前回、日蝕が進むなか、ついに計画を発動させたホムンクルス。
世界は闇に包まれ、ついに彼の計画は成功を遂げてしまいました。

アメストリスの人々は、皆賢者の石となってしまったのでしょうか?!
このまま、人間になす術はないのでしょうかー!!

感想です☆




第105話~ 「神の御座」




※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

錬金術を勉強し始めた頃、エドとアルは本を読みながら語り合った。

太陽は雄・男性を表し、月は雌・女性を表す。
太陽と月が交わることは雌雄同体・・つまり完全な存在を表すことである。

それを聞いたアルは、完全な存在とは不老不死のことだろうか?と尋ねる。
エドは考え、もっとすごいものじゃないか?と答える。

たとえば神とか・・。
2人はそんな会話を交わしたのだった。


ーそして今、彼らの目の前には神となった者がいた。
お父様の椅子に鎮座し自分たちを見下ろすその存在に、一行は顔をしかめる。

アメストリス国民は、約5000万人いる。それらの命を使い、ホムンクルスは神を押さえ込むことに成功したのだー。

そんな人間たちを見下ろしながら、ホムンクルスはご苦労だった、と声をかける。
お前たちの役目は終わった。もう錬金術を使うことも、扉を開けることもしなくてよろしい・・。

それを聞いたホーエンハイムは、皆に自分の後ろに隠れるように声をかけた。
その時、ホムンクルスは指で椅子を軽く小突いた。
すると辺りに衝撃が走り、エドたちは錬成の力を封じられてしまうー。

さらばだ、人柱諸君。
ホムンクルスは一言そう言うと、手のひらの中に力をためた。
ホーエンハイムはそれが自分たちに向けられるのを察知し、その力を錬金術で受け止めた。

ものすごい力と力がぶつかり合う。
全員俺の側を離れるなよ!!
ホーエンハイムはそう叫ぶが、それを見たホムンクルスはつまらなそうに指で軽く椅子を小突いた。

すると今度は更に何十倍もの強さの力が、ホーエンハイムにぶつかってきた。
その衝撃に彼は唇を噛み、つぶされまいと必死で耐える。

頼む、皆、力を貸してくれ・・!!
彼は自身の内部にいる賢者の石たちに、そう語りかけた。
それに気づいたホムンクルスは、たったそれだけの命で頑張るものだ・・と感心してみせる。

それから彼は、別の攻撃を差し向けた。
地面が砕け、エドたちは足元を揺らされる。
上からの攻撃に耐えるのに精いっぱいのホーエンハイムでは、その攻撃に対抗する術がなかった。

エドたちも錬成を試みるが、以前のように発動が封じられ、彼らの業は発動しない・・。
そのまま下からの突き上げに、エドたちは呑まれてしまうのだったー。

だが・・その時、ホムンクルスは違和感を感じて眉をひそめた。
地面の揺れが収まり、エドたちの身体が守られたのだー。

それは、メイの錬丹術の力だった。
地面の防御はお任せください・・。
彼女はそう言って、鏢を打ち込んで円形の錬成陣を描く。

地の力の流れを読み利用するのは、錬丹術の18番!しかもその力が大きければ大きいほど、こちらの利用できる力も大きくなるんです!!
その言葉どおり、メイの錬丹術の力はどんどん強くなっていく・・。

それを見たホムンクルスは、あまりここを壊したくはないのだが・・と息をついた。
彼が手のひらで何かしているのに気づいたホーエンハイムは、まさか・・と目を見張る。
ホムンクルスはうなづき、気付いたか・・と笑う。

彼の手のひらの中には、小さな宇宙があった。
神を手に入れた私は今や、手のひらの上で疑似宇宙を創ることも可能なのだー。

彼は、その中で太陽を創ってみせる。
太陽といったら、核融合・・!!
ホーエンハイムが息を呑む間もなく、ホムンクルスはその太陽を一行にぶつけようと腕を伸ばした。

消えて失せろ、錬金術師ー。

だがその時ーホムンクルスは心音を聞き、腕を止めた。
どこからか響いてくる、無数の心音・・。
彼が周りを見回すと、ホーエンハイムが口を開いた。
気付いたか?さっきから聞こえている心音に・・。

