前回、ⅪにXの全てを思い出させることに成功した弥子。
Ⅺは弥子の記憶の中で、アイのことを思い出しますー!!

しかしシックスの攻撃で瀕死のネウロの前に現れたのは、弥子を殺したⅪ-!!
弥子とネウロの思いは、彼女には伝わらなかったのでしょうかー?!

そしてこのまま、ネウロはやられてしまうのでしょうかー!!

感想です☆





それぞれの決戦~第195話 「種【しゅ】」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

終局の足音が、着実に近づいてきたー
ネウロは朦朧とする頭で、Ⅺ(イレブン)と弥子(やこ)を見つめる。

Ⅺの腕には、串刺しになった弥子の姿・・。
随分遅かったなー
そう注意されたⅪは、ちょっと遊びに付き合っちゃった・・と笑って返す。

するとシックスはネウロに向き直り、邪悪な笑みを見せた。
私が1人の時に大逆転を狙ったようだが、最後に残った策と希望も潰えたなー!
その心底愉快そうな表情に、ネウロは息を呑む・・。

さて・・そろそろ呼んでいた迎えも来る頃だ。
シックスは時計を確認すると、Ⅺと共にネウロに近づいた。
大団円の時間だ。我々新しい血族の頂点の2人が、お前に止めを刺す。

それを聞いたⅪは、先にこれを解体するんじゃないの?と弥子を指して訊く。
シックスが許可すると、彼女は無造作に弥子を投げ出した。
笑っちゃうよ、こんなに簡単に殺れるなんてさ。

彼女は笑みを浮かべながら、シックスに見て、と声をかける。
この間抜け面ー
彼女はそう言って、弥子をひっくり返す・・。

その顔は、殴られ気絶している顔だった。
・・間抜け面ー?!
違和感を感じたシックスは、はっと振り返った。

ーこんな簡単なトリックに引っかかって、接近を許す。
間抜けなのはあんただよ、パパ・・。
Ⅺはそう言うと、細胞を変異させた。

そしてー彼はX(サイ)の姿になって、シックスに飛びかかる。
怪盗Xが、あんたの心臓いただくよー!!

その笑みに、シックスは一瞬隙を作る。
瞬間、Xはシックスの体に腕を突っ込み、彼の心臓を奪った。

その光景を、ネウロは見つめる。
痛みに悶絶するシックスの声で、弥子も意識を取り戻した。
Xはうずくまるシックスを見やり、心臓を捨てる。

観察するのは得意なんだ。だからこの部分を失えば、あんたの金属細胞も制御を失うことが分かった・・。
彼はー胸に手を当て、叫ぶ。

俺は人間だ。相棒と2人で、1人の犯罪者ー怪盗Xだ。
新しい血族なんて、あんた1人でやってろよ!!

その胸には、アイがいた・・。
だがー次の瞬間、彼の胸は突然爆発したー。

・・躾けの一貫で、仕込んでおいてよかったよ。
口から血をこぼすXに、シックスはそう語る。
その手には、起爆スイッチが握られていた。

失敗作は、結局最後まで失敗作かー。
彼はそう言うと、Xの体を剣で切り裂いた。
Xは成す術もなく、地面に崩れ落ちる・・。

一方、シックスもまた細胞の変化が追い付かず、苦しんでいた。
彼はくだらん邪魔が入った・・と呟くと、一旦退く旨をネウロに伝えた。
迎えが来たようなのでねー
彼はそう言うと、上空を見上げる。

その瞬間、ネウロに向かって散弾が放たれた。
弥子とネウロは目を見張る。
シックスを迎えに来たのは、戦闘機だったのだー!!

お前の始末は、部下に任せることにするよ。
もうお前が私にたどり着くことはないだろう。さらばだ、ネウロー。

シックスはそう告げると、ハシゴに掴まって戦闘機と共に消えてしまう。
残された弥子たちは、ただその場に立ち尽くすのだった・・。

弥子はー目を覚ましてから1分も経っていないというのに、状況が激変したことに驚きが隠せなかった。
これでよかったの・・?
Xを介抱しながらそう問うと、ネウロは口を開いた。

ヤコ・・いや、貴様ら人間に言っておく。
彼は魔力電池の髪飾りを全て外し、話したー


一方戦闘機の中で、シックスは声を荒げた。
核爆弾は積んでこなかっただと?

彼の剣幕に、操縦士は怯えながら謝る。
軍内部の血族一派への疑惑の目も、厳しくなっていた。だから持ち出すのは困難だったのだ、と。

するとシックスは、血族一派・・?と鼻を鳴らした。
彼は操縦士の頭をひねりつぶし、吐き捨てる。
使えんゴミめ。誰がお前を新しい血族だと認めたー?

シックスの胸は、怒りと苛立ちで煮えたぎっていた。
ー新しい血族なんて、あんた1人でやってろよ。

あのできそこないめ、葛西(かさい)と同じようなことをー!!
彼は以前葛西に言われた言葉を思い出す・・。

それは、葛西を血族としてスカウトした時のことだった。
葛西は自分は普通の人間だと言い、自分が新種だとは思えないーと話した。

彼は品種改良の例えを出し、作りたい新種を産み出すには、その条件に近いものを何十世代も交配させる必要がある、と説明した。
その過程では何百何千の失敗作が生まれ、処理される。
新種が生まれるまでには、何百リットルもの血の犠牲が必要なのだ。

犬や動物の品種改良だけでも、それだけの犠牲が必要になる。
それなら、人間の新種なんてバカスカ生まれるものではない。どれだけの犠牲を払っても、生まれる新種はせいぜい1人だー。

