前回、シックスとの戦いを終え、一命を取り留めたネウロ。

弥子たちの元に日常が戻りつつある中、探偵事務所には1人の魔人が訪ねてきました。
ゼラと名乗るその魔人は、このままではネウロは死ぬーと弥子に現実を突きつけます!!

どうすればネウロを救うことができるのかー

感想です☆




謎~第201話 「人【にんげん】」




※以下、ネタバレあり※












◎あらすじ◎

死ぬ・・ネウロが・・。
ゼラの言葉に、弥子(やこ)は息を呑んだ・・。

ゼラは更にネウロを挑発するように、まくしたてた。
地上において、ここまで弱ったら再回復の見込みは0だ。あんたは干からびる運命なんだ。
彼はそう言い、ゲゲゲと笑い声をあげるー

その口に、ネウロが手を突っ込んだ。
彼はゼラの口を目いっぱい広げてみせようとし、そして笑う。
ゼラ、貴様の口は魔界へと通じているな。

彼はその広さを確認し、うなづく。
もう少し拡張しても、裂けなそうだな。後魔人1人分はー。
それを聞いた弥子はーはっと目を見張る。

そんな彼女にーネウロは言った。
ヤコ、我が輩は帰るぞー。

ゼラによれば、口の中を通るのは可能なものの、広げるのには半日ほどかかるという。
ネウロは下の部屋で準備を始めるように言うと、彼を解放するのだった。

降りる前に、ゼラは一言残していった。
自分は正直ほっとしている・・と。

彼はネウロを憎んでいるものの、一方でネウロほどの魔人が地上で死んでいくのは見たくないと感じていた。
強者は強者らしく、弱者は弱者らしく・・それが運命だ、とゼラは語る。
それこそが、魔界にあるべき者の姿だーと。

そうして夜明けまでには準備ができる・・とゼラは出ていったのだったー。


ー彼が出ていくのを見届けると、弥子は思わず息をついた。
ネウロ以外の魔人を初めて見たけど、変わった人だねーと彼女は感想を漏らした。
まるで逆らうために、従っているみたいだーと。

ネウロはうなづき、魔人なんて大体あんなものだ、と返す。
魔人は生まれついて力の差が大きく、それでいて寿命が長い。
だから可能性の追究を早々に諦め、運命という言葉で片づけたがるものなのだー。

そう話すと、2人はふっと押し黙った。
弥子は暫く考え・・そして、切り出すことにする。

帰るんだね、魔界に・・。
そう言うと、ネウロはすぐに、1回深呼吸に戻るだけだ、と答えた。
だがその選択のリスクは大きい。魔界と地上は、次元も時間軸も異なりすぎるのだ・・。

彼は眉間に皺を寄せ、考えながら言葉を紡ぐ。
仮に戻って来れたとしても、それが1年後か1000年後かは誰にも分からない。
はたまたパラレルの世界かもしれない・・。

これほど素晴らしく、混沌として可能性に満ち、謎に満ちた世界に再び来れる保証がないのだ・・。
そうネウロが逡巡する様子を見て、弥子はー決心していた。
彼女がかける言葉はただ1つ。それはもう・・決まっていた。

早く帰れ、バカ魔人。そんでさっさと戻ってこい。

弥子はにっこりと笑って、そう声をかけた。
その言葉にーネウロは驚き、目を見開く。

弥子はその肩を叩きながら、何余計な心配してるのよ、と笑いかけた。
自分には分かっている。ネウロの体は魔界じゃなければ生きられなくても、その脳は地上でなければ生きられないことを。

でもね・・弥子は窓の外を見ながら、話す。
戻ってきたときに人間が変わっていることとか、謎が減っているかもとか、そんなことは心配しなくていいよ・・。
ネウロは黙って、その言葉を聞くー。

人間の世界は、変わらない。変わらない欲望で進化を続けて、未来を作り謎を作る。
ネウロと一緒にいて出した答えは、私も同じだー
そう言うと、弥子は自分の胸に手を当てた。

約束するよ、私ももっと進化する。あんたがいつどこに帰ってきても、すぐに私を見つけられるくらい輝くからー。
あんたに守ってもらわなくても、私も人間ももう、大丈夫だからー。

ーその頼もしい笑顔に、ネウロの肩の力がすっと抜けた。
彼は弥子を抱き寄せると、自分の胸に押し当てて大笑いした。
初めて聞くその笑い声に、弥子は少し戸惑う・・。

そんな彼女に、ネウロはよくぞ進化した・・と声をかけた。
彼の胸は、清々しい気持ちでいっぱいだった。

人間は自分の命を救うほどに強くあり、この娘はもう自分の保護など必要ない。
我が輩は・・なんと愚かな心配をしていたのだろうか!!!

彼は弥子の顔を覗き込み、それから笑った。
留守は任せたぞ、相棒。
弥子もまた、彼の瞳をしっかりと見据え、応える。
うん、相棒ー。


ーそれから、ゼラが地上と魔界をつなぐ門を作り終える夜明けまで、弥子とネウロは2人で過ごした。
何気ない雑談を交わし、笑い合う・・。

会話が途切れたらトラップにかけられ、また話をし、笑い合い、その繰り返し・・。

そしてーふと目が覚めた時には、そこにもうネウロの姿はなかった。

弥子はがらんとした事務所を見つめ、暫く泣くのを我慢した。
それから下へ降りていくと、口の中を弄ばれたとゼラが泣いているのを見た。

来るとき、そして来てから嵐のようにインパクトを残したのが嘘のように、魔人探偵脳噛ネウロ(のうがみねうろ)はあっさり地上から消えていたー。

弥子は思う。
魔人とは何なのか。魔界での生態とは、どんなものなのか。
それを知ろうとするのは、野暮なことだ・・と。

彼女の中で、ネウロの存在はあの日々が夢だったのかと思うくらい、地上の常識を超えた存在だった。
・・でも、それでいいー。

それから、弥子は事務所を出て歩き出した。
大事なのは、その怪物が残したものだ。
受け取った私が、人間が、どう変わっていくのか。進化するのかなのだからー。


ー3年後。
刑務所にいるアヤの元には、相変わらず彼女の歌を必要とする人間からの悩み相談の手紙が絶えなかった。
アヤはそれを1通ずつ確かめながら、ふと1通の手紙で手を止める。

