前回、先輩部員たちのいじめが発覚し、アキラはピンチを救われます。

しかしどんどん噴出する、アキラが囲碁部にいることへの不満・・。
それでもヒカルと戦うために、アキラは囲碁部で団体戦に出ることを望み続けますー。

そんな中、未だ部員が見つからないヒカルたち。
彼らは詰碁の問題で、囲碁のできる人物をあぶりだそうとしますが、その効果はー?!

感想です☆




前哨戦~第19局 「一局千円」




※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

放課後。
理科室でヒカルとあかりが準備をしていると、筒井(つつい)が駆け込んできた。

彼の手にはヒカルが貼った部員募集のポスターがあり、筒井は興奮した調子で2人に叫ぶ。
詰碁の問題に、答えを書いた子がいるよ!しかも正解なんだ!!

それを見たヒカルも、わぁ・・っと声をあげる。
詰碁の問題は、上級者用だった。それを解けたということは、その人物は囲碁をそれなりに打てるということだろう。

早速その人物を探そうー!
意気込む2人に、あかりが声をかけた。
私、それ書いた子知ってるー。

2人は驚き、誰が書いたのか?!とあかりに詰め寄る。
あかりはその剣幕に驚きながらも、1年3組の三谷(みたに)という男子だ・・と答える。

ヒカルは、どうしてその時囲碁部に誘わなかったんだ、とあかりを責めるが、あかりは入りたければ自分から来るだろう・・と答える。
彼女は囲碁部員ではないから、そこまでする義理はないというのだ・・。

そこでヒカルは、明日三谷の元を訪ねてみることにする。
筒井も、彼が入ってくれれば団体戦に出ることができるーと嬉しそうだ。
また海王中と戦えるだろうか・・。

そう考えたヒカルは、アキラも海王中であることを思い出す。
だがアキラは囲碁部には入っていないだろう、と筒井は言う。
アキラの強さは別格だから・・。
彼は「院生」という存在がいることを、ヒカルに説明する。

院生というのは、日本棋院のプロ養成機関に身を置くプロ予備軍の子供たちのことを言う。
彼らは修行中なので、どんなに強くてもアマの大会に出ることは禁止されている。
そんな院生だった子たちも、海王中には在籍しているらしい。つまり途中でプロになることをやめたり諦めた子ということだ。

だがアキラは、その院生にもなっていない。彼にとっては、院生ですらぬるいということなんだろう・・。
それを聞いたヒカルは、思わず喉を鳴らす。
院生すら生ぬるい・・。

そんな彼が囲碁部になど入るはずがないよ、と筒井は苦笑する。
ヒカルもまた納得し、アキラに追いつこうなんてとんでもない目標だったかな・・と頭を掻く。

すると佐為(さい)が、ヒカルはまず勝つべき人がいるでしょう!と言った。
アキラの前に、海王の三将の前に、まずは一番近くにいる筒井に勝たなくてはー!
そう指摘され、ヒカルは今の実力を思って肩をがっくりと落とすのだった。


その後部活動を終え、ヒカルと佐為は家路についた。
途中お腹が減ったヒカルは、ラーメン屋に立ち寄る。
そこで食事をしていると、佐為は偶然出前に向かう店員たちの話を聞きつける。

どうやら出前は、碁会所へと向かうらしい・・。
この近くに碁会所があると知った佐為は、もう溜まらない。彼はヒカルを急かし、出前の後をついていこう、と騒ぎ立てる。

すると同じく出前の話を聞いていた客が、あの碁会所には強い中学生が1人いるんだよなー、と店員に話した。
1回打ったけど、全く歯が立たないんだよー。
その会話を聞いた2人は、今度は互いに顔を見合わせた。

・・仕方ない、行ってみるか!
自身も興味をもったヒカルは、ラーメンを急いでかきこむと、出前の後を追う。

そうして着いた場所は、地下にある碁会所だった。
こんな所にも碁会所があるのか・・。
ヒカルは少し驚きながらも、階段を降りていくー。

そして恐る恐る中を覗くと、そこは確かに碁会所だった。
店主が気付き、打っていくかい?とヒカルに声をかける。
ヒカルがどうしようか戸惑っていると、佐為が彼に耳打ちした。

ヒカル、あそこー。

そう言われて奥を見ると、1人の中学生くらいの少年がおじさんと打っているのが目に入った。
あいつが強い中学生か・・。
ヒカルが見ていると、店主は見るだけだけなら座ってもいいよ、と近くの席を用意してくれる。

そこでヒカルが席に着くと、佐為が盤面を見ながらはっと息を呑んだ。
ヒカル、あの子、整地をごまかしている!!

