今回から、3巻です!

前回、偶然の出会いからマルコーと出会ったエドたち。
彼らは群を逃げた彼から、賢者の石の生成方法についての情報への手がかりを得ました!

しかしその背後に忍び寄る黒づくめの女・・。
エドたちは、マルコーの情報を無事に手に入れることができるのでしょうか?!

感想です☆





第9話~ 「家族の待つ家」





※以下、ネタバレあり※











◎あらすじ◎

ある村では、1人の老婆が足の器具の調整をしていた。
客が帰ると、老婆は顔を上げ笑みを浮かべる。
おや、来たね・・。

彼女はすぐに家に戻ると、孫娘の名を呼ぶ。
ウインリィ!上客が来たよ!!
その声に少女はむっとし、急いで階下へと降りていく。

あの馬鹿。来るときは先に連絡しろ、とあれ程言ってるのに・・!
彼女はそのまま外へ出ると、老婆と再会を喜ぶエドの頭に、思いっきりスパナを投げつけた。
そして怒るエドの顔を見て、変わらないなーと笑い声をあげる。

おかえり!
その笑みに、エドたちも手を挙げて応えるのだったー。


その後家に入ってきたエドたちを見て、ウインリィは目を見開いた。
彼女が作った最高級のオートメイルがボロボロになってるのを確認した彼女は、何をしたらこんなことになるのかーとがっくり肩を落とす。
そんな彼女に、エドたちはこれまでの旅の話を語って聞かせた。

事情を知ったウインリィたちは、エドたちが賢者の石の資料を手に入れるために一刻も早く体を直さなければならないことを知る。
老婆ーピナコはエドの体を詳しく調べると、簡潔に一言告げた。

3日だー!
彼女は通常なら1週間はかかる工程を、3日で仕上げてくれるという。
ウインリィもため息をつきながらも、早速調整に入ってくれる。

1日でも早く、セントラルに行きたいんでしょ?だったら無理してやろうじゃないのさ。
そう笑う彼女に、少し照れ臭そうにするエド。
そうして早速ウインリィたちは作業に入り、エドたちは3日間暇をつぶすことになるのだった。

ーアルと話し合って、エドは1人で母親の墓参りに出向くことにした。
一方アームストロングは泊めてもらう代わりに、家の雑用を精力的にこなしていた。
彼が薪割りなどをしていると、横にいたピナコが尋ねた。

あの子らは、毎日平穏に暮らしているだろうかー?

この村は田舎だ。
都会の情報も入ってこないし、エドたちは手紙の1つも寄こさないから・・。
そう話すピナコに、アームストロングは2人は名が通る錬金術師故にトラブルに巻き込まれることもあるようだが、彼らは強いから大丈夫だーと笑みを見せる。

強いー
その言葉に、ピナコはふとあの日のことを思い出す。
鎧の体になったアルが、手足を失ったエドを連れて駆け込んできたときのことを・・。

そうだった。エドはいつも強かった。
4年前、自分の腕と引き換えに弟の魂を錬成したときも、軍の狗になると決めたときも、大人でさえ悲鳴をあげるオートメイルの手術に耐えたときも・・。

あんな小さい体のどこに、あれほどの強さがあるのか・・。
そしてそこまで強いからこそ、ある日ぽっきり折れないかと心配になってしまうのだー
ピナコがそう言うと、アームストロングは部屋の中を見やる。

壁のボードには、エドたちとウインリィの写真がたくさん飾られている。
ピナコにとってはエドとアルは生まれたときから成長を見てきた、孫のような存在なのだ。
どうやら彼女とエドたちの父親が、酒呑み仲間だったらしい。

その父親は、妻も子供も置いて行方不明なのだー。
そう聞いたアームストロングは、ウインリィの両親はどうしているのだ?と尋ねる。

するとピナコは、彼女の両親はイシュヴァ―ルの内乱で命を落とした、と明かした。
ウインリィの両親は共に医者で、現地で医者が足りないということで赴き、そこで戦いに巻き込まれたのだという・・。

アームストロングは、酷い戦いだった・・と過去を振り返り、うつむく。
ピナコもうなづくが、その内乱で手足を失った人たちがいるからこそ、自分たちオートメイル技師は食べていけるのだーと苦笑する。

ふと、ピナコは時計を見てもう夕方だと気づいた。
食事の支度をするから、ゆっくりしているといい。
その言葉にアームストロングは恐縮するが、ピナコはどうせ2人も3人も変わらない、と歯を見せて笑う。

