今回から23巻、最終巻です!!

前回、ヒカルが大将を務めると知り、騒然となる北斗杯会場。
ヒカルと戦うことになった永夏もまた、不機嫌を隠そうともしません。

そんな永夏に、なぜそんなに秀策にこだわる?と問われたヒカル。
その答えはー?
いよいよ日韓戦が始まります!!

感想です☆





あなたに呼びかけている~第184局 「日本VS韓国①」






※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

ヒカルと永夏(ヨンハ)は、大将席に座った。
渡辺(わたなべ)が2人に石をニギるように促す。
結果、先番はヒカルとなった。

それを確認すると、渡辺は早速対局の開始を選手たちに告げる。
重々しい空気のなか、各選手たちはそれぞれ石を掴むー。

一手目、二手目・・。
始まってしまえば、もう互いが口をきくこともない。
勝負が始まったのを見届けると、渡辺はすぐに倉田(くらた)の元へと走った。

一体あのオーダーはどういうことだ!!
彼は倉田の襟を掴むと、あれでは捨て駒にされたヒカルがかわいそうだ、と倉田をなじった。

どうやら渡辺は、倉田が日本の1勝を欲しいと考えたためにあえてヒカルを大将にして副将戦を拾いに出た・・と思っているらしい。
それに万が一アキラまで負けたら、日本は3敗となる可能性もある。そうなったら日本のファンたちはどれだけ嘆くことか・・。
渡辺はそう心配するが、それを聞いていた倉田はその懸念をすっぱりと切り捨てた。

どうして負けるって決めてかかってるんですか?

彼は、自分はヒカルは勝てると思っているし、日本の3勝だってありえると考えている、と力強く主張した。
その強気な姿勢に、渡辺は眼を見張りながらもそれ以上返す言葉をなくしてしまう。
そのまま倉田は、控室へと向かってしまうのだった・・。

と、そこへ今度は戸刈(とがり)が渡辺の元へやってきた。
彼はさっきの渡辺と同じように、どうしてアキラではなくヒカルが大将なのだ、と問うた。

戸刈は観客席で騒ぎが起きていることも承知していた。だから彼は、日本選手たちが負けるのではないかと心配して真意を問いに来たのだ。

すると渡辺は、さっきまで自分が倉田に言っていたことを自分が言われたのもあって、思わず倉田のように返した。
勝手に韓国に勝てないと決めてかかっているが、倉田はヒカルが勝てると見て彼を大将にしたのだ。
3戦全勝することだってあり得ると私は考えていますよー!

そう勢いよく言うと気圧されたのか、戸刈もそれ以上突っ込んでくることはなかった。
良い試合になってくれれば、自分はそれでいい。大盤解説もお願いしますー。

彼はそう頭を下げると、去っていく。
残された渡辺は、大盤解説か・・、と息を整えた。

恐らく観客は、副将であるアキラの対局の解説を望むだろう。だがー・・。
彼は意志を固めると、いざ観客席への扉を開ける。

ここは倉田とヒカルを信じて、大将戦の解説に臨みたい。
渡辺はそう思いながら、既に始まっている勝負の流れを確認する。
そしてヒカルの黒がいい感じであることを見て取ると、改めて決意していざ舞台へ向かおうとした。

その時ー永夏の次の手を見て、会場は一気にさざめいた。
何と永夏が、キッて出たのだ。
これで上手く行くのかー?!
渡辺はもちろん観客席にいる一行も皆、永夏の手にどんな意図があるのか読めずにざわつく。

だがー・・盤面に向かっているヒカルは、永夏の手にうっと息を呑んでいた。
これはキッてきた白石を取りに行ったりすると、一気に白に好形を作られてしまうことになるー!
ヒカルはすぐに別の手を考えたが、悪手に見えた永夏の手はじわじわとヒカルを締め付ける一手だった。

・・駄目だ、中央に伸びても黒は悪くなるばかりだ。かといって左に回れば、今度は右からパンチが来る。
ー反撃する手がない・・。

永夏の涼しい顔を見やりながら、ヒカルは額に汗をかく。
だが彼は焦りを押さえるため、一呼吸つくと自身を鼓舞した。

落ち着け、まだ序盤だー!!
彼は何とか立て直すための手を考え、盤面を穴が開くほどに見つめるのだった・・。




















ヒカルVS永夏!!

今回は日韓戦が始まり、ヒカルが大将として永夏と戦った回でした。

ついに始まりましたね!
序盤はヒカルも緊張もなくいい出だしだったようですが、最後に永夏の手に苦戦させられていたのでどうなることか・・。
目が離せない一戦で、ドキドキします。

アキラと斗煥、社と秀英も気になるので少しで良いから描いてほしいな。
日本は1勝取れるかどうかの瀬戸際です。どのチームも並んで表彰されるところ、見たいなぁと期待しています。


で、今回はその裏で日本のオーダーがやっぱり問題となる回でした。
最終的には丸く収まったので良かったです・・。
倉田と、ここまで実力を見せてきたヒカルのおかげですね。

最初はヒカルの大将起用に否定的だった渡辺。
まぁ普通はそうなりますよね。どう考えてもアキラが大将にふさわしいのですから、倉田は面白半分で采配を変えたか、1勝欲しいために大将と副将を入れ替えたと考えるのも無理はありません。
そしてそれを許せないというのも、棋士なら当然の感情だと思います。

でも・・倉田の言うように、最初から負けると決めてかかるのが良くないのも、また事実。
倉田はリーダーだからこそ選手たちのポテンシャルや実力を見抜き、今回のオーダーに出たのです。
そのことが渡辺にも伝わって良かったです。

また、渡辺は予選でヒカルと社の一戦を見ていますからね。2人がどれだけこの北斗杯に思いを賭けていたのかもよく知っています。
だからこそ納得もしたのだろうと思うと、ヒカルの囲碁への姿勢も認められたようで嬉しいですね。

休場が続いたことでヒカルの囲碁界の評価は芳しくないですが、段々と結果を出して上に上っていくことで、その評価も見直されていくのだろうなー、とそんな希望にもなりました。
真摯に碁盤に向き合っていれば、分かる人は分かってくれます。
これからもヒカルには頑張ってほしいですね(^^)
 
渡辺も腹をくくり、解説もヒカルVS永夏で行くと決めてくれました!
それに報いる大将戦、期待していますよ!!

今は苦しくても、確かにまだ序盤です。ここから形勢が変わることなど、いくらでもあります。
焦らず、佐為と共に戦っていることを常に念頭に置いて、ヒカルにはぶつかっていってほしいです。
勝負の行方ーしっかり見守りましょう!!








さて、次回も日韓戦ですね。
序盤に永夏に追い詰められてしまったヒカル。
ここからの挽回はなるのでしょうかー?!

そして他の2戦も気になるところ。
どんな展開が日本選手、韓国選手に待っているのかドキドキしますー。


日本勢は韓国勢相手に、実力をいかんなく発揮することができるのでしょうかー。
次回も楽しみです☆