前回、ついに正式にプロとなったヒカルたち。
表彰式にはアキラたち他の棋士の姿もあり、ヒカルは胸を弾ませます。

そんな中、大手合いの試合表が配布され、それを見たヒカルは驚きます。
プロ初戦の相手ーそれは、アキラだったのです!

いきなりの再戦!一体どうなってしまうのでしょうか?!

感想です☆




プロ第一戦~第106局 「プレッシャー」





※以下、ネタバレあり※











◎あらすじ◎

初戦の相手が、アキラー?!
手合わせ表を見て、ヒカルは息を呑んだ。

アキラとの対戦、願ってもいないところですね。
そうほほ笑む佐為(さい)に、ヒカルはアキラが知っているのだろうか・・?と呟く。
佐為はうなづき、アキラはもう宣戦布告してきたでしょうーと告げる。

さっきの態度、すれ違ったときの目。あれは全てヒカルと対局することを知っていたからだろうー。
佐為にそう指摘され、ヒカルもようやくアキラの態度に納得する。

見せつけておやりなさいよ、今のヒカルを。
佐為はそう言ってヒカルを見つめる。
ヒカルはもう一度手合わせ表を見て、拳にぐっと力をこめた。

よおし!
彼は気合を入れ、アキラとの対局に臨もうと決意するのだった。


数日後、都内ホテル。
そこでは、十段タイトル保持者である塔矢(とうや)と挑戦者の緒方(おがた)が対局していた。

五番勝負の内の、今日は第2局。
結果は緒方の3目半勝ちだった。

第1局は塔矢に負けていたため、緒方は勝てたことへの喜びを噛みしめた。
これで1勝1敗だー。
そんな彼の笑みに、第3局が楽しみだよ、と塔矢は鋭い視線を向けるー。

一方、学校から帰宅したヒカルは、棋院からのハガキを受け取った。
そこには大手合いについての詳細が記されていて、ヒカルは急いで内容を確かめる。

アキラとの対局は、4月4日に行われることになった。
いよいよだ・・。
ヒカルと佐為は、近づく再戦に胸を高ぶらせるー。


そしてー4月4日。
ヒカルは日本棋院会館に赴いた。

エレベーターを降りると、彼は冴木(さえき)がいるのに気づく。
冴木も今日が手合いの日で、初戦のヒカルが緊張しているだろうと思って待っていてくれたのだった。

ヒカルの様子を見て、冴木はあまり緊張してないようだな・・と首を傾げる。
ヒカルも考え、知っている相手だからかな・・と答える。
気負いはあるけど、緊張はないやー。

そんな話をしていると、他の棋士が冴木に声をかけた。
今日は和谷(わや)や越智(おち)はいないが、結構な人数が大手合いに参加するようだ。
冴木と共に、ヒカルは対局場へと向かう。

すると他の棋士たちも、続々と会場にやってきた。
ヒカルは自分の席に移動し、アキラがやってくるのを待つことにする。

待ちに待った相手だから、戦うのが楽しみですね。
隣で佐為はそうほほ笑む。
だがヒカルは、緊張に表情が強張り、笑うことができなかった。

もうじきアキラと・・。
そう思うだけで手が震え、彼は碁石を取り落としてしまう。

そんな自分を見て、ヒカルはあの時のアキラと同じだ・・!と過去を思い返す。
そう、中学の囲碁大会で、アキラが自分との対局を待ち望み、緊張に震えていたことを・・。

ーあの時は、アキラが俺を追ってきた。
今は俺がアキラを追って、ここに座っている。同じだ・・、あの時のあいつの気持ちがよく分かる!!
ヒカルは自分が武者震いしていることを感じ、それだけアキラと戦える時を待っていたことに今改めて気付いた。

そしてーそんなヒカルの思いに、佐為もまた気付いていた。
恐れすら感じる相手と戦う・・。それがどんなに羨ましいことかー。
彼はヒカルを案じながらも、自分の身を憂う。

私が・・それほどの相手と戦える喜びを再び味わえるのはいつのことだろうー。
佐為は塔矢のことを思い出しながら、ヒカルに気付かれないようにため息をつく・・。

ー会場には、どんどん棋士たちが集まってきていた。
皆自分の席にどんどんついていくが、その中にアキラの姿はまだない。

遅いな、塔矢・・。
ヒカルは周りの席が埋まっていくのを見ながら、落ち着かない気持ちを持て余す。
今日打つのは、俺だからな。佐為じゃなくて、俺だからなー!
そう念じながら待っていたヒカルだったが、その時対局開始を告げるブザーが鳴ってしまう。

