前回、デウスの幻覚空間に閉じ込められてしまった雪輝。
由乃は彼に別れを告げ、3周目の世界でのサバイバルゲームを始めようとしますー。

そんな彼女に抵抗するみねねと、由乃を守ろうとするムルムル。
2人は戦い、勝利はムルムルの手に握られました。

このままなす術なく、2周目の世界は終わり、3周目のサバイバルゲームは始まってしまうのでしょうかー?!

感想です☆




Diary58~ 「悪人」




※以下、ネタバレあり※







◎日記所有者一覧◎
・1st 天野雪輝・・無差別日記
・2nd 我妻由乃・・雪輝日記
・3rd 火山高夫・・殺人日記、死亡
・4th 来須圭悟・・捜査日記、死亡
・5th豊穣礼佑・・はいぱーびじょんだいありー、死亡
・6th春日野椿・・千里眼日記、死亡
・7th戦場マルコ・美神愛・・交換日記、死亡
・8th上下かまど・・増殖日記、死亡
・9th雨流みねね・・逃亡日記、死亡、復活
・10th月島狩人・・飼育日記、死亡
・11thジョン・バックス・・The watcher、死亡
・12th平坂黄泉・・正義日記、死亡






◎あらすじ◎

雪輝(ゆきてる)は封じ、みねねも倒した。
ムルムルは因果律のことを考え由乃(ゆの)の父親の怪我を治すと、いよいよ3周目のゲームを開始しようと意気込む。

後は3周目の由乃を殺せば、完璧だー。
彼女に促された由乃は、うなづくと3周目の由乃に歩み寄る・・。

こいつを殺せば、またゲームに参加できる。
何も問題ないわ。私は前のユッキーを捨てて、次のユッキーに会いにいくー。
彼女は雪輝の顔を思い浮かべながら、どこか息苦しく感じつつもナイフを手に取る。

その時ー3周目の由乃が唸った。
彼女は身動きしながら、ぽつりとつぶやく。
パパ・・ママ・・。

どうやら起きたようだ。
由乃は3周目の由乃を、じっと見下ろした。
まだパパもママも殺していない頃の自分・・

すると3周目の由乃が、目を開いた。
彼女は目の前に立ちすくむ由乃を見やり、誰・・?と尋ねる。

一方、3周目の世界の状況を観察していたムルムルが声をあげた。
なぜか雪輝を包んだ球体を中心に、因果律の揺らぎが急激に増大しているのだ・・。
彼女は状況を見つめ、首を傾げるー。

そんな中、由乃は3周目の由乃に自身の未来を教えてあげるーと口にした。
ムルムルは驚くが、彼女はそれを制して3周目の由乃に迫る。
聞きなさいーそう言うと、彼女はこれから起きる未来を伝えた。

この先ママのうつ病は酷くなり、パパは仕事であまり帰ってこない。
そのため自分は折檻が苦しくて、逆に2人を檻に閉じ込めて両親を殺してしまうのだー。

良かったわね、お前はもう苦しまなくていいのよ。
そう由乃が笑うと、3周目の由乃は首を振った。
違う・・。

彼女は空腹とさっきの誤嚥で、まだ呼吸が荒かった。
それで3周目の由乃は言う。
苦しくなんかないよ・・と。

それを聞いた由乃は驚くが、3周目の由乃は彼女に告げる。
ママは病気だし、パパは仕事で忙しいだけ。
私はパパもママも好き。2人共、いつか私のことを分かってくれる。
だから私は全然平気ー

彼女の言葉に、由乃は胸がざわつくのを感じた。
この頃の私は、まだ明るい未来を信じてたんだ・・。
彼女は震え、呼吸を荒くする。

私はどこかで歪んでしまったんだ・・!!

それでもー由乃は震える手で、ナイフを握った。
私は会わなきゃいけない人がいるのだ・・。
彼女は雪輝への思いだけを糧に、殺人を終えようと決意する。
だがそんな彼女を見た3周目の由乃は、言った。

あなたも好きな人がいるのね・・。


その頃ー
来須(くるす)たち刑事の車は、ようやく桜見中学校に到着していた。

来須は向かう際に、由乃の母親を拾っていた。
由乃の母親は、屋上に父親の姿があることに気付いて叫び声をあげる。
そのまま彼女は来須たちの制止も振り切り、校舎内へ走っていってしまう。