ホーエンハイムは上からの攻撃にひたすら耐えながら、説明する。
アメストリスの人々の魂は、まだ精神という名の紐で身体と結ばれていること。それは、完全にホムンクルスのものになっていないということ。

その説明に、何をした・・とホムンクルスはホーエンハイムを睨む。
ホーエンハイムは息を切らしながらも、その瞳に真向から向かった。
長い年月をかけ、計算に計算を重ね、この日のために俺の中の賢者の石をー仲間を各地に配置しておいたのさ。

彼の身体の中では、何人もの賢者の石たちが燃え上がっていた。
自分たちにはもう戻る身体はないが、アメストリスの人たちには戻るべき身体がある。今こそ自分たちの魂を使って、彼らの魂を元に戻してあげましょう。
奴の身体から、アメストリス人の魂をひっぺがしてやろうー。

ーホーエンハイムの話を聞いたホムンクルスは、ポイントに賢者の石を置いただけで何ができる?と馬鹿にしたように口にした。
錬成をするにしても、円というファクターがなければ力は発動しないだろう・・。
そう言うと、ホーエンハイムは笑みを浮かべた。
円ならあるさ・・。

彼はそのタイミングを謀っていた。
それは時が来れば、勝手に発動するようになっていた。
空から降ってくる、とびきり大きいパワーの円が姿を見せるのを!!

その時、ホムンクルスはホーエンハイムの企みに気付いた。
日蝕で太陽が全て消えると、大地には月の影が落ちる。その本影は、正円を描くー
そこにホーエンハイムは、賢者の石を配置していたのだ。

それを知ったホムンクルスは、目を見張る。
邪魔をするか、ホーエンハイム!!
そのためにここに来たんだよ、フラスコの中の小人ーーー!!!
ホーエンハイムも負けず、叫び声を張り上げる。

お前が神とやらを手に入れたときには、既に人間の逆転劇は始まっていたー!!
その言葉と同時に、月の影を利用した逆転の錬成陣が発動する。
その力はホムンクルスを捕らえ、彼の身体からアメストリス人の魂を解放しようとした。

魂は、肉体と健全に結びついているものだ。だから引っぺがしてよそに定着させるのには膨大なエネルギーがいるが、逆は簡単なのだ。
人々の魂を解放してやるだけで、元の健全な肉体が存在すれば、魂は勝手にそちらに呼ばれていくものなのだー。

人々の魂の力は、次々にホムンクルスの身体から離れていった。
それはエネルギーの渦となり、中央からそれぞれ元の持ち主の身体へと戻っていく・・。

そしてー静寂は破られた。
魂が戻ったことで、人々が一斉に息を吹き返したのだ。

彼らは戸惑いながらも、自分も周りの人間も生きていることを確認する。
皆呼吸を整えながら、互いの大事な人の安否を喜んだ。

ウインリイも起き上がりながら、ピナコや様子を見に来た人たちと語り合った。
彼女は喉を押さえながら、倒れる前に感じた気持ち悪さを言葉にする。

それはまるで・・苦しみの渦の中にいるようだった・・。

ーそうして、アメストリス人の魂は皆、ホムンクルスから離れて元の身体へと戻った。
ホムンクルスの身体には、もう元からいるクセルクセスの人たちの魂しかない。
それでは神を保つことはできないだろう・・。
ホーエンハイムは、ホムンクルスの身体はもうもたないだろう・・と踏んだ。

ホムンクルスも、今の身体ではリスクが高いだろう・・と生み出したエネルギーを握りつぶした。
瞬間、ホーエンハイムを圧し続けていたエネルギー体が姿を消し、ホーエンハイムはようやく安堵の息をつく・・。

エドたちが彼とメイに駆け寄るなか、ホーエンハイムは勝利の笑みを見せた。
どうだ、今は神とやらをその身体の内に保ち続けるだけで精一杯なのではないか・・?
彼は、内から沸き上がる衝動に身体を震わせるホムンクルスを見やるー。

その拳を、ホムンクルスはぐっと握りしめた。
・・資源など、まだいくらでもある。
彼は怒りながらも、新たなエネルギーを得ようとその腕を伸ばす。
人間というエネルギーは、この地上にいくらでも存在するのだからな!!

