前回、石垣の協力もあり、犯人を見事あぶりだした弥子たち。
自分勝手な犯行動機を語る犯人に、ネウロと笹塚の容赦ない仕置きが襲いますー。

事件の終わるとき、笹塚の相方は石垣と等々力、どちらとなるのかー?!

感想です☆




闇の隣のインターミッション~第132話 「愚【ばか】」




※以下、ネタバレあり※











◎あらすじ◎

庵治川(あじがわ)の謎を喰らったネウロ。
彼はすぐにここを去ろう、と弥子(やこ)に囁く。
・・やっぱり焦ってる。
弥子はうなづきながらも、少し心配に感じる。

そこで弥子たちは挨拶をして、店を出ることにした。
残された警察は、気絶した庵治川を運び出そうとする。
その光景を見ながら、石垣(いしがき)は自分のマニア技術のおかげで犯罪が暴かれたーと嬉しそうに語る。

その言葉に、等々力(とどろき)は納得できない・・と笹塚(ささづか)に言った。
靴のパーツを発見したのは弥子であって、石垣はたまたま趣味が高じて復元に一役買ったに過ぎない。
その作業は、鑑識でも出来たはずだ・・。

小手先の器用さが刑事としての優秀さと関係があるとは、自分には思えない・・。
彼女は少し悔しそうに、そう話すのだった。

その時ー石垣に、蛯原(えびはら)が声をかけた。
彼は、庵治川にも実は小説家になりたいという夢があったらしい・・と打ち明ける。
でも力が及ばず、家の店を継いだらしい・・。

それを聞いた大村(おおむら)も、うなづいた。
だから彼は、同じような立場の自分たちにも優しくしてくれたのだ、と。

正直、叶わない夢を見続けていることも分かってる。でもそうやっていつも心の中で頭を下げている時にも、店長は同じ目線で接してくれたんだ・・。
名堀(なぼり)も2人の意見に同意するー。

そしてー3人は石垣に頼んだ。
できれば庵治川の話をちゃんと聞いてやってほしい、と。
彼はもしかしたら被害者に、夢とか自分たちのことで何か言われていたのかもしれないから・・。

ーそれを聞いていた石垣は、笹塚に声をかける。
この犯人の調書、自分が取ってもいいですか?
彼は明るくそう言うと、自分も夢を追っていた身だから話が通じることもあるかもしれないーと笑う。

それを聞いた笹塚は、真面目に書けよ、とだけ言った。
彼が石垣を認めたことに、等々力ははっと目を見張る・・。

そんな彼女に、笹塚は語った。
世の中には、色んな人間がいるものだ、と。

真面目な奴も強い奴もいれば、不真面目な奴や弱い奴もいる。
だから警察にも色んな奴がいた方が、色んな奴の味方になれるんじゃないかー。

2人は能力も性格も正反対だけど、互いに学べるところはあるんじゃないのか・・?
笹塚にそう言われた等々力は、ぐっと唇を噛みしめる。

2人で被疑者を連行しておいてくれー。
そう言うと、笹塚は現場の後片付けへと向かっていった。
残された等々力は彼の言葉を反芻するとー石垣に声をかけた。

行きますよ!
そう声をかけられた石垣は彼女にも、自分の手柄を見ていたか?と笑う。
お前にあんな細かい仕事はできないだろうー
そう挑発する彼に、等々力はキリっと視線を向けて言った。

ー負けませんよ。

そう言うと、彼女はすたすたと進んでいってしまう。
・・対抗心燃やされるのも、気持ち悪いもんだな・・。
戸惑う石垣に、彼女はまたいつも通りに小馬鹿にしたような態度を見せる。
そうして2人の関係は、すぐに元に戻るのだったー。


その後ー
等々力は警視庁に戻る道すがら、笹塚にもう1つ聞きたかったことについて頭を巡らせた。
事件の騒ぎで聞きそびれたが、彼女にはずっと気になっていることがあった。
それは彼女が笹塚の班に入ったのが交替ではなく、増員だったということだー。

笛吹(うすい)によって、この秋捜査一課には10人も人員が補強された。
彼が全国から人材を引き抜いているのには、ある者への警戒があるからだ・・というのが、このところ警視庁内では噂になっていた。

