前回、アマチュア囲碁カップの会場で話題となったsaiの存在。
それは日本のプロ棋士である緒方、そしてアキラにも伝わります。

その話に、ヒカルの影を見たアキラと緒方。
彼らは会場からインターネットにアクセスし、saiと対峙しますー!

アキラと佐為の再戦となるのでしょうか?!

感想です☆






神の幻影~第34局 「追憶の一局」




※以下、ネタバレあり※











◎あらすじ◎

アキラかもしれない・・。
ヒカルからそう聞いた佐為(さい)は、目の前の四角い箱の中にアキラもいるのか?!と驚いた。

アキラかどうかまでは分からないー
そう説明しながらもヒカルは、アキラと佐為を打たせてやりたいなぁと考える。
もしこのakiraがアキラだったら、正体は分からなくても佐為と打たせてあげることができるのだが・・。

そうため息をつくヒカルを見た佐為は、試してみようか?と口にする。
この者が塔矢(とうや)アキラかどうか分かるもしれない・・。
佐為はそう言うと、ヒカルに黒番で打つように指示する。

そして彼はヒカルに、石を置く場所を次々に伝えた。
ヒカルは佐為の意図が分からないまま、ただひたすらに石を置いていく・・。
すると佐為は眼を細め、何か考えるように画面をじっと見つめた。

・・ここまではあの時と同じように打ってきましたね。
その言葉に、ヒカルはようやく佐為の意図を理解する。
そうか、佐為はアキラを負かしたあの2戦目を再現しているんだ・・!!

ーそのまま2人は2戦目と同じように、石を置き続けた。
すると今度はakira側の動きが止まった。

打ってこないぜ・・。
ヒカルが息を呑むと、佐為も険しい顔でうなづいた。
打ってこないのは、塔矢だからじゃないですか?
佐為は、アキラがあの時の一手を思い出しているからこそ、手が止まっているのでは・・と考えたのだ。

・・ということは。
ヒカルは重要なことに気付き、身震いする。
それって、アキラに自分がsaiだとバレたってことじゃないのかー?!


一方アマチュア囲碁カップ会場。
そこではアキラが、信じられない・・と目を見開いていた。

まさか・・。
そう呟きながら、アキラは次の手を打つ。
そう、あの時と同じ手を・・。

その手に、ヒカルたちはますますakiraがアキラだという確信を強めた。
これ以上正体がバレるのはマズい!!
ヒカルは慌てて、佐為に別の手で打つように告げる。

そこで佐為は、次の手からは別の流れで行くことにした。
これでごまかせるだろう・・。
ほっと胸をなでおろしたヒカルだったが、その後異変が起きた。
akiraがなかなか次の手を返してこないのだー。

長考だろうか・・。
そう思っていると、急にakiraが投了してきたので、ヒカルたちは驚いた。
その驚きは、もちろんアマチュア囲碁カップの会場でも巻き起こっていた。

突然の対局終了に、選手たちは皆アキラにどういうつもりか、と問う。
するとアキラは席を立ちながら、これ以上打ったら大会に支障をきたしかねない・・と答える。
だから日を改めて、再戦を申し込むことにしますー。
彼はそう言うと、saiにメッセージを打った。

その提案に、ヒカルたちは驚きながらも、受け入れることにした。
ヒカルは三谷(みたに)の姉に次のシフトが入っている日を確認し、日曜日はどうか?とakiraにメッセージを返す。

次の日曜日ー。
saiが指定した日時は、もう選手たちは皆帰国している後だった。
日本に来ればsaiの正体が分かるかもしれないと思ったのに・・。
選手たちはそう残念がりながらも、2人の対局の日を胸に刻む。

アキラもその申し出を了承すると、会場を出ることにした。
妙に神妙な顔つきの彼に、周りの選手たちは監督官たちに、あの少年は誰なのだ?と尋ねる。

監督官たちが、日本のトップ棋士の塔矢名人の息子だと答えると、選手たちは更に首を傾げた。
なぜsaiは彼に対局を申し込んだのだろう。saiから対局を申し込むことなどめったにないのに。
彼は・・何者なんだ?