そう言うと、彼は竜巻を錬成した。
その威力はすさまじく、ホーエンハイムはまたその身を呈して皆を守ろうと戦う。

だが賢者の石を多く使用した彼の力は、さっきよりも弱まっていた。
相殺が間に合わない・・!!
メイが後ろで防御の陣を構えるものの、ホーエンハイムの身体はどんどん圧されていく。
このままでは吹き飛ぶのも、時間の問題だ・・

するとそれを見切ったホムンクルスが、更なる大きなエネルギーを竜巻に乗せた。
その力に、ついにホーエンハイムは耐え切れず弾かれそうになった。
だがその身体を・・支える2人の手があった。

それはエドとアルの手だった。
2人はホーエンハイムの背中を押さえ、弾かれないように・・と踏ん張る。
父さん頑張って!
お前・・気抜くんじゃねぇ!!

その背中に当たる温かい手の感触に、ホーエンハイムは眼を見張りながらも、笑み崩れた。
まいったね、こりゃ。ボンクラ親父だけど、いいとこ見せたくなっちまうなぁ!!

そう叫ぶと、彼は内なる力を振り絞る。
だがこのままでは、いずれホーエンハイムの賢者の石も尽きてしまうだろう・・。
エドとアルは焦りを感じ、思わず口にしていた。

・・まだか、まだなのか、スカーーーーー!!!


その最中、スカーはブラッドレイと戦っていた。
錬金術で対抗してくるスカーに、ブラッドレイはもはやほとんど命の尽きた身体でぶつかっていく。

イシュヴァール人よ!錬金術は・・物質の構築は、万物の創造主たるイシュヴァラへの冒涜ではなかったのか?!神を捨てたのか?!
彼はそう問いながら、スカーに剣を向け続ける。

貴様らにとって、神とは所詮その程度の存在なのか?!否、あの内乱で絶望を知った貴様は、心のどこかで思っていたのだろうー?!
神など、この世のどこにもおらぬと!!

その時ー隠れていた太陽が、影の間から姿を出し、一筋の光を射した。
その光に一瞬、ブラッドレイの眼がくらむ・・。
スカーは、その瞬間を見逃さなかった。

彼は剣の間をかいくぐり、ブラッドレイの両腕を破壊するー。
その攻撃は直撃し、剣を抱えた2本の腕が、吹き飛んだ・・。

ブラッドレイの身体は、大きく崩れていく・・。
だがその時、スカーは驚愕に目を見張った。
ブラッドレイが最後の力を振り絞り、折れた剣の先を口に咥えて向かってきたのだ。

その剣は、スカーの腹部を切り裂いた。
そしてそのまま、ブラッドレイは床に倒れた。
スカーもまた、傷を押さえながらうずくまる・・。

ー血だらけの2人を、少しずつ姿を現した太陽が照らしていた。
その光を眺めながら、ブラッドレイは大の字になって死を待つ。
天運も神も信じていなかったが、こういうのを天は我に味方せず・・と言うのかね。
彼はそう呟き、1人笑った・・。

と、そこへ1人の人間が近づいてきた。
全身黒づくめの装束に、シンの国の面ー
その意外な人物の来訪に、ブラッドレイは眉を上げた。

ほう・・、天は粋な客をよこしたものだ。
その言葉に、ランファンは面をはずし、ブラッドレイをじっと見据えた。

祖父の敵討ちをしに来たのだろう・・。
ブラッドレイはそう思い、彼女のとどめを待つ。
だがランファンは手を出さず、彼に一言尋ねた。
言い残すことはないのか・・?

その問いにブラッドレイは、無い!!と言い切った。
ランファンは眉をしかめ、つくづく悲しい生き物だな・・と目の前に横たわるホムンクルスを眺める。
貴様には愛する者はいなかったのか?友は?仲間は?妻は?

