◎あらすじ◎

柔（やわら）と松田（まつだ）は、柔の提案で遊園地に来ていた。
気分転換をしようという柔を見つめながら、松田は彼女に何と声をかければいいか・・とずっと悩み続ける。

一方体重別選手権会場では、さやかの快進撃が続いていた。
彼女はすさまじい勢いで技を繰り出し、相手の攻撃を一切許さない。
そうして確実な強さで、見事48ｋｇ以下級の優勝を勝ち取ったのだった。

そんな華麗な復活劇を果たしたさやかに、優勝後インタビューが行われた。
さやかはその中で世界選手権出場が決まったことには全く関心を示さず、柔にだけ挑戦状を叩きつけた。
彼女の目標はあくまで柔と戦い、彼女に勝つことー。
柔が不戦敗しても、それは変わらなかった。

そして彼女はその再戦まで、日本女子柔道界の女王として君臨することとなった。
柔からさやかへー。
時代の移り変わりを目の当たりにし、関係者たちは困惑のなかその時を迎えたのだった・・。


同刻ー
柔が不戦敗したことで苛立ちを隠せない滋悟郎（じごろう）は、会場近くのクレープ屋へ立ち寄っていた。

そこで注文しようとした彼は、横からやってきた男性と注文をかぶらせてしまう。
その声にー互いに体をぴくり、と震わせた。
なんと横に並んだ男性はー虎滋郎（こじろう）だったのだ。

久しぶりの再会に、2人は言葉もなく別れる。
だが滋悟郎は彼が大会の会場近くにいたことから、全てを察する。
そしてなぜ柔が会場に現れなかったのかも、理解したのだった・・。

ーその夜、柔はもう柔道はしないとだけ告げて、松田と別れた。
父親のことを思い、彼女はずっと泣くのを我慢していた。
そんな涙をこらえた顔の孫娘を迎えた滋悟郎は、そんなに父親と戦うのが嫌か？と帰って早々柔に尋ねる。

滋悟郎も全て知っていたのかー。
驚く柔に、滋悟郎は甘ったれるな、と喝を入れる。
だが彼は次の柔の言葉に、思わず息を呑んだ。

お母さんには、このことを言わないで。悲しむから・・。

そう言われては、この場でこれ以上騒ぎ立てることはできない。
滋悟郎は地団駄を踏み、松田はまだ悩みながら、互いに柔の背中を見送るしかないのだったー。




















家族の問題。

今回はさやかが優勝を果たすなか、滋悟郎が虎滋郎とさやかの関係に気付く話でした。

まずはさやか。
予想通り、優勝を手にしましたね。
圧巻でした！さすが女王！！

これにより、世界選手権の切符は彼女が手にすることとなりました。
前回も書きましたが、恐らく世界選手権にはジョディやテレシコワも参戦してくるでしょう。
もしさやかが48ｋｇ級以下と無差別級に出るのなら、彼らとの対戦も見られるかもしれません。

柔と戦ってほしかったのはもちろんですが、さやかとの対戦も楽しみですね。
今のさやかが実際どれぐらい世界に通用するのかをしっかりと見たいです。フランスで道場破りツアーをしていたのは知っていても、実際に目にしていないですからね。

そして世界に君臨する女王様の姿も、是非見てみたいものです。
どんどん柔と差がついてしまうのは怖いですが、それくらい有名になる方がいずれ来るだろう再戦の箔になっていいかも。
彼女の活躍には、引き続き期待していきたいですー。



一方の柔。
松田と遊園地に出向いたものの、2人共暗い顔・・。
気分転換にはならなかったようですね。

こういう時松田が気の利いたことでも言えればいいのでしょうが、それができない不器用な男が松田。
まぁ柔も、その場限りの慰めなんていらなかったでしょうし、側に人がいてくれるだけで少しは心が紛れたなら良かったと思うことにしましょう。

今後柔は、本当に柔道を辞めてしまうのでしょうか。
柔の落ち込み様や玉緒のことを思うと、滋悟郎も強くは出られないよう・・。
まずが今後どう動くかを決めないと、滋悟郎も上手く動けないですね。やっぱり玉緒がどれだけショックを受けるかかんがえると・・ねぇ。。

猪熊家に訪れた最大の問題。
これを家族はどう乗り越え、柔は今後どう虎滋郎に対応していくのでしょうか。
周りの人間も動きそうだし、この問題からも目が離せませんね。
しばらく柔の柔道姿が見られなくなるのは辛いですが、ここは耐えて私たちも乗り越えていきましょうー。

ああ、でも世界選手権で活躍する柔も見たかったなぁ。本当に残念（＞＜）








さて、次回はさやかが世界選手権に出場する話でしょうか。

世界中から猛者が集まる世界選手権。
前回同様、皆の目当てはやっぱり柔でしょう。その柔が出場しないとなったら、大騒ぎでしょうね。

が、今やさやかも柔に並ぶ実力の持ち主。
今は無名ですが、必ず今回の大会で頭角を現してくるでしょう。
彼女の登場に世界がどんな反応を見せるのかー期待大ですね！

柔なしの世界選手権。一体どうなるのでしょうか？
次回も楽しみです☆