ー一方和谷(わや)は、別のことでショックを受けていた。
次の日曜日・・。
その日は、プロ試験本選の初日だったのだ。

それなのに、アキラはあっさりとsaiの対局申し込みを受けた。
一敗くらい、どうってことないっていうのか?!それよりも、正体不明の打ち手の方が面白そうだって言うのかよ?!
彼は自分のプロ試験に賭ける思いも汚された気がして、アキラに対して憤りを押さえられないのだった・・。


そしてー日曜日。
プロ試験の会場では、第1戦が始まろうとしていた。

監督官たちは、アキラの姿が見えない・・とざわついている。
その様子を横目で見ながら、和谷は苛立ちを押さえようと自分をなだめていた。

アキラは来ない。あいつは初戦くらい負けても、どうってことないと思っているんだ。
ムカつく野郎だぜー。
彼はその怒りを闘志に変え、目の前の相手に向かうー。

一方アキラは、自宅のパソコンの前に座っていた。
彼は1人静かに、saiが時間に現れるのを待つのだった・・。




















佐為とアキラの再会。


今回はインターネットの中で、アキラと佐為が再び対局することになる話でした。

アキラには、完全にsaiがヒカルだとバレてしまっていますね。
だからこそ、アキラもこの対局を大切にしたいと考え、再戦を別の日に調整したのでしょう。

アマチュア囲碁カップに参加していた選手たちは帰国しなければならない・・ということで残念ですが、きっと2人の対局は皆が観戦するのでしょうね。
かなりの歴史的な戦いとなることは間違いないでしょう。

また今回の件は、緒方や和谷の師匠も知るところとなりました。
当然彼らもアキラとsaiの対局を観戦するでしょうね。
そうなると、saiの実力はいよいよプロの世界でも話題となるかもしれませんー。

うーん、注目を浴びるのは悪いことではないけど、ヒカルと佐為の立場から言うと微妙でもありますよね。
ずっと懸念しているように、あまりにsaiが有名になってしまうと、saiの正体を本気で暴こうとしてくる者も出てくるでしょう。

せっかく楽しく打っていたのにヒカルがsaiだとバレると、ヒカルの今後を考えると良くないーということで、2人はインターネット囲碁をやめなければならなくなるかもしれません。

ヒカルも成長過程なのに、不必要な注目は集めたくないでしょうからね。
これがきっかけで、ヒカルたちがインターネット囲碁を打たなくなるのは残念ですが、その可能性も大きくなってきたように思います。。

アキラかどうか試したのも、マズい判断でしたね。
あれでアキラがsai=ヒカルだと判断したとなると、またアキラの執着は大きくなります。
そしてプロ入りするであろう彼が注目する人物となると・・本当にプロ囲碁界が黙っていないでしょう。

緒方もヒカルの才能には目をつけているようだし、一気にプロの世界入りに引っ張り出される展開もあり得るかも。
うーん、いずれはヒカルもプロ入りを考えるだろうけど、今はその時ではないですよね。
ヒカルを取り巻く環境・・どうなってしまうのでしょうか。


とにかく、今回の再戦は心躍るものの、ヒカルにとっては良くない流れだと思われます。
正体がバレなければ問題はないと思うので、そこに賭けたいですね。
アキラの機転にも期待したいところです・・。

さて、次回の再戦どうなるかー。
注目です!






続いては、プロ試験について。
今回もアキラはまた周囲の反感を買ってしまいましたね・・。
本当に彼はこういう展開多いなぁ(^^;)

いやでも、今回の件は反感を買っても仕方ないかも。
皆がプロ入りを果たしたいと思う世界で、1戦を捨てるという余裕を見せた訳ですからね。

何回負けたら終わりなのか・・とか詳しいルールは分かりませんが、ほとんどの選手にとっては1戦だって逃したくないもの。
それをインターネット囲碁のために不戦敗となったら・・そりゃぁ事情を知る和谷は面白くないと思います。

アキラの気持ちはよく分かりますが、せめて日にちを変えてほしいという一言くらいあれば違ったんですけどねぇ。
あっさり受け入れてしまうところが、彼が周囲に距離を置かれる理由だなぁ・・と改めて感じました。

アキラはきっと不戦敗をつけてもプロ入りするのでしょうが、この周囲の目を気にしない性格はプロの世界でどう影響するのでしょうか・・。
大半の棋士は彼より年上でしょうから大目に見てくれそうですが、礼儀としてしっかり面倒を見てくれる人がいるといいんですけどね。

でもあの塔矢名人の子供だからなぁ・・。恐れ多くて言えないだろうなぁ。

唯一期待できるのは、桑原本因坊でしょうか。彼は明らかに塔矢よりも年上だしタイトルも上なので、びしっと意見を言える立場でしょうからね。
アキラが今後気持ちよく囲碁を打てるためにも、彼の成長を支えてあげてほしいものです。

いずれ囲碁界を支える者として、同年代の仲間たちと切磋琢磨していく姿を見たいなぁと思います。
そのためにも、アキラにも周囲を思いやる気持ちを育んでほしいです。
応援していますよ!!










さて、次回はアキラとsaiの対局ですね!
世界中の棋士たちが注目する一戦です。どんな戦いとなるのでしょうか。

そしてアキラは、saiがヒカルだと確信してしまうのでしょうかー?!
この戦いがヒカルたちに与える影響が気になります!


次回も楽しみです☆