そこには、大好きな友人の名前があった・・。

3年後。
桂木弥子(かつらぎやこ)、19歳。
その時、彼女はー。




















別れ。


今回はネウロが魔界に戻る話でした・・。
終わりが切なくて、なんかもう上手く言葉が出ない・・。
2人が選び取った結末には納得なのですが、2人が離れてしまったのはすごく寂しくて辛い・・。

このまま最終回かぁ・・と少し呆然としてしまいました。



人間界にいる限り、回復の見込みはないネウロ。
ゼラの言葉を否定しないところを見るに、本人もそのことは自覚しているようですね。。

だから選択肢は、2つしかない。
このまま人間界で死を待つか、魔界に戻るか・・。

幸いゼラの口の中を通れば魔界に戻れるということで、ネウロが選んだのは魔界に戻るという選択。
まぁこれは誰であっても、その選択をするでしょう。周りだって、そっちを推すだろうしね。

ただ・・ネウロには、不安があった。
それは、一度魔界に戻ったら同じ時間、次元に戻れる保証がないということ。

彼にとって、いつのまにか人間界の中の今この世界が、すごく大事になっていたんだなーと、ここは何だかじーんとしてしまいました。
ネウロが何かを手放すのを恐れる姿なんて、今まで見たことがなかった気がします・・。
それがこんなに弱り、悩んでいる・・。

なんだか今回はもうこの顔や言葉を見れただけで、感無量ですよ!!
ネウロがどれだけ人間を、この世界を大事に思って戦ってきてくれたのか・・それが伝わってきてもう切ないったら!!

そしてそれを理解して、すぐに背中を押してあげられる弥子。
この2人の関係性の尊さったら!!

早く帰れ。そしてすぐに戻ってこい。
こんなこと笑顔で言われたら、もう返す言葉もないですよね。
弥子の笑顔が言葉が、こんなにネウロにとって説得力を持つなんて・・。
これも2人が積み上げてきたものの集大成なんだよなぁと思ったら、ここでもまた涙が。。

2度と会えないかもしれない。
でもそんなことは、心配に足ることじゃない。
人間の世界は変わらずそこにあるからーというのが、弥子が今までに得てきた答え。

人間は変わらず欲望を持ち続け、必ず進化し続けるー。
だから大丈夫、自分も進化して輝くからー。

・・こんなこと言われたら、ネウロはもう帰るしかないですよねw
っていうか弥子、かっこよすぎだろ!!
本当成長したなー、ともう親の気分ですよ。

そして確かに弥子の言うように、世界はこれからも変わらずあり続けるのですよね。
懐かしい面々が今も変わらず生き続けているように、きっと人々はどんな局面でも対応し、進化し、謎を産み出し続けていく・・。

どこに戻ってきても、ネウロの望む世界はあるー
それが答えなのでしょう。


これで吹っ切れたネウロ。
もうここからの2人はね、恋愛関係かと一瞬錯覚しましたよ!!w
下手したら、キスするんじゃないかと・・w

まぁ弥子たちに、そういうのは必要ないですもんね。
信頼関係ー2人の関係は、これに尽きます!!
相棒、だなんて言葉、すごく良いじゃないですか。まさに2人にぴったり!!

そしてそこからの、ラストまでがもう切なくて切なくて・・。
2人で雑談して過ごすなんて、ステキですよね。
でもこれで終わりだと思うと、すごく悲しい・・。

あっさりとした別れだったのも、また2人らしいですよね。
さよならも言わずに行っちゃうのも、本当ネウロらしい。
最後まで、2人の関係は変わらずーでしたね。
それが良かったような・・でもやっぱり寂しいよーー!!

また弥子とネウロ・・会える日が来ると私は信じています!!
2人には緩い空気が似合う!こんなしんみりしたお別れで最終回とか、合わない!!

ネウロならどうにか魔界の法則を曲げてでも、成長した弥子の元に姿を見せてくれるはずです!!
元気になったネウロを、ただ待ちたいと思いますー!!



さて、そして物語は3年後へ・・。

弥子の颯爽とした後ろ姿を見るに、真っすぐな人生を歩んできたのだろうと思います。
予想では・・刑事になろうとしてるとか?探偵事務所を1人で続けてる、とかもあるかなーと感じました。

うん、探偵事務所を1人で続けているほうがありそうかな。
いつかネウロとまた事務所を開ける日を、待っているのではないでしょうか。


そんな彼女の成長を描いて、いよいよ最終回ですね。
ラストでネウロと再会ENDが良いけど・・果たしてどうなるか。

最後までヤキモキさせられますね!どうなるか見守っていきましょう!!








というわけで、いよいよ次回が最終回です。
本当に綺麗に終わるなぁという印象。

弥子はどんな成長を見せたのか。
そして弥子とネウロは、再び出会うことはあるのかー。

泣いても笑っても、ラスト1回!
奇跡が起きることを信じています。


次回も楽しみです☆