ある者とは、警視庁の上空に戦闘機を飛ばし、確保寸前だった怪盗X(サイ)を連れ去った男。
その男は、それほどまでに危険な存在なのですかー?
等々力は、心の中で笹塚に問う。

それに、笹塚の家族を殺した犯人と目されているXが、彼の目の前で連れ去られた・・。
あなたはこの混乱の中で、何を思っているのですかー?
ー等々力は言いようのない不安を感じながら、署へと戻るのだった・・。

一方ー
帰路についた弥子たちは、再び謎の気配を感じ取っていた。

ネウロは近くに2つの謎の気配が感じられると言うが、どうやら発生するのは数日後らしい・・。
仕方なく2人は、今日は事務所へと戻ることにする。

するとネウロが、大きなあくびをした。
彼は出来たての謎を逃さないためにも、早めに寝ておくか・・と瞬きをする。

それを見ていた弥子はーまた、ネウロへの不安を感じた。
HAL(ハル)の謎を喰って以来膨大な魔力を取り戻していたネウロだが、彼の短くなっていた睡眠時間がまた少し延び始めた気がするー
弥子は日が陰るのが早くなったのを感じながら、彼の体の衰弱にも思いを馳せるのだったー。


その頃ー
シックスのアジトでは、彼の血族たちが集結していた。

葛西(かさい)、そして男女がそれぞれ1人ずつー
彼らにシックスは、説く。

人間とは、我々の進化の隣人だ。
ーではその隣人全てを滅ぼすには、どうしたらいい?

核でも使えば簡単だが、それでは全てが灰になってしまう。
私は隣人の作ったこの文明を遺跡として残したいんだー
彼はそう語り、皆に笑みを見せる。

いかにしてこの文明を作り、そしていかにして自分の作った文明に抱かれて絶望のまま死んでいったかー
それを死臭にまみれた遺跡の上で、想像を巡らす・・。
最高の考古学だと思わないかね?
その言葉に、皆うなづいた。

するとーシックスは男に声をかけた。
DR(ディーアール)、お前の力を見せてくれー

男は立ち上がり、アジトを出る準備を始める。
その背中に、シックスは命じた。
標的は・・奴のいる、あの国だー。




















動き出す新しい血族。

今回は定食屋事件の終わりと同時に、新しい血族が動き出す回でした。

15巻はひたすらまったりした感じかと思っていたら、ラストの方でやっぱり来ましたね・・。
冒頭から嫌な予感しかしませんでしたよ。

ネウロが焦るなか、もう動き出してしまった新しい血族・・。
果たしてネウロは、第一の敵とどんな戦いを見せてくれるのでしょうか。
心配だけど、楽しみですね!!




さて、その前に・・まずは今回の事件から。

庵治川はやっぱり客に好かれていたのですね。
皆が彼をかばう姿に、ちょっとほろっと来てしまいました。
そうだよね、適齢期を過ぎても夢を追うのって、よく思わない人もたくさんいるものです。
そんな厳しい状況の中で、優しく見守ってくれた店長は、彼らにとっては確かに大切な人物だったのでしょう。

殺人という行き過ぎた行為には出たけれど、今までの犯人と違って庵治川は根は良い人でしょうから、更生することは可能かもしれません。
ちゃんと罪を償って、これからも夢を追う人たちを応援していってあげてほしいですね。

彼に救われる人も、またきっと現れるでしょうから・・。
少し救われる終わりで、良かったです。


そして、こういうときは石垣が輝きますね。
笹塚や等々力に、ああいうことを頼むのはちょっと違うもんなぁ。
2人はたいして受け止めてくれなそうだし。

それに比べて石垣は、馬鹿ではあるけど馬鹿正直に話は聞いてくれそうな感じがあります。
何よりちょっと無茶なことも言いやすい雰囲気がありますもんね。
そこがちゃんと発揮されてて、良い終わりだったと思います。

等々力もまだ受け入れるのは難しそうだけど、関わっていくことで徐々に彼の良さに気付いていけばいいのではないでしょうか。
まだまだ付き合いは長そうだし、笹塚と笛吹のように異なるタイプでも理解し合えればきっと強みとなるはずです。

等々力と笹塚のペアも、等々力と石垣のペアも同じように見守りたいなと思いました。



さて、その等々力から出て来た情報ですが・・
今回の人事は、シックスへの対策だったのですね。

警察の精鋭を笛吹が直々に集めたようなので、これは期待できそうです。
シックスにはさすがに敵わないかもしれないけど、他の血族を追い込むくらいはしてくれそうな予感がします!

