前回、来須によって破棄された未来同盟。
雪輝と由乃は犯罪者として捕まることを恐れて逃亡。
本当に警察に追われる身となってしまいます。

全ては、来須の狙い通り。
由乃に打ち立てられたDEAD ENDフラグを、2人は回避することができるのでしょうかー?!

感想です☆




Diary21~ 「二人の窮地」




※以下、ネタバレあり※








◎日記所有者一覧◎
・1st 天野雪輝・・無差別日記
・2nd 我妻由乃・・雪輝日記
・3rd 火山高夫・・殺人日記、死亡
・4th 来須圭悟・・捜査日記
・5th豊穣礼佑・・はいぱーびじょんだいありー、死亡
・6th春日野椿・・千里眼日記、死亡
・9th雨流みねね・・逃亡日記
・10th月島狩人・・飼育日記、死亡
・12th平坂黄泉・・正義日記、死亡






◎あらすじ◎

一週間前の6月12日ー
桜見市内のある場所で、来須(くるす)はみねねと面会していた。
来るなりいきなり頭を下げた彼に、みねねは驚く。

何のつもりだー?!
そう問うと、来須は話を聞いてほしいと懇願した。
9th(ナインス)、お前に頼みがあるんだー。


6月13日。
桜見市内では、厳重な検問が敷かれていた。
ニュースでは、雪輝(ゆきてる)たちが警察署内から逃走した件がずっと流れ続けている・・。

そんな中、雪輝たちは桜見市民病院の倉庫に身を隠していた。
不安がる雪輝に、由乃(ゆの)はここにいる限りは安心だ、と話す。

2人の日記によれば、彼らは明日死ぬことになっている。
食糧調達に出た店先で、警察と銃撃戦になるらしい・・。

だが逆に言えば、ここにいる限りは安全だということだ・・。
由乃はそう言うが、空腹や排せつの問題もある。
ずっとこのままではいかない、と雪輝は途方に暮れるのだった。

特に彼の場合は、空腹を我慢するのがきつかった。
昔父親がドーナツをよく揚げてくれたことを思い出した雪輝は、その時のことを由乃に語る。
すると由乃は、どうして雪輝の両親は離婚しちゃったのか、と尋ねた。

雪輝は分からない・・と首を振る。
大人の事情なんて、分かる訳がない・・。
そう思った彼は、ふと来須のことを考える。
来須はなんで自分たちを裏切ったんだろうー。

ーその時、彼はドーナツの匂いがしたことに気付いた。
思わずドアから外の様子を窺った彼は、来須の妻が病院に入っていくのを見た。
どうしてここに・・?
2人は顔を見合わせ、不思議に感じるのだった。


そっちにうちの家内が行くはずだ。
来須は電話でそう言った。
予定通り、警護を頼んだぞ、9th。
そう頼まれたみねねは、困惑する。

彼女は来須に頼まれて、看護師として病院に潜伏していた。
警察の部下を使えばいいのに・・。
彼女がそう漏らすと、来須は刑事には刑事の仕事があるのだ、と答える。

同盟分は働くんだなー。
そう言って、来須は電話を切る。
みねねは納得がいかないまま、とりあえず待機することにする。

一週間前、来須はみねねに取引を持ち出した。
彼は自分や警察がみねねに攻撃しないよう便宜を図ることを条件にしたいと話す。
だがみねねは最初はその申し出を断った。

来須は既に雪輝たちと同盟を組んでいる。そんな彼とわざわざ取引する理由はないからだ。

だが来須は真剣な瞳で、お前でなければだめなんだーと彼女を見つめた。
雪輝や由乃はそもそも神を目指してないし、6th(シックスス)のように世界を滅ぼそうとするタイプも困る。
それに比べてみねねは、歪でも神を目指し、世界をよくしようと考えているー

彼はそのまま床に膝をつき、頭を下げた。
こっちの要求は、ただ1つだけだ。もしゲーム半ばで俺が敗れたその時は、〇〇〇〇を助けてやってほしいー。

その時のことを思い出したみねねは、警察情報と引き換えなら悪い話じゃないか・・と自分を納得させる。
たまには妥協も必要か・・。
そこで彼女は413号室に入院している来須曜(くるすよう)の様子を見に行こうと立ち上がる。

大体、こんなところを警護して何になるんだ・・?
彼女はまだ疑問を感じながらも、廊下を歩いた。
が、そんな彼女の目に、庭をこっそりと移動している雪輝たちの姿が映るー

