前回、松田と組んで試合に出ることにした柔。
しかし彼女はそこでわざと負けて、柔道人生に決着をつけようと考えますー。

着々と用意されるデビュー戦。
柔はこのまま計画通り、柔道を辞めてしまうのでしょうか?!

感想です☆




スーパースター~第18話 「ごめんね、おじいちゃん」





※以下、ネタバレあり※










◎あらすじ◎

体育館。
さやかの稽古は、彼女の感情に合わせて荒ぶっていた。

さやかは何度も滋悟郎(じごろう)との会食を思い出しては、歯噛みする。
これだけやっても、私が弱いというのか・・。
彼女は滋悟郎の言葉を思い返した。

あの会食の際、料理を食べ終わると滋悟郎は即座にコーチの打診を断った。
そして彼は理由を尋ねるさやかの父に、言ってのけたのだ。

さやかお嬢様よ、あんたもっと強くなってからわしを誘いに来ることぢゃな!わしは弱い奴には、教えてやらんのぢゃー!!

その言葉は、さやかのプライドをいたく傷つけた。
今まで何でも手に入れてきた。なのに、どうしてあの猪熊(いのくま)家の2人だけは自分の思い通りにならないのかー!!
彼女は足元に転がる新聞を取り上げると、更に歯をギリギリと食いしばった。

そこには、柔(やわら)がデビュー試合を行うと記されている。
・・どうして自分と試合をせずに、こんなどうでもいい相手と戦うのよ?!
ー彼女の怒りは、当分収まることはなさそうだった。

ー同刻、体育館の外では、マスコミが柔のライバルであるさやかから一言もらおうと詰め掛けていた。
上がり症の風祭(かざまつり)に代わり、徳永(とくなが)が原稿を読み上げる。
それによれば彼は、どんな相手と戦おうと勝つのは柔だと思っているーとのことだった。

一方試合相手である藤堂(とうどう)の元にも、マスコミは押しかけていた。
彼女はマスコミの取材に対して、今度の試合など負ける気はない!と豪語した。

自分は柔道界のホープだ。柔だか知らないが、柔道の恐ろしさを徹底的に教え込んでやるわ・・。
そう言うと、藤堂は記者たちの目の前で稽古の様子を見せた。
大きな体で相手を軽々と投げていくその姿に、記者たちは思わず恐怖を感じるのだったー。

だが・・その模様をテレビで見ていた滋悟郎だけは、藤堂などでは柔の相手にはならない、と吐き捨てていた。
この分だと柔の楽勝で終わりだな・・。
滋悟郎はやっぱりデビュー戦は物足りないものになりそうだ・・と1人嘆息するのだった。


同じ頃ー
武蔵山高校でも、柔のことは騒ぎになっていた。

今まで柔が柔道をやっていることなど全く知らなかった教師陣は戸惑いを見せ、柔の友人たちもなぜこんなことになったのか、と柔に問いただした。
皆柔に柔道なんてできるわけない、と何かの間違いではないかと信じて疑わなかったのだ。

柔は仕方なく、試合にでも出ないと誰も自分が弱いって信じてくれないから・・と友人たちに話す。
すると友人たちは皆同情し、色々なアドバイスを考えてくれるのだった。

そしてー周りがそんな感じで騒がしいなか、松田(まつだ)だけは1人資料室で黙々と資料を調べていた。
今日のスクープのおかげで事務所は大忙しだ、と鴨田(かもだ)がそんな松田の様子を覗きに来た。
彼は、何を調べているのか、と松田に尋ねる。

猪熊柔の父親についてだ・・。
松田は資料から目を離さず、そう答えた。
彼は先日柔に話を聞いて以来、彼女の父親のことが気になって仕方なかったのだ。

滋悟郎の息子で柔の父親なら、絶対に柔道界に名を残しているはずだー!!
彼はその確信のもと手あたり次第資料に当たり、ついにある記事を見つけ出す。

それは昭和49年の全日本柔道選手権の記事だった。
そこに、彗星のように新星選手が現れた、というのだ。

まるで滋悟郎が当初柔のデビューに、と計画していたような登場の仕方だ・・。
そう思いながら、松田は記事を読み進めていく。
その彼の眼が、やがて大きく見開かれた。

記事によれば、柔の父親はその大会でいきなり優勝をかっさらった。
だがその翌年から、ぷっつり消息を絶ったという・・。
失踪したからだー!!

松田は柔の話を思い出し、納得する。
たった1年だけ柔道界に君臨し、突如消えた男ー。
虎滋郎(こじろう)というその男のことを、松田は更に調べようと決意するのだった。




















試合決定の余波。

今回は日刊エヴリースポーツのスクープ記事が公開され、柔のデビュー試合のことを全国が知ることになった話でした。

やっぱり騒がしくなった柔の周囲。でも関係者はともかく、学校の友達には上手くごまかせたので、心の平穏は保てたようで良かったです。
花園は蚊帳の外で可哀想だったけどw

今のところ、疑っている者はいないようですね。まぁそれもそうか、まさかあんな大舞台を用意してわざと負けようとしているなんて、普通は考えないですよね。
そのぶん罪悪感は大きいでしょうが、何とか耐え抜いてほしいです。

特に・・やっぱり滋悟郎をだますのは気が引けるようですね。
その辺は、家族がバラバラになっていることも関係なくはなさそうです。

今回松田によって父親の情報が少し手に入りましたが、相変わらずどこにいるかは不明・・。
そしてそれによって気になるのは、ではお母さんは?というところですよね。

お父さんが柔に負けたことに絶望して失踪したのは理解しましたが、お母さんは彼についていったのでしょうか?
それとも別の理由で、今は違うところに住んでいるのでしょうか・・。
まさか死んでいるということはないですよね?

いまだ全容は見えませんが、ずっと滋悟郎に育ててきてもらっているのなら、柔が滋悟郎に謝り続けるのも無理はないですね。
特に彼はさやかのコーチもきっぱり断ってきてくれてました。柔道に関しては強引ですが、常に柔のことを思ってはくれてるんですよね・・。
それが分かるだけに辛い・・というのが、今の柔の心境でしょう。

でもこういうことって、実の親でも起こることです。親と自分の将来への希望が違う場合、子ども側も真剣さを見せて時にはぶつかることも必要なのです。
柔もまもなく高3ですし、そういう時が来たということなのでしょう・・。

それに一時的に気まずくなっても、そこからまた関係は再構築すればいいのです。
今回のことだけで関係が切れるようなら、いずれは駄目になっていたでしょう。2人で生きてきた家族なのだから、ちゃんと話し合えば分かり合えることもあるはずです。

だから柔には今は自分の気持ちを大事に、進んでほしいと思います。
結果的にそれで柔道を辞めることになっても、やっぱり続けようと思っても、それは彼女が真剣に考えた結果ならどちらでもいいと思います。
とにかく柔の元気な笑顔が見たいものですー。

どうかこのまま計画がバレずに、当日を迎えられますように・・。









さて、次回はついに試合当日となるのでしょうか。

相手の藤堂ですが、身体は確かに大きいもののあまり強くはなさそう?
滋悟郎の言葉を信じれば、普通に戦えば柔が瞬殺できる相手のようです。

となると柔はわざと負けようとしても、意外と苦戦する可能性もアリかも?
元々強い人が自分より弱い人に負けるのって、なかなか難しそうですよね・・(^^;)
その辺で、どんでん返しが起きる可能性も考慮に入れておきたいものです。


刻々と近づくデビュー戦。
柔の計画は、無事遂行されることとなるのでしょうかー?!

次回も楽しみです☆