いつも惜しいところで苦戦してしまう警察ですが、そろそろ笛吹にも花を持たせてやりたいところ。
彼らの活躍、期待していきたいです!!


ただ等々力が憂慮するように、笹塚に対しては確かに心配な面がありますね。
彼はXと対峙したときも、自分の身を捨ててでも挑もうとしました。
あの時も大けがだったのに、また無理したら次はどうなるか・・。

当然そこは、笛吹たちも気にしてはいるでしょう。
でも笹塚は個人プレーが多いので、どこまで抑えられるか・・。

シックスに連れ去られたことで、Xの身の安全は保障されなくなりました。
彼がシックスに壊される前に、接触を試みたいと笹塚が考えたら・・?
そう予想すると、うすら寒いものがありますね。。

どうか笹塚が無茶をしませんように。
ネウロの件と彼の件、どちらも心配になってくるような何だか不吉な雰囲気が漂った今話でした。。





続いてはネウロ。
今回も謎は喰えましたが、やっぱり彼の力を増幅するまでには至らなかったよう・・。

ネウロは謎の匂いを感知することができます。
当然、シックスたちが動き出す気配も察知できるのでしょう。

だから焦っているのだと思うと、こっちもハラハラしてしまいますね。
HALのときのように苦戦させられたら、今回はかなりマズい予感がします。

そもそもHALには謎がありましたが、新しい血族には謎があるのかも不明です。
彼らの目的はあくまでネウロを倒すことと人類を滅ぼすことー
そこに謎など、存在しないのではないでしょうか。


そうなると、ネウロはただ戦闘で消耗していくばかりで、エネルギーを補給できなくなってしまいます。
更に新しい血族によって人類の母数を減らされたら、ますます謎を生む存在も減ってしまいます。

なんだかどう予想しても、良い方向には進まなそうで不安です・・。
ネウロはこの課題に対して、どう取り組むつもりなのでしょうね。

弥子もいずれ、新しい血族の本当の怖さを知ることになるでしょう。
ネウロが弱体化していくばかりだったら、彼女の周囲すら標的となりかねないのですから・・。


まずはDRという男との戦い。
彼がどんな能力を持つのかは分かりませんが、見た目からしてかなり強敵そう。。

ネウロの能力がどこまで通用するのか、私たちも知るべきときですね。
今後世界がどこまでシックスの脅威に脅かされるのかー
ついに火蓋は切られてしまったのですから。。






最後に、新しい血族について。

どうやら血族は、シックス含めて4人のようですね。

シックスの次に立つのが、葛西なのかな?
っていうか皆人種は違うんですね・・。
葛西なんてまるきり日本人だけど、どこかで外国の血が流れているのでしょうか。


で、さっきも書きましたが、最初の敵はDRという男です。
彼、ネウロをシックスのアジトまで運んだ男ですよね。
見た目が特徴的だと思ってはいたけど、やっぱり新しい血族だったか・・。

葛西が火を操ることを思えば、他の2人もそういう能力を持っているとみるべきでしょうか。
女性が水、DRが風とか・・?

DRという名前も気になりますよね。
何かの略なのかなーと感じますが、一体何を意味するのだろう・・。

戦いに出る順番から考えて一番末端だとは思いますが、それでもかなりの強敵であることには違いないでしょう。
彼がどんな方法でネウロたちを苦しめに来るのか・・
怖いけど、早く見たい気もします。

まずはお手並み拝見ですね。
そんな悠長なことを言っていられる状況なのかは分かりませんが、ネウロが勝利すると信じて見守りたいと思います。

でもまたアンドリューのときのようなエグい展開は嫌だなー。
マイルドで頼みます!><










という訳で、次回は新しい血族のDRがネウロに挑む話ですね。

初戦の敵ということで、どの程度の能力の持ち主なのかが非常に気になるところです。
ネウロは満たされていないとはいえまだ力はあるので、どこまで2人に差があるのか・・。

シックスの仲間ということなので、油断はなりませんね。
人々が危機に見舞われないといいのですが。。


次回も楽しみです☆