前回、バリー・ザ・チョッパーの話を聞き、軍で行われていた研究を知ったマスタングたち。
彼らは軍の内部を探りながら、過去の証人であるバリーを匿う計画に出ます。

一方、「お父様」の元にグリードを連れ帰ったブラッドレイ。
久しぶりに一堂に会したホムンクルスたちは、父を裏切ったグリードを始末しますー。

彼らが企む、来たる日とは一体何を意味しているのかー

感想です☆




第32話~ 「東方の使者」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

ユースウェル炭鉱ー
カヤルは母親に頼まれて、父親の元に弁当を届けに走っていた。

ふと彼は、何かぐにゃっとしたものを踏んでしまう。
見ると、そこには1人の女の子が転がっていた・・。

少女は弱弱しい声で、ここはどこなのか、とカヤルに問う。
ユースウェル炭鉱だと答えると、彼女はアメストリス国の・・?と体をぴくっと動かす。
そしてカヤルがそうだーと口にした瞬間、少女は勢いよく起き上がった。

彼女はペット?のパンダとがっちりと抱き合い、やっと大砂漠を超えられたのだー!と涙する。
と思いきや、突然また倒れ込んだので、カヤルは驚いた。

・・どうやら、少女たちは空腹で倒れていたらしい。
カヤルは仕方なく、父親に届ける予定だった弁当を彼女に渡すのだった。

ー食事を終えた少女は、カヤルに深く感謝を述べた。
少女の名は、メイ・チャン。
シンという遥か東の国からやってきたと聞き、カヤルは目を丸くする。

そんなところから、何でここまで・・。
そう尋ねるカヤルに、メイはにっこり笑って答える。
自分はこの国に、不老不死の法を探しに来たのだ、と。

意味が分からず、戸惑うカヤル。
そんな彼らの元にーものすごい地響きが届いた。

驚いた2人は、急いで炭鉱の方へと駆ける。
すると炭鉱夫たちがカヤルに気付き、8番坑が落盤した、と伝える。

8番坑には、父親のホーリングがいるー!
カヤルは血相を変えて駆けこむが、仲間の炭鉱夫たちはそれを止めた。

8番坑は、今も崩れ続けている。今近づいたら、巻き込まれてしまう。
皆にそう言われ、カヤルは必死にもがいて叫ぶ。
あそこには父親がいる。黙って見てるしかないっていうのかよー?!

すると横にいたメイが、口を開いた。
・・だったら、近づかなければいいんですよね?
彼女は地面に錬成陣を描くと、そこに布のついた鏢を打ち立てる。

動いちゃ駄目ですよー。
そう言うなり、メイは瓦礫にも鏢を投げつける。
そして錬成陣に手を当てた。
その瞬間、錬成陣がぱっと光ったー。

続いて、炭鉱に錬成陣が投影される。
すると炭鉱は見る見るうちに、元の形に戻っていくー
皆が呆然としている間に、8番坑は修復してしまうのだった。

そしてー中からホーリングたちも、無事に出てきた。
まだ皆が困惑する中、メイは笑みを浮かべカヤルに言った。
一飯の恩だーと。

その後、8番坑の炭鉱夫たちは皆無事が確認された。
炭鉱夫たちは喜び、ホーリングの店で祝宴を開く。
もちろんメイも招かれ、彼女は皆に感謝されるのだった。

事のあらましを聞いたホーリングは、錬金術師に助けられたのは2度目だな・・と笑う。
彼はメイに、以前鋼の錬金術師に暮らしを助けてもらったことを語る。
すると周りの炭鉱夫たちも、口々にエルリック兄弟の説明を始めた。

兄のエドワード・エルリックがやり手の錬金術師であること。
12歳のときに、最年少で国家錬金術師になったこと。
金髪金眼に赤いコート、更に三つ編みという目立つ風貌の持ち主だということ。

それを聞いたメイは、眉目秀麗な少年を想像し、胸をときめかせる。
彼女は早速どこに行けばエドに会えるのかを訊き、軍の司令部を回ってみようと思い立つ。

彼にアメストリス国の錬金術を教えてもらおうー!
メイは祝宴も早々に、ユースウェルを後にするのだった。


その頃ー
ラッシュバレーでは、ウインリィが雇われ先のオートメイル工房で汗を流して働いていた。

ふと彼女は自分を呼ぶ声を聞き、顔を上げる。
するとそこには、腕をボロボロにしたエドとアルの姿があった。
彼女は即座に顔をしかめ、エドをボコボコに叩きのめすのだった。

ーその後2人が工房に案内されると、たまたまパニーニャが仕事を終えて戻ってきていたところだった。
彼女はウインリィに説得されて以来スリをやめ、今は身の軽さを活かして高所作業を請け負っているのだという。
真っ当な仕事についたことで、ドミニクも少しずつオートメイル代金を受け取ってくれるようになったそうだー。

