前回、早坂たちを裏切り、弥子たちの元へ戻った吾代。

3人揃ったところで、ネウロによる反撃が始まりますー!!


果たして望月たちの目的とは?!
ネウロたちはそれを阻止できるのでしょうか?!

感想です☆





鎧の兄弟~第41話 「寒【さむさ】」




※以下、ネタバレあり※











◎あらすじ◎

笛吹(うすい)が到着したときには、既に運び屋の男たちは捕まっていた。
彼らを一瞥した笛吹は、逃がした取引相手の情報は聞き出せたのか、と筑紫(つくし)に問う。
だが犯人たちは意味不明なことを口走るばかりだ・・と筑紫は首を振った。

そんな中、筑紫は犯人たちを捜す途中で望月(もちづき)信用総合調査の人間と遭遇したことを報告する。
犯人逮捕に協力したいらしい・・
そう言われた笛吹は、うなづく。

何を隠そう、上層部に今回のタレコミをしたのも望月の会社だったのだ。
取引直前に情報を得たそうだが、警察もいかがわしい会社にべったりだ、と彼は息をつく。

笛吹は笹塚(ささづか)を思った。
上もお前も、汚いものに頼るのは変わらないな。
むしろそういった不浄な部分まで飲み込むのが、正しい職場というものなのかー?


その頃、望月は弥子(やこ)たちを逃がしたという一報を聞いて驚愕していた。
鉄骨から逃れ出た早坂(はやさか)は謝りながら、状況を説明する。
話を聞いた望月はうろたえ、こうなったら一切情報を漏らさぬよう早めに始末しなければ!と拳を握る。

するとー早坂が顔を抑えながら、心配はいらないと言った。
私の忠実な部下を使って、始末させます。あなたに教えられた通り、秘密に迅速にねー
彼は笑みが崩れそうになるのを必死で抑えながら、そう話すのだった。

ー外で、ユキは過去のことを思い出していた。
子供の頃、彼は雪崩に巻き込まれたとこがあった。

彼らの親は、子供の頃に出ていった。
故郷は酷く寒かった。寒さは力のない者には、より残酷だ。
対抗する術は、服を着ることくらい・・。
誰の助けも期待できない状況だった。

そんな中、震えすら起こらなくなる寒さのなか、その手は必死で彼を助け出した。
ユキ、大丈夫か?!
そう言って差し出される手を取ったとき、ユキは思ったのだ。
あんたといる時だけは・・


その時、声がしてユキは顔を上げた。
気が付くと、目の前にネウロたち3人が立っていた。
彼らを認めたユキは、社長たちにここを離れるように伝えろ、と部下を送る。

・・どうして自分たちがあの埠頭からすぐ近くにいると分かった?
そう彼が尋ねると、ネウロは笑顔で答える。

あれだけの大取引の摘発にも関わらず、現場にいた警察の数は少なかった。
まるで急遽駆け付けた感じで、配備はちゃんとしていたが逃げるのは難しくない。
それに加え、助太刀に来ていた望月の人間たち・・。

それを見て、彼は気づいたのだ。
望月たちの本当の目的は分からないが、彼らには直前に情報を漏らすことで警察の目をあの埠頭に集中させる必要があったのではないか、と。
例えば、近くで行われるもっと大事な取引から目を逸らすために・・。

すると、早坂がやってきた。
彼は話を聞いていたらしく、それで同じような取引が出来る場所を探したのか・・とうなづいた。

その姿にユキは、なぜ逃げなかった、と驚く。
だが早坂はそれを制すると、自分も3人に用があったのだ、と話す。

彼は吾代(ごだい)を一瞥すると、自分と望月は探偵たちに用があるから、その間に仕事を与えよう・・とユキに言う。
吾代を半殺しにして来いー
その言葉に、ユキは目を見開き、吾代はにやりと笑う。

早坂はまぶたをひくつかせながら、話す。
ひと思いに殺すのは簡単だが、不良品の分際で自分の期待を裏切った報いを与えたいのだー。
生かさず殺さず気絶もさせず、よりそいつを苦しい状態に陥れるには、ユキが一番適任だろうー?

