前回、テラの攻撃を封じ、彼の顔を人類に捧げたネウロ。
彼の目論見通り、テラによってシックスの情報が割れるときは来るのでしょうかー。

そしてその騒ぎを陰で見守る笹塚。
ついにネウロの正体がバレるときが来たのでしょうかー!!

感想です☆




共闘~第151話 「協【きょうりょく】」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎


少し離れたビルの屋上ー
葛西(かさい)はネウロとテラの戦いを眺めていたが、予想外の展開に驚きを禁じ得なかった。

まさかネウロが人間に助けを求めるなんて・・。
彼は敵味方は違えど、ネウロもまた正体を隠す者だと考えていた。
だから相手の正体を明かすことは、自分も危険にさらすことになるー。
なのに今のネウロは、その危険を自ら冒したのだー!!


ネウロによって顔をさらされたテラは、唇を噛んだ。
彼は急いで背中からマシンガンを取り出すと、ネウロに向かって撃ち放つ。

このクソ魔人め!!
テラは叫びながら、攻撃をかわすネウロを追いかけた。

この顔は、シックスの征服した世界を見るためのものだ。そのためにのみ、この顔は存在する。
その顔を、よりにもよって新しい血族の素性暴きに使うとは!!

彼は怒りと恥辱に狂い、強化細胞をフルに使ってその身体を強大化していく。
そして、その姿でネウロに向かったー

もう許さん。人間共と一緒に、皆殺しだ。
シックスのためー全力で叩き潰す!!

ーその姿は、まるでX(サイ)のようだった。
ネウロがそう指摘すると、テラはうなづく。
自分の体は埋め込んだXの細胞のおかげで、顔以外は全てXと同じ能力なのだ、と。

そう言うと、彼はついにネウロを捕えた。
だがネウロはまったく動じず、なるほど・・と首を動かす。
ならば、弱点もXと同じわけか・・。

ー弱点?
テラはその単語に引っかかるが、意味は理解できなかった。
そんな彼に構わず、ネウロは独り言を繰り出す。

あの時は我が輩は正体を隠していたから加勢できなかったが、今回は違うぞ。
誰かが10秒ほどテラの動きを止められれば、後は我が輩が止めを刺せる・・。

それを聞いたテラは、笑い声をあげた。
この期に及んで、来もしない助けを期待するか?!
お前は1人で死ぬんだよ、ネウロー!!
彼はそう叫ぶと、拳を大きく振り上げるー

その瞬間、テラは背後から関節を撃ち抜かれた。
寸分狂いのない銃の扱いー
笹塚(ささづか)は冷静に、1つ1つの関節を砕いていった。

その衝撃にテラは驚き、脆くも崩れ落ちる。
彼が膝をついたのを確認すると、笹塚は息をついた。
・・確かにXと同じだ。関節を砕けば、いくらか動きを止められるなー。

彼の登場に、ネウロは笑みを浮かべた。
テラは動こうとするが、その度に笹塚が弾を撃ち込んでその動きを封じる。
そうしてから、彼はネウロに尋ねた。
・・で、この後どうするんだ?もう弾を撃ち尽くしたら、それで終わりだぞー。

それを聞いたネウロは、瓦礫の中からあるものを探し始めた。
その姿を見たテラは、まだ自分にも勝機はあるーと笑う。
ネウロにはもはや反撃できる魔力は残っていない。だから傷さえ回復すれば、自分はまだ戦える・・

そう言ったその時、ネウロは目的のものを見つけて、テラの前に立ちはだかった。
心配はいりませんよ、笹塚刑事ー。
彼の手には、引きちぎられた電線が握られていた。
その火花を放つ様を見て、テラははっと息を呑む。

どうやら貴様より、我が輩の方が地面の下に詳しかったようだ。
Xと同じ体なら、電流で細胞を焼き切れるー!!

ネウロはそう言うと、思いっきりテラの体にその電線を打ち付けた。
これで終わりだー
その言葉と同時に、テラの体に電流が走り、彼は感電するー。

そうしてーテラの体は、焼き尽くされた。
まさかボクがこんな手で、こんな奴らに・・。
そう呟きながら地面に倒れるテラ。
そんな彼を見下ろしながら、ネウロは訊いた。

どうだ?気分は。
彼は電流の衝撃に体を震わせるテラを見て、恍惚の笑みを見せる。

顔以外の全てを犠牲に作った体・・
シックスのために全てを捨てて作ったその体を破られ、残った大事な顔は素性暴きに使われる・・。
理解したか?全てを征服される気分をー。

・・その笑みを見て、笹塚はこっちがネウロの本性か、と悟る。
その時だった。
2人はテラに目をやる。
彼がー突然大声をあげて笑い出したのだ。

端正な顔には不似合いな大笑いー
その開いた口の中で小さなスイッチが噛み切られたのが見えて、ネウロと笹塚ははっと目を見張った。

それはーテラの体に埋め込まれた爆弾の、起爆スイッチだった。
テラは敗北を知り、シックスのために死ぬことを決めたのだー。

シックスに幸あれ・・。
そう言ったと同時に、テラの体は爆発に飲み込まれた。
ネウロたちの制止が間に合わなかったことを確認したテラは、その爆風の中で笑う。
ハッピーエンドだ。顔を醜く残すくらいなら、喜んでボクは死を選ぶ・・

