今回から、10巻です!

前回、プロ試験を6連勝という快勝で進むヒカル。
その成績に、受験者たちーそしてアキラにまで、動揺は広がります。

そんな中、アキラに越智の指導碁の依頼が来てー?!

感想です☆





起死回生~第79局 「ヒカルVS椿」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

第7戦目の日ー。
朝会場に着くと、椿(つばき)が入口でヒカルを待ち構えていた。
今日は、椿と対局する日なのだー。

白星をため込んでいるようだが、まぐれはそうそう続かないということを教えてやる。
そう意気込む椿に、じゃあ今日勝ったら自分の連勝はまぐれではなく、実力ってことになるんだねーとヒカルは返す。

彼はもう予選のときのように、椿に怯えることはなかった。
今度バイクに乗せてよー。
そう笑うヒカルの姿に、椿はあいつ変わったな・・と面白くなさそうにする。

そのやり取りを見ていた越智(おち)は、進藤(しんどう)が変わった?と顔を上げた。
確か以前、飯島(いいじま)も同じようなことを言っていたのを、彼は記憶していたのだ。

だがそれ以上は気にかけず、越智は黙々と自分のペースで対局までの時間を過ごすのだった。


いつも通り対局は始まり、昼休憩の時間を迎えた。
ヒカルと椿は一緒に昼食を取りながら、囲碁談義を白熱させる。

すると横で突っ伏していた飯島が、うるさい・・と2人を睨んだ。
椿はむっとし、ここは休憩室なんだから寝たいなら他の部屋へ行け!と睨み返す。

だが飯島も負けず、呑気そうだなーと椿を蔑みの目で見つめる。
プロ試験に落ちても、職場に戻ればいいんだから気楽なもんだよなー。
彼がそう言うと、椿は机を叩いた。
馬鹿野郎、戻れる職場なんてあるか!!

椿は、2か月続く本戦のために仕事を辞めてきていた。
それを聞いた外来の受験者たちも、一様にうなづく。

皆フリーターだったり、仕事を続けるのには苦労している。
また今回の試験のために、地方からやってきている者もいる。そういう者は、遠征料だって馬鹿にならない・・。

彼らはため息をつき、東京の学生は気楽でいいよな・・と逆に飯島を羨む。
飯島は居心地が悪くなり、それ以上椿に盾つくのはやめるのだった。

その後昼休みが終わり、一行は対局場へ戻った。
才能も境遇も人それぞれなれど、とにかくたくさん勝った者がプロになれるという分かりやすい競争の中で彼らは戦っているー。

佐為(さい)はそんな受験生たちを眺めながら、ヒカルと椿の盤面を眺める。
ー勝負は、ヒカルの勝ちだった・・。


そしてその後続く第8戦まで、ヒカルたち連勝の4人はそのまま勝ち進んだ。
だが9戦目ー
ついに和谷(わや)が、黒星をつける。

その結果に、受験者たちは少なからず動揺する。
連勝を守る者、1敗で必死に連勝組に食らいつく者・・。
徐々に緊迫した空気が1日中続くようになる中、越智もまた対局表を眺めた。

和谷は負けたが、越智同様ヒカルと伊角(いすみ)の連勝は続いている。
越智が2人と当たるのは、伊角が15戦目、ヒカルは最終日だ。

明日で10戦目・・。
彼はカレンダーを見る。
明日はアキラが家に来る日だー。

翌日ー
日が暮れる頃、アキラは家を出た。

ネットで調べた限りでは、越智は今のところプロ試験を全勝している。
それなりの技量の持ち主だろう・・。
彼はそう考えながらも、気になるのは越智のことではなかった。

越智は・・ヒカルのことをどう語るだろう。

アキラの中には、同じく連勝しているヒカルのことしかなかった。
彼の実力が知りたいー!!
その思いの裏には、何か彼を追い立てるものの存在が背後にあった。

最近、やけに感じるんだ。僕の背後から、僕に近づいてくる進藤の足音が聞こえるー!!
彼はそのプレッシャーに、人知れず汗を掻くのだった・・。



















連勝は実力か。

今回はヒカルが椿との対局にも勝ち、9戦連勝を遂げる話でした。

本当に快勝を続けるヒカル。
3分の1の対局を白星で決めたということは、これはもう彼の実力ということで認めていいのではないでしょうか。

残りのメンバーも、健闘していますね。
伊角と越智も同じく9連勝、和谷は1敗するも本田と並び8勝1敗・・。
この上位陣が、プロ入りを争うことになりそうです。

うーん、戦いも3分の1も終わると、結果が見えてちゃうものですね。
これだけ勝ちが続く受験者がいると、負けが込む受験者は当然この時点でかなり厳しい訳で・・。
段々空気がピリついたものになってきているのが伝わってきて、なかなか辛いものがありました。

