前回、かまどと或を殺し、いよいよ雪輝に神になるよう囁く由乃。
しかし死の間際、或は由乃の秘密についてついに答えに達しますー!!

命を賭けて雪輝に真実を伝えた或。
その思いは届くのか。
そしてついに動き出したムルムルの目的とはー?!

感想です☆




Diary52~ 「重なる体/重ならぬ心」





※以下、ネタバレあり※









◎日記所有者一覧◎
・1st 天野雪輝・・無差別日記
・2nd 我妻由乃・・雪輝日記
・3rd 火山高夫・・殺人日記、死亡
・4th 来須圭悟・・捜査日記、死亡
・5th豊穣礼佑・・はいぱーびじょんだいありー、死亡
・6th春日野椿・・千里眼日記、死亡
・7th戦場マルコ・美神愛・・交換日記、死亡
・8th上下かまど・・増殖日記、死亡
・9th雨流みねね・・逃亡日記、死亡
・10th月島狩人・・飼育日記、死亡
・11thジョン・バックス・・The watcher、死亡
・12th平坂黄泉・・正義日記、死亡




◎あらすじ◎


7月28日に世界が滅びる?!
驚く雪輝(ゆきてる)に、由乃(ゆの)はうなづいた。

彼女の日記には、そのことが予知されていた。
雪輝も日記を確認し、28日なんてすぐじゃないか・・と愕然とする。

すると由乃が、28日はそれだけじゃないよーとほほ笑んだ。
彼女は日記を見せ、28日は自分にとって一番大事な日だーと話す。
そこには、HAPPY ENDフラグが記されていた。
雪輝と由乃が結ばれる、HAPPY ENDフラグがー。


3日後、7月24日。
由乃の家で、雪輝は眠っていた。
ふと水の音に目を覚ました彼は、床も濡れていることに気付いて起き上がる。

どうやら由乃が何かしているらしい・・。
雪輝は身支度をしながら、ふとカレンダーを見てぎょっとする。

疲れからか、彼は丸1日眠ってしまっていた。
28日までもう日がないのに、どうして起こしてくれなかったんだ・・!!
雪輝は焦りながら、由乃の姿を探す。

すると由乃は、庭でドラム風呂に入っていた。
彼女は笑顔で雪輝に一緒に風呂に入ろうと誘うが、雪輝はまともにその光景を見ることもできないのだった。

そこで一度上がると、由乃は再び風呂を沸かすために薪の準備を始めた。
水着姿の彼女にまだ照れながらも、雪輝はようやく落ち着いたね・・と久々の平穏な時間に息をついた。

もう他の日記所有者はいない。殺される心配もしなくて済むんだー。
彼の言葉に、由乃はうなづく。
その笑顔を見ながら、雪輝は或(ある)の言葉を思い出した・・。

ー彼女は君を殺す気だぞ!!
あの日、或はそう警告した。
そうだ、まだ問題は残っている・・。
雪輝は由乃へ疑心の目を向けた。

死んだ人間は生き返らないーあれは恐らく本当だ。
正しいのは皆で、嘘をついているのは由乃の方だ。
じゃあ、どうして由乃は嘘をついている・・?

彼の胸は、再び不安に満たされた。
由乃が自分を殺すはずはない。由乃の気持ちを確かめなくちゃー!!
彼は1人、そう決意するのだった。


翌日ー
雪輝は、こまめに日記を確認することを心がけていた。

由乃を疑うわけではないが、日記のチェックは怠らないようにしようー
彼は由乃に呼ばれて、居間へと向かう。

そこで由乃は、雪輝に父親の浴衣を着せた。
ぴったりだと喜ぶと、彼女は今日こそは一緒に風呂に入ろうーとほほ笑む。

焦る雪輝に、無邪気な顔を見せる由乃。
その笑顔に油断した彼は、思わず風呂に入ったら日記をチェックできないーと漏らしてしまう。

それを聞いた由乃は、自分を疑っているの?と悲しそうな表情を見せた。
雪輝は彼女の顔を見れないまま、言葉を濁してその場をやり過ごすのだった。

ー夕食後、2人の間にはまだ気まずい空気が漂っていた。
食事を終えると、雪輝はすぐに逃げるように部屋を出ようとする・・。

だがその背中に、由乃がしがみついた。
驚く雪輝に、由乃は泣き声をあげた。
彼女は背中をポカポカと叩きながら、雪輝に訴える。

そりゃあ私は殺すしか能のない女だけど、私に魅力がないだけかもしれないけど、戦いが終わったら私を愛してくれると思ったのに・・。
ユッキーは全然ちょっかいを出してくれないー・・!!