彼女はブラッドレイを責め続ける。
その者に残す言葉は何もないというのか?貴様がホムンクルスだと知ったら・・
だがそんな彼女を、ブラッドレイは睨みつけた。

愛だの悲しみだのと、くだらぬ言葉を垂れ流すな、小娘。
その瞳には、揺るぎない信念が覗いていた。
舐めるなよ、あれは私が選んだ女だー。

私とあれの間に、余計な遺言など要らぬ。王たる者の伴侶とは、そういうものなのだ・・。
その言葉に、ランファンははっと目を見開いたー。

その時・・ブラッドレイの身体が、塵となって崩れ始めた。
ついに死の時だー・・。
ブラッドレイは、仇を討ち損ねたな・・と笑うと、再び天を仰ぎ太陽を見つめる。

用意されたレールの上の人生だったが、お前たち人間のおかげで最後の方は多少やりごたえのある人生だったよ・・。
ーそれが、彼の最期の言葉だった・・。

ふと、ランファンは死んだはずのブラッドレイの側から、命の気配を感じて顔を上げた。
彼女はブラッドレイの身体をあらため、ポケットの中にあった賢者の石を見つける。
スカーはその説明をしようとしたが、その口からは血がこぼれ出た。

それを見たランファンは、慌てて彼に駆け寄る。
するとスカーは、あそこまで連れていってくれ・・と老医師がいた辺りを指で示した。
どうやら、あそこがこの辺一帯の中心らしいのでな・・。

そこでランファンはスカーを抱えて、人体錬成の陣の前まで行った。
スカーはその錬成陣を見つめると、兄に向けて呼びかけた。

兄者・・正直俺の中の憎しみの感情は消えていない。なのにその憎しみの相手であるアメストリス人を、今自分は助けようとしている・・。
彼は自身の両腕に刻まれた錬成陣を見、その腕を床の錬成陣にかざした。

兄者は正の流れ、負の流れと言ったが、矛盾したそれらを抱えている俺はーどこへ流れていくのだろうか・・。
スカーはその答えを探しながら、錬成を行うー。

その瞬間、各地でその時を待っていたイシュヴァール人たちの元に、異変が起こった。
彼らが用意していた錬成陣を描いた紙が光を放ち、スカーの錬成と共鳴したのだ。

その光は浮かび上がり、上空で正円を描いて新たな錬成陣を生み出す。
その錬成陣が発動した衝撃はーエドたちのいる場所にも届いた。

来た!!
ホーエンハイムが叫ぶと同時に、エドとアルが両手を打ちあわせて錬成を発動する。
すると地面から棘が飛び出し、巨大な石の拳がホムンクルスを襲った。

ホムンクルスはその攻撃をよけるが、そこに今度はメイの鏢が飛び込んでくる。
それら全ての攻撃は1つとなり、ホムンクルスが鎮座していた椅子を破壊したー。

エドはそれを見て、ざまぁみやがれ・・と笑った。
偉そうにふんぞり返っていた椅子が粉々だぞ。

ー彼らの錬金術は、スカーの業によって復活していた。
攻撃を行えるようになったエドたちは、拳を鳴らしてホムンクルスに迫る。
好き放題やってくれたな、この野郎。クソ真理と一緒に・・ぶっ飛ばす!!!




















逆転の錬成陣。


今回はホーエンハイムとスカーが、ホムンクルス封じの錬成陣を発動させた話でした。

やりましたよ!ホーエンハイムの企みを、見事打ち砕きました!!
ウインリイたち人間の魂も、皆元の身体に戻りました!!
どうなることかと思ったけど・・本当に良かった!!

まさに逆転につぐ逆転劇で、胸が熱くなりました。
いや、最終回近くにしてこの盛り上がりって、本当素晴らしい!!
何1つ見逃してはいけない・・全部理解したい、そんな気持ちに駆られますね!!


