前回、健闘しながらも後少し足りず負けを喫したヒカル。
しかし皆の評価は高く、倉田はついにヒカルを対韓国戦の大将とすることを決意します!

今回の勝負で、ヒカルへの永夏の評価は変わったのか?そしていざヒカルと対峙したとき、永夏は何を感じるのかー?!

緊迫の展開に、目が離せませんね!!

感想です☆




打倒高永夏~第182局 「打倒高永夏」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

ヒカルが大将ー?!
倉田(くらた)の決断に、その場にいた者は皆驚いた。

古瀬村(こせむら)が慌ててその理由を訊くと、倉田は団長の自分がそう決めたんだよ、と答えて彼に口止めをする。
古瀬村は到底納得できず、そのまま一団を引き連れて去っていく彼の背中をずっと見つめ続けるのだった・・。

一体倉田は何を考えているんだ。大将は、陸(ルー)を倒したアキラ以外いないだろうに!
その後古瀬村はホテルのカフェで、同僚の記者に愚痴った。

確かにヒカルの一戦もすごかった。だが日本を馬鹿にした永夏(ヨンハ)を倒せるのは、日本チームにはアキラしかいないだろう。
第一皆が見たいのは、アキラと永夏の戦いなのだー。

・・だが倉田が決めてしまったのでは、もういくら言っても仕方がない。
次回の週刊碁の記事も荒れるなー・・。
古瀬村たちは倉田のオーダーへの反響を思い、ため息をつくのだった。


午後ー中国VS韓国の第2回戦が始まった。
今度はヒカルたちが控室で、その動向を見守る番だ。
3人は注意深く画面を見つめた。

永夏と陸の大将戦は、永夏の有利に進んでいた。
皆が検討を行うなか、ヒカルは永夏の手を見つめて唇を噛む。
・・明日はこいつと戦うんだ・・。

彼は昼食のときに、倉田の真意を問うていた。
自分が大将でいいのか・・?
そう尋ねたヒカルに、倉田は即座にうなづいた。

王(ワン)との一局は、前半は経験不足からの緊張だろう。明日はもうそんなことは起きないだろうし、何より自分は後半の追い上げに注目したんだ!
そのパワーを明日に持っていけ、期待しているからな!!

倉田は、それ以上は説明しなかった。
だがヒカルには、彼が自分を信じてくれたことが痛く分かっていた。
そしてだからこそ、ヒカルには中国戦で負けたことによるプレッシャーを大きく感じていた。

・・明日勝てるだろうか、永夏にー。

彼は拳を握りしめ、緊張に体を震わせた。
秀策(しゅうさく)を馬鹿にされた。でも佐為(さい)は戦えない。
だから佐為の代わりに俺が打つんだ。負けるわけにはいかないー!!


ーその後、中韓戦が終わった。
結果は韓国の3勝。
陸は永夏に押し切られ、王(ワン)はヒカルとの対局を引きずっているのか力が出せていなかった。秀英(スヨン)も趙(チャオ)に負けそうになったものの、何とか盛り返した。
圧倒的差をつけられたことに、楊(ヤン)の口からは大きなため息が漏れる。

一方太善(テソン)は1回戦の日本の強さを気にかけながらも、これなら韓国チームは大丈夫だーと笑みを浮かべた。
優勝は韓国のものだー。

その自信に満ちた姿に、楊は思わず舌打ちする。
そして一緒に見ていたヒカルたちに、絶対に明日負けるなよ!とはっぱをかけた。

絶対に永夏を倒してくれよー。
楊は部屋を出る前に、そう言ってアキラの肩を叩いていった。

それを見ていた社(やしろ)は、明日のオーダーを知ったら楊は驚くだろうな・・と苦笑した。
楊だけではない。皆が大将はアキラが妥当だと考えている。明日は荒れるだろう・・。
彼がそんなことを考えていると、突然ヒカルが立ち上がった。

彼は倉田をきっと見据えると、自分は誰が何と言おうと大将をやるから、もう変更は無しだからね!!と叫んで部屋を飛び出していく。
その剣幕に、社はヒカルには相当なプレッシャーがかかっているのだろうな・・と感じた。
本当にヒカルで大丈夫なのか・・?

思わずそう尋ねると、倉田は迷いなくうなづいた。
あいつは昨日のあいつとは違う。それに、あいつには永夏との一戦が必要なんだー。

彼はそう言うと楽しそうに、ヒカルは明日の一戦で必ず成長するだろう、と笑った。
その姿が見たいから、打たせたくなるんだよな。ヒカルの成長は、なぜか人をワクワクさせるんだ。
それを聞いたアキラと社は、思わず言葉を失った。
・・倉田さんはそんなに進藤(しんどう)のことを評価しているのか。

倉田はそれからアキラの方を見て、不服だったか?と尋ねた。
するとアキラは皆が拍子抜けするほど、あっさりと首を振った。
彼もまた自分のことよりも、ヒカルの成長を見てみたいと感じるようになっていたのだー。

それに・・アキラにはどうしても引っかかるものがあった。
どうしてヒカルがあそこまで秀策にこだわるのか。
その答えを知りたい、聞きたいー。
その思いが、いつのまにかアキラの胸を占めていた。