アルがそんな話を聞いている間、ウインリィはエドの腕の調子を調べていた。
本当に進歩しないわね!
彼女は毎回腕をボロボロにしてくるエドをなじり、修復を始める。

ダブリスで、収穫はあったの?
途中そう訊かれたエドは、遠回りだけど前には進んでるかな・・と答える。
その様子に相変わらずだ・・と息をつきながらも、ウインリィはほっとするのだった。

ーその後、エドたちが次は中央軍部で調べ物をしようかと思っていると聞いたウインリィは、自分も行きたい、と声をあげた。
彼女がヒューズにお礼を言いたいと話すのを聞いたエドたちは、自分たちも入院時のお礼をしなければ、と思い立つ。

そこでウインリィは仕事の休みをもらい、エドたちについて一緒に中央に行くことにした。
その前にエドの腕を直してから・・。
ウインリィが部品の調達に行くという間、2人は街をぶらついて暇をつぶすことにするのだった。

ラッシュバレーは、相変わらずの賑わいぶりだった。
エドはオートメイル整備士たちの声掛けをかわしながら、面倒そうに歩く・・。
ふと彼は、アルが脇道でしゃがみこんでいるのに気づいた。

見ると、アルはなんと1人の青年を拾い上げていた。
どうやら行き倒れて道端に倒れていたらしい・・。
エドは反対したがアルが見過ごせないというので、2人は青年を連れて飲食店に入るのだった。

食事をおごると、青年は勢いよく目の前の食べ物に飛びついた。
そしてあらかた食べると、彼はエドたちに頭を下げた。
あー、生き返った!あんたがた、命の恩人だ!!

青年は後ろで髪を1つに束ね、目の細い男だった。
彼がシンから来たというのを聞いて、砂漠を越えてきたのか・・!とエドたちは驚く。

すると青年は地面に絵を描き、通ってきたルートを説明してみせた。
馬とラクダを乗り継いで、クセルクセス遺跡を中継するルートで来た・・
それを見たアルは、海路を通る方が楽だったろうに・・と呟く。

だが青年は、クセルクセス遺跡も見ておきたかったのだ、とほほ笑む。
遺跡は今は何もない廃墟だが、大昔に一夜で滅んだという伝説のある場所だ。
青年はこの国に、錬丹術を調べにきたのだ、と話す。

錬丹術とは、ここでう錬金術のことだ。
シンでは、錬金術は主に医学方面に秀でた技術を持っている。
一方、アメストリスでは軍事転用が主なため、科学技術として特化しているのだ。
青年はそれを学びに来たらしい。

エドはうなづき、青年から枝を借りてアメストリスの簡単な絵を描いた。
この国では、内乱が絶えない。
南と西では国境付近での小競り合いが絶えないし、南にあるドラクマとは一応不可侵条約を結んでいるが一触即発だ・・。

それを聞いた青年は、物騒な国だなぁ・・とため息をつく。
昔からゴタゴタはしていたが、こんなに軍事に傾いたのはブラッドレイ大総統になってからかな・・。
エドもそう答えながら、顔をしかめるー。
この国ももっと平和だったら、シンのように大衆のために役に立つ錬金術に進化したのかもしれないな・・。

そこで2人は、今度はシンの錬丹術について教えてほしい、と青年に頼んだ。
2人は自己紹介をし、エドが国家錬金術師であることを明かす。
すると青年は喜び、自分はリン・ヤオだと名乗った。

だがリンは錬金術のことを調べにきたものの、錬金術師ではないのだという。
じゃあ何で調べているんだー
エドが訪ねると、リンは探し物をしているんだ・・と2人を見た。

賢者の石、すごく欲しいんだけど知らないかな?

その問いに、エドとアルは目を見張った。
リンはその表情を、挑むような瞳で見つめるー。

・・知らないな。
エドは立ち上がった。
お互いもう用はないな。
彼はそう言うと、店を出ていこうとする・・。

だがリンは、それを止めた。
彼が指を鳴らすと、エドとアルの背後に仮面をつけた者が立ちふさがり、武器を突きつけた。
2人が息を呑む中、リンは迫る。
君たち、何か知ってる風だね。教えてくれないかな?

ーそこでエドは、賢者の石を手に入れてどうするつもりだ?とリンに尋ねた。
リンはにっと笑い、答える。
不老不死の法を、手に入れるー!!




















シンから来た2人。

今回は同時期に東方の国シンから、メイとリンという男女がやってくる話でした。
新展開ですね!何やら面白くなりそうな予感!