まずはホーエンハイムの秘策から。
これはずっと名前で逆転の錬成陣として出てきていましたが、計画として全てを理解したのは初めて。
なるほど、あの行動にはこういう意味があったのかーと理解できてすっきりしました。

それもこれも、ホーエンハイムが賢者の石たちとずっと対話をし、協力を仰いできたからなのですよね。
ホムンクルスも計画を進めてきたけど、ホーエンハイムもまたその裏でずっと計画を進めてきた。
ここはまさに知恵のぶつかり合いという感じで、読んでいてすっきりしました。

まぁその分エドたちの存在感が薄れたけど、今回のメインはホーエンハイムだもんね。
彼の生きてきた歴史と重みを考えれば、ホムンクルスと最前線で戦うのはホーエンハイムで決まっています。
ここはパパに花を持たせてあげましょうw

で、メイもなかなかいい活躍をしますよね。
やっぱり錬丹術を使えるというのは、この場においてすごく大きいです。
ちょっとグリード、かすんじゃったもんね(^^;)

うーん、でも跡目争いの面で考えると、やっぱりリンの方が器かなぁ・・という気がしてきました。
メイには何かこうもっと、最前線で戦ったり医療の道に進んだりしてほしいような思いがしてきちゃったのですよね。

何か良い手がはないのかなぁ。メイの一族をリンが重用してくれれば、生活の安定も図れるし、そういうのじゃダメなのかなぁ。。

なんだかメイは、皇帝という器に収まるのは惜しい気がするのですよね。
ここまで戦えて周りのことも見れて、更には医療にも通じているー・・
本当すごい子ですよ。

今回ランファンが賢者の石を手に入れてしまったので、また1つメイは跡目争いに関してはポイントを下げました。
このままリンが勝ち抜くのか、それともまだ逆転の目はあるのかー?!

個人的な感想もありますが、最後までどちらにも諦めずに頑張ってほしいですね。
そのためにも、頼むから死にませんように!!


さて・・で、話は戻って、逆転の錬成陣について。
これは日蝕の力を逆に利用して、ホムンクルスの身体からアメストリス人の魂を元に戻すというものでした。

あの影がどの位置に出るかを詳細に計算して、錬成陣を仕込んできたという訳ですよね・・。
いや、ホーエンハイム、やっぱりすごいですよ・・。
彼の苦労は、ここに来てどんどん可視化されてきますね。苦労人なんだなぁ・・とため息出ちゃいます。

でもここまで綿密に準備したからこそ、計画は成功したのですよね。
それに何より、賢者の石たちが味方してくれた。
これに尽きるでしょう。

賢者の石たちの思いがあふれる場面は、切なくも強くてちょっと泣きそうになりました。
皆、もう自分たちの命が元に戻ることはないと知っている。
だからこそ今を生きるアメストリスの人たちには自分たちと同じようになってほしくない、生きてほしいー
そんな思いに、胸打たれました。

彼らもまた復讐の思いを捨て、次のステップに進んだのですね。
その先にあるのは死ですが、それでも彼らは苦しまず安寧の死を得ることはできるのではないでしょうか・・。

どれだけ生きたかったか・・彼らのことを思うと悲しくなりますが、それでも前を見ないといけない時はあるのです。
その分、今を生きる人たちは精いっぱいにその生を謳歌しなければなりませんね。

人の歴史って、そういうものの積み重ねだよなぁ・・と、今回の話を読んでしみじみ思いました。
よりよい未来を子孫たちが生きられるように、少しずつ自分たちの代の苦しみや過ちを取り去ってあげていく・・。
それが先人に託された使命なのでしょうね。

そしてその思いは、逆転の錬成陣によってつながれました。
ここからはいよいよ反撃の時!ですね!

エドとアルがホーエンハイムを支えたシーンは最高でしたが、この先は親子3人で戦う場面がもっと増えるはず!
これだけ父親の背中を見せられたら、エドだってきっと感じたことはいっぱいあるはずでしょう。
どうか彼らが理解し合え、戦いを終えた後に手を取り合うことができますようにー・・。

いよいよ本当のクライマックス!
クセルクセスの人たちの魂も、きっとホーエンハイムが幸せになることを願っていることと思います。
親子の絆を、これでもかーと見せてくれると期待しています!!