一方西島(にしじま)は、校庭に1人の女性が倒れていることに気付き、急いで駆けよった。
彼はその体を抱きかかえ、大丈夫か?と尋ねる。
痛みに呻くみねねの姿を見た西島は、ふと不思議な気持ちに襲われた。
この顔、どこかで・・。

ーそんな中、ムルムルは異変を感じて焦っていた。
因果律に、巨大な変化が起きているのだ。

未来が凄いスピードで書き換わっている・・。一体なぜじゃ?!
彼女は由乃に早く3周目の由乃を殺すよう怒鳴りながらも、状況の変化を見守るー


ー椿(つばき)の屋敷では、待機させていた両親の車の中から、信者が爆弾を見つけてきていた。
その報告を受けた椿は、船津(ふなつ)という信者が両親を殺そうと画策していたことに思い到る。
彼女は即刻信者たちに船津を捕えさせると、皆に言い含めた。

いいか、御目方教は弱きを救う教団!
今後も邪な力に屈することは、ありません!!

その言葉と共に、椿の未来が書き換わった。
その動きを見ていたムルムルは、他の所有者の未来も書き換わることに気付いてはっとする。

彼女の予想通り、礼佑(れいすけ)の未来もまた書き換わったところだった。
彼女の両親は邪教となった御目方教に入信し、命を落とす予定だった。
その未来は変わり、礼佑には幸せな未来が用意されたのだー。

また御目方教が邪教とならなかったことで、平坂(ひらさか)の正義に引っかかることはなくなった。
彼は代わりに、自身の正義レーダーに引っかかった火山(ひやま)の方に向かい、火山を粛正するー。

一方、椿とは関係のないところで未来を変えている者もいた。
月島(つきしま)の家には、日向(ひなた)が訪れていた。

彼女はいつのまにか犬たちを手なづけ、落ち着かせる術を身に着けていた。
娘が今も自分たちのことを気にかけてくれていることを知った月島は、温かい思いに包まれるー。

ーかまどの運営する養護施設には、市長のジョンから電話が入っていた。
彼は開口一番、今日の議会で施設への援助を決定するつもりだーとかまどに伝える。
その報告を、マルコや愛(あい)も固唾を飲んで見守る・・。

電話を終えると、ジョンはこれで未来が変わるーと笑みを浮かべた。
彼は自身が作ったThe watcherで平行世界から来た雪輝たちの日記も把握していた。

そこで2周目の世界で自身が敗北したことを知ったジョンは、未来日記計画を中止することを決める。
そのために彼は未来を変える操作をしたのだー。

ー所有者たちの未来の変化を見ていたムルムルは、焦りに息を呑む。
このままでは2周目の再現どころか、サバイバルゲームの存在自体が危うくなってしまう・・!!
彼女は急いで由乃に、3周目の由乃を殺すように叫ぶー。

由乃は3周目の由乃の言葉に、激しく動揺していた。
ーあなたも好きな人がいるのね・・。

そうだ、私はユッキーが好き。だから、だから・・
だからお前は殺すの!!
そう叫ぶと、彼女はナイフを振り上げた。

だがーその瞬間、2人の間に由乃の父親が割り込んだ。
ナイフは彼の背中に刺さるー。
由乃はその光景に、目を見張った。

そこに、由乃の母親も飛び込んできた。
彼女もまた3周目の由乃をかばうと、由乃に向かって叫ぶ。
殺すなら、私を殺してちょうだい!!

ー由乃はその光景に、今度こそ動けなくなった。
目の前で両親に守られる3周目の由乃。
私だって、いつかパパとママと分かり合える時が来るんじゃないかと信じていた。
でもその時は、私には来なかった・・。

更にその場に、来須も踏み込んできた。
動けば撃つ!
その声を聞きながら、由乃の瞳からは涙があふれた。

なんで・・?
そう呟きながらも、彼女には分かっていた。
雪輝が、3周目の由乃を救ったということが。

彼が未来を変えたから、家族は3人一緒になれた。
彼は私を幸せにしようとしたのだ。
やっぱりすごいな、ユッキーは・・。
由乃はふっと笑うと、ナイフを振り上げた。

まるで私が悪役みたいね・・。
いいわ、3人仲良く死になさい!!
彼女は泣きながら、笑ったー。

そう、私はユッキーが大好き!!