このまま自分の顔が消し飛べば、血族の証拠は何も残らない。
彼はシックスを思い、ネウロの鼻を明かしてやったとほくそ笑む。

ボクはやり遂げました、シックス。
後は仲間たちが、醜いネウロと汚い人間たちを必ずや絶滅させるでしょう。
ボクはこのまま、美しく散る・・。

そうして、テラは死を待って瞳を閉じた。
・・だが、いくら待っても爆風は顔を焼きにはこなかった。
おかしいな・・。
そう感じたテラは、うっすらと目を開けてみるー。

その瞬間、彼の目に映ったのは自分の首を抱えるネウロと、その手に握られた手鏡だった。
手鏡には、魔力で特殊コーティングされた自分の顔が映っている・・。
テラは驚愕に醜く歪んだ自分の顔を見て、今度こそ言葉を失った。

喜べ。大事な顔はコーティングして、何とか爆風から保護できたぞ。
ネウロはにっこりと笑いながら、ただ急ぎだから顔だけしか間に合わなかったーと付け加える。

最期は大好きな自分の顔を見ながら、逝くがいい。断末魔の見るに堪えない醜い顔だがなー。
その言葉に、テラは絶望した。
ひどい・・
彼は失意のなか、意識を失ってゆく・・。

その一部始終を見ていた笹塚は、呆れてネウロを見やった。
・・ドSだな。
一方そう言われたネウロは首と鏡を放っぽりだし、とぼけてみせる。
滅相もないーと。




















ネウロと笹塚の共闘。

今回はテラ戦のラストでした!

ラストのネウロの手口は安定のドSでしたが、くすっと笑えるし爽快感はあるし、よくやってくれた!!という感じでした。
溜飲下がったよ・・。
これで被害者たちの気持ちも、幾分かは癒えたでしょう。

ある意味顔をズタズタにするとかよりも、テラにとってはキツいお仕置きですよね。
あれを今後シックスの素性暴きに使われちゃうんだもんなぁ。。
死んでも死にきれないとは、このことだ(^^;)

さすがに葛西もあれを回収には来ないだろうし、テラはやっちゃった感満載ですね。
ネウロの魔力を根こそぎ奪ったことは評価されても、全体見たらマイナス評価だなー。
シックスがどんな反応するか、見るの怖いです。。

この先、テラのおかげでシックスの素性が徐々に暴かれていくのかな。
あれだけの研究機関を抱えているのだから、きっと世界的に有名な人物だと思うんですよね。
それこそテラも、ジェニュインも。

そうなったら大分人間も彼らを追いやすくなるし、ますますネウロと人間の協力体制が功を奏することとなるでしょう。
これは、この展開になることを期待したいですね!
いつまでも人間もやられてるばかりじゃないというところを、そろそろ示したいものです!!

新しい血族に焦りを感じさせられたら、こっちの勝ちだな。
その時がやってくるのを、楽しみに待ちたいと思います。





さて、そして今回の最大の見どころは、ネウロと笹塚の共闘ですね!!
ついにこの展開が来たー!!と、読んでいて興奮しちゃいましたよ!!

笹塚は最初から弥子のことをよく気にかけてくれていたし、きっと今後も頼りになる仲間として動いてくれそうですよね!
拳銃の腕前も刑事としての能力も高いし、これはかなり頼もしい仲間となるでしょう。
弥子も喜ぶだろうなーと思うと、なんか幸せ。

そしてあれだけネウロの本性を見ても顔色1つ変えないところが、さすが笹塚、といったところです。
すぐにドSの本性も見抜いちゃうし、それでいて動じないし、笹塚も良いキャラだなー。


で、彼はネウロが魔人だと・・気付いたんですよね?
これちょっと分かりにくかったのですが、さすがにあれだけやってたら気付きますよね?
ラストとか、魔界能力で顔をコーティングしている訳ですしね。

それでも笹塚は動じなそうなので、まぁいっかって感じではありますがw
この調子だと、今後は吾代とかにも魔人であることをバラしていくんだろうなーと思いました。
皆それでもちゃんと協力してくれそうだから、問題はなさそうですよね。
ネウロが真実の姿を皆に受け入れてもらえるのは、読んでいる方も嬉しいことですし。

人間とか魔人とか関係なしに、共通の敵を倒す者として今後は協力していってほしいですね。
1人では無理でも、皆で力を合わせれば敵を倒せる可能性は十分にあると思います。

この調子で残り3人とシックスー後、Xもか。
戦って、倒して行ってほしいですね。

なんだか調子の狂うテラ戦でしたが、後半の盛り上がりはかなりのものでした。
今後の戦いも、この調子で進むことを期待して終わりにします(^^)










というわけで、次回は新たな敵の登場回でしょうか。

まだ見ぬ5本指の3人目ー。
能力的には、動物とか植物使い系かな?と思っていますが、果たしてどうなるか。。

そして笹塚との共闘関係が今後どうなるかにも注目ですね!
これを機に、警察との盤石な協力体制が築かれるといいのですが・・。
ネウロの魔力のこともあるしね。

1つ戦いが終わっても、まだまだ戦いは続きます。
次なる敵とは、どんな戦いを見せてくれるのかー


次回も楽しみです☆