前回、楊海に感情のコントロール方法を身に着けるように指摘された伊角。
思いかけない指摘に目の前の曇りが開けた伊角は、そこから躍進を始めますー。

そしてやってきた楽平との雪辱戦。
伊角は彼に勝ち、楽平を改心させることができるのでしょうかー?!

感想です☆




中国棋院~第135局 「伊角VS楽平」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

日曜日ー
約束の13時30分になっても伊角(いすみ)が現れないので、楽平(レェピン)はイライラしていた。

一方伊角と楊(ヤン)は対局は40分からだと思っていたので、部屋でのんびり過ごしていた。
リラックスして行こうー。
楊は伊角にそう言うが、伊角はそんな気持ちでは到底打てない・・と少し顔を曇らせる。

もし楽平に負けたら、自分を信じてくれた楊に顔向けができない。
そうしたら当然楊の部屋にもいられなくなるし、楽平にはこれまで以上に馬鹿にされることだろう。
ホテル代もないから、自分は中国から日本へ帰らなければならなくなる・・。
色々と悪いほうに伊角が考えを巡らせていくのを見て、楊はまだそんなに考えちゃうのか・・と呆れた表情を見せる。

だがー伊角はそのプレッシャーを、どこか他人事のようにも捉えていた。
というより、彼は心のコントロールで、そうできる術を身につけていたのだ。
焦ったり不安な気持ちも、もう1人の自分を心の中に作って見つめれば、不思議と冷静になれる・・。

それを聞いた楊は、何だ、とほっとする。
この調子なら、伊角はもう大丈夫そうだー。
彼はそう確信し、いよいよ2人で棋院へと向かうのだった。


棋院に着くと、まず楽平から遅い!という罵声が飛んだ。
だが楊はそれを無視し、あえて伊角と楽しそうに会話する様子を楽平に見せつける。

楊によれば、これも伊角が勝つための作戦の一部だった。
伊角が中国語で噂されるのが気になったように、楽平だって伊角と楊が自分の前で楽し気にこそこそしていたら気になるものだ。
2人で話す姿を見ることで、楽平には伊角が余裕しゃくしゃくでいるかのように映るだろうー。

更にあえて対局時間をはっきりさせず遅れてきたのも、楊の作戦だった。
これで楽平はイライラし、心に余裕もなくなっているはずだ・・。
けれどもそんな作戦を知らなかった伊角は、楊が考えていたことを知り怒った。

楊さん、2度とそんなことをしないでください!!
その剣幕に、楊は呆気にとられる。
そして彼はすぐに、今作戦を伊角に明かしたのは間違いだったと気づき、青くなった。

伊角は真面目な人間だ。
ずるをすることなど到底許せる訳がないから、彼は今の話を聞いてきっと動揺したことだろう。
これじゃぁ、楽平同様伊角の心だって落ち着かないじゃないかー!!
楊は自身の失態に、頭を抱える。

案の定伊角は自分が遅れてしまったから・・と持ち時間を遅れた分だけ引く提案を楽平にしている。
・・勝つ見込みが薄くなってしまった。
楊は激しく後悔したが、後悔先に立たず。2人の対局は始まってしまうのだった。

ー伊角は、一手目から長考に入った。
見ている楊はヤキモキしてたまらなかったが、とにかくもう見守るしかない。
彼は、伊角は本当に楽平に勝てるだろうか・・と近くに行って対局を見つめることにする。

そこでしばらく対局を見守った楊はー伊角の手が思いのほか冷静なことに気付く。
大胆な手で攻めに出ているも、ちゃんと後々の筋も読んで備えてもいる・・。
彼は伊角の心のバランスが乱れていないことを見て取り、ほっとした。

実際何度も対局してきたが、楊と打つときの伊角はいつも冷静で隙のない囲碁を打つ人物だった。
平常心で臨むことができれば、伊角はそういう囲碁が打てる強い人間なのだー。
楊には、その確信があった。

一方楽平も押されながらも、決して手を緩めることなく攻める手で伊角に応酬していた。
それに対し、伊角も冷静に打ち返す。
2人の対局は、次第に終局へと向かっていくー。

それを見て、楊はほほ笑んだ。
心のコントロールをものにするのは、まだまだ時間がかかることだろう。
だが一つ壁を越えたようだな、伊角君!!

