前回、韓国人の集う碁会所に出向いたヒカルたち。
彼らはそこで韓国の研究生、洪秀英と出会います。

時刻の囲碁を誇り、ヒカルたちにライバル心を剥き出しにする秀英。
対局することになったヒカルは、彼に勝つことができるのでしょうかー?!

感想です☆





本戦開始~第75局 「勝者は1人」





※以下、ネタバレあり※











◎あらすじ◎

新聞社。
囲碁新聞の記者たちは、先日行われた日韓新鋭宣で日本が良いとこなしだったことを憂いていた。

中国との戦いでも、先日日本は惨敗したばかりだ。
日本にも活きのいい棋士はいるものの、総じて押され気味だな・・と記者たちはため息をつく。

その理由は、若手が出てこないことだった。
倉田(くらた)六段に続く大きな波が来れば、あるいは・・。
記者たちは、囲碁界の未来にそう期待するのだった。


その頃ー
ヒカルと秀英(スヨン)の対局は始まっていた。
2人は大勢が見守るなか、黙々と石を置いていく。

そんな中伊角(いすみ)は気になり、店主に秀英の実力について尋ねた。
研究生の中で、彼はどのレベルなのか・・。
その問いに、店主は韓国の研究生の仕組みを教える。

韓国では、研究生のクラスは1組から10組まであり、1クラス10名から成っている。
そして毎月クラスの下位4名が下の組に落ち、上位4名が上の組に上がるというシステムになっている。
秀英はその厳しい世界を順調に勝ち上がっていたので、誰もがプロになると思っていたーと店主は語る。

だがつい最近、秀英はクラスを下げてしまった。
そのことで彼はクサってしまい、次の月もクラス落ち・・。今月あったプロ試験も越智てしまったのだという。
そこで息抜きのために、彼は叔父のいる日本へと送られてきていたのだった。

2人の話を聞いていた男が、日本の院生と韓国の研究生は比べ物にならない、と胸を張る。
だが店主は秀英を見ながら、しかし今は技術以前の問題だ・・と考えた。
果たして今の秀英が、この子に勝てるだろうかー・・。

ー秀英もまた、打ちながら韓国での挫折を思い出していた。
皆が秀英がクラスを落ちたことを噂し、心配した。
だが結果は奮わず、秀英はどんどん囲碁の楽しさから遠ざかっていった。

どうでもいい・・。
そう思うと、更に結果はついてこなくなる。
そして・・秀英は、もう1つクラスを下げてしまったのだ。

そのことは秀英を焦らせ、囲碁への棋力を奪った。
どうでもいい、イライラする。勝ち方を忘れてしまったみたいだ。

何をやっているんだ、僕は・・。

ーヒカルとの対局は予想とは違い、一手一手気を抜けないものだった。
こいつ、予想外に強い・・!
そう感じながらも、秀英は負ける気もまたしなかった。

こんなところで負けたら、自分も終わりだ。もし自分が負けるようなら、お前の名前を覚えてやるー!!
その訳を聞いたヒカルもまた、にっと笑みを浮かべる。
ああ、覚えてもらおうじゃないか!!

2人の睨み合いは続く。
と、そこへ客が入ってきた。

その男性は人だかりができているのに気づくと、何かあるのか、と近くの客に尋ねる。
そこで韓国の研究生と日本の院生が戦っていると聞いた彼は、2人の少年の顔を覗き込み、ヒカルを見て息を呑んだ。

あの子は・・葉瀬中の!!

その人物は、海王中囲碁部の顧問の尹(ユン)だった。
彼はヒカルが院生だという事実を呑み込めず、驚きを隠せなかった。

・・だが対局を眺めるうちに、尹はヒカルの技量が上がっていることに気付いた。
彼は初めてヒカルを団体戦で見たときのことを思い返し、あの時は技量に感心したものだった・・と1人うなづく。

けれども2回目の団体戦でのヒカルの対局は、酷くがっかりさせられるものだった。
アキラの落胆の表情を思い出しながら、尹は尚も信じ切れない気持ちでいた。
その少年が、1年余りで院生になるまで成長したというのかー?!