メイとリン、別行動ですが目的が同じであるところを見ると、敵同士なのかな?
同時期にアメストリスへ来ているのだから、知り合いであると見て間違いないでしょう。

ただリンは部下?が2名ついているのに対し、メイはパンダと2人旅・・。
この辺、何か理由があるのでしょうか。

後はメイは錬丹術を使いこなしているのに対し、リンは使えないというのも気になる・・。
彼ら一体、どんな立場なのでしょうね。

まだよくわかりませんが、まずはリンサイドの話から進んでいくのかな。
メイは司令部を転々とするようなので、いつ会えるのか・・(^^;)
しかも相当な誤解をしているから、エドに会っても気付かなそうw

リンは陽気そうに見えますが、その瞳を見ていると割と頭が回るタイプに見えますね。
エドたちに会ったのは偶然ですが、この機会を逃すことはないでしょう。

またメイは口にしなかっただけかもしれないですが、リンははっきりと不老不死の法に必要なものが賢者の石だと断定しています。
同じものを目的にしている2人ですが、リンがリードしていることは間違いないですね。

リンは、どうやって賢者の石のことを知ったのでしょう。
他国にも、アメストリスがきな臭い国だということは知れ渡っている感じなのかな。
そこから内情を調べるうちに、賢者の石の存在に気付いた?

リンもメイもまだ若いので、どうして不老不死の法を知りたいのかも不思議です。。
何か訳があるのでしょうが・・砂漠を越えてくるなんて相当ですよね。

もしかして国として弱ってきているアメストリスを、侵略しようと狙っている?
うーん、分からない。。

とりあえず次回の展開を、待ちたいと思います。
エドたちとリンたち、戦うことになるのでしょうが、果たしてどちらが勝つのでしょうかー。


それにしても、錬金術は奥が深いですね。
国によって使用用途も違うというのは、興味深い。
どっちかっていえば、錬丹術の方がいいイメージですよね。

メイは今回は炭鉱を修復しましたが、やっぱり本来は医術に長けている子なのかな?
この先アメストリスが戦いで疲弊していくことを思うと、エドたちにも錬丹術を学んでほしいなと思います。
絶対必要になる技術ですよね!

っていうか、この国がアメストリスって名前だってこと、初めて知りましたw
シンは、清のイメージかな?
次第にホムンクルスたちの計画は、他国をも巻き込んでいくことになるんですね・・。

エドはまたまた良いところに気付いていましたが、ブラッドレイが大総統になってから、国の錬金術は軍事に傾くようになったのですね。
それまではまだホムンクルスも本格的に動いていなかったということでしょうか。

ブラッドレイが台頭し始めた頃から、きな臭くなってきたということですが・・その時期に、何かあったのかもしれませんね。
やっぱりエドの読み通り、中央での彼の動きを調べると何かヒントが見つかるかも。


そう、中央へ行くといえば、3人はまだヒューズの死を知らなかったんですね・・。
アームストロングやブラッドレイと会ったけど、彼らも話さなかったんだなぁ。。

真実を知ったらショックを受けると思うと、辛いですね。
特にウインリィはグレイシアやエリシアとも仲良くなったので、2人がどんな思いで生きているかと考えたらたまらないでしょう。
いずれは知ることになるけど、見るのは苦しいなぁ。

エドたちも、自分たちの件にヒューズを巻き込んだことを、激しく後悔するでしょう。
巻き込まなければ彼は死ななかったかもしれない・・。
そう考えたら、どれだけ苦しむか・・。エドたちは特に、自分たちをよく責めるからなぁ。。

中央に行けばマスタングにも会うだろうし、どんな再会になるのかも少し気がかりです。
マスタングたちは責めはしないでしょうが、それもまたエドたちにとっては辛いことですし・・。

なんだか中央行き、一気に憂鬱になってきました。
ブラッドレイの真実に近づいてほしいと思う反面、エドたちがまた苦しむことを考えるとどうしても気が重くなりますね。

ただホムンクルスたちも中央での活動がメインのようなのでまた接触する機会はあるだろうし、マスタングのもとにバリーがいる今中央に行くのは、メリットもあると思われます。

一気にホムンクルスの情報を掴んで、しっぽを捕らえられる可能性もなくはないし・・。
そこに期待したいですね。

未だホムンクルス側の優勢ではありますが、少しずつエドたちが詰めてきているのもまた事実。
ここで一気に形勢逆転となるといいなと思います。

とりあえず、今はリンとの一件の方が先ですね。
中央行きはその後ー
もしかしたらリンたちがついてくるような可能性もあり得ますし、次回を待ちたいと思います!






というわけで、次回はリンとの攻防ですね。

不老不死の法を知るためなら、手段を選ばない雰囲気のリン。
エドたちは彼らにどう対応するのでしょうかー。

リンが不老不死を求める理由も気になりますね。
彼やメイが抱えている事情とは一体ー?


次回も楽しみです☆