途端、みねねは楽しそうに笑い声をあげた。
彼女は2人に気付かれないよう身を潜めながら、413号室へ向かうのだった。


雪輝たちはこっそりと、来須の妻の後を追った。
どうして彼女がこんなところに来たのだろう。誰かのお見舞いだろうか?
2人は単純な興味で、階段を上るー

その時、曲がり角から雪輝の腕を掴む謎の手が現れた。
驚く2人の前にー看護師姿のみねねが立つ。
つーかまえた!久しぶりだね、1st(ファースト)。

彼女はそう言うと、雪輝の腕を引く。
由乃が叫んだ瞬間、みねねは起爆スイッチを押した。

ものすごい爆発音と共に、さっきまでいた廊下が吹き飛んだ。
雪輝は驚き、由乃の無事を確認する。
どうやら彼女は怪我はしたものの、意識はあるようだ・・。

ーだが2組の間には、爆発で開いた大穴が道を塞いでいた。
その惨状に、みねねは楽しそうに笑い声をあげる。
雪輝は由乃を助けようと、掴まれた腕を外そうともがいた。

その時、雪輝は間違って起爆スイッチの1つを推してしまう。
すると反対側の廊下が、今度は爆発した。

みねねは慌てて、周囲を見渡す。
まずいことに、廊下は2人を囲んで大穴が開いてしまっていた。
このままではここは崩れてしまう・・!!
彼らは焦り、揺れる床の上で往生するー。

それに気づいた由乃は、電球交換用の脚立があるのを見て急いで雪輝たちの側に橋渡しした。
雪輝たちは急いでそのハシゴの上を渡る・・。

だがその時、みねねはマズいことに気付いた。
先に雪輝を行かせてしまったのだ。
きっと由乃は雪輝が渡り切ったら、ハシゴを外すつもりだろうー

そう考えたみねねは、雪輝に今だけ同盟を組もう、と提案する。
来須が裏切った理由も教えてやるよ。
そう言われた雪輝は、彼女の提案に興味を持つ。

そこに、みねねの携帯が鳴った。
相手は来須だ。
電話に出た彼女に、彼は日記で状況は把握していると話した。

雪輝たちと交戦しているな?自分たちも今そっちに向かっているから、暫く持ちこたえてくれー!!

ーその会話は、雪輝の耳にも届いた。
彼は即座にみねねと来須が繋がっていることを悟り、急いで梯子を渡ろうと動く。

だがそれに気付いたみねねも、すぐに雪輝を止めた。
彼女は、裏切る気なんだろ?!と泣き叫ぶ雪輝に、今は自分は味方だからーと声をかける。
するとそれを聞いた来須が、今度はみねねを問い詰める。

裏切る気かー?!
2人にそう責められたみねねは必死に否定するが、状況は悪くなるばかりだ。
そこに由乃も加わるから、タチが悪い・・。
ごちゃごちゃ耳元で騒ぐ3人の声に、みねねは脳内がフリーズしていくのを感じたー。

そして来須の言葉が、引き金になった。
ー俺を裏切るなら、お前も殺すぞ!!
その時、みねねの中で何かが切れた。

知るかーーーー!!!
彼女はそう怒鳴ると、電話を切った。
雪輝と由乃が呆然とする中、みねねの日記が書き換わっていく・・。

9th雨流みねね(うりゅうみねね)は4th(フォース)に襲われ射殺される。DEAD ENDー
雪輝とみねねはその内容を見て、息を呑んだ。

これで3人共、もうこの病院から逃げることはできないー。
ハシゴを渡りきると、みねねは2人に言った。
その表情はなぜかすっきりし、落ち着いているように見える。

彼女は2人についてくるよう言い、4thが開いてなのだから自分たちも切り札を持つべきだーと告げるのだった。


みねねが案内したのは、413号室だった。
ここに来須が雪輝たちを裏切った理由があるー
彼女はそう言うと、ノックもせずに中に入る。

そこには来須の妻と、ベッドに眠る男の子の姿があった。
来須曜(くるすよう)、来須の息子だ。みねねはそう明かす。

彼は先月、余命3ヶ月だと診断された。
来須は息子を救うために。神になろうとしているのだー
それを聞いた雪輝は、言葉を失う・・。

そんな彼らにみねねは、差し入れのドーナツを食べるように勧めた。
ためらう雪輝に、死にかけの子供が食べるより自分たちが食べたほうが有意義だ、と彼女は笑う。
それでも手を伸ばさない雪輝にーみねねは言った。

お前は大人の事情を知った。
お前がガキでいい時間はもう終わりだよー。

その言葉に、雪輝は何も言えなかった。
大人はエサを自分で手に入れなきゃならん。4thとの籠城戦、食わなきゃ死ぬのはお前だよ。
先に由乃がドーナツに手をつけるのを見て、雪輝は涙を浮かべる。

そしてー彼も覚悟して、ドーナツを手に取った。
3人でドーナツを頬張る姿に、みねねはかっこ悪いね、と笑う。
DEAD ENDフラグの3人で、暫くは同盟だな。4thを倒すための新未来同盟だー!!
3人は庭に警察車両が続々集まるのを見ながら、ただドーナツを口に運ぶのだった・・。




















新未来同盟。

今回は逃亡犯となった雪輝たちが潜伏先の病院でみねねと出会い、彼女と新未来同盟を組んだ話でした。
みねねが出て来たことで、ぐっと話が面白くなりましたね!
彼女は第2のヒロインですよ!
来須の目的もようやく分かったし、いよいよクライマックスに向けて盛り上がってきました!!



