前回、テラによって語られたシックスとの過去。
それを知ったネウロは再び攻撃に転じ、テラからシックスの情報を搾り取ることを宣言します。

顔に傷をつけられ、怒りに震えるテラ。
2人の戦いは、どんな決着を迎えるのでしょうかー?!
いよいよクライマックスです!!

感想です☆




共闘~第150話 「掘【ほる】」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

テラはネウロを睨みつけた。
ボクの顔は、偉大なるシックスの世界を見るためのもの。
あの方のための顔を、お前は醜く傷つけた・・。

彼は叫んだ。
死んでシックスにお詫びしろ、ネウロー!!

その叫びと同時に、テラの体からは無数のミサイルが発射された。
だがネウロはミサイルを真正面から受け止め、厳かに佇む。

大したものだ、新しい血族よ。
もう能力1つ出す魔力も残っていない。
我が輩の力をここまで絞りつくした者は、魔界にもいなかったぞー。

そう口では言うものの、ネウロは平然とミサイルを受け止めている。
テラはその姿を憎々し気に見つめながら、なぜそんな余力があるのだ?と首を傾げる。
まだ何か手が残っていたのかー?

そう問うと、ネウロは髪飾りを指で示した。
彼の髪飾りは、魔力の充電池だった。魔界から持ち込んだ魔力が詰まっていて、束ねればわずかずつ魔力を回復するし、最後の手段として噛み砕けば中に詰まった魔力が放出され、1度限り体に魔力を補充できるのだ・・。

それを聞いたテラは驚くと同時に、笑いをこぼす。
・・つまり今の場合、ネウロは髪飾り2つを魔力と引き換えに失ったわけだ。
これから先その2つは戻らないし、以後の回復力も落ちる・・。
つまり、ネウロにはもうこれ以上手はないのだー!!

彼はそう確信すると、今度は体から刃物を産み出す。
じゃあやっぱり、今殺せるなー。

そうして、テラはネウロに再び攻撃を仕掛けた。
彼は体に埋め込まれた刃物でビルを切り裂いていくー。

埋める次は、掘る作業だ。
自分には固い場所も、柔らかい場所も分かる。
そして、お前が立つ場所もー!!

テラは高速で移動しながら、ネウロの足元を崩していく。
ネウロはビルから飛び降りその攻撃から逃れるが、テラは尚も彼を追い、土や岩盤をも砕いていく。

大して回復していない手応えだー!!
テラはネウロの動きを見ながら、そう考えた。
掘りやすい土も掘りにくい岩盤も、自分には全て把握できる。そして・・

お前は泥のように柔らかいぞ、ネウロー!!
そう叫びながら、テラはネウロの脇腹を抉ろうと狙った。
ネウロは間一髪それをよけるが、テラはすぐにその周囲を崩して包囲した。

地面の中を縦横無尽に移動しながら、テラは自分の優勢を誇る。
ネウロには、自分の姿すら捕らえられない。一晩かけて、顔の皮をズタズタに掘ってやる!!

ーその時、ネウロは鼻を鳴らした。
彼はビルを見据えると、一人呟く。
我が輩にもう手がないだと?
ーあるではないか、モグラ叩きに最適な手がー。

その瞬間、地面から飛び出してきたテラは、目の前に魔界樹があることに気付いた。
いつのまにか誘導されていた彼の目には、自身が切り刻んだビルを支えながらふらつく魔界樹の姿が映る。
そのビルの塊は、今まさにテラの上に放たれようとしていた・・。

ぐあああああ!!!
テラはコンクリートの塊の雨に、身を庇うことができなかった。
次から次に降り注ぐ塊は、彼を圧し潰し、動けなくしていくー。
そうしてーテラは、自身が利用しようとしたビルに埋められたのだった・・。


その後、辺りには静寂が訪れる・・。
ネウロはがれきの中からテラを探り出し、その髪を引っ張って引きずり出す。

・・確かに我が輩にもう力は残っていないが、手はいくらでも残っているぞ。
彼は魔力で埋められた人間たちの顔の拘束を解くと、テラの顔を皆の前に突き出す。
新しい血族には人質としてしか使えないこの人間共も、我が輩には素晴らしい手駒となる・・。

