前回、原子力空母をついに手に入れたHAL。
ネウロたちの行動は一歩遅く、またしても謎を喰うことはできませんでした・・。

このままではネウロの命が危ういなか、HALは謎を喰うためにはパスワードを解かなければならないーと弥子たちに挑戦状を叩きつけます。

日本ーそして世界はこのまま、HALの思い通りになってしまうのでしょうか?!

感想です☆




1と0の狭間~第83話 「求【ようきゅう】」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

HAL(ハル)は首相の右妻(みぎつま)に対して、宣戦布告を行った。
ー今世間を騒がせている電子ドラッグ及び原子力空母の乗っ取り、それら全てを計画したのはこの私だ。
私は人にして、人に非ず。コンピューター上に組み立てられたプログラム人格ー

電人HALだー!!

彼は2つだけ、呑んでほしい要求がある、と右妻に語った。
1つ目の要求は、原子力空母に危害を加えないこと。
これは全世界に対しての要求で、私はこの国で安全に活動したいのだ・・
HALはそう説明する。

そこで右妻は、自分の一存ではそれは決められないことだ、と答えた。
もしも他の国がその要求を呑まなかったら、どうするつもりだー?
彼がそう口にした瞬間、官邸に爆撃が行われた。
爆風を背に受けながら、右妻はHALが本気であることを知る・・。

ーこのように空母に積んだ通常兵器で反撃してもよし、それでも尚私を追い詰めようというのなら・・分かるだろう?
HALは言った。
艦は東京湾に停泊している。ここから内部の者が最大の悪意をもってこの原子力空母を使用したとき、どうなるか・・。

この首都圏全域が、死の放射能に汚染されることになるだろうー
右妻もその可能性を思い、顔を青ざめさせる・・。

なんてことを・・。
そう頭を抱える右妻の元に、この映像はテレビでも流れているとの情報が入った。
HALはあらゆる電波をジャックし、皆に訴えた。

彼のもう1つの要求は、世界中で使われているスパコンの使用権限を自分に委ねてほしい・・というものだった。
彼はまだパワーアップをしたいと話し、そのためには他のパワーあるパソコンにつなぐことが不可欠なのだ、と説いた。

数台は原子力空母に運び、残りのスパコンは自分が接続しているときは使用を一切禁じる・・。
これを破った者は、すぐに割り当てて電子ドラッグの餌食になってもらうー
HALは次々と要求を述べると、放送を見ている全ての人間に語った。

約束しよう、人間。以上の要求を受け入れれば、私の方から現在以上の危害は加えないー


それを聞いていた笛吹(うすい)は、馬鹿なことを・・と歯ぎしりした。
2つの要求を呑むことが、どれだけ日本と世界を混乱に陥れるかー。
右妻もなんてことだ・・と力なく崩れ落ちる。

HALは答えはyesかnoの一択だと言い、一切の交渉は受け付けないと断じた。
良い行動を期待しているよ・・。
彼はそう言うと、ネットの世界に消えていくのだった・・。


その放送を、弥子(やこ)もパソコン越しに見ていた。
映像が終わると、彼女はネウロの介抱に戻る。

ネウロの体は傷だらけだった・・。
恐らく今までの傷が、一気に開いたのだろう・・。

彼は魔力が尽きたようだ・・と呟いた。
体力の低下をカバーできなくなっているらしい。
それを聞いた弥子は、衝撃に目を見張る。

今までのネウロとは明らかに違う。
彼は本当に・・限界を超えているのだ・・。

その時、画面上にHALが再び戻ってきた。
そこで弥子は、何かパスワードに関するヒントはないのか、と彼に問いただす。
するとそれを聞いたHALは、笑った・・。

ー敵にヒントを求めるとは、君はどこまでも人形だな。桂木弥子(かつらぎやこ)。
彼はそう言うと、どのみちスフィンクスのインストールは完了したし、そのスフィンクスは空母内にある。
もう2人はパスワード入力画面にすらたどり着けないだろう・・と語る。

それに、何より言ったところで分かりはしないだろう。
パスワードは、自分の目的そのものだ。
常人には到底理解することはできないだろうー

彼はそう言うと、ネウロに敗北を告げた。
もう私の謎を喰うことは諦めたまえ。
さらばだ、脳細胞の申し子よ・・、君は実に強敵だったーと。


ーそうして、HALは再び消えた。
残された2人に、沈黙が訪れる・・。
それを破ったのは、ネウロだった。

予想はしていた・・。
彼はそう呟くと、今までにもHALにたどり着くまでにはいくつもの暗号やパスワードを解いてきた、と語る。
だがそれはプログラムの中の平易なもので、今回とは訳が違う・・。

彼は言った。
パスワードが製作者の感情に沿って設定されていた場合、自分にはそれを抜けることは難しいのだーと。

自分には、人間の心理を読み取ることができない。チャンスが1回となれば、尚更だ。
ネウロは弥子を見つめ、今まで何の意味もなく連れまわしていると思ったか?と彼女に問う。
何の意味もなく敵の攻撃から守り、HALや電子ドラッグの中毒者と会わせたと思ったか?

