠れながら見ていた。
小さな声で、弥子はネウロにこの状況は何なのだ、と詰問する。
ネウロは見た通りだ、と言い、自分たちはハメられたのだ、と答える。
恐らく一度捕まれば、言い訳しようのない展開が用意されているのだろう・・と。

そこで弥子は、ネウロの能力で何とか切り抜けられないのか、と提案する。
だがネウロはこれ以上力を使うと空腹が増す・・と乗り気でない。
更に彼は先に逃げた男たちを追わねばならないから、弥子には自力で逃げるように言い渡す。

男たちは自分たちの名前を知っていた。
となれば、ここで自分たちが逃げ切っても、彼らが捕まったらそこから名前が漏れる恐れがある・・

そう話すと、ネウロは空に飛びあがった。
置いて行かれた弥子は、呆然とその場に立ち尽くす。
人生全てを賭けた放置プレイだ・・。
彼女はどうすべきか分からず、途方に暮れるのだった。


その頃、早坂(はやさか)たちは埠頭に到着していた。
彼は仲間たちに埠頭の地理を把握したかを確認し、警察に会ったら協力者だと言って社員証を見せろ、と教える。

彼の目的は、この複雑な地形の埠頭で、警察に犯人を引き渡すことだった。
笑顔で指示を出す彼に、仲間たちは何も言わずただうなづく・・。

早坂はまた、吾代(ごだい)にも声をかけた。
渡した写真のターゲットを見た感想は・・?
そう問われ、吾代は笑みを浮かべる。

読めてきたぜ。あんたらが俺を雇った理由が・・。

それを聞いた早坂は、うなづく。
吾代は弥子たちと顔見知りだから、顔を間違える心配はない。
それに追手が吾代だと彼らが気付いたら、きっと油断して向こうから近づいてくるに違いないー

彼の策を聞いた吾代は、自分が逆に弥子たちを助けるとは思わないのか・・?と意地悪い笑みを浮かべる。
だが早坂は、吾代はこちら側の人間だと信じているーと表情を一切変えない。

自分が持っている力を存分に発揮したいなら、いるべきはあの探偵事務所ではない。
それは君が一番分かっているだろうー?
早坂の言葉に、吾代もまた笑みを崩さないのだった。


ー埠頭の奥では、ネウロが犯人たちを捕まえているところだった。
彼の拷問に、犯人たちは震えあがる。
だがネウロはそんな彼らを締めあげ、どうして自分たちの名を知っていたのか、と問いただす。

すると男たちは必死に答えた。
どうやら彼らは本当に何も知らされていないようで、たった2人で取引に来たのもいつものことなのだという。

それを聞いたネウロは、金は既に振り込んであって、男たちはただ運ぶだけの役割だったのだと知る。
全てを理解した彼は、不敵に笑った。
我々を狙った理由は知らんが、どのみちやるではないか・・。

望月(もちづき)と早坂といったか。
人間ごときに一杯食わされるとは、いい勉強になったぞー。

そう呟くと、彼は男たちの口を封じに出る。
記憶を少し壊して、彼らの悲鳴を囮にネウロはその場を去るのだった・・。


その頃、埠頭についた早坂たちは、四方に散って弥子たちを探しに出たところだった。
皆が走っていくのを見ながら、ユキは早坂に吾代を信じていいのか・・?と尋ねる。

すると早坂は笑った。
だから自分たちは彼の後を尾けるのさー

彼には、吾代が一番弥子たちと接触しやすいことが分かっていた。
その目測通り、吾代は早速弥子たちに電話をかけたようだー
早坂は満足そうに、その姿を眺めて笑った。

吾代の心の中など、どっちでも問題はないのだ。
道案内さえしてくれれば、探偵たちを捕まえるのは自分たちの仕事なのだからー

その笑顔に、ユキは背筋が凍えるような寒さを感じた。
いつからだ?この人の顔にこんな笑顔が貼り付いたのは。

そもそもユキは、何のために弥子たちを警察に突き出すのかも聞いていなかった。
全ては早坂と望月の描いた図面があって、自分たちはその上で動くだけ・・。
昔は違った。単純な理由で一緒に馬鹿をやって、こんな策略や秘密なんてなかったのにー
彼はそう思いながら、フードを深くかぶる・・