ーそうして、2人は終局を迎えた。
結果は伊角の勝ち。観客たちは、早速検討に入るー。

2目半の差・・。
前回負けた楽平に勝てたことで、伊角の心は穏やかに晴れていくのが彼自身にも分かった。
伊角の口元にも、笑みが広がっていくのだったー。


その夜、楽平が楊と伊角の部屋にやってきた。
もう1局打とう!
そう請われて、伊角は困り果てる。楽平にはあれから何度も対局をせがまれ、打っているのだ・・。

恐らく楽平は勝ったり負けたりが不満なのだろう、とその光景を見て楊は笑う。
負けたら真面目になれ、なんて言う必要もなかったなー。
勝利への執着を見せる楽平の姿に、楊はほっと息をつく・・。

そして彼の思惑通り、その日から楽平は伊角にべったり貼り付き、熱心に囲碁の勉強をするようになった。
李(リ)たち職員もその姿を喜び、伊角が来てくれたことに心から感謝した。

ーそんな日々が続き、ある日伊角は日本の父に電話した。
プロ試験の申し込みをお願いしたいー。
そう話しながら彼は、予選の1週間前には日本へ帰ることを告げる。

今度こそ、プロの世界に乗り込む。1年先を行っている、皆の世界にー。
伊角には、自信があった。
彼は中国での経験を糧に、堂々とプロ試験に臨む姿勢を作り上げていくのだった。


葉瀬中ー
夏休み前の面談で、担任はヒカルの母親からの言葉を聞き、驚いた。

プロ棋士を辞めるー?!




















伊角の躍進。

今回は伊角が楽平との対局に勝ち、自信をつけていく回でした。

これで中国編は終了でしょうか!
いやー、とても面白かったです。中国棋院の皆、良い人たちだったなぁ。

 楽平にも無事に雪辱を果たせて、これも良かったです!
伊角もだいぶ自分の囲碁に自信を取り戻したのではないでしょうか。これはプロ試験が楽しみ(^^)
楊の言うように心のコントロールは1日2日でつく技術ではないですが、常に心掛けていればぐっと伸びるはずです。
日本に帰るまで、この調子で切磋琢磨してほしいですね。

そしてー今回の対局は、楽平にとっても良い効果をもたらしました。
イマイチやる気がなく、遊びの方に夢中になっていた楽平。
このままでは故郷に帰されるかも・・と楊たちが心配するなか、彼が伊角に負けたことで囲碁への火がつきました。

思うに、今まではちょうどいいレベルのライバルというのがいなかったのかもしれませんね。
それが伊角に負け、その後も勝ったり負けたりの切磋琢磨を繰り返すようになったー
そのことが新鮮で面白く、囲碁への闘志が一気に吹き上がったのではないでしょうか。

元々囲碁が好きで実力をつけてきたのですから、囲碁がやりたくない訳じゃないんですよね。ただそれより楽しいことがあるから、心を奪われてしまっていただけで・・。

なので伊角がライバルになってくれて、本当に良かったと思います。
伊角の真面目な姿勢も、楽平に何らかの影響をもたらしているといいですね。
いつか中国と戦う時に、再戦できるときが楽しみです!


そして・・伊角、ついに帰国のときですね。
日本に帰ったら、すぐにプロ試験予選が始まります。
その後本戦・・。去年のあの息詰まる戦いを、また行うんですね。

でも今の伊角なら、もう心乱されることもないと思います。
今までで最高の成績でプロ試験合格できるといいですね。
他のメンバーももちろん応援しています。皆、今年も頑張れ!!






さて、今回は久々にヒカル側の事情も描かれました。
ヒカル、5月から結局1回も手合いに参加していないようです・・。

家でも打ってないでしょうし、このままだと腕が鈍ってしまうのではないかと心配です・・。
それに手合いって、そんなに休んでも大丈夫なものなのでしょうか。資格はく奪とかにならないのかな。。
いつまでも囲碁協会の方だって待ってくれないでしょう。そろそろ動き出さないと、本当に取り返しのつかないことになってしまうのではないでしょうかー。

伊角がプロに向けて動き出し自信を手に入れたように、ヒカルも何らかの形で囲碁に関わってほしいですね。
そうしたら佐為のことについて何か気付きがあるかもしれないし、気持ちが変わるかもしれないですし・・。

このまま囲碁を辞めたら、ヒカルの中で生きている佐為の思い出や彼の打ち方など全ての情報も消えてしまいます。
ヒカルが打ち続ける限り、ヒカルに囲碁を教えてくれた佐為の囲碁も生き続ける・・ヒカルがそのことに気付いてくれるといいのですが。

そして何より、今の状況を佐為が本当に喜ぶと思うのかー。
そのことをヒカルには今一度考えてほしいと思います。
怖いし佐為が戻ってこないことを認めたくはないとは思いますが、それでもいつかはこの問題には向き合わねばなりません。

ヒカルにも伊角のように、何かきっかけがあるといいなと思います。
早く彼の笑顔をもう一度見たいものです(><)









さて、次回はヒカルの近況が描かれる話でしょうか。

5月からもう2か月近く囲碁を打っていないヒカル。
佐為のことに心囚われてしまった彼は、このまま本当に囲碁を辞めてしまうのでしょうかー。

一緒に切磋琢磨してきた仲間たちは、どんどん先に進んでしまっています。
そんな中、ヒカルは今、何を思い日々を過ごしているのでしょうか・・。

久々のヒカル側の話。
彼の心が晴れることを願って見守りたいと思います!

次回も楽しみです☆