前回、黒づくめの男グリードと接触したアル。
彼はウロボロスの入れ墨を持つ者たちが、ホムンクルスであることを知ります!

グリードたちの目的は、アルの記憶。
しかしそこに、弟子の異変を感じ取ったイズミたちが乗り込んできますー!

錬金術師VSホムンクルス。
その戦いの行方はー?!

感想です☆




第28話~ 「匹夫の勇」




※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

数分後ー
ドルチェットやロアを含むキメラたちは、皆イズミの前に倒れた・・。

その一部始終を見ていたグリードは、そりゃないだろー・・と息をつく。
イズミは気にせず、アルを返してもらう、と歩み寄る。
だがグリードも彼女の前に立ち、それを阻んだー。

その瞬間、2人は組み合った。
イズミはグリードの頬を殴り、その感触に違和感を感じて目を見開く。

・・エラく変わった体をしているのね。
彼女の呟きに、グリードは笑ってみせる。
ああ、だからちょっとやそっとじゃ、傷をつけられないぜー。

そのやり取りを見ていたアルは、ふとエドはまだ戻っていないのか?とイズミに尋ねた。
彼はグリードがホムンクルスであることをイズミに伝え、自分たちが元の体に戻るヒントを持っているのだーと叫ぶ。

それを聞いたイズミは、グリードの目的が、アルから魂の錬成方法を聞き出すことだったことも知る。
そうして話が通ったところで、グリードはイズミに持ち掛けた。
自分たちはアルにホムンクルスの製造方法を教えるから、エドが自分たちに魂の錬成方法を教えるというのはどうだ・・?と。

もちろん、イズミは聞き入れようとしなかった。
だがアルは彼女に、エドを連れてきてほしいと頼む。
やっと巡ってきたチャンスなんだ・・。

そううつむくアルを見て、イズミは考える。
・・やがて彼女は、渋々グリードの提案を受け入れた。

私の身内の者にもしものことがあったら、その時は遠慮なくぶっ壊す!!
イズミはそう言ってグリードたちを睨みつけると、アルを残して酒場を後にするのだった。


その頃ー
エドは、ダブリスに到着したところだった。

じりじりとした陽に顔をしかめつつも、彼は真っすぐイズミの元へ戻ろうと歩く。
すると彼の耳にー聞いたことのある声が聞こえた。

ダブリスーなかなかいい街ではないか!!

見ると、そこにはブラッドレイとアームストロングがいた。
2人はエドの師匠に会いに来たという・・。
驚いたエドは、脱力して地面に崩おれた。

・・来てしまったものは、仕方がない。
エドは2人を、肉屋へと案内する。
まずは、カウンターでシグが3人を出迎えた。

だが大総統と国家錬金術師だと知るや、シグの対応は不愛想なものとなった。
ブラッドレイが何を話しかけても答えないので、アームストロングが前に出て筋肉で張り合って心を開かせる・・。
そうして、彼らはようやく受け入れられることとなるのだった。

一方エドは、イズミからアルに起きた顛末を聞かされていた。
アルの魂の情報を知り違っている輩に誘拐されたー
エドは驚き、誰がそんなことを・・と尋ねる。

するとイズミは手の甲を指し、ここにウロボロスの入れ墨をしたグリードという男だ・・と明かす。
ウロボロスの入れ墨ー!!
エドとブラッドレイが眉を顰めるなか、イズミは彼がホムンクルスだということも伝える。

エドは混乱したが、イズミに嘘をついているような雰囲気はない・・。
更にイズミが戦った際に怪我した手を見て、彼はぐっと唇を噛んだ。

師匠、俺、そいつの所に行ってきます・・。
彼は1人で向かうつもりだと話し、情報を聞き出すつもりなのだから殺されることもないだろう、と笑ってみせた。

それが自分の体を気遣っているからだーと気づいたイズミは、エドを止めなかった。
晩御飯までには帰ってきなさいよ・・。
そう声をかけられ、エドはうなづき出ていくのだった。


ーそのままエドは、真っすぐにデビルズネストに向かった。
彼は、内心怒りで煮えくり返っていた。
自分のいない間に、アルに・・!
到着すると、エドは荒々しくドアを開けて中に踏み込んだ。

それから彼は中にいる黒づくめの男ーグリードを一瞥し、こいつがホムンクルスか・・と息をつく。
グリードは彼がエドだと気づくと、早速交渉を始めた。
アルの魂の錬成方法と、ホムンクルスの情報を等価交換しようー

その申し出に、エドは眉を動かす。
そしてー思いっきり息を吸い込んだ。

ナマ言ってんじゃねーーー!!!
彼は店中に響き渡る声で、怒鳴った。
その剣幕に、一行は唖然としただエドを見つめた。

お前らはこの状況が分かってるのか?!
人の弟を攫っておいて、更に師匠に怪我までさせた!!これのどこが等価交換だ!!