彼はそう言うと、シックスを見つめた。
ーそう、シックス、あんただけだ。

今いる血族は、シックスの悪意に惹かれた人間の集団に過ぎない。
だから自分もその集団の中で、見届けさせてもらいますよー
葛西はそう話し、笑う。

このただ1人の新種が、人間を超越した悪意と肉体でどんな世界を作るのか。
そしてその世界で、自分たち人間がどこまで長生きできるのかを・・。

ー正しいよ、葛西。
今改めて、シックスは葛西の読みを褒めた。
裏切りなど、小さな問題だ。モルモットも兵隊も、いくらでも増産できる。

力尽きたネウロや人間には、この亜音速のステルス機を追うこともできまい。
だから勝ちを急ぐ必要はない。私1人さえ生き残れば、新たな種は保たれるのだー!!
シックスはそう考え、1人笑うー。


ーだが・・その戦闘機を、ただ1人追う者がいた。
音速よりも速くーネウロは移動する。

ー魔帝7ッ兵器、飛んで虫に入る火!!!
彼はシックスを逃がす気など、毛頭なかった。

最終決戦ー
上空での戦いが、今幕を開けるのだった・・。




















新しい血族。


今回はXがシックスを裏切り、手負いのシックスにネウロが最終決戦を挑む話でした。

終わりを目前にして、シックスの新たな秘密が明らかになったりとなかなか怒涛の展開でしたね。
個人的には、久しぶりに元気な姿のXが見られて嬉しかったです。

きっと次回、彼も亡くなってしまうんでしょうが・・最後に色々と考えてくれたのかなと思います。
決して許されることはないですが、それでも自分にも大事な人がいたこと、そして自分が命を奪ってきた人たちにも大事な人がいたことには思い到れたのではないでしょうか。
そうであった、と信じたいですね・・。



それにしても、シックスの体ってどうなっているんでしょう。
心臓を抜きとられても生きてるって、もはや人間じゃない・・(^^;)
強化細胞が埋め込まれているだけで肉体構造は人間なのだと思っていましたが、どうやらシックスに関しては違うようですね。

次回以降、本当に全身メタル化してしまう予感がしてならない・・w




さて、見て行きましょう。
まずはXが復活した件について。

これは本当に嬉しかったですね。
この物語って、弥子でありネウロであり出てくるキャラたちが皆成長してきたじゃないですか。
そんな中で宙ぶらりんな存在で、いつも本当の自分を追い求めていたX。

そんな彼が本当の正体として選んだのが、Xだったーと。
彼はXとして、人間として生きていくとシックスから訣別しました。
この宣言も、かっこよかった!!

本当に今回は、彼の集大成が詰まっていましたね。

ただ・・惜しむらくは、この場にアイがいないこと。
本当は一番、この姿をアイに見せたかっただろうなと思うと、涙が出てきました。
でもそれはもう叶わない・・。

きっとこれが彼に与えられた罰なのだと思います。
そうなるまで大切なものに気付けなかったXへの戒め。
彼は今、それを痛いほど噛みしめていることでしょう・・。

きっと彼の死を看取るのは、弥子なのでしょう。
最期に、Xは彼女に何を話すのでしょうね・・。

自分の正体を知ったXが残す言葉、気になります。
アイのことに触れるかな・・。触れてほしいな、と思います。





続いて、今回は血族の秘密が明かされましたね。
まさか新しい血族が、シックス1人だったとは・・!!
でもなんか納得はできましたね。ヴァイジャヤとか葛西とか、本当に血族なのか疑問に感じていましたから。
そういえば吾代も疑問を口にしていましたね・・。

葛西曰く、品種改良は容易ではない。
多数の犠牲のもとに、ようやく1つの品種改良が成功するくらいなのだから、人間の品種改良などもっと難しい、と。

だから新しい血族はシックスただ1人で、自分は人間なのだーというのが葛西の理屈ですね。
シックスもそれを否定しないところを見ると、それが真実なのでしょう。
そういうことを理解していた葛西だからこそ、一番近い場所に置いていた・・ということかもしれないですね。

血族はただ1人。たとえシックスが子を持ったとしても、彼以上の人間が生まれるとは限らない。
そういう背景があったから、シックスは恐らくクローンであるXを作り出したのでしょうね。
やっぱり彼も1人ではなく、本当は同族が欲しかったのかなぁ。

五本指も、彼の気に入りだった可能性もありますね。
そう思うと、シックスも孤独な人だったのかなぁ・・と思いました。
だからといって、彼のしたことは決して許されませんけどね。

人間という自分の食糧である存在を残したいネウロと、たった1人の新しい血族という人種をどうしても残したいシックス。
ここに来て、種の生存を賭けた戦いという意味が色濃くなってきましたね。

シックスは逃げるつもりだったようですが、ネウロはここで戦いの決着をつけるつもりでいます。
いよいよ次回からが、本当に最後の決戦ですね。


そういえばネウロは弥子に、メッセージを残していきましたが、一体何を言ったのでしょうか。
なんか遺言っぽくて嫌ですね。
魔力電池も全部消費してしまったし、恐らくネウロは死ぬつもりでシックスに臨むのでしょう。

たとえ勝ったとしても、魔力を全部使いきったネウロが人間界で生きていくことはできません。
結果がどちらにしても、ネウロはもう弥子の元には戻らないつもりなのではないでしょうか・・。

どんな結末が待ち受けているのか、私たちもいよいよ見届ける時が来ました。
最後までネウロの勝利を応援したいと思います。










さて、次回はネウロとシックスの最終決戦ですね。

舞台は空中!!
人間の命を賭けて、人間でない者たちが戦うー
ある意味、ふさわしい舞台だと思います。

ネウロはシックスを討ち倒すことができるのでしょうかー?!


次回も楽しみです☆