その瞬間、来須が銃弾を放った。
振りかぶる由乃に、その銃弾は真っすぐ向かってくる。
ユッキー、愛してるよ。死んでも・・。
由乃は死を覚悟し、目を閉じたー


しかし、そこに奇跡が起きた。
由乃の前に球体が現れ、その球体が銃弾を防いだのだ。

そしてその中から、ムルムルと雪輝が姿を現わした。
雪輝は由乃を抱きしめると、彼女に向かっていつものように優しく微笑みかけた。
その笑顔に、由乃は頬を赤らめ、彼をただ見つめるのだったー。




















3周目を救う雪輝。

今回は由乃が3周目の由乃を殺そうとする中、雪輝が起こした奇跡によって所有者たちの未来が変化してゆく回でした。

なんだか切ない回でしたね。
雪輝のしたことは回り回って所有者たちを救うことになったのに、由乃だけが救われず悪役になってしまう・・。
彼女だってこんなことを望んだ訳ではないのに、運命というものは皮肉なものです。
余りの逆境に、由乃が可哀想でなりませんでした。

でもこれで3周目の未来は良い方向に進みそうですね。
サバイバルゲームもこの世界ではなくなるようで、本当に良かった!
きっとこの後もサバイバルゲームを行う平行世界は消えていくことでしょう・・。

ここにジョンの活躍があるとは予想していなかったので驚いたけど、なかなかいい演出でしたね。
利己的な彼の性格をよく利用した収め方だったと思います。

これでかまどたち施設の人間も救われるし、御目方教を通して礼佑や平坂も救われたし、来須や月島もきっと救われるのでしょう。
後はみねねと火山かな・・。いや、火山はどうでもいいかw

西島と2周目のみねねが出会ったことで、3周目のみねねの運命も大きく変わるといいですね。
この世界の彼女が幸せな生活を手に入れられること、祈っています。


由乃の家族も、関係を修復できそうで良かったです。
父親は由乃が危険な状況にあったことを分かってくれたし、母親も家族が大事だと病気ながらに再確認したようです。

母親はうつ病のようなので、適切な治療を受ければきっと回復していくでしょう。
時間はかかるでしょうが、きっと3周目の由乃には幸せが待っている・・。
そう思える展開で、良かったです。


ただこの感じだと、雪輝を好きになる未来はないのでしょうね。
サバイバルゲームのない世界なら2人もきっと結ばれただろうに、その未来が結局ないのは切ないですね。
どう抗っても、雪輝と由乃は結ばれない運命ということなのでしょうか・・。

なんだか2周目もここまで来てまだBAD ENDの予感がして、辛いですね・・。
残り後1話なのに、2人が結ばれる未来、本当に手に入るのでしょうか。

3周目が幸せを感じさせる分、2周目の終わりに霧がかかっているような靄が解消されないような感じがあります。
ラストで現れた雪輝は、恐らく両親との別れを終えてきたのでしょう。
彼はきっと由乃を救うために、戻ってきたはずです。

その思いは報われるのか。
2周目の彼らが幸せになる道は、どこにあるのかー。
最後まで希望は捨てないで、戦い抜いてほしいですね。





さて、後はムルムルについて。

今回のラストで現れたムルムルは、恐らく2周目のムルムルかな・・と思われます。
ここで3周目が出てくる意味はないかと感じるので。。

彼女もまた腕に枷をしていますが、これを外すことができれば1周目のムルムルを倒すことも可能になりそうですね。
そもそもこの枷って、誰がはめた物なのでしょうね。

1周目の枷は、由乃がつけたのかなぁ。
2周目に関しては、1周目のムルムルがその動きを封じるためにつけた可能性もありますね。

雪輝がどうやってムルムルを連れてきたのかも気になりますが、まずは彼女がどの代のムルムルなのかがめっちゃ気になります!
そして是非1周目のムルムルを倒してほしいです!もうそれしか彼女に打ち勝つ方法はないので。

これが雪輝の最後の奥の手となるのかー。
注視しながら、ラストまで見届けたいと思います!








というわけで、次回はいよいよ最終回ですね!
良い方向に向かって進みだした3周目の世界。
この世界をこれ以上破壊することなく、2周目の戦いを2人は終えられることができるのでしょうか。

そして2周目の結末は、一体どうなるのでしょうか。
雪輝と由乃ー
2人にとって幸せな結末HAPPY ENDはやってくるのでしょうか?

まだまだ予断は許しません。
最後までどうなるのか分からない以上、展開を見守りたいですね。


次回も楽しみです☆