またそれは、勝ち進んでいる者も同じですよね。
今は調子が良くても、いつ崩れるか分からない。
そうなると、すぐに後ろから待ち構えている受験者に食われてしまう可能性があります。

勝負の世界は、勝たないと話にならないのだなーと改めて感じさせられます。このプレッシャーに勝つ者が、プロ入りを掴むのでしょう・・。

そう考えるとまだ結果は分かりませんね。
ヒカルだっていつ崩れるか分からないし、伊角と越智がヒカルを意識して少しずつ緊張感を高めているのも確か・・。

なのでまだまだ気は抜かずに、勝負を見守りたいと思います。
中盤からは院生仲間との対局が続くので、そこは本当に目が離せないですね。

勝ち抜けるのは3名だけー。
どのような結果になるのか、引き続きドキドキです!





さて、今回は外来受験生の事情についても話が出ました。

皆、大変な思いをしてここまで来ているんですねぇ。
確かに1年に1度、2か月も仕事を休むとなったら定職に就くのは難しいでしょう・・。

30歳までは受験資格があるとはいえ、世間での30歳はもうバリバリ働いている年です。
周りの目も厳しいだろうし、院生たちとはまた別の意味でも厳しさがあるでしょう。

また、地方受験組も大変ですよね。
特に囲碁のプロ試験は2か月も続く訳ですから、その間の生活のことも考えなくてはなりません。
週に3日も対局があっては毎回地元に帰る訳にもいかないし、前々から資金も準備しておかなければ受験すら難しそうです。。

皆そういう色んな厳しさを乗り越えて、プロになろうと進んでいるのですね・・。
改めて考えると、夢を追うことは何と大変か・・。

こんな事情を知ってしまうと、本当に皆に受かってほしいと考えてしまいます。でもそれはならないのですよね・・。
ああ、結果が出たら泣いちゃいそうだなぁ。皆それぞれに、ドラマがあるんだよなぁ。

せめて全員が実力を発揮して、悔いない戦いができれば・・と思います。
本当、頑張れ、皆!!






さて、最後にアキラについて。

ついに越智の元へ出向くアキラ。
でも越智のことには目もくれず、頭の中はヒカルのことばっかりです(^^;)
やっぱり一波乱ある予感・・。

でも、アキラが焦れるのも分かります。ここのところのヒカルは、本当一気に伸びましたからね。
側にいる院生仲間ですら感じるくらいなのですから、遠くで見ているアキラにとってはそれこそ一足跳びに追いついてきたように見えるのでしょう。

実際今回プロ試験に受かれば、立場は同じプロ棋士ですからね。
越智の言うように、低段者同士なのですぐに対局する可能性も十分ある訳です。

そうなれば2人の再戦も間近ということになり・・、それこそ若獅子戦でぶつかることもありえます。
そしてそれは、ヒカルがアキラに追いついたということに他ならないでしょうー。

あれだけ突き放したはずなのに、もうヒカルとの差はほんの僅か・・。
これはアキラも意識せずにはいられませんよね。認めたくなくても、ヒカルは彼にとってライバルなのですから・・。

ただそのことを意識しすぎて、越智の気持ちを乱してはほしくないですね。そこはプロ試験の真っ最中なので気をつかってほしいけど、アキラのことだからどうなるか・・。
まずは越智を怒らせないように、気をつけてくださいよー苦笑)

2人の出会いがどんなものになるのか、楽しみですね。
互いに得るもののある出会いとなればいいな、と願っておきますw








さて、次回は越智とアキラが出会う回ですね。

ここまでヒカルと同じく連勝を続けてきた越智。
昨年プロ試験を合格したアキラから、彼は何を学び取るのでしょうか。

一方、ヒカルのことが気になり、越智から情報を得ようとするアキラ。
彼はヒカルの現状を知り、どう対応するのでしょうかー?!

プロ試験も、中盤・・。

次回も楽しみです☆