まずは来須の裏切りの理由から。
それは子供の命を救いたいという思いからでした・・。

いや、なんとなくヘビーな方向だとは分かっていましたよ!!
このサバイバルゲームに参加する所有者たち、皆悲しい境遇の人物ばかりですから!!

来須もそうだろうとは予想してましたが、そうか、子供の病気ですか・・。

どうしても治してあげたい、という彼の思い・・切ないですね。
敵であるみねねに頭を下げてまで、守りたい命。
自分の命が潰える可能性も考えて動く来須。
正直、かっこいいと思いました・・。

なんか彼が10thを殺した理由も分かります。
自分を守るために子供を利用した彼のことが、来須は許せなかったんだろうなぁ。

色々な事情があるとはいえ、それは確実に来須の正義に反する行為ー
そういう理由もあって、来須は刑事なのに10thを手にかけたのかな、と感じました。


来須の奥さんも、仕事のときはあんなにニコニコして元気だったのに、こんな事情を抱えていたなんて・・。
なんとしても、お子さんには助かってほしいですね。

雪輝たちを応援したいところだけど、来須の思いを知った今、彼を応援したい気持ちも出てきてしまいました。
ここで2人と戦うことに決めたのは、やっぱり一番脅威になるからなのかな。早めに消しておきたかったということでしょうか・・。

仲間を裏切り、敵にまで頭を下げるー
来須の覚悟のほどが窺えますね。
捨て身の彼と対抗するのは、たとえ3人いても苦しい戦いとなることでしょう。

来須の願いは叶うのか、見守っていきたいですね。
彼の親としての覚悟・・応援したいと思います。




さて、次はみねね。
久々の活躍でしたが、彼女好きですね(^^)

なんてゆうかサバサバしてるけど、根っこの部分では他人思いな面が垣間見れるんですよね。
この作品で、一番人間的な魅力にあふれた人物といっても、過言ではないと思います。

今回もコロコロ立場を変えても嫌味にならないところも彼女らしくて良かったし、なんだかんだ雪輝を気遣うところも好感持てました。

雪輝に大事なことを伝えてくれるのは、いつもみねねなんですよね。
5thから助けてくれたときの言葉もそうだし、今回もそう。

ガキでいていい時間はもう終わりだよー。

この言葉には、色々なものが詰め込まれていると感じました。
これから雪輝が選択していかなければいけないもの。きれいごとばかりでは済まないこと。
来須の子供のことだってそうですね。知ってしまったからには、もうただ泣いているだけでは駄目なこと。
その全てが伝わってくる重みのある一言でした。

きっとみねね自身も色々苦労してきたのでしょうね。
だからこれから苦労するであろう雪輝に、そういう言葉をかけられるのだと思います。

元々テロ活動を行っていたそうですから、きっとバックボーンは複雑なのでしょう。
だからこそ神になって世の中を正したいと願い、来須もそれを信じたのでしょうね。

その辺も今後明らかになるのでしょうが、今回の彼女には好感度上がりまくりでした。
みねねには最後まで残ってほしいなぁ・・と思ってしまいました。


恐らく来須がみねねにああいうことを頼んだということは、結果としてはこの戦いで来須は死ぬのでしょう。
来須の子供のことは、みねねに託されるのでしょうね・・。

そうなると、みねねはますます神を目指すようになるのかな。
いずれは雪輝たちとも、本気でぶつかり合うことになる・・。
その時までに、雪輝は彼女の言葉を噛みしめて色々と選ばなければいけませんね。

なんだか切ない話でしたね。
来須が必死だからこそ、3人もそれに応えるしかないということなのでしょう。

戦いはいよいよクライマックスへと向かいます。
3人はDEAD ENDフラグを回避することができるのでしょうかー。





ということで、次回はいよいよ来須との直接対決ですね。
子どもの命のために、全てを賭ける来須。
彼のその思いに、雪輝たちはどう向き合うのでしょうか。

新たな同盟を組んだ3人の関係性も気になります。
彼らがどうやって来須と戦うのか、非常に興味ありますね。

決戦は病院!
どちらがこのゲームに勝ち残るのかー

次回も楽しみです☆