前回、ついにジョディと戦った柔。
2人は互いと一度組み合っただけで、相手の強さを感じ取ります!!

一分の隙も見せず、拮抗する柔とジョディの実力。
しかしジョディの熱意の前に、ついに柔は押さえ込まれてしまいます。

ついに柔が負けてしまうときが来るのでしょうかー?!

感想です☆





世界の実力!!~第48話 「逃がした獲物は・・!!」





※以下、ネタバレあり※












◎あらすじ◎

ジョディが押さえ込みに入った。
このままでは縦四方固めを決められてしまうー!
柔(やわら)はもがくが、身体はぴったり押さえつけられて動くことができない。

松田(まつだ)もその姿を見てうろたえるが、滋悟郎(じごろう)は冷静に時間を計るよう彼に言いつける。
この程度で負けるようなら、いっぺん思いきり負けて勝負の厳しさを思い知るがいい!

彼はそう言い、厳しい瞳で孫を見つめる。
松田も焦れながらも、タイムを計り続ける・・。
と、鴨田(かもだ)があっと大きな声をあげた。

なんと柔が一瞬の隙をついてジョディを投げたのだ。
あの押さえ込みから状況をひっくり返すなんてー!
場は一気に興奮に包まれる。

滋悟郎も思いがけぬ柔の反撃に、目を丸くした。
あやつ・・本気ぢゃ!
彼は柔の目に炎が灯っているのに気づき、満足げに鼻を鳴らす。

その間も柔たちは組み合っていった。
今度は柔が攻撃を仕掛ける番だ。
彼女はジョディを背負い、一気に決着をつけようと投げの姿勢に入る。
ジョディはその攻撃に足を踏ん張り、何とか一本取られるのは避けた。

有効!!
彼女は倒れた身をすぐに起こすと、興奮に身震いした。
柔、強い!嬉しくなってきたわ!こんなに強い相手と戦ったの、初めてのことだー!
ジョディもまた、今まで出会ったことのない強さの柔に、柔道の本当の面白さを感じていたのだ。

2人はもっと柔道を楽しもう、と休む間もなく組み合っていく。
ジョディが仕掛け、柔が返す。
彼女たちの戦いは止むことなく続き、それを見ていた滋悟郎たちは、まさに水を得た魚のようだ・・と2人を評した。

初めて強いと感じる相手に巡り合って、心の底から楽しんでいるー!!
松田は、身体中が震えるのを押さえられなかった。
知らなかった、柔はこんなに強かったのか・・!!
彼は今まで速攻で背負い投げをする彼女の姿しか見たことがなかった。だから柔がここまで強いとは、知らなかったのだー。

だがこれではまだ世界には通用しない・・。
滋悟郎は松田の横で、厳しい感想を述べた。
やっぱり柔の強さは、世界一の座に輝き国民栄誉賞を取ったときに輝くのぢゃー!

その時、状況が動いた。
揉み合っていた柔とジョディだったが、ジョディが乗りかかった瞬間に柔が投げの態勢に入ったのだ。
ジョディはそのまま投げられ、腕から思いきり床ぶつかってしまうー。

その衝撃で、彼女は肩を痛めたらしい。
だが腕をかばいながらも、彼女はまだ立ち上がる。
柔と戦いたいーその気持ちが、痛みよりも優ったのだ。

けれども・・柔はその攻撃をかわすと、ジョディを見つめた。
そして一言言った。
やめましょう、ジョディ。あなた、ひどく腕を痛めたわ・・。

当然その言葉にジョディも滋悟郎も、激しく反発した。
実際の試合なら、この程度の怪我では試合続行となるからだ。
それでも柔は首を振り、これ以上は本当の実力を出せないでしょ、と突っぱねた。
すると・・ジョディの瞳から、悔しさに涙が溢れ出した。

わたしははるばる柔と戦うために、カナダから来た!こんなに戦って楽しかったのは、初めてだ。
お願い、戦って・・!!

柔はその思いを真正面から受け止めた。
私も同じよ・・。
彼女は優しくほほ笑むと、ジョディの向かいに座った。そして彼女の瞳を覗き、腕が治ったらどこかの大会で、また本気で勝負しようー?と約束を持ちかけた。

ジョディは泣きながら、本当に・・?と唇を震わす。
柔はうなづき、彼女の腕を取った。
その光景を見ながら、松田と滋悟郎は思わず顔を見合わせた。

またどこかの大会で・・?
それは柔が世界で戦うという、意味だろうかー。
思いがけない彼女からの申し出に、彼らはしばらく戸惑ったのだった。




















約束。

今回は柔とジョディが互いと戦うなかで、柔道の本当の楽しさに目覚めた話でした。

いや、本当にすごい試合でしたね!
2人共水を得た魚のように、とにかく戦うのが楽しいといった様子なのが印象的でした。

実力が同じくらいの人と戦うと、こんなに楽しいものなんですね。
これは是非とも柔にオリンピックに出てほしくなりました!

彼女がイマイチじゅうどうに乗り気になれないのは、日本に自分と同等の選手がいないということもあるのでしょう。
ある意味今まで色んなスポーツを制覇してきたさやかと同じ状態ですね。

でも世界に出れば、こんなに強い選手がいるということに今回柔は気付きました。
ジョディとの約束ももちろんですが、他にも強い選手がいるかもしれないーこの気付き派、柔の中の柔道への思いに火をつけたのではないでしょうか。
彼女がオリンピック出場にも前向きになってくれると嬉しいです(^^)

でもそう考えると、ライバルの存在って本当に大事ですね。
さやかが特訓を続けていられるのも、柔を倒したい一心からだもんなぁ。
だとすれば、彼女もいずれ柔と同等の強さまで上ってくるだろう、と期待も持てますね。

元々戦うスポーツなので相手がいないと成り立たない競技ですが、ここにきてライバルの存在の重みを感じます。
皆目指す相手がいて倒したい相手がいるから、続けていくのでしょうねー。

ついに柔にもそんな相手ができて、良かったです。
ジョディとの付き合い、末永いものとなりそうですね。
彼女と世界の大会でまた戦える日、わたしたちも楽しみにしています!









さて、次回は柔が受験と受動の両立に奮闘する回でしょうか。

ついに柔道に前向きになった?かに見える柔。
滋悟郎もこの機を逃しはしないでしょう。
ジョディとの再戦のためーと言葉巧みに稽古を増やすことでしょう。

ただ柔はあくまで受験生。当然受験との両立が求められますね。
なかなか厳しい戦いだと思いますが、果たして彼女は全てを乗り越えて女子大進学の道を掴むのでしょうかー?


柔の明るい未来、応援したいですね!
次回も楽しみです☆




さて、次回は