前回、越智と激闘を繰り広げたヒカル。
流れは越智に傾いたものの、ヒカルも負けじと粘りました。

そしてついに見つけた逆転の目!
ヒカルはこの流れを生かし、越智に勝利することができるのでしょうかー?!

感想です☆




激戦~第95局 「2人目の合格者」





※以下、ネタバレあり※












◎あらすじ◎

対局の結果が出始める頃ー
会場には、日本棋院の出版部の記者たちが訪ねてきていた。

彼らは合格者の取材と写真を撮りに来ていたが、対応した受付の男は今日結果が出るかどうか・・と首をひねる。
まだプレーオフの可能性があるからだ。

記者たちもそれは心得ていて、とりあえず今日の結果を待つという。
彼らは最終戦の結果が出るまで、待機することにするのだった。

そんな中ーヒカルと越智(おち)の戦いは、ますます激しさを増した。
自身の優勢に自信をつけた越智は、一気に畳みかけようと石を置くペースを加速させる。
だがその時、ヒカルが受けた手を見て彼の動きが一瞬止まった。

・・え?
その手は、越智にとっては予想外のものだった。
慌てて受けるも、ヒカルの勢いは止まらない。
越智の額を・・汗が流れた。

いけない、いつのまにか進藤(しんどう)に石がー!!

ーその流れを、佐為(さい)はヒカルの背後で黙って見守った。
ヒカルは、越智が気付かなかったわずかな隙を見逃さなかった。その結果彼は右下の越智の攻撃をシノぎ、劣勢を取り返したのだー。

これで勝負は分からなくなった!
佐為は越智の背後に控えるアキラの影に、呼びかける。
塔矢(とうや)、これが今のヒカルですー。

2年前、アキラと打ったのは佐為だった。その時から、アキラはヒカルの中にヒカルと佐為の2人を見ることになった。
アキラは戸惑い、さぞや問いたかったことだろう。
君は何者だー?と。

・・私は佐為だ。藤原佐為(ふじわらのさい)。
そう答えながらも、佐為はアキラの瞳を見据える。
だが、あなたの問いかけに応えるのはヒカルだ。ヒカルは私を吸収し、成長していく・・

塔矢、あなたがいずれ出会うのは私ではなく、ヒカルーーー!!


ー同刻、アキラはイベントで指導碁を打っていた。
彼は時折時計を見ては、プロ試験はどうなっただろう・・と考える。

と、そこへ記者の男がやってくる。
彼はアキラに連勝の感想を聞くために出向いたのだった。

アキラの連勝は、20勝ほ続いている。
歴代の記録では倉田(くらた)の25連勝や桑原(くわばら)の27連勝があったが、新人棋士がそれを上回るなら歴史的なことだー。
記者は、記録について意識したことはないか?と尋ねるが、アキラは気のない返事返す・・。

その態度に、野望とかはないのか?と記者は更に踏み込む。
塔矢名人を越えたいとか世界のトップに立ちたいなど、棋士にはそれぞれの目標がある。
だがアキラはそれに対しても、何も答えることはなかった。

記者としては、アキラが21世紀の囲碁界を引っ張っていくだろうと考え、早めに紙面で取り上げたいと考えていた。
けれども興味のないアキラは、取材を断ってしまう。
記者はため息をつくと、時計をあらためた。
そろそろ研修センターに電話してみるかー。

彼はプロ試験の結果を確認しようと席を立つ。
その呟きを聞いたアキラはさっきとは打って変わった態度で、記者に食らいついた。
僕にも・・結果を教えてくださいー!!

ー同刻、試験会場では残り2局を残すところとなっていた。
監督官たちは、大変な2局が残ってしまったもんだ・・と思わずため息をつく。
その2局とは、和谷(わや)とフク、そしてヒカルと越智の対局だった。

受験生たちはそれぞれ2つの輪を作り、プロ入りを賭けた戦いを見守る。
その緊張した空気を感じながら、監督官は外で1人結果を待っている伊角(いすみ)の姿を眺めた。

伊角は、今日の対局を勝利で終えていた。
後はヒカルと和谷の結果を待つだけだ・・。
一体どんな気持ちで待っているのだろう、と監督官はその強張った背中を案じるのだった。

それから少しすると、外は雨が降り出した。
入口で時間をつぶしていた伊角は、濡れないように建物の中へと戻る。

すると、対局場からざわめ声が聞こえた。
どうやらどちらかの対局が終わったようだ。
彼は恐る恐る対局場の方に目をやるー。

そこに見えたのは、涙を浮かべながら満面の笑みを見せる和谷の姿だった。
決まったーー!!
伊角の背筋が、ぞわっと粟だった。

彼は休憩室まで歩くと、机にもたれるように崩れかかる。
和谷が勝った・・。
可能性は十分に考慮していたが、それでも実際に自分がプロになるチャンスが減ったことはショックだった。