それから、彼は人間たちに向かって叫んだ。
見ろ、人間共よ。こいつは貴様らをそこに埋めた張本人だ!!
貴様らを滅ぼさんとする集団の1人だ!!
ーネウロのその言葉に、人々はまばたきもせずテラの顔に見入る・・。

彼は、更に続けた。
我が輩は暫く休む必要がある。貴様ら人間が、自分の身を守るのだー。
ーそれは、ネウロが人間と協力しようとする決意の宣言だった。

そしてーその宣言を、笹塚(ささづか)は物陰で黙って見ていたのだった・・。




















ネウロの秘策。

今回はテラと戦い魔力を使い果たしたネウロが、人間たちに協力を求める話でした。


まさかネウロがこんな手法を取るとは・・。
驚きでしたね。
ちょっと感動すらしてしまいました。

彼があんなに率直な言葉で人間に助けを求めるとは・・。
裏を返せばそれだけひっ迫した状況だったということですが、ネウロの性格を考えるとそれでも今回の言葉は衝撃でした。
彼・・本当に人間と関わって、変わったんだなぁ。


これまで、この先新しい血族と戦うには絶対に人間との協力が必要だと書いてきました。
それが今回実現した訳です。
でも予想とは違い、彼は人間全体に協力を求めました。

それって、これまでネウロが様々な人間と関わってきたことで、人間全体を信用に足る存在ーと位置付けたってことですよね。
自身の正体を明かしてでも、人間と協力し、新しい血族を倒すことに決めたー。
今回の話で、新たな扉が開いたとさえ言えると感じました。

そして陰でそれを見ていた笹塚。
彼もまた、次回からネウロに協力してくれるのでしょうね。

求めれば、助けてくれる人たちがいるー
これが今巻で一番伝えたかったメッセージだったのだと思います。
バレンタインから始まり、ここに到達する。
素晴らしい流れでしたね。

弥子もこのことを知ったら、驚くと同時に嬉しいんじゃないかなぁ。
ネウロが人間を認め、一緒に生きようと歩み寄った・・。
こんなの、初めて出会った頃には考えもしませんでしたもんね!!

まだ新しい血族はシックス含め、4人います。
その全員を倒すには、今後も人間の協力が不可欠です。

今回、ネウロが人間に歩み寄ったことは、大きな進歩です。
この機会を逃さず、どんどん皆で協力して新しい血族を倒してほしいものです。
本当に、良い話でした!




それにしても、ようやく本気をテラが出してきたと思ったけど、怒ったテラは意外にも弱かったですね。
いや、ネウロが本気を出したから仕方ないのだろうけど、やっぱり彼も噛ませ犬だったかぁ・・というのが率直な感想w

まぁ元々強そうにも見えないタイプだったし、妥当といった感じかな。
残忍ではあったけど、やっぱりDRと強さはそう変わらなかったですね。

次回が戦いのラストかな。
人間に顔を覚えられてしまったテラ。
こんなことがバレたら、もうシックスの元には戻れませんね。
どんな制裁を受けるか分かったもんじゃない・・。
なので彼は、次回で終わりだと思われます。

最後に願うのは、証拠を全て隠滅されないことですね。
笹塚もテラの顔を見ているし、さすがに大丈夫かな。

彼から、シックスたちにつながる有益な情報が手に入るといいですね。
そろそろ人間側が新しい血族を脅かすような展開も見たいものです。

ネウロもやられてばかりじゃない!!
残りの敵たちに、少しでも警戒を抱かせて、世界が彼らの思うままじゃないことを思い知らせてやりたいです。

かなり魔力を消耗させられはしたけれど、勝利はもはやネウロの頭上です!
ラストは笹塚との共闘なるかー?!

楽しみに待ちたいと思います!!








さて、次回はテラ戦ラストですね!

現場に行きついた笹塚。
彼は今のネウロを見て、何を思ったのか・・。

そして2人は力を合わせ、テラを倒すこととなるのかー?!
どんな終わりが待っているのか、目が離せませんね!!


次回も楽しみです☆