前回、持碁にするという技術を学んだヒカル。
一方囲碁のイベントでスポンサーとの4面碁に挑んだアキラも、真剣に目の前の盤面に挑みます。

その結果、4人のうちの2人の対局が持碁にー。
果たしてこれは偶然なのでしょうか?!

感想です☆




本戦開始~第72局 「完璧な偶然」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

囲碁のイベント。
会場が盛り上がるなか、若い秘書はアキラから目を離すことができなかった。

まさか・・、わざと持碁にした?

彼は自身とアキラの対局を思い返す。
その勝負に、特段おかしなところは見受けられなかった。
というより、アキラは自分に勝つことだって大変だったはずだ・・。
秘書はそう考える。

彼は以前プロ棋士相手に、3子で戦ったことがある。
だがそれは1対1の時だ。4人を相手にしながら、3子しか置いていない自分と戦うのは大変だったはずだろう・・。
まして、そんな勝負をきっちり引き分けに仕上げる?無理だ、偶然だろうー。

一旦はそう考え、秘書は残る2人の対局が終わるのを待つ。
そこで彼は議員の盤面を覗いた。

もうヨセに入っているその面を、秘書は目算で数える。
77・・77?!
そこで信じられないものを目にし、彼は再び固まった。

議員の盤面も、きっちり持碁になっていたのだー。

その対局が終わると、議員は引き分けという結果に悔しがった。
彼の無念そうな声を聞き、老年の秘書が声をあげる。
先生も持碁でしたか!

先生も・・?
議員は秘書も持碁だったと知り、珍しいなーと眉を上げる。
だが彼は老年の秘書たちよりも、置き石が少ない。そのことを誇り高笑いしながら、議員は若い秘書にも結果を尋ねた。
そこで秘書は、口を開くー・・。

持碁ですよ。

それを聞いた議員と老年の秘書は、顔を見合わせた。
偶然・・なのか・・?
2人がそう疑問を感じたとき、ようやく最後の秘書が対局を終える。

際どいところだなー・・。
彼はそう言いながら、整地を行う。
そして結果を見ると、悔しそうに声をあげた。
くそ、持碁だ!!

ーその言葉に、残りの3人は固まった。
皆が目を見開きアキラを見つめる。その視線を受けながらも、アキラは平然と片付けを始める。

4人とも持碁なんて珍しい。いや、偶然なのか?
議員はあまりの結果に、若干青ざめながら目を白黒させる。
・・そんなことができるものなのか?4人相手に、自分は確かに普通に打っただけなのに・・。

その時、アキラが議員の方を向き直った。
彼は表情を全く崩さず、検討を始めようーと告げる・・


その後、議員は次の仕事があるので帰ることとなった。
見送りに出た主催者は、そこで若い議員から事のあらましを聞いて驚愕する。

4人を持碁にー?!

彼は議員が気を悪くしたのではないかと慌てたが、秘書は大丈夫だ、と答えた。
皆あまりのことに茫然自失で言葉も出ませんでした・・。
秘書はおかしそうにそう話し、たまにはあのくらいのお灸も必要なのだ、と話す。

と、そこにアキラがやってきた。
さすがにバツの悪い彼は、2人の前で頭を下げる。
秘書は、これからはもっと上手くやるんですよ、と笑うと議員の待つ車へ戻っていくー。

意外にも車の中では、議員は上機嫌だった。
4人持碁には驚いたが、プロ棋士に3子で引き分けだと言えば自慢になるー。
そう話すどこまでも豪胆な議員に苦笑しながら、若い秘書はアキラのことを思い返す。

それにしても、プロの力とは恐れ入る・・。
彼はアキラと戦えたことを光栄に感じるのだった。


午後ー
同じくゲストとしてやってきた芦原(あしわら)は、午前中のアキラの行いを聞いて呆れかえった。
彼は控え室にいるアキラの元へとすぐさま向かい、怒った。

だがそれは、議員に失礼を働いたことを怒っているのではなかった。
イベントで才能の無駄使いをしたことーそれを、芦原は注意する。

アキラは昇段のかかった大手合いに加え、本因坊戦やその他の対局も控えている身だ。今日みたいなことで全力を使っていたら、消耗してしまうぞー。
芦原は先輩として、アキラのプロ意識を心配していたのだった。

それに、最近イライラしているように見えるぞ・・。
芦原は、アキラの様子に気持ちのゆとりが感じられない、と思っていた。
そのことを指摘しながら、あまり気負うなよーと芦原は笑う。
誰も追いかけてきやしないんだから・・

・・でも、プロ試験予選は通った。
芦原の言葉に、アキラは小さな声で呟いた。
彼は心配そうな芦原に笑みを向けると、なんでもない・・と応えるのだった。


その頃ー
ヒカルは碁会所で、3面持碁に挑戦していた。

結果は1目読み間違えて、完封ならず!
ヒカルは激しく悔しがるが、連日彼の様子を見ていた店主は胸が熱くなるのを感じていた。

人が成長する様を、初めて目の当たりにしたよー。
彼は笑みを浮かべ、感嘆の息をつくのだった。

そして・・それは佐為(さい)も同じことだった。
彼もまた、ここに来てのヒカルの急成長に興奮を隠しきれないのだったー。




















追う者、追われる者。


今回はアキラが指導碁で、4面持碁を果たした回でした。

完璧なまでの4面持碁!
さすがにこれには、議員も怒る気にならなかったようでw

確かにどうやったのか分からないし、本当にそんなことができるのかーと唖然とする思いですよね。
自分が普通に打っていたのなら、尚更です。
一見普通に打っていたのに、実はアキラの手の上で転がされていたのだとしたら・・うーん、怖い!w怖すぎて何も言えませんね(^^;)

