前回、滋悟郎までさやかに奪われてしまうのでは、と不安に怯える柔。
そんな彼女を松田は遊園地に連れ出しますが、柔の表情が晴れることはありません・・。

そこで、ついに決意した松田。
彼は柔に一度試合に出て、そこで負けてこの騒ぎにケリをつけるのだ、とアドバイスしますー!!


柔はその計画に乗るのでしょうか?!

感想です☆




スーパースター~第17話 「あたし、試合に出ます」





※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

夜ー柔(やわら)と別れ、松田(まつだ)は日刊エヴリースポーツ社へと戻った。
彼がほっつき歩いていたせいでさやかのスクープを取り損ねたと編集長はカンカンだったが、松田は動じず、自分が今まで柔と一緒にいたことを明かした。

そして、彼女が試合をするという約束を取り付けてきましたー。
彼は唖然とする編集長に、自身の考えてきた案を説明する。

試合は日刊エヴリースポーツ社が主催し、対戦相手には72kg級覇者の藤堂由貴(とうどうゆき)を予定していること。既に会場も押さえていること。
それらを全て話すと、編集長はもう何も言うことはない・・とお手上げ状態となった。

これを明日の一面に載せれば、さやかのスクープなんてものともしないだろうー。
松田は早速記事を書くために、机に移動するのだった。


一方ー柔は自宅に戻り、マスコミに囲まれていた。
今までどこにいたのかー。
口々に尋ねかけてくる記者たちに、柔は全ては日刊エヴリースポーツの明日の記事を見てくれ、とだけ言い渡す。

それを聞いた記者たちは、どよめいた。
また柔関連のスクープを、日刊エヴリースポーツに持っていかれてしまった・・!!
彼らは急いで社に戻り、対策を練ることにするのだった。

ー柔は玄関の前に立つと、1つ大きく息を吐いた。
それから彼女は意を決して中に入る。
すると滋悟郎(じごろう)は居間で、ただ新聞を睨んでいた。

柔は彼の機嫌を窺いながら、本題を切り出すことにする。
実はあたし、試合に出ることにしたの。日刊エヴリースポーツ主催の・・。

それを聞いた滋悟郎は、驚愕で目を見開く。
今はこれ以上突っ込まれたくない柔は、それだけ言うと自分の部屋に引っ込むのだった。

部屋でようやく体を休めると、柔は改めてこれで柔道ともお別れなんだーと考えた。
もうどうなろうと、おじいちゃんには関係ない。オリンピックも国民栄誉賞も夢に終わる。
厳しい毎日の稽古もしなくて済むのだー。

その時、嬉しいはずなのに柔の瞳からは、なぜか涙が流れた。
慌ててその涙を拭っていると、さっきの話は本当か?!と滋悟郎が部屋に飛び込んできた。

柔はうなづき、日刊エヴリースポーツ主催のもとマスコミを集めて、試合を見てもらうのだ、と説明する。
それを聞いた滋悟郎は、そんな陳腐な試合でデビューさせるつもりじゃなかったと怒鳴るが、柔も放っておいてよ!!と叫んだ。

おじいちゃんはさやかさんのコーチになったんでしょ?!もう関係ないじゃない・・。
そう言ってうつむくと、滋悟郎は息をついた。
ーあの話は、断ったわい!

その言葉に、柔は眼を見開いた。
本当に・・?
弱弱しい声で訊き返すと、滋悟郎は当然とばかりにうなづいた。
デビュー前のお前を放っておけるか。それにわしは、弱い奴は教えんのぢゃ!

その瞬間ー柔の瞳から、再び涙こぼれた。
彼女は戸惑う滋悟郎に抱き着く。滋悟郎は眉をひそめながら、本当に試合はもう決まりなのか・・?と尋ねた。

柔がうなづくと、滋悟郎は不本意ながらも彼女のやる気を買うことにする。
よく決心した!わしは嬉しいぞ!!
そう笑う滋悟郎に、柔は胸がちくちく痛むのを必死に隠すのだった・・。

おじいちゃん、ごめんね。あたし負けちゃうのよ・・。


同刻ーおでんの屋台で、松田は鴨田(かもだ)に試合の理由を明かしていた。
わざと負けるために、試合をするー。
その突飛な発想に、当然鴨田は驚きの声をあげた。

松田は胸のモヤモヤを晴らそうと、何倍も酒をあおる。
皆の前で負ければ、柔への期待は失望に変わる。そうすれば今回の柔騒動も終わりだし、彼女は普通の女の子に戻れる・・。

そう自分に言い聞かせようとするが、松田の心は本当は激しく揺れていた。
柔なら・・日本のスポーツ界を救ってくれるスーパースターになりえたのに・・。

鴨田も、あれだけ熱心だった松田がどういう風の吹き回しだ、と訝る。
そんなに柔の肩を持つなんて、もしかし恋したんじゃないですよね?
そう訊かれた松田は、そういうんじゃない!と叫んだ。

自分は子どもの頃から、色々なスーパースターに憧れて生きてきた。だからこの仕事でそれを発掘して、皆に同じワクワクを伝えたいんだ!!