エドたちも泊まる?2人は家には戻らないのか?
アームストロングが不思議に思い訊くと、ピナコはこの故郷には2人の家はないよ、と答えた。

エドとアルは、国家錬金術師の資格を取って村を出ることになった日に、自分たちの家を跡形もなく燃やしてしまったのだ・・。
2人の思いは知らないが、その覚悟は生半可なものではないーとピナコは話す。

あの子らは、帰る家を失くすことで自分たちの道を後戻りできないようにしたんだろうよ。
それだけ言うと、ピナコは夕飯の支度に移るのだった。


それから3日後ー
エドの手足は、無事に復活した。

新しい手足をはめてもらったエドは、早速体を動かしてハマり具合を確かめる。
ウインリィは色々と注意を促すが、エドは聞く耳を持たずすぐにアルの元へ駆けよった。

彼がアルを直すのを、アームストロングは興味深く眺める。
アルの鎧の中には、血で錬成陣が描かれていた。
この印こそがアルの魂と鎧の仲立ちになっていて、この印を崩さないように錬成しなければならないのだ。

エドは早速、アルの体を直した。
そしてその具合を確かめるために、2人はすぐに組手を始める。
これは作動確認となまった体の調子を取り戻すためで、見ていたアームストロングも参加して場は一気ににぎやかになる。

ウインリィはバカ騒ぎする男たちを眺めて呆れながらも、どこかほっとしてその光景に笑みを浮かべるのだった。

ーその夜、エドたちは明日にはセントラルへ旅立つことをウインリィたちに報告した。
食事を済ますとすぐに眠ってしまったエドを眺めながら布団をかけてやるアルを見て、ピナコはどっちが兄だか分かりゃしないね、と笑う。

そんな会話をしながらアルは、戻る家が無い分、こうやっていつも本当の家族のように迎えてくれる2人には感謝している・・と話した。
生まれ育った家がないというのは現実だ。自分たちで家を焼いたのだから後悔はしていないけど、それでも時々無性に泣きたくなることがあるよ・・。

そう言いながら、でも自分は泣けないんだけどねーとアルは笑ってみせる。
泣ける体があるのに、泣けない馬鹿もいるしね。
ウインリィはうなづきながら、眠っているエドを見やる。

ホント強がっちゃってさ、このバカは・・。
彼女はエドの呑気な寝顔を見て、ぽつり呟くのだったー。


翌朝、エドたちは早朝に村を旅立つことにした。
オートメイルの整備で徹夜続きだったウインリィはまだ寝ているらしく、降りてこない。
構わず出ていこうとするエドたちに、ピナコはたまには帰ってくるんだよ、と優しく見送る。

すると2階から、2人を呼ぶ声がした。
見るとまぶたをこすりながらも、ウインリィが顔を出して手を振ってくれている。

エドは照れ臭そうにしながらも、その姿に手を振った。
背を向けて旅立っていく3人を、ウインリィは笑顔で見送るのだった。

ーそれからウインリィは夕方まで眠り、ようやく疲れた体を癒して階下へ降りた。
エドの腕を直したままになっている作業台を片付けながら、彼女は2人が来るといつもバタバタだ・・と息をつく。

その時ーウインリィはふと、ネジが1本机の上に転がっていることに気付いた。
・・あれ?
彼女はそのネジをじっと見つめ、部品を1つ付け忘れたことに気付くのだった。




















エドとアルのふるさと。

今回はエドたちが故郷に帰り、そこでオートメイルを直してもらう回でした。
整備士初登場ですが、まさか女の子とは思ってなかったのでびっくり!
なんだかほのかに恋の予感がしたのは、気のせい・・?w

見て行きましょう!



まずはウインリィ家族について。

エドたちとは幼馴染らしいウインリィ。
エドたちは年子のようですが、どっちかっていうとエドと同い年なのかな?
気さくな感じの、可愛い子でしたね(^^)

ってかエドたち、まだ15歳とかなのか・・。そりゃ戦争とかには呼ばれない訳だ。
15歳で国家錬金術師って、エドは本当に頭が良いんですね!