現時点をもって、お前らは俺の中で大悪党に決定した!魂の情報なんて、少しもくれてやるつもりはない!!
悪党はボコる!どつく!吐かせる!もぎ取る!
すなわち、俺の総取りで、等価交換の必要なんてないーーーー!!!

そこまで叫ぶと、エドはグリードにビシっと指を向けた。
馬鹿が。・・また力ずくか。
全てを聞いた一行は嘆息し、まずはドルチェットが剣を抜いて前に出た。

契約は不成立。なら、戦って聞き出すのみー!
エドとドルチェットは、組み合った。
だがドルチェットの動きはエドの速さには敵わず、彼は数秒の後に倒れてしまう。

するとグリードが、ロアに耳打ちした。
彼はロアにマーテルごとアルを運ぶよう言いつける。
自分が相手をしている間に、バラバラにして解析しろーと。

それを聞きつけたエドは焦るが、彼の前にはグリードが立ちはだかった。
その力は強大で、エドが腕に錬成したナイフではびくともしなかった・・。

聞き分けのないガキには、躾けが必要だよな?
グリードはそう笑うと、エドに殴りかかる。
エドは盾を錬成しながら、その攻撃を防いで回った。

だが防御はできても、グリードに鋼の剣での攻撃はきかない・・。
そこでエドは頭脳戦でグリードの頭を取り、思いっきり地面に打ち付けた。

・・人間であれば、致命傷となる攻撃だ。
しかし、グリードの頭は、みるみる再生していく・・。
エドはホムンクルスという事実を目の当たりにして、息を呑んだー。

全然普通じゃないのな・・。
彼がそう呟くと、グリードは首を鳴らしながら、体の構成物質や構造は同じなんだけどな、と話した。
ちょいと再生能力が過ぎるのと、最強の盾があるんだー。

それを聞いたエドは、まさか不死身じゃないよな・・?と顔をしかめるが、それはない、とグリードは笑う。
・・だが、お前じゃ俺には勝てない。
グリードはそう言い、再度エドに取引を持ち掛ける。

取引した方が利口だぜ・・?
2人はそのまま、睨み合ったー。
エドは鋭い瞳のまま、首を縦には振らない・・。

ーやがて、グリードはため息をつき、交渉を諦めた。
彼はエドの傷を見て、お前は自分が傷だらけになるのは平気なのに、身内が傷つくのには耐えられないんだな・・と言った。

そして身内が傷つくと、すぐに冷静さを失う。
グリードはそれを愚かだと嘲り、そうやって貴重な情報も弟も失うのか?!と問いかける。
それに対しエドは、お前を倒して弟を取り戻せばいいだけだ・・と拳を鳴らす。

無限の再生能力じゃないんだ。このままボコり続ければいつかは・・。
するとエドの心を見透かしたグリードは、笑い声をあげた。
彼は今までのは手抜きだと話し、不格好だから見せたくなかったんだが・・と上着を脱いだ。

その体が、鋼鉄の体に変容していくー。
エドはその様を目の当たりにして、目を見張った。
彼の恐怖の表情に、グリードは満足げに笑い、そして襲い掛かった。

言っただろ?お前は俺に傷1つつけることはできねぇー・・


その頃、ロアはアルの体を抱えながら、地下の通路を移動していた。
途中で意識を取り戻したドルチェットも合流し、彼らはグリードたちから離れようと道を急ぐ。

だがその時ー2人の鼻が、妙な気配を察知した。
ドルチェットが顔をしかめ、ロアもまた鼻をひくつかせる。
嫌な臭いだが・・また、懐かしい・・。

ー同刻、デビルズネストの外では、軍による制圧が行われていた。
招集された軍人たちにより、店の前にたむろしていた不良たちは皆拘束されてしまう。
路地の封鎖が完了したのを確認すると、彼らは裏口からの突入に備えて構えを取った。

彼らの目的は、三つ編みの少年と大きな鎧の保護。
そして手の甲にウロボロスの入れ墨を持つ者は、捕捉。
それ以外はーなぎ払うよう、ブラッドレイは命じた。

彼は軍服に着替え、軍人たちの先頭に立った。
突入ー。
その一声と共に、一行は地下へと進んでいくのだった。




















軍部VSグリード!