勝つ者が上に行く。それはこの世界にいる誰もが覚悟していることだ。その覚悟あっての上で、皆今まで共に笑いあい語り合ってきたのだ。
伊角は必死に自分にそう言い聞かせ、落ち着こうとお茶を手に取る。

残るは進藤(しんどう)と越智の勝負。進藤が負ければ、プレーオフはある!
そう考えてお茶を入れたその時だった。

今度はひと際大きいざわめきが、対局場で起こった。
その騒ぎを聞きつけ、詰めていた記者たちが駆けだしていく。
伊角は緊張から、思わずお茶を取りこぼす。

終わった・・。
彼は休憩室から動くことができず、ただ結果が聞こえてくるのを待つ。
どっちだ?どっちが勝ったーーー?!




















2人目は和谷!!

今回はヒカルと越智が激闘を続けるなか、和谷がプロ入りを果たした回でした。

ついに和谷がプロになりました!
おめでとう、泣いている姿が可愛くてほっとしました。

これで師匠にも報告ができますね!
4回目の挑戦・・長い戦いでしたが、よく頑張りました。
本当におめでとう、和谷。

これで残るプロ枠は1つ。
ヒカルか伊角のどちらかとなりました。

ラストで結果が出たようですが、ヒカルはあのまま逆転できたのでしょうか?!かなり越智が優勢を行っていたので、ハラハラしますね。
きっとヒカルならやってくれたと思うけど・・。

そして伊角。
結果を待つだけという状態が、一番キツいですね。
自分は結果を出したから、後は他者にチャンスを委ねるしかないという・・。
自分だったら耐えられないような状況です。

伊角だってここまで来るまでにどれだけの苦渋を呑んだか。
せっかく掴んだチャンス、絶対にあきらめたくないですよね。
院生生活も最後の彼のことを思うと、プレーオフさせてあげたいなぁと思ってしまいます。

ヒカルとの対局も、本音はもう1度やり直してほしい気持ちもあります。今度こそ正々堂々と戦って、どんな結果が出るのか見たいんですよね。
でもヒカルのことを思うと、ここで受かってほしいし・・。本当複雑な思いです。

いよいよ次回、結果発表!
ヒカルと越智の対局はどうなったのかー
心して待ちたいと思います。





さて、後はアキラについて。

相変わらずヒカルのことにしか興味のないアキラ。
目標などを聞かれても答えられず・・。ちょっと心配になってしまいました。

彼が父親を倒そうとか考えてないのは知っていましたが、それでも囲碁界のトップに立ちたいとかの思いも無いんでしょうか。
イマイチアキラの真意が図れず、こんな状態でプロ棋士の世界で上手くやっていけてるのかと不安ですよ。
それなのに成績は抜群だからなぁ。先輩棋士たちに嫌われるタイプじゃないんだろうか(^^;)

塔矢名人も、息子のことはどう考えているのでしょうね。
いずれ親子対決だってあり得る関係になったけど、今のアキラでは戦うに見合う相手とは言い難いのではないでしょうか。
その辺プロ試験が終わったら、フォーカスしてくれないかなぁ。アキラが何を考えてるのか、もっとちゃんと知りたいです。


でもそんな彼のためにも、ヒカルのプロ入りは重要な意味を持ちそうですね。
ヒカルが同じ土俵に上がってきたとなったら、アキラの闘志もぐっと沸いてくるのではないでしょうか。
まぁ対ヒカルばかりに視線が行ってしまっても困るのですけど(汗)

登場した頃から、どこか憂いのあるアキラ。
そんな彼を奮起させる存在であるヒカル。
この2人がプロの世界で対峙することになったら、どんな変化が起きるのかー是非見てみたいですね。

そのためにも、やっぱりヒカルにはプロに上がってもらわなければなりません!
越智、和谷と共にプロ囲碁界に入り、21世紀の囲碁界を引っ張っていく姿が見れること、期待しています!!








さて、次回はヒカルと越智の対局の結果が出る回ですね。

伊角とのプレーオフが懸かった勝負、そして越智にとっては自分をアキラに認めさせるための勝負。
互いに負けられないからこそ激しく火花をぶつけ合ってきましたが、その結果は果たしてどうなったのでしょうか。


ヒカルはプロ入りを決めることができたのかー?

次回も楽しみです☆