ただ、アキラもやっちゃった自覚はあるらしいのがかわいいw
そういうところは、まだまだ子どもな面もありますね。

若い秘書の言う通り、本来なら議員だけ持碁にするなどもっとやり方はあったはず。
その辺は今後プロとしてこういう機会を何度も得て、学んでいってほしいものですね。
じゃないと、見てるこっちも冷や冷やするから。

今は子どもだからと許されていることでも、立場が上がりどんどん目立つようになれば、先輩棋士たちの中にはアキラの振る舞いを面白く思わない人たちも出てくるでしょう。
そういう面倒な対立こそ、今回芦原が言ったようなもので、対局以外の余計な荷物となってアキラに塞がります。

それを少しでも軽くするためには、処世術というものを身に着けることもまた必要でしょう。
今回の指導碁、良い経験となったのではないでしょうかー。

まぁこれって、アキラだけに言えたことではないんですけどね。
伊角は心配してないけど、プロに上がったとしたらヒカルや和谷、越智なんかも態度悪そうで心配ですw
揉まれて経験して成長していくものだろうけど、本当勝負意外での不要な争いからはなるべく逃げてほしいものだなーと思います。

未来ある子どもたち、今は耐え時!頑張れ!!


それにしても、アキラは良い先輩方に恵まれていますね。
緒方は変わってるけどアキラたち若手のことをよく考えてくれているし、芦原の今回の説教は感じよくて好感が持てました(^^)

アキラのやったことを責めるのではなく、アキラの今後を思って心配して怒ってれたんだもんなぁ。
プロ棋士という立場としてはライバル同士でもあるのに、素敵な人です。

ただ彼から見ても、アキラがピリピリしているというのは、ちょっと良くない兆候かも。
ヒカルのことが気になっているのでしょうが、神経をすり減らすのも良くないし、それが対局に影響しないかも心配。。

今回のような指導碁なら大丈夫でしょうが、プロ棋士同士の対局となると、精神的な面も大いに関わってきます。
それこそ1mmの心の乱れが勝敗を左右するような世界・・。
アキラには万全の態勢で戦ってほしいのですけどねぇ。

でもヒカルのことが気になるというのは、読んでる方からしたら嬉しいところだから、これもまた難しいw
周りには隠しているけど、ヒカルを未だライバル視していることがだだ洩れだからアキラは愛しいんですよねぇ(^^)

でも実際に、ヒカルがプロに昇段したら、ついに立場的には横並びですからね。
いつ対局となってもおかしくないし、タイトルを2人で奪い合う場面だって出てくるでしょう。
ついにヒカルは、アキラを射程圏内に捕らえることになるのです。

これは改めて考えると、ゾクゾクする展開ですね。
だからこそアキラも、心を乱されているのでしょう。

団体戦のときはまるで相手にならなかったヒカルが、同じ土俵に立てるくらいまでには成長してやってきたー
それはきっと喜びであると同時に、恐れでもあるのでしょうね。

やっぱりアキラにとっては、現状でもヒカルが一番のライバルなんだなぁ。
そう思うと、なんだか胸がくすぐったくなりますね。ずっと見てきている2人だからこそ、絆のようなものが感じられて嬉しいというか・・。

だからヒカルには、プロ試験本選に全力で挑んでほしいと思います。
たとえ今年上がれなくても、結果を残すということもまた重要ですからね。

あー、でも本音はやっぱり受かってほしい!
次回から、ついに本戦始まるかな?
ドキドキしながら、見守りたいと思います!





さて、最後にヒカルサイドも。

今回、3面持碁に挑戦したヒカル。
結果はわずかなミスで成功とはなりませんでしたが、成長スピードを考えるとすさまじいことですよね。

碁会所の店主や佐為が興奮するのも、分かります。人はこんなにも成長することができるのですねー。
この調子ならプロ試験本選も好調な滑り出しを切ることができるのではないか、と期待してしまいます。
もう椿に怯えることもないでしょうしねw

佐為と特訓しているときの成長も速かったですが、やっぱりヒカルは色んな人と打ってこそ力が伸びる気がします。
きっと吸収する力が強いのでしょうね。
ここ最近で、それが明らかになったように感じます。

なのでプロ試験本選でも、プロになった後も、ヒカルはぐんぐん成長していくのでしょう。
伸びしろばかりの彼には、本当にワクワクさせられますね。

プロ試験本選、どんな戦いが見られるのかー
楽しみに待ちたいと思います!









さて、次回はそろそろプロ試験本選が始まる頃でしょうか。

あの散々だったプロ試験予選後から、碁会所で特訓を積んできたヒカル。
様々な大人たちと打つことで、本当に色々なことを学んできたと思います。
それを存分に発揮してほしいところです。

そしてそれは、他の仲間たちも同じことー。
3人という狭い枠ですが、皆自分の力を最大限に発揮して、悔いない戦いをしてほしいと願います!


勝ち上がるのは誰になるのかー?!
次回も楽しみです☆