どうだ、私という上司は人材の使い方を知っているだろう?
そう早坂が言うと、ユキはうなづく。
了解・・
そう呟くと、彼は真っすぐに吾代に向かっていく。

弥子はそれを見て動揺するが、吾代の方もやる気満々だ。
自分はお前たちの雑用係だろ?
そう腹をくくる彼に、ネウロはそっと耳打ちする。

奴隷にご褒美だ。奴の手品のヒントだけ教えてやるー

そうして何事かささやくと、彼らは早坂に連れられて倉庫の中へと入っていく。
その様子を見ていたユキは、優しい上司だねぇと笑う。
あんたはやっぱり寒い飼い犬の方が落ち着くのか・・。

すると吾代は、1つ気になっていた、と疑問を口にするー


一方中に入った弥子たちの前には、望月が現れた。
彼の周りには、大量の箱があった。
それを見たネウロは、やっぱり何かの取引があったようだ、と推察する。

望月もうなづき、ここで麻薬の取引が無事に終了したことを語った。
それを聞いた弥子は驚き、なぜ調査会社が麻薬の取引をしているのだ、と問いただす。
望月はそれに、全ては上方のもたらす産物なのだーと答えた。

情報さえ支配すれば、全てのっものは支配できる。
欲しがる情報で裏社会の組織を飼いならし、しまいには組織自体を乗っ取るー
そうすれば、こうやって麻薬取引を行うことも可能なのだ。
望月は笑顔でそう語る。

だが今回の取引は、色々と不都合があった。
だから2人を利用させてもらったのだ・・
その望月の顔が、てらてらと光った。

情報とは、あなた方が使ってもくすんだ黒い塊だ。
情報とは・・私のような人間に使われて初めて、輝く銀色の光を放つのだー!!

その恍惚とした表情に、弥子は思わず息を呑む・・。
その時、早坂が後の説明を請け負った。
彼は気になることがある・・と言い、周囲の箱に近づくー


一方、吾代はユキに質問をした。
あの早坂という男は、お前の兄か・・?
その問いに、ユキは目を見張る。

よく分かったな・・。
彼がそう呟くと、吾代は見ていたら分かった、と話す。
赤の他人の上司にしては、お前が妙に懐いていたからなー
その言葉に、ユキの眉間が動く。

早坂もそれを良いことに、弟を駒のように使っている・・と吾代は言った。
お前こそ、職場を選んだらどうなんだ?
それを聞いたユキは、身を乗り出すー

うるさい、お前に何が分かる・・。
彼は叫んだ。
兄貴は俺が生まれたときから、ずっと俺の上司だ。生きる場所は兄貴が与えてくれる。
あの人についていけば、俺は一生寒い思いをしなくて済むんだよ!!

その叫びを聞いた、吾代の頬が歪む。
ふーん、兄弟揃って厚い皮がめくれてきたじゃないかー。

そうして、2人は向かい合った。
ユキが吾代を挑発する。
来いよ、吾代。どっちの上司が正しいのかは、部下の強さが証明するんだ!!


同じ頃、早坂は気になることがある・・と望月に切り出していた。
彼は取引が無事に済んだのか、商品を確認したいと申し出る。

それを聞いた望月はにっこりとほほ笑みながら、箱の中の袋を1つつまむ。
この通り、上品な白が手に入ったー
そう話す彼に、早坂は自分が欲しいのは黒だーと返す。

そして、彼は1つの箱に手を伸ばした。
麻薬の袋を投げ捨てながら、彼は目当てのものを探す。
戸惑う望月に、早坂は薬の他にも商品の発注を受けていたのだと話す。
それは薬以上に入手が困難なものなので、破格の値段をつけてもらったのだー