佐為によれば、少年は巧みに石を動かして自分の地を増やし、相手の地を減らしているのだという。
ヒカルには全然分からなかったが、佐為の表情は厳しい・・。

やがて少年と相手の男は目を数え終わる。
結果は少年が46目、男が44目で少年の勝ちだった。
自分の方がちょっといいと思ったんだけどなー・・。
男は首を傾げながらも、ポケットから財布を取り出す。

そしてその財布から1000円を少年に渡すのを見て、ヒカルは思わずドキッとした。
少年は、どうやら賭け碁をしていたようだ・・。

その勝負を終えると、少年は門限があるから・・と片付けを始める。
彼が制服の上着を羽織るのを見たヒカルは、それが葉瀬中の制服であることに気付く。

・・ということは、こいつが三谷?

彼が戸惑っている間に、三谷はさっさと碁会所を出ていってしまう。
その様子を見ていた店主は、あの子と知り合いか?とヒカルに尋ねる。

三谷君は強い子だよー。
そう話す店主に、さっきまで相手にしていた男も、最近は結構稼いでいるよーとうなづく。

三谷・・!やっぱりあいつが三谷なんだ!!
ヒカルが確信すると同時に、佐為は彼に告げる。
ヒカル、あの子を囲碁部に誘いましょうー。

佐為は、子供ながら囲碁でずるをする三谷のことが許せなかった。
彼は自身の過去を思い出し、三谷を更生させようと決意するのだった・・。




















賭け碁の少年。


今回は新入部員として、ヒカルたちが三谷に注目する話でした。

ついに現れた部員候補!
でも加賀に負けず劣らず、癖のありそうなタイプです・・。
ヒカルとも筒井とも仲良くなれるタイプには見えないけど、本当に大丈夫なのでしょうか(^^;)

それに賭け碁は碁会所で合意の末行われているのならまぁ仕方ないともいえますが、整地をごまかすのは良くないですよね。
推測にすぎませんが、なんだか店主は気付いている感じもあるし・・。バレて三谷があの碁会所にいられなくなる前に、佐為とヒカルが説得できるといいのですが・・。

恐らく最近急に強くなったと対局した客が言っていたので、最初はずるまではしてこなかったのでしょう。
でもお金が手に入るようになって、目がくらんだ・・というところでしょうか。

中学生に、1局打っただけで1000円は、大きいですよね。
だから大人たちが彼を惑わせたともいえますが、でもそれでずるをするかどうかはその子次第・・。
三谷の精神面にも、もちろん問題ありでしょう。ここはしっかり反省し、2度とずるだけはしないように改めてほしいものです。

勝負の世界って、信用の世界でもあります。
相手を信用しているからこそ、最大の力をもってぶつかれるものではないでしょうか。

三谷はその信用を、裏切っているのです。これは決して許されることではありません。
ずるを重ねれば周りの信用を失い、もう囲碁を打つことすらままならなくなる可能性すらあります・・。

佐為にとっても、この件は絶対に見過ごせないでしょうね。
彼自身、相手のずるによっての事件で都を追われ、自殺するに至っています。
ずるという行為がどれだけ大きな影響を及ぼすか、一番身をもって知っているのが佐為なのです。

そんな彼にとって、三谷のような少年が安易にずるすることに手を染めるのは、我慢ならないことでしょう。
恐らく対局でもって力の差を歴然とさせ、整地の段階で彼のずるを指摘する流れになるのかな・・。
三谷はどんな性格なのでしょう。プライドが高かったりすると、心が折れて囲碁部に入らない展開もあったりするかな。
そこだけ少し心配ですね・・。

後は筒井とも仲良くできるかも、心配です。
ずるのことを知ったら、誰だって拒否反応を示す方が当たり前だと思いますから。
ヒカルのように、お金もらえて羨ましい~なんて思うほうが変わってますよねw
まぁだからといって、ヒカルだってずるは絶対にしないですが。

それだけ三谷のやっていることは、大きな問題です。
まずは団体戦より、彼のずるをどうやって辞めさせるか、ですね。
そこが解決されない限り皆の心は1つにはならず、団体戦も厳しくなるでしょう・・。

ヒカルたちがどうやって三谷の心を開かせ、ずるに対する意識を変えさせるのかー暫く見守ろうと思います。
せっかく中学に入学したばかりなのだから、三谷にも部活動の楽しさなどを味わってほしいものです。。









さて、次回はヒカルが三谷を囲碁部に誘う回でしょうか。

ずるのことは置いておいて、ヒカルとしてはここで何としても三谷に部に入ってほしいところでしょう。
彼が入らないことには、団体戦に出ることがまず叶いませんからね。

それに対し、佐為がどう出るのかも気になります。
恐らく対局を申し込むのでしょうが、そこからどうやって三谷の考えを改めさせるのでしょうかー。


なかなかどこの囲碁部も、一筋縄ではいきませんねw

次回も楽しみです☆