そう叫んで泣く姿に、雪輝は戸惑った。
もしかして、ずっと風呂に誘ってきたのもそういう意味だったのかー?
やっと気づいた彼に、由乃は真っ赤になる・・。

2人はそのまま、気まずくなり、ろくに言葉も交わさないまま数日過ごしてしまうのだった・・。


そしてーついに27日になってしまった。
もう明日には、世界の終わりが来てしまう・・。
雪輝は日記を読みながら、考える。

予知によれば、自分たちは世界が終わる間際に結ばれることになっている。でもそれじゃ遅いんじゃないか?
ちゃんと由乃を愛してあげなくちゃー
彼はそう決意すると、由乃のいる方へと向かうのだった・・。

そしてー彼はついに、由乃に声をかけた。
今日こそ一緒に風呂に入ろうーと。
彼はHAPPY ENDを一日前倒し、その分由乃を愛そうと決めたのだ。

その思いを受け取った由乃は、彼の誘いに応じた。
2人共真っ赤になりながら、狭いドラム風呂の中で温まる。

由乃が、風呂を出たら布団に行こう、と誘った。
雪輝はうなづき、彼らは手をつないで寝室へ向かうのだった。

いざ布団の前に立つと、2人の緊張は最高潮に達した。
どちらから誘うこともできず立ち尽くす中、由乃はふっと涙を浮かべる。

私初めてだから、優しくしてね・・。
雪輝と結ばれることを思って涙する彼女に、雪輝もカチコチになりながら応える。
その震える姿を見た由乃の緊張は解け、彼女は彼を布団へと導くのだった。

そしてー
雪輝と由乃は、愛し合った。
ようやく結ばれたことに2人は感動し、幸せな時間を過ごす。

ー月夜の光を体に浴びながら、彼らは最後の夜を笑顔で迎えた。
少し照れ臭いが、目が合うとどちらからともなく微笑んでしまう・・。
そんな時間を過ごした雪輝は、口を開くー。

だいぶ遠回りもしたけど、由乃とは最初からこうなってた気がする。
だから由乃、僕には本当のことを言ってほしい。
どうして父さんと母さんが生き返るなんて、嘘をついたのー?

その質問をした途端、由乃の顔色がさっと変わった。
彼女は横に潜ませていた斧を手に取ると、それを雪輝目がけて振り下ろす。
驚いた雪輝の脳裏に、或の言葉がよみがえるー

ー君を殺す気だぞ!!

・・だが、由乃はその斧を床に刺した。
彼女は息をつくと、布団に寝転がる。
そして雪輝に、謝った・・。

ごめんなさい、ユッキー。私、嘘をついてた。
神になったら皆生き返るって、励ましたくてつい嘘をついてしまったの・・。

彼女はゲームを始めた直後に、デウスにより神になっても人が再生できないということを聞いていた。
そのことを伝えた瞳に、涙が溜まる。
私はもう十分幸せ。その斧で、私を殺してー。
彼女は雪輝にそう懇願した。

けれども、それは雪輝には受け入れられないことだった。
由乃を殺せば、自分は神になれる。でもそうしたら、由乃は生き返らないじゃないかー!!
彼がそう反論すると、由乃は首を振る。
でもユッキーは生き延びる・・

駄目だ!!
その言葉を、雪輝は打ち消した。
由乃を殺すくらいなら、自分は神にならない。由乃と一緒に死ぬよー!!
彼はそう叫ぶと、由乃をじっと見つめた・・。

すると由乃はうつむき、ため息をついた。
やっぱり・・またそう言うのね・・。
そのまま黙った彼女に安心した雪輝は、でも良かった・・と笑う。

これで自分の疑問はなくなった。或の変なメッセージ以外は、全てクリアになったー
そう語る彼に、由乃は尋ねた。
メッセージって・・?

雪輝はうなづき、説明する。
あの時、或の携帯にはこう書いてあったのだ、と。

我妻由乃(がさいゆの)は既に一度神になっている。この世界はタイムリープした由乃による、2周目の世界だってー

それを聞いた瞬間、由乃は再び斧を手に取った。
そして今度こそ彼女はーそれを真っすぐに雪輝に向かって振り下ろした。
間一髪逃れた雪輝を、彼女は追いかける・・。

訳も分からず、戸惑う雪輝。
そんな彼は、襖の間が光を放っていることに気付く。
一体何が・・

だが考える間もなく、由乃は彼に迫った。
彼女は泣きながら、雪輝を殺そうと斧を振る。

まだ今日一日は、ユッキーと幸せでいたかったのに・・!!



















