前回、秀策ゆかりの地に佐為の姿がないか探しに向かったヒカルと河合。
しかしどこにも佐為の姿はなく、ヒカルは東京へ戻る決意をします・・。

そんな中広島の碁会所で、河合がトラブルに巻き込まれることに!
一体何があったのでしょうかー?!

感想です☆





さよなら~第127局 「広島最強棋士」





※以下、ネタバレあり※












◎あらすじ◎

何だよ、5万円って!!
河合(かわい)の怒鳴り声が、碁会所に響き渡る。
ちょうどそこに居合わせたヒカルは、何が起きたのかと目を見張る。

どうやら河合は賭け碁を申し込んだらしい。
だが手の平で5と示したため、相手は5万円だと思ったらしい。
互いの勘違いだがどちらも口が悪いため、2人の間には険悪な空気が漂っていた・・。

そこでヒカルは慌てて仲裁に入る。
すると河合の相手をしていた男は顔を上げ、ヒカルを見るとはっと眉を上げた。
そして彼はー今度はヒカルに一局打とう、と声をかける。

男は、ヒカルが新人棋士だと知っていた。新初段シリーズの記事を読んだらしい。
ヒカルが勝てば、河合との賭けは無かったことにしてやるーと男はにっと笑う。

周りの客によれば、男の名は周平(しゅうへい)といい、今度の国際アマ大会の日本代表に選ばれたらしい。
腕に自信がある彼は、ヒカルと打ってみたいと考えたのだ。

河合もリベンジしてくれ、とヒカルに頼む。
そこで仕方なくヒカルは、周平の前に座る・・。

ー2人は早速対局を始めた。
客は皆2人をぐるっと囲み、勝負を見物する。
店主が河合に、広島へは何しに来たのか、と尋ねた。

河合は、秀策(しゅうさくゆかりの地を訪れて回ったことを話す。
すると店主は、秀策の墓なら東京にもあるだろうーと思いがけない言葉を発する。

その言葉に、ヒカルの胸は跳ねた。
対局を終えたら場所を聞いてやるー。
河合にそう諭され、その瞬間からヒカルのやる気にブーストがかかる。

そこだ!きっと佐為(さい)はそこにいるんだ!
考えてみれば、1人でこんな遠い広島まで来れる訳がない。佐為は東京にいるのだ。
ヒカルの心臓はどんどん鼓動が速くなる。
 
早く帰りたいー。
彼の心は途端に焦れ、居ても立っても居られなくなった。
そのためには・・
彼は周平の顔を見つめ、意を決する。

一刻も早く決着をつける!!

ヒカルの瞳が、かっと開かれる。
そこからー彼は早打ちを始めた。

周平が一手置くと、間髪入れずに次の一手を打つ。
そのスピードに周囲はどよめき、無茶なやり方だ・・!と河合は慌てる。

周平も慎重さを欠いたかに見えるヒカルの打ち方に、最初は馬鹿にしたような余裕を見せる。
だがヒカルの早打ちが続くうちにー彼はその考えが間違っていたことに気付く・・。

ヒカルの手は、どんどんスピードを増していっていた。
観客は周平を脅すためにやっているのだろうと笑うが、河合は首を傾げる。
ヒカルはそんなことをする奴ではない・・。

実際、ヒカルの打ち筋は全く雑ではなく、しっかりと周平の陣地を攻めていく手だった。
まず隅を取られ、周平は次第に言葉少なになっていく・・。
こいつ、時間を使って考えている自分より、一歩先を見てやがるー!!

またヒカルの早打ちに、周平の気持ちは知らず知らずのうちに急いてしまっていた。
今やすっかり彼は、ヒカルのペースに呑み込まれていた。
そこで周平は、勝負手を放ってミスを誘う作戦に切り替える。

がーその手を、ヒカルは何のためらいもなく受けた。
結果ますます追い詰められ、周平の顔に焦りの色が浮かび始める・・。

観客たちも、次第にヒカルの力に気付き始めていた。
周平を動揺させるために早打ちをしているかに思われたヒカルの手も、ここまでミスなく打たれるとその力を認めざるを得ない。
河合でさえ、久しぶりに見たヒカルの成長具合に言葉を失うほどだった。

こいつ、去年とは比べ物にならないぜ。いつのまに化けやがったー!!