その時、早坂が足を止めた。
前を見ると、吾代がキョロキョロと何かを探している。
どうやらこの辺りで待ち合わせをしているようだ。

その姿を見て、早坂は笑う。
彼の行動は実に分かりやすい。
そして彼は自分を裏切らない。なぜなら、自分はこれだけ彼のことを理解しているのだから・・。


ー吾代は、足を進める。
そして、彼は隠れていた弥子と落ち合った。

弥子は吾代を見ると、安心したように表情を緩ませる。
たまたま近くにいると連絡をくれて良かった!
一人で心細かった彼女は、そう言って吾代にすがる。

すると吾代は、少しの間じっとしているように彼女に言った。
もうすぐ自分の新しい上司が来るから・・
そう話す彼の笑みを見て、弥子は首を傾げる・・

その時、早坂が現場に足を踏み入れた。
さすが吾代、彼らを助けるふりをして捕まえるとは考えたねー
そう言いながらやってくる早坂とユキの姿に、弥子は目を見張る。

どうして2人がここに・・?
そう思うのも束の間、吾代は弥子の腕を掴む。

そうして、彼は弥子を連れたまま早坂の元に向かった。
それを笑顔で受け入れる早坂を見た、吾代の笑みが歪むー

今日は入社記念日で、退社記念日だー

その言葉と同時に、早坂とユキの上に鉄骨が降ってくる。
予想もしなかった事態に、早坂とユキはその下敷きになってしまうのだった。


2人の姿を見た吾代は、心底楽しそうに笑い声をあげる。
彼は動けないでいる早坂たちに歩み寄り、自分も色々考えているのだ、と語った。

彼には、早坂たちが自分を尾けているのもお見通しだった。
早坂の笑顔は、人のことを全然信用していない笑顔だー
そう語るのを、ユキはただ黙って聞いている。

その姿を見下ろしながら、吾代は舌を出した。
少なくとも自分は信用もされない職場でなんて、働きたくない。
しかも早坂が理解したいと思っているのは、部下がしょぼい作戦を実行する手駒になれるかどうかだけだー

彼は弥子を指さす。
手駒としか見られない職場にいるくらいなら、クソ所長に雑魚扱いされるほうがまだマシだー

その言葉に、弥子は笑みを浮かべる。
2人はそのまま、警察が来ない内に現場を離れるのだった。


ーその後、2人とネウロは合流する。
無事に逃げ切ったのを見たネウロは、2人を見て笑う。

そんな彼に吾代は、心が広くなってしまったせいで、高給の仕事を取り逃した、と恨み言を言う。
だがその目が曇っていないのを見たネウロは、視野が広がったのはいいことだと言い、改めて彼を雑用として一人前だーとほめる。

こうして3人は再び揃ったー。
ネウロは2人を率いて、反撃ののろしを上げる。

メンバーが揃ったところで、色々とケリをつけておかねばなー
 



















早坂と吾代の策略。

今回は弥子たちをはめようとした早坂たちが、逆に吾代によってはめられる回でした。

もうラストすっきり!!
よくやった、吾代って感じです!!w本当ほめまくりたい!!


早坂たちの企みは、ユキにも知らされていなかったんですね。
彼らの関係って、何なんだろう・・。

ユキによれば、2人はかなり付き合いの長い関係のようですね。
幼馴染とかなのかな・・でも年齢が違うよな。

同じ施設で育った兄弟のような関係・・とかが有力なんじゃないか、と個人的には推測してます。
その辺も、次回以降はっきりしてくるのでしょうか。



で、早坂たちの目的ですが・・
やっぱり前回予想したように、本当に大切にしているもっと大きな取引のカムフラージュではないかな、と感じます。

コカイン10トンも大取引ですが、急いで回収しにいかないところを見ると、あれはやっぱりブラフのようですね。
その裏で何か特別な取引を行う。その取引に警察の目が向かないように、弥子たちを追わせる。

こんなシナリオではないでしょうか。


そしてその取引の内容は、望月と早坂だけが知る・・か。
なんだか組織の体制がずいぶんはっきりしてきましたね。

ユキにとっては思い出ある大事な人でも、早坂にとっては彼自体も駒の一つでしかないのでしょうね。
そこが、ユキのつけいる隙かな・・。

吾代と彼は戦うでしょうから、その辺をつつかれるんじゃないでしょうかね。
そして吾代の決断を見て、ユキも自分の身の振り方を決める・・
今後はそんな展開になりそうです。


相変わらず早坂の笑顔の意味も気になるし、まだまだこの物語は続きそうですね。
警察の動きも気にしなきゃだし、なかなかスリリングです!

ヒステリアでは良いところのなかった笛吹なので、早坂たちを是非逮捕してほしいな、と思うところ!
望月を捕まえられたら、かなり大ニュースになって知名度上がるでしょうねぇ。

警察としてはOBの不祥事になる訳ですが、悪をのさばらせていてもだめですからね。
その辺の引導を渡すのが笛吹になるのかな、と期待しています。


三つ巴の混戦状態・・
この中で、謎はどのようにして生まれ、誰が勝者となるのかー

気になるところです。





後は吾代について。

今回弥子たちを選んでくれたのは、本当に嬉しかったですね。

まぁ元々早乙女のところにいたのだから、人を見る目は彼はあるのでしょう。
そんな彼だからこそ、早坂の笑顔をうさんくさいと感じたのでしょうしね。


自分の脳力を発揮できる職場より、自分を大事にしてくれる職場を選んだというわけか・・
なんだか素敵ですね。

吾代に足りないものは色々あったと思いますが、温もりもその1つではないでしょうか。

ネウロには色々ひどいことをされてるものの、自分の内面の本質を見抜いて心配してくれる・・
そんな人に出会えたのですもんね。
これを手放してはいけないと思います。


弥子もまだまだ未熟ですが、少しずつ伸びていて今後のポテンシャルもあります。
吾代もそうだから、きっと彼らは互いに切磋琢磨して成長していくのでしょう。


そんな仲間に、改めてなれてよかった!!
やっぱり3人揃うと嬉しいですね。

もう負ける気はしないので、反撃のターンを楽しみたいと思います!










さて、次回はネウロたちが望月たちに攻撃を仕掛ける回でしょうか。

人間ごときに一本取られたのだから、ネウロの心中はさぞ穏やかじゃないことでしょうw(^^;)
どんな仕返しをするのか、怖いような楽しみなような・・。

また、吾代とユキがぶつかるのも必然でしょうから、そこもどうなるか気になるところですね。
ユキの攻撃の秘密も、そろそろ明らかになるのかな・・?


まだまだ目が離せませんね!
次回も楽しみです☆