そこでホテルの部屋に戻ったアキラは、ヒカルに直接聞いてみようか、と考える。
だがいざヒカルを前にした彼は、以前ヒカルが言ったことを思い出した。

ーお前にはそうだな。いつか話すかもしれない・・。

アキラはそのことを思い返し、ギリギリのところで口を開くのを踏みとどまった。
そして彼は代わりに、ヒカルの覚悟を問うた。

進藤、君が何を背負っているかは知らないが、少なくとも僕の代わりに大将戦に出るんだ。無様な結果は許さないからなー。

アキラはそれだけ言うと、自室へと入っていってしまう。
残されたヒカルの瞳は、アキラの言葉に発奮し、強く闘志にみなぎるのだったー。


翌朝ー
古瀬村たちは取材のため、早朝からホテルに待機していた。

彼らは今日の日本チームのオーダーにどんな批判が集まるかと想像し、ため息をついてばかりいた。
そこへ、ヒカルたち日本チームが会場にやってくる。

彼らの顔は皆引き締まり、声をかけるのをためらうほど闘志みなぎっていた。
特に大将を任されるヒカルの表情は、固く険しいものなのだったー。




















大将としてー。

今回はヒカルが韓国戦の大将に任命され、そのプレッシャーをひしと感じる回でした。

いよいよ大将に決まったヒカル。
実際決まったら、中国戦が尾を引いているようで、今回は珍しく終始気を張った顔のヒカルばかりでした。

まぁ相手があの永夏だもんなぁ。
秀策を馬鹿にしたことは撤回させたいけれど、実力を見たら怯むのも無理はありません。
プレッシャーを感じるのは、当然のことでしょう。

むしろここで普通にしていたら、本当に大将としての自覚があるのかと疑いたくなるところです。
ヒカルの反応は当たり前です。だから皆が心配するほどのことはないのかなぁー・・と。

倉田もそう思っているのでしょう。彼はヒカルの様子をあまり気にする感じはありませんでしたね。
もう中国戦のように緊張から始まる戦いはしないだろうし、因縁の相手である永夏を前にすればヒカルはその実力を遺憾なく発揮してくれるだろうー。
彼はそう、ヒカルを信頼しているのだと思います。

本当に、リーダーが倉田で良かった!!
他の棋士だったら、きっとこのオーダーは無かったでしょう!”

古瀬村たちの驚きからも分かるとおり、ほとんどの人がアキラが永夏と戦うと考えているとみて間違いありません。
そしてアキラが永夏を倒すことを、皆楽しみに北斗杯を見学していると思います。

そんな中で中国戦でも勝てなかったヒカルを大将に起用したら、どんな反応があるかー。
倉田だってもちろん予想済みでしょう。それでもヒカルを信頼し、永夏の相手に当てる・・。
なかなかできることではありません。倉田ってすごいなぁ・・と今回改めて感心しました。

だからこそ、ヒカルは実力以上の力を発揮しなければなりませんね。倉田の期待にも応えねばならないし、何より皆を納得させられるような囲碁を打たなければどれだけ叩かれることか・・。
その辺のプレッシャーも、ヒカルの表情を固くしている一因でしょうね。

でも本当に永夏と戦い勝ちたいのなら、そんな声は気にせずひたすら自分の囲碁を打つのみです。
きっとアキラならそうするでしょうし、倉田もそうするでしょう。
そしてヒカルにもーきっとできると思います。

これからプロの道をずっと進んでいくなかでも、この一局はきっとヒカルにとって転機となる一局でしょう。
彼が対韓国戦でどんな活躍を見せてくれるのか、しっかりと見届けたいと思います。

頑張れーヒカル!!






さて、一方ヒカルが秀策にこだわる理由を引き続き気にしているアキラ。
今回彼は理由を訊こうと考えましたが、踏みとどまりました。

以前ヒカルが放った言葉から、ヒカルの強さには何か理由があるとアキラは今も思っているのでしょう。
そしてライバルとしてその全てを知りたいものの、ヒカルは親友でもある。だから彼がいつか明かしてくれる日を待とうー。
そう信じて、アキラはヒカルが話すときを待つことにしたのだと思います。

あの猪突猛進なアキラが・・。そう思うと何か彼の成長を感じて、じーんとしちゃいますね。
白黒はっきりつけたいタイプだから、きっとすごく我慢して自分を押さえているんだろうなぁ。

でもヒカルだって、あの約束を忘れていることはないと思います。
いつか時期が来たら、ちゃんとアキラにだけは話すはず・・。
だから彼にはもうちょっと待ってあげてほしいですね。

それに・・永夏との対局を見れば、もしかしたらヒカルの思いが伝わることもあるかもしれません。
アキラが譲った大将戦。きっとそのことには、何か意味があると思います。
ヒカル・・アキラのためにも、頑張ってほしいものですね。


さぁ、いよいよ次回は対韓国戦が始まります!!
当初の予定とは違った相手との戦いになりますが、どの戦いだって厳しいものであることは変わりません!

相手の強さがどうこうではなく、ヒカルたち3人には今の自分が出せる力を全て出し切ってぶつかっていってほしいです。
どんな展開、結果が見られるのかー次回が待ち遠しいです!!










さて、次回は対韓国戦ですね!

まずはオーダー発表による周囲の反応が気になりますね。
きっと大騒ぎになるんだろうなぁ。ヒカルにとっては勝負前に、だいぶプレッシャーが増えるのでちょっと心配。

そして対局相手がヒカルになることを、永夏はどう思うのでしょうね。
彼の反応も、気になるところです。


そして、これで北斗杯も終わりー。
今のところ中韓が1勝ずつなので、ここは日本も並びたいところ!
日本チームは強豪韓国チームに勝つことができるのでしょうかー?!


運命の一戦、始まります!
次回も楽しみです☆