ーヒカルと秀英は、互いの存在をバチバチに意識しながらぶつかった。
互いに、こいつにだけは負けたくない!!と闘志を燃やし合う。

その姿を見ながら、佐為は少し笑みを浮かべた。
諍いで始まった碁にも関わらず、何と心踊らされる碁であろうかー。

彼は2人の闘志が、それぞれに工夫した手を打たせていることを嬉しく思った。
どうしても勝ちたい一戦だからこそ、2人は無難な手は決して選ぼうとしないのだ。

それはまるで、石を持つ手が勝手に新しい道を切り開いていくようだった。
何という伸び盛りの時期の眩しさよ・・。
佐為は感動しながらも、それでも勝者は1人なのだーと2人を厳しい目で見つめる。

この勝負、最後にヨミ勝つのはどちらかー。


対局は中盤を越えた。
尹はその勝負の流れに秀英の優勢を感じながらも、ヒカルの実力からも目が離せなかった。

一方伊角と和谷(わや)もまた、ヒカルの方が若干分が悪いことに気付いていた。
と、その時ーヒカルが思わぬ場所に石を置いた。
皆その手に、はっと目を見張る。

ー今の進藤(しんどう)君の一手は、どういう意図だ?
ーこいつの今の手は、失着だ!!
ー進藤、それは上手くないだろう・・。

誰もがヒカルの手に疑問を覚え、秀英の有利を感じた。
だがその中で佐為だけは・・1人違った。

彼はヒカルの意図に気付き、ほほ笑んですらいたのだ。
ヒカルの一手ーそれが化ける瞬間を待ちながら!




















ヒカルVS秀英!!


今回はヒカルと秀英がライバル心剥き出しでぶつかる話でした。

どちらの瞳にも強い炎がともっていて、見ていて爽快ですね!
ギャラリーも多いし、お互いに馬鹿にされたようなものですから引けない戦いです。
本当偶然の出会いでしたが、結果的には2人に取って絶好の機会となったのではないでしょうか。

特に秀英・・。
彼は韓国でスランプに陥り、気分転換に日本に訪れていたのですね。
日本より厳しく容赦ないシステムの研究生制度。2か月連続で組を落ちたというのは、誰であっても落ち込むでしょう。

秀英も勝つ感覚が分からなくなってしまったそうで・・。見ている感じ、負けることを恐れて全力をつぎこめていない感じでしょうか。
ここまで調子よく行ったからこそ、初めての大きな壁の前になす術なくなってしまったのでしょう。
彼の年齢を思うと、当然のことだと思います。

こういうときは事態を分析して弱点克服に努めるべきなのでしょうが、それは自分の弱さを受け入れることでもあります。
なかなかプライドが高い場合は、難しくもあるでしょうね・・。

秀英も自分はできる、と信じて疑ってこなかったのでしょう。だからこそつまづいた時に、起き上がれなくなってしまった・・。
仲間の研究生の言葉がそのまま彼の弱点を表しているのでしょうが、聞くのも嫌な状態なのでしょうね。

うん、分かる・・。


でもこのままではいけないと思っているのも、また本人なのですよね。
なので秀英にはヒカルと全力でぶつかることで、戦いの楽しさを思い出してほしいです。

力量は互角のようなのでまだどちらが勝つかは分かりませんが、どちらが勝っても互いに学ぶことはあるはず。
特に国を越えて鍛錬している者との戦いです。いずれまた戦うにはプロになるしかないーとなれば、自然とプロ棋士への思いもまた強くなるのではないでしょうか。

秀英が気力を取り戻して韓国に帰れるといいな、と思います。
そのためにも相手のヒカルもー頑張れ!!





さて、そのヒカルですが何やら策があるようです。
最後の手は皆には失着に見えたようですが、佐為にはヒカルの意図が分かったようで・・。

となると以前若獅子戦でヒカルが見せたような、失着からの攻め手に変わる手なのでしょうか。
彼の今回の一手は、後の戦いを見据えての一手なのかもしれませんね。

もしかしたら、ヒカルはこのパターンが得意なのかな。
対局を大観的に捉えるのが上手いのかもしれません。新たなヒカルの強み発見かも(^^)

3人持碁などの特訓も、効いたのだと思います。あれによって、対局を最後まで見通す癖がついたのではないでしょうか。
まさに特訓の成果、という奴ですね。


さあ、勝負の行方もこれで分からなくなってきました!
今は秀英優勢ですが、ここからヒカルの巻き返しなるのか?!それともこのまま粘り切られてしまうのか?!

次回で決着がつきそうですね。
せっかく海王中囲碁部の顧問も現れたので、彼のヒカルへの印象がどう変わりどう評価されるのかも楽しみです!
それがアキラの耳に入ったりしたらと思うと・・興奮してたまらない!!

そしてこれがプロ試験本選前最後の対局になるのかな。
ヒカルがこの調子のまま試験に臨めることを期待したいと思います。

両者とも最後まで頑張れ!!










さて、次回はヒカルと秀英の対局の決着ですね!

秀英優勢で進んでいたものの、ここに来てヒカルが勝負を仕掛けました。
皆まだ彼の意図には気付いていないようなので、ここからヒカルの真価が見られるのでしょうかー?!

そしてその結果、勝負はどう動くのか?
期待しながら見守りたいと思います。

次回も楽しみです☆