 今回は南方から戻ったエドたちがアルの事件を知り、グリードの元に乗り込んでいく回でした。
まさかブラッドレイたちも動くとは・・!
これは俄然、この後の展開が楽しみになってきましたね!!

グリードも相当強いので、エドは苦戦するでしょう。
そこにアームストロングとブラッドレイがどう絡んでくれるのか、すごく気になる!!

スカーだってかなりヤバいと思われたのに、軍やラストたちに苦戦しましたからね。
この作品は、強い人物がどんどん登場してくるから本当飽きません。

今回は単独行動を好んだグリードが劣勢となるのか、それとも彼の鋼鉄の体は軍をも凌駕するのかー。
次回に期待ですね!


しかしエドもかっこいいけど、グリードの言う通りすぐかっとなってしまうのが、戦いにおいては今後の足かせとなりそうですね・・。
彼が弟を心配したり、イズミの怪我を案じているシーンなんか見るとぐっと来るんですけど、敵が無慈悲な集団だということを考えるとそこに付け込まれる可能性はすごく高いと思うんです。。

グリードに指摘されて本人も分かったことだし、ここはエドに克服してもらいたい部分ですね。
人を思いやる心を失ってほしいとは思いません。でもそこが自分の弱点だと理解していれば、心をコントロールすることも彼ならできると思いますから・・。

今回の戦いで、彼がそのことを学んでくれるといいなと思います。
精進あるのみですね!




さて、それにしても・・今回はここに触れずにはいられない!
イズミ・・強すぎ!!w

まさかロアやドルチェットまで瞬殺とは思いませんでしたよw
さすがにグリードを瞬殺とはいかなかったけど、本気で戦ったら結構いい線いったんじゃないでしょうか・・。

ってかここの夫婦は、本当いい感じですよね☆
シグとアームストロングが筋肉で語り合ったのも笑ったし、大総統いるのに全然気にもかけないのもウケるw

この作品、ステキな大人がいっぱい出てくるので楽しいんだなーと今回しみじみ思いました。
そんな大人たちに支えられているエドとアル・・幸せ者ですよ。

皆のためにも、彼らは体を取り戻す方法を絶対に掴まなければなりませんね!
今回アルの記憶が戻るのか・・期待して見守りたいと思います!





最後に、グリードとホムンクルスについて。
今回のラストで、鋼鉄のような体に変異した彼・・。
これが恐らく、彼の特性なのでしょう。

ラストは棘のように体を変形させられるし、グラトニーは人間を食べることができます。
エンヴィーは変身能力がある・・。
このそれぞれの特性の違いは、造られた過程で生じたものなのでしょうか。

後、スロウスなる人物がいることも明らかになっていますが、実際ホムンクルスって何人いるのでしょうね。
キメラの失敗例がたくさんいたことを思うと、ホムンクルスなんてそんなに量産できるものではないと思います。
となると、10人程度と考えるのが自然かな・・。

まだ見ぬ敵も脅威ですし、彼らの能力がそれぞれ異なるのも脅威ですよね。
ただでさえ何回でも生き返るのに、そこに更に特殊能力が加わるなんて・・。

彼らを倒す術、見つかるといいですね。
マスタングだって仇を取らないといけないですし(この場合、ラストじゃなくてエンヴィーになるのかな?)、錬金術師たちがホムンクルスに打ち勝つ術は絶対に必要です。

それこそマルコーとかの知恵が借りられたらなぁ・・。
軍の研究機関がそれを推進してるとなると、軍に頼るのは危険だもんなぁ。。

まだまだ前途多難ですが、敵の情報が明らかになるにつれて必ずや突破口は手に入ると信じています!
まずはグリード戦!しっかりと見ていきたいと思います。








さて、次回は軍がグリードたちの元へ乗り込む回ですね。

大総統自ら動くのは、意外といえば意外。
でも彼はウロボロスの入れ墨の件も知っているようだったし、色々軍の内部で起きていることも理解しているものと思われます。
だから今回は動くべき・・と判断したのでしょうね。

アームストロングも、どんどん賢者の石関係の事件に巻き込まれていってますね・・。
彼は良い人そうなので、軍の真実を知ったらどれだけ絶望するでしょう・・。そこが少し心配です。


それでも援軍が来たことには違いないので、エドにとっては心強いですね。
VSグリード・・この戦い、一体どうなってしまうのでしょうか?!


次回も楽しみです☆