周りは一斉に挨拶し、対局を始めた。
アキラが来ないーーー!!
思わぬ事態に、ヒカルと佐為は息を呑む。

所定の時間に席についていなければ、対局は欠席とみなされ、相手の不戦勝となる。
アキラは現れず、ヒカルの勝ちとなるー。
・・塔矢?
訳が分からず、ヒカルはどうすべきかと途方に暮れる。

と、そこに棋院の係の男性がやってきた。
彼は声をひそめてヒカルを呼ぶと、部屋の外へと連れだす。

そして中の者たちに聞こえない場所まで移動すると、男性はヒカルに告げた。
今日、アキラは来ないーと。
ヒカルが驚いて声をあげると男性は、今大騒ぎになっているんだ、とアキラの欠席の理由を明かした。

塔矢名人が倒れられて、救急車で病院に運ばれたんだーーー!!

その話に、佐為の心臓は止まらんばかりにどくん、と大きく脈打った。
・・あの者が?
彼は戸惑い不安な気持ちで、男性の話を聞くのだった・・。




















波乱のプロ第一戦。

今回はヒカルがアキラとのプロ第一戦を迎える話でした。

・・が、最後に衝撃の展開!
塔矢が倒れて、アキラはそれに付き添ったためか、ヒカルの不戦勝となってしまいました。

まぁ事態が事態なのでヒカルもアキラを責めたりはしないでしょうが、残念な結果となってしまいましたね。
でも今は塔矢の容態のほうが気になります・・。
何が原因で運ばれたのでしょうかー。

以前から忙しさから過労を心配されていたので疲れて倒れたとかなら、命には別条はないでしょう。
でもこれでもし病気が発覚したら?塔矢の囲碁生命にも関わるし、今後の囲碁界にも大きな波紋を起こす事態となることが予想されます。

それに・・佐為との再戦だって果たしていません。
とにかく塔矢の状態が気になりますね。次回、もっと詳しいことが分かるといいのですが。。

緒方とのタイトル戦も、どうなるのでしょう。
延期とかあるのかな?それとも不戦勝で、緒方がタイトルを取ってしまう?
その辺詳しくないので、説明してもらえるとありがたいですね。

年齢が高い人物も多いのでこういうことは今後も起きる可能性もありますが、戦わずに決着がついてしまうというのは両者にとって後味の悪いものですよね・・。
塔矢、無事に復活してまた囲碁に臨めるよう祈りたいと思います。
アキラだってまだ子どもなんだから、父親が必要ですよ!!






さて、ラストの衝撃に持っていかれてしまいましたが、今回はヒカルとアキラの関係を語る上でも重要な回だったと思います。

対局場でアキラを待つときのヒカルー
武者震いをする彼の姿は、本当に中学囲碁大会のときのアキラそのものでした。

あの時はアキラがヒカルを追い、向かってきました。
でもその関係は崩れ、それからはヒカルがアキラを追う立場としてプロの世界まで走ってきました。
そして今ーその関係が、ついに対等な立場へと変わろうとしているのです!

正直今回対局したとして、ヒカルがアキラに勝てた可能性は低いと思います。
でも勝つだけが勝負ではないのを、私たちはもう知っています。
ヒカルは今まで何度も相手を圧倒させるような手を打ってきました。
その力をアキラに見せることはできたのではないでしょうか。

そしてその実力を目の当たりにしたとき、アキラはどう感じたのでしょうね・・。
本当対局が流れたのは残念!
これからも何度もぶつかるでしょうが、まずは今のヒカルの実力を見てほしかったですね。

そしてアキラがヒカルを真のライバルと認めるシーン、早く見たいものです。
今回はその絶好の機会でしたが、残念ながらお預け・・・。
ヒカルにはまたぶつかるまで、再び研鑽に励んでほしいと思います。

まぁお預けになるほど、実際に対局するときには盛り上がるもの!
私たちもその時を待ちながら、気持ちを高めていきたいものですね。

ヒカルもアキラも、プロの世界でどんどん揉まれてください!頑張れ!!









さて、次回は塔矢の容態が明らかになる回でしょうか。

タイトル保持戦の最中に倒れた塔矢。その結果がどうなってしまうのかも気になるし、今後も囲碁を続けることができるのか心配です。
どうか大したことないといいのですが・・。

佐為にとっても、そして今の囲碁界にとっても、塔矢は必要な人物です。
だって5大タイトル保持者ですよ?!間違いなく弱ってきている日本囲碁界を支えているのは彼です。
若手が台頭してくるまで、彼にはもう少し頑張ってほしいものです(><)


とにかく、今は彼の容態が安定することを祈りましょう・・。

次回も楽しみです☆