HAPPY ENDの先。


今回はついに結ばれた2人が、最後の勝者を決める戦いを始める回でした。
やっぱり雪輝と由乃は、こうなる運命にあるのか・・とため息が出ちゃいますね。
運命って抗えないのかな、という諦めというか・・。

由乃はここまで順調に進めてきたのに、頭に血が昇るのが早すぎる(^^;)
せめて雪輝と話し合ってからでも殺し合いは遅くないのに、彼女は本当に人との対話を拒むなぁ。
そういうところが、彼女を2周目に向かわせた理由なんだけど、本人が分かっていないのがキズですよね。

雪輝は由乃と結ばれたことで、きっと彼女を全て受け入れようとしたのだと思います。
たとえ死んだ人間が生き返らないとしても、由乃が自分に嘘をついていたのには理由がある・・
そう考え、今後の道を探ろうとした努力は見えました。

ただ彼も彼で、前回も書いたけどその場しのぎの考え方で深く物事を見ようとしないですよね。
由乃が雪輝を神にしたいことは、もうずっと前から分かっていたことです。
ということは、由乃を殺すことは明らかだったはず。
それなのに、今更由乃を殺して生き残りたくないって・・。

由乃からしたら、はあ?って感じになるのも無理ないと思います。
もうちょっと考えて発言してよ、雪輝・・ってちょっと呆れちゃいました。

何か何の策もないのに、飛び込んじゃうんだよなぁ。
今までは由乃がいたし、運命が彼に味方していたからそれで済んだけど、由乃のいなくなる世界は今回が初めてです。
彼には自分が神になった後のことを、もうちょっとよく考えてほしかったですね。

まぁ結局2人の本質が変わらないので、2周目でも2人が戦うことは必至だったのでしょう。
由乃は残念でしょうが、これは3周目もいよいよあり得る展開となってきましたね。

雪輝1人に、未来を変える力は正直もう無いように思えます。
日記を携帯しているのかも疑問だし、由乃が斧を手にしているのに対して彼は丸腰・・。
勝てるイメージ、全然湧かないですね。。


でも雪輝は神になりたくなかったことだし、これでいい気もします。
物語的にはBAD ENDですが、由乃が諦めない限りHAPPY ENDの道は残されます。
いつかは雪輝が神になる未来もやってくるのではないでしょうか。

うーん、雪輝が勝てる未来が見えないので、つい悲観的になってしまいました。
でも本当に、ここから逆転できる目ってあるのでしょうか・・?

・・引き続き見ていきたいと思います。。





さて、そんな中ー
雪輝と由乃、ついに結ばれましたね!!

ここまで長かった・・散々ヤキモキさせられましたが、とりあえずは由乃の願いが叶って良かったねーという思いです。
幸せそうな2人の姿には、素直に祝福する気持ちになれました。

で・・由乃にとっては、これは2度目のことのようですね。
前回も雪輝と結ばれた後、彼女は雪輝と揉め、神になったようです。

前回は何が原因だったのでしょうね。
恐らく今回と似たような状況に陥ったのだとは思いますが・・それならもうちょっと由乃も気を付ければよかったのに。

前回は由乃も、死んだ人間が生き返るとは知らずに雪輝を殺し、神になって彼を生き返らせようと考えたのでしょう。
でも今回は、彼女はその事実を知っています。
その上で尚、同じ状況を引き寄せてしまうって・・進歩ないなぁ。

これ、どう運ぶのが正解なのでしょうね。
なんだか2人共死ぬ選択肢のほうが、幸せなんじゃないか・・とすら思えてきます。
永遠にこのループを続けるの、プラスになるとは思えないんですけど。。

由乃にとっては、雪輝と結ばれる未来は外せないものだったのかもしれません。
でも雪輝を愛さないーという選択肢も視野に入れるべきなのかな、と2度目も失敗しているのを見ていると思えてきますね。
そもそも2人が結ばれること自体が、BAD ENDへの道筋なのではないかーと。

幸せそうだった2人の転落ぶりを見ると、どうも暗澹たる気持ちになります。
所詮人間には抗えない運命なのかなー・・。

後はムルムルが何を企んでいるか、ですね。
彼女が神になるとはーどういうことなのか。
そこがこの状況の唯一の打開策なのかな、と思います。

そもそもデウスとムルムルは、1周目も2週目も記憶あるし経験しているんですよね?
よく分からないのですが、それとも1週目の彼らは元の世界で崩壊を迎えてるのかな?

デウスの寿命を考えると、後者の可能性が高いのでしょうか。
でもデウスもムルムルも、2周目のことを知ってるしなー・・。
でもそう考えると、デウスの寿命はとっくに尽きてると思うんだけどなー・・。

まだまだ全ての謎は明らかになりませんねー。
モヤモヤハラハラは、最後まで続くのでしょうかw
気長に見守っていこう・・、と思います。。








さて、次回は雪輝と由乃が殺し合いをする回ですね。
2人はこのまま崩壊への道を進むしかないのでしょうか。
それとも2人共に幸せになれる道は、まだ残っているのでしょうかー。

由乃が2週目を目指した経緯なども、そろそろ明らかになる頃かと思います。
1周目に何があったのかも、詳しく知りたいですね。

いよいよ最終戦!
勝ち残るのは、どちらとなるのでしょうかー?!

次回も楽しみです☆