さて、続いてはスカーの錬成について。
こちらもまさに集大成といった感じで、目頭が熱くなりました。
この物語・・スカーの物語でもありますよね。
彼が一番この作品を通して、変化してきた人物だと思います。

そんなスカーが最後にたどり着いた答えは、錬成を行うことでした。
破壊しかしてこなかった者が、アメストリスの人たちを認め、アメストリスの人たちのために戦うー
本当に、感動しかありませんでした。

彼の葛藤が伝わってきて、また、それを兄に向けて問いかけているところがぐっと来るんですよね。
自分の罪を理解しながら、それでも前を進みたいーその気持ち、兄ならきっと分かってくれることでしょう。
そしてその葛藤しながらも進む姿勢こそが、兄がスカーに伝えたかった姿勢なのではないでしょうか・・。

スカーは復讐に囚われてきましたが、無事にその答えにたどり着くことができました。
世の中はそんなすぐには変わりませんが、それでもそうやって前を見れる人たちが少しずつ増えていけば、やがて変化の時は訪れると思います。
スカーにはこの戦いの後、きちんと罪を償って、新しい国作りに邁進してほしいと願ってしまいますね。。


で、彼が行ったのは、錬金術を発動させる錬成のようですが、これって何を行ったのでしょう。
気の流れを変えたのかな?ホムンクルスの業を破ったのは分かりましたが、ちょっとこの辺難しかったです・・。

恐らく兄は錬金術と錬丹術の勉強をしていたので、龍脈とかそういうことに関わる地のエネルギーを掴み、それを反転させる系の業なのではないでしょうか。
元々ホムンクルスがどうやって錬金術を封じていたのかが分からないので何とも推測し難いですが、そういうことなのではないかなー・・と(^^;)

この辺りは次回種明かしがされそうなので、そこに期待ですね。
兄の研究の全てが明らかになるときです。
ここ最近、伏線がどんどん回収されていっているので、面白さが桁違いですね!

そんな訳で、スカーの戦いはここで終わりかな?
怪我も酷いので、どうかゆっくり英気を養ってほしいと思います。
ブラッドレイ戦、お疲れ様でした!!





さて、最後にブラッドレイについて語っておきましょう。
今回はホムンクルスの話もありましたが、やっぱりメインはここだと思うのですよね。

正直スカーがかすむくらい、ブラッドレイ目線での戦いでしたね。
荒川先生は、ブラッドレイがすごく好きだったんだろうなーというのがよく伝わってきました。

私たちにとっても、全編通してかなり印象深いキャラですよね。
その最期も、とても心に残るものでした・・。いや、反則ですよ、かっこよすぎた・・。

特に最後の言葉は感慨深いものがあって、涙が出ました。
大総統というレールを敷かれ、その上をただ歩いてきただけのつまらない人生。
そこに人間たちが挑んできたことで、思い通りにならなくなり、それが彼にとってはたまらなく面白かったー・・。

ブラッドレイもまた、ホムンクルスに巻き込まれた人間ですからね。
この言葉にはぐっとくるものがありました。
自分の人生に後悔はしていないだろうけど、人間に憧れる気持ちも最後まで持ち続けたのだなぁ・・と。

敵である人間をしっかり認め、それを言葉にする。
やっぱり王である人というのは、格が違ものだな、とも思わされました。
その上でいい人生だった・・と満足して逝く。もうかっこよすぎて、敵とは思えないくらい死ぬのが残念でなりませんよ。

また、夫人に対する思いを口にしたシーンも、すごく良かったです。
彼が唯一自分で選んだ奥さん・・きっと本気で愛していたんだなぁというのが伝わってきて、切なかったです。
ホムンクルスでありながら、人間としてのプライドも保ち続けた人だったのだなぁ・・と改めて感心もしたし。

戦いへの執着もすごかったし、まさに彼には生き様、王としての立ち姿など、色んなものを学ばせてもらった気分です。
うん・・死んじゃって本当悲しいなぁ。やっぱり私、ブラッドレイ好きでしたね。

いい戦いを見せてもらったと思います。
大総統、ありがとうございましたー。








さて、次回はホムンクルスとの決戦、そしてセリムとの最終戦でしょうか。

残るホムンクルスは、セリムのみ!
かなり弱体化している彼を、まずは倒すことが先決でしょう。
錬金術が使えるようになったので、ここからはエドとアルのターンですね!

ホーエンハイムが戦う姿を見せてくれたように、エドたちも彼に自分たちの成長を見せることができるのかー・・。
熱い展開が期待されますね。


人間たちの力は、このままホムンクルスを凌駕していくのかー?!
本当に最後の戦いの始まりです!!

次回も楽しみです☆