・・でも、もうおしまい。皆終わったんだー・・。
彼は荒れたまま、酒をあおり続けるのだった。




















柔と松田の計画。

今回は松田が立てた計画に柔が乗り、彼女のデビュー試合が決まる話でした。

松田の計画に承諾した柔。
あれだけ嫌がってた試合に出るというのだから、本気なのでしょうね。またマスコミに取り上げられるから、今度こそ学校バレも確実なのに・・。

柔が楽になるならそれもいいのかなと思いつつ、そこまで柔道が嫌だったのか・・と悲しい気持ちもありますね。
ただどこかでは決着をつけなければいけない問題でしたから、柔が決めたならそれでいいとは思います。

私たち読者の感情としては松田や滋悟郎と同様柔の勇姿が見たいものですが、柔の人生は柔のものです。
彼女がここで柔道を辞めるというのなら、その選択を尊重すべきでしょう・・。


後は上手く当日まで滋悟郎をだまし、当日も上手く試合に負けることができるか、ですね。わざとっぽくなったらバレて叩かれることになるでしょうから、そこのところは慎重に行ってほしいと思います。
せっかく松田が舞台も用意してくれたし、最後まで気を抜かずにいってほしいものです。

あー、本当はさやかとの試合が見たかったな!でも彼女とやったら不正はできませんもんね、仕方ないのでしょう・・。
後は藤堂との試合が少しでも楽しいものであることを祈るのみです。




さて、今回は滋悟郎についても。
彼、いつのまにかさやかのコーチの話を断っていたようです!

まぁ受ける訳ないとは思っていましたが、前回1人ぼっちになってしまったと泣いていた柔からしたら今回の言葉は嬉しかったですよね。

あれだけ高そうなフレンチをおごってもらっておいて断ってくるのが、滋悟郎流ですねw
きっと今頃さやかは歯ぎしりしていることでしょう(^^;)

でもさやかも柔のコーチを横取りしようなんて考えず、別の手を考えた方が賢明ですよね。
さすがに滋悟郎を引き抜くのは、話題性はあっても良く思わない人も多いでしょうから。。


とにかく!この問題は無事解決したようで良かったです!
柔が柔道を辞めたら、さやかはどうするのでしょうね?柔道そのものに興味がある訳じゃなさそうなので辞めてしまいそうな気もしますが、辞めたら風祭との関係も解消なので何だかんだ続ける気もします・・。

柔が試合をするとなったらさやか側も黙っていないでしょうし、彼女の動向も引き続きチェックして行こうと思います!






最後に、松田について。

今回再びスクープを取り、仕事は順調な彼。でも試合をセッティングまでしたものの、その心中は複雑なようです・・。

鴨田も指摘してたけど、やっぱり柔のこと好きになっているんじゃないかなぁ。
年齢差など本人たちは気にするでしょうが、柔道に魅せられ半ば一目惚れのような状態だったんじゃないだろうか・・と改めて思いました。

まぁ気持ちが揺れ動くのなんて誰にも止められないし、好きになったならそれはそれで頑張ればいいのではないでしょうか。
気持ちが消えないのであれば、柔が柔道を辞めたからといって関係を断つ必要も特にないのですからね。。
そこは松田次第かな、と個人的には臣ます。

でも柔と風祭の関係も特に動いていないので、何だかんだ柔はまだ風祭に未練がありそう。
そこをどうにかしないと、柔が松田を男性として見ることはなさそうなのが前途多難ですね。。
色々してくれたり柔本人を見てくれているのは、松田の方なんですけどね・・。


この2人の関係も、今後動くことがあるのか要チェックですね。
今回2人で一緒に過ごしたことで柔の中の松田への印象はだいぶ上がったでしょうから、まずはゆっくりと信頼関係を築いていくのがいいのではないでしょうかー。

そして試合が2人にどんな影響を及ぼすのかも、注視していきたいですね。
松田はこのまま自分の気持ちを封じて、柔の応援に徹するのかー?!
彼の覚悟、見定めさせてもらおうと思います!









さて、次回は試合のことが公表され、柔の周囲が騒がしくなる話でしょうか。

ついに柔がデビューとなったら、まずさやかが黙ってはいないでしょう。当然風祭も動くでしょうから、この2人が柔に接触を図る展開は大いにあり得そうですね。

後は相手選手の藤堂も気になるし、試合を用意した松田の心の動きも気になります。
そして何より、柔が本気でこの計画を進めようと考えるのかも・・。


波乱を呼ぶであろう、柔のデビュー戦。
一体どんな試合となるのでしょうかー。

次回も楽しみです☆