ーもはや、周平に勝ち筋は見えなかった。
常に何手先をも見通し、ぶれずに攻め続ける姿勢ー
そのヒカルの強さの前に、彼はどんどん追い込まれていくのだった・・。



















ヒカルVS日本アマ代表!!

今回はヒカルが河合のリベンジのために、日本アマ大会代表と対局をする回でした。

本当に偶然決まった対局でしたが、ヒカルの真価がまたも発揮されていてすごかったです!
河合も驚いていたけど、本当いつのまにここまで成長したのでしょうね・・。
佐為と塔矢の対局を見たことなども、彼の血肉になったのかもしれないですね。最近のヒカルの碁、攻め方が強くて好きです(^^)

数手先を読んで常に対策を考え攻めてゆくー
この手法は、佐為に倣ったものですよね。
それがいつのまにかヒカルにも身について行ったということでしょう・・。

これは倉田も言っていたように、今後の囲碁界を引っ張っていくのはアキラとヒカルで間違いないかもしれませんね。
新しい風を吹かせる2人が、どんな影響をプロ囲碁界にもたらしていくのか楽しみになってきました!

でも・・だからこそ、佐為は消えてしまったのですよね。
そのことをヒカルが理解できるようになるのは、いつになるでしょう。。
彼自身が神の一手を目指すようにならないと、本当の意味では理解できないかもしれませんね。

今回も佐為のことばかり考え、佐為と一刻も早く会いたいと願っているヒカルの姿が切なかったです。
東京の秀策の墓に行っても、佐為はいません。
その時、ヒカルはどうするのでしょうね・・。佐為がいなくなったことを、ついに認めるのでしょうかー。

ヒカルにとって、とても大きな存在だった佐為。
彼と1日離れただけで、ヒカルのメンタルはここまでボロボロになっています。
そんな彼に、佐為がいなくなったことを受け入れられるのかー本当に心配です。

どうか心を病みませんように。そして囲碁をやめてしまうなんてことがありませんように。
祈り、見守っていきたいですね・・。




さて、続いては今回対局した周平について。
タイトルは広島最強棋士でしたが、日本のアマの中で現在1位ということですよね。
かなり腕の立つ人物じゃないですか!そんな人と打つ機会が持てたこと、本来ならどれだけ喜ばしいことか・・。

アマの大会って、あのsaiの話のときに出てきたフランクとか李とかが出てた大会ですよね!
彼らと周平が戦うのかー。
アマの大会も、外国の選手と戦う機会があって本当に面白そうですよね!

何度か出てきていますが、日本は今韓国や中国に押されています。
この前の話に出てきたように、秀英ももしかしたらもうプロになっているかもしれませんね。
今後はヒカルたちも、世界の棋士たちと戦う機会にも恵まれていくことになるのでしょうー。

今回の周平の話を見て、今後のライバルは日本の棋士だけではないのだなーと改めて感じました。
ヒカルやアキラが世界にも挑戦していく姿、是非見たいですね!

そのためにも、ヒカルにはどうにか気持ちを立て直してほしいものです。
佐為との別れはあまりにショッキングなためすぐには難しいかもしれませんが、囲碁から離れることなく乗り越えていってほしいと思います。。

頑張れ、ヒカル(><)








さて、次回は周平との対局に勝ち、ヒカルたちが東京の秀策の墓を訪れる回でしょうか。

最後の手がかりともなる秀策の墓。そこにも佐為がいないと知ったとき、ヒカルはどう考えるのでしょうか。
彼が佐為がいなくなったことを認められるのか、ハラハラしますね。

いつかは認めなければいけないとはいえ、今のヒカルを見ていると酷すぎるとも思えます。
彼の心が耐えられるか・・見守るしかできないけど、苦しいです・・。


佐為がいなくなった事実を乗り越えて、ヒカルは前に進むことができるのでしょうかー?

次回も楽しみです☆