で、ウインリィとピナコですが、整備士としての腕はかなりのもののように見受けられました。
両親も医者だったらしいし、手先の器用な一族なのかもしれませんね。

それにしても、戦争の影響でしょうか・・。
ウインリィもエドたちと同じ年ごろなのに、もう働いているんですね。

ピナコ1人で育てているから手に職を・・ということなのかもしれませんが、やっぱり国全体が窮乏していることの現れにも思えます。
この辺、やっぱり今後も注視していきたいです。

そして、なんとしても気になったのがウインリィの両親がイシュヴァ―ルの内乱で死んでいる、ということ。

ここでもイシュヴァ―ル出てきましたよ。
やっぱりエドたちとこのイシュヴァ―ルの内乱は、切っても切れない関係にあるようですね。
両親が錬金術師の手にかかって死んだ・・とかじゃないといいけど。このことで、ウインリィと溝ができるとか、嫌ですよ。

それかもしかしたら、医者なのでスカーと面識がある可能性もあるかも?と思いました。
彼の顔の傷の手当をしたのがウインリィの両親だったりしたら、奇跡ですよね。

いずれ語られるであろうイシュヴァ―ルの内乱の真相。
皆が口にしたがらないほど凄惨な戦いだったようなので覚悟は必要でしょうが、早くその真実を知りたいものです。






さて、後はエドとアルについて。
今回、2人についても少し新情報が出ました。

まずは2人の父親が、彼らを置いて行方不明だという情報。
これ、今後父親が出てくるフラグかなーと感じました。

父親が出ていったのは、まだ母親が亡くなる前なんですね。
だからこそ、エドたちは唯一頼れる身内を亡くしたことで、人体錬成という禁忌に挑んでしまったのかもしれません。

父親がいたら止められた悲劇だったのかもしれない・・と思うと、かなり父親への印象は悪くなりますね。
エドたちも母親が亡くなるときに立ち会わなかった父親には、恨み骨髄でしょう。。

事情は分かりませんが、こうやって触れるということは、恐らくいずれ父親は登場するのではないかと思われます。
その時、エドたちは彼に何を思うのかー。

このことは、記憶しておきたいと思います。



それから、エドとアルが未練を断ち切るために家を燃やしていたこと。
これも初情報ですが、なかなか衝撃でしたね・・。

恐らくピナコたちが言った通りでしょうが、それに加え彼らにとっては母親のまがい物を錬成してしまった最悪な思い出の場所。
その記憶から少しでも逃れるために、燃やしたのかもしれないな・・と感じました。

それでも彼らにとっては、大好きな母親との思い出の場所だったはずです。
それを燃やして村を出たというのは、相当な覚悟がなければできなかったでしょう。

エドたちの言葉には、いつも覚悟を秘めた表情がセットです。
その背景には、帰る場所がないーという確固とした事実があるのだと思うと、切なくなりますね。
アルの言うように、泣きたくなって当然ですよ。大人だとしても、帰る場所がないなんて辛いことですから。

でもだからこそ、ウインリィたちという大切な人たちがいて良かったな、と心から思えます。
彼らがいなければ、ピナコの言うようにいつかエドの心がぽきっと折れてもおかしくなかったでしょう。

彼らには家はなくても、帰る場がある。そして見守ってくれている人がいる。
この事実は、何にも代えがたいことです。
そのありがたみを、2人が知っているのもまた尊いですね。

早く元の体を取り戻して、ウインリィたちの側で暮らせる日が来るといいですね。
皆がそれを願っているー
そのことが、彼らの糧になる日がきっと来ます。

エドたちには、この絆大切に頑張ってほしいと思います。




・・それにしても、エドとウインリィの、こう言葉がなくても互いを理解している感じ、なんか恋愛っぽくありません?!

違うのかなー。でもアルとウインリィの関係とは、ちょっと違う感じがしたんですよね!
ただあっさり別れすぎで、はっきり好きと自覚しているとしたらちょっと変な感じだし・・。

う~ん、これから互いに意識していく感じになるのかな。
それとも、完全にわたしの勘違い?w
でもどっちにしろ、幼馴染の恋愛なんて大好物なので、見守っていきたいと思いますw









というわけで、次回はセントラルの図書館で、マルコーの資料を探す回ですね。

やっぱり心配なのは、黒づくめの女の手が既に回っていないか・・ということ。
エドたちは最低でも3日はロスしていますからね。
これが、どう響くか・・。

せっかく手に入れた賢者の石の情報を得るチャンス!
2人が体を取り戻すためにも、なんとしてもゲットしたいところですね!
どうか間に合いますように・・!!


次回も楽しみです☆