そう言うと、彼は目当てのものを取り出した。
それを見た弥子は驚愕する。
ーあなたが教えてくれたことですよ、ボス。大事な人にほど、情報は秘密にしておけと・・。

その手には、大型の銃が抱えられていた。
早坂は仲間にもそれを取り、確認をするように言う。
そうして彼は驚き震える望月に、銃口を向けたー

聞いていないと叫ぶ望月に、早坂はあの笑みで告げる。
言ったでしょう、情報は一切秘密にしていたと・・。

彼は仲間たちを従え、どっしりと座った。
さて・・商品は確認した。
では、君たちも私が立案した今回の計画の全容を聞き給えー

早坂は、弥子たちにも銃口を向け、そう語るのだった。




















早坂の企み。

今回は再び相まみえた弥子たちと望月たちが、ついに早坂の真の目的を知る回でした。

やっぱり予想した通り、黒幕は早坂でしたね!
望月の見た目からは、有能な感じは受けないですもんね・・。
飼いならされていただけということが、今回よく分かりました。

結局望月も、そのコネクションを利用されただけだったのですよね。
その点は弥子たちと変わりませんね。

早坂にとっては、あくまでユキも手駒、望月も手駒、そして弥子たちも手駒だった・・ということでしょう。
頭のいい人ですね。
ネウロと関わったのが運の尽きですが、それさえなければ裏社会で大成していたことでしょう。

いや、でも取引が派手になれば警察にも目をつけられるだろうし、ここらが年貢の納め時だったのかもしれないなぁ。
笹塚だけでなく、上層部にいる笛吹も気にしていましたからね・・。

あくまで裏の人間は、秘密裏に動くのが筋というものなのでしょう。



それにしても、早坂の目的はどこにあるのでしょうね。
お金に執着しているようにも見えないし、そこはやっぱりユキとの生活のためなのかなぁ・・。

彼に良い生活をさせたいと思っているのなら、一気に涙を誘う物語になりますね。
でもユキの悲しい顔を見ると、力を手に入れて勘違いしちゃってるというパターンの方が濃厚でしょうか。。

望月が優秀じゃない分、力と地位を手に入れたことで過信してしまったというのは、十分にあり得る流れだと思います。
そのせいでユキを置いてけぼりにしているのだから本末転倒なのですが、今の彼にはそれも見えてなさそうですもんね・・。

次回その辺明らかになるでしょうが、兄弟の関係がこれ以上悪化しないことは願いたいですね。
ユキの表情を見てると、本当に切ない!!
幸せを求めて力を欲したはずなのに、それがたった2人の兄弟の絆を引き裂こうとしているなんて・・。

弥子と吾代が、その辺2人の目を覚まさせる役割を担いそうですね。
今回、ネウロの出番はどこにあるんだろう・・。
この後、謎が生まれることはあるのか?

まだまだ気になることばかりですね!





さて、そしてさっきから書いていますが、今回明らかになったのが、ユキと早坂の関係。

2人は兄弟ということで、早くに親に捨てられて苦しい生活を送ってきたようです。
互いに支え合い、生きてきたのでしょうね・・。
だからユキは、兄である早坂が変わってしまっても、見捨てられないのでしょう。


気になったのは、ユキの回想の中の早坂には、まだ笑みがないこと。
あの貼り付いた笑みは、一体いつから彼の顔にあるのでしょうね・・。

その辺、2人の関係に亀裂が入った原因なのではないかと思ってます。。
望月に学んだものなのか、生き抜くために得た術なのか・・

2人の過去、もっと踏み込んで知りたいものです。


ユキは既に大分仮面がはがれてきていますが、まだ早坂の表情は崩れていませんね。

誰がどのようにして、彼のその面をはがすのか・・
そろそろクライマックスが近いように思われます。

まずはユキからかな。
吾代とユキの決闘、どのような結果になるのか楽しみたいと思います!!











というわけで、次回はユキと吾代の決闘でしょうか。

早坂の話も気になりますが、流れ的にはまずはこっちからかなーと。


ネウロのヒントで、吾代は何か糸口を見つけたのか?
そして彼はユキの仮面をはぐことができるのか?

吾代、最大の見せ場ですね!!

次回も楽しみです☆