彼はー告げた。
今まで味わわせた経験を手掛かりに、貴様が解くのだ、ヤコー!!

その言葉に、弥子は息を呑む。
私が・・!!

ネウロは自然治癒するには3日はかかる、と話した。
そして3日後、空母に潜入し、スフィンクスを破壊するとも。

その後は弥子がパスワード画面にパスワードを入力し、HALへ向かう最後の壁を通過する。
そこまでして初めて、彼らは謎にたどり着くことができるのだー。

この全てを一瞬でやらなければならない。なぜなら自分にはすべての兵隊を相手にする余力はないからだ。
つまりスフィンクスを破壊できても弥子がパスワードを解けなかった場合、自分たちはその場で死ぬことになるだろうー

ネウロはそこまで説明すると、じっと弥子を見据えた。
いいな、3日だ。それ以上の時間はない。
それまでに見つけるのだ、電人HALを解き明かす確かな鍵をー!!




















弥子の使命。


今回はHALが世界中に宣戦布告をするなか、弥子がパスワード解析をネウロに求められる話でした。


いやー、クライマックスに向かって盛り上がっていきますね!!
ここで、弥子の番がついに来たかー!!
いや、もう胸熱ですよ!!


どういう形で弥子が役割を果たすのかと考えていましたが、パスワードですか・・。
これはなかなかの難問ですね。

そしてこの流れで、春川の過去に迫る訳かー。
いや、展開がうますぎてしびれますね、ホント。


恐らく彼のよくいう1と0の狭間の世界が鍵となるのでしょうが、それだけではまだ情報不足ですね・・。
ここは弥子がどのような手法でパスワード解明に動くのかー
見守っていきたいと思います。

予想では、警察にまずは頼って情報収集かなー。
笹塚は入院中なので、ここは笛吹と組むのではないでしょうか。

後は早坂たちの情報網も侮れないですよね。
もし春川に何か隠された過去があるとしたら、彼らの手も必要なのではないかと思います。


そしてなんといっても一番必要となると思われるのが、篚口の力ですよね!
彼は一流のハッカーです。
今までこの手のパスワードだって解いてきたのではないでしょうか。

そうであれば、彼の知恵も弥子には大きな助けとなることでしょう・・。
まさに皆の力を借りて協力し合っての戦いとなりますね。
こういうの、少年漫画的で本当に好きです!!

春川の過去に何があったのかはまだ分かりません・・。
でも彼がAIを作り、そのAIが暴走するきっかけを作ってしまった根底にあるものですー。
きっとそこにこそ、答えがあるのでしょう。


そしてこれは確かに、ネウロには解けないものでしょうね。
彼は人間心理に関してはかなり大ざっぱなタチですから、そういう過去をさかのぼって考えたりするのは得意ではないでしょう。
今までの彼の態度から見てても、それは容易に推測できます。

だからこそ、彼自身もそれを理解していて、弥子に今回の件を託したのでしょう。
でもそれって、弥子を信頼しているから出来ることですよね。

普段あんだけいじめていても、やっぱり芯では信頼しているなんて良いですよね。
弥子はその期待に添えることができるのかー
非常に楽しみです!!






さて、後はネウロの魔力回復について。


どうやら新たな対策は講じず、休息を取って回復するつもりのようですね。
やっぱり謎を喰う以外に、有効な手立てはないのか・・。

となると、今後もこういう展開はちょくちょく起きてくる予感がしますね。
ネウロの魔力が枯渇したときは、弥子及び人間たちが代わりに動くー
そうやって成長していく物語となっていくのかもしれません。


まぁ確かにそれもアリですよね。
いつまでも魔人である彼の能力に頼るだけの物語では、いずれ飽きてしまうでしょうから。
それよりも周囲が彼に呼応して成長していく方が、物語としては深みがありますもんね。

それにしても、主人公がどんどん弱くなっていく物語というのはあまり無くて、面白い試みだなーと思います。
その分周囲が成長していくというのも、ステキですし。

今回の事件がきっかけとなって、弥子はまた一歩ネウロの相棒にふさわしくなっていくのでしょうね。
なんだかピンチなのにワクワクする展開で、今後が楽しみだなーと思える回でした!













さて、次回は弥子がパスワード解明のために奔走する回でしょうか。

まずは警察に頼って、突破口を見つけていく・・といった感じでしょうか。
春川の情報が残っているといいのですが・・。

HALと世界の攻防も気になりますし、時間がないのが焦りを生じさせますね。
3日間‥その間に弥子はパスワードを導き出せるのでしょうか。

次回も楽しみです☆