前回、北へ向かう列車の中でキンブリーと対峙したスカー。
彼らは遠い日の敵と出会い、激しい戦いを繰り広げます。
一方、アームストロングの姉を頼りに、ブリッグズに降り立ったエドたち。
しかしそこは弱肉強食の地ー
2人はこの地で無事にやっていけるのでしょうか?!
感想です☆
第65話~ 「鉄の掟」
※以下、ネタバレあり※
◎あらすじ◎
ブリッグズ要塞は、とても巨大だった。
中に通されたエドたちは、まずは医務室へと通される。
そこでエドは、オートメイルが凍傷になりかけていることを知った。
普通のオートメイルとは違い、北では専用のオートメイルが必要となるのだ。
柔軟性と軽量性を供えつつ、寒さに強いものでなくてはならない・・。
そこで北では、ジュラルミンや炭素繊維、ニッケル銅などを組み合わせたオートメイルが使用されているのだという。
バッカニアのオートメイルは鉄だけでできている訳ではないから、エドは分解できなかったのだ・・。
加えて、ここではオイルも寒冷地仕様のものではないといけないのだという。
マイナス7度以下の冷気に、3時間以上手足をさらしてはならないー
医師はエドに目安を教え、長くいるつもりなら技師を呼んでオートメイルを付け替えるべきだ、と話した。
そこでバッカニアたちは、そもそも普通のオートメイルで、ここに何をしに来たのだー?と尋ねる。
エドたちは用件を思い出し、紹介状を破り捨てたオリヴィエに憤りを感じる。
だがタイミングよく彼女が姿を見せたので、2人の勢いはすぐに鎮火する・・。
オリヴィエは席につくとすぐに、2人に全ての事情を明かせ、と迫った。
彼らはボディチェックをした際に、アルの鎧の中身が空っぽなのも知っていた。
司令部も通さずに会いに来た理由を教えろー。
そう言われたエドたちは、互いに顔を見合わせる。
オリヴィエの気の強さからは、到底逃れられないだろう・・。
彼らは諦め、ホムンクルスのこと以外は全て打ち明けることにする。
そうして2人は、人体錬成のことから話を始めたー。
ーその後、長い時間をかけて2人は身の上話を行った。
メイたちを探している理由までようやく話し終えると、オリヴィエはシャオメイの似顔絵を眺めながら、なるほど・・とうなづいた。
エドたちは、協力してくれるのかー?!と期待する。
だがオリヴィエは、2人を睨みつけた。
貴様らが深く考えず軽い気持ちで事を起こし、迂闊な行動で騒ぎを広げる粗忽者だということはよく分かったー。
その言葉に、エドとアルは凍り付く。
オリヴィエはそんな粗忽者を自分の城には置きたくない、とはっきり言った。
だが・・
彼女は再び2人に視線を移した。
錬丹術には興味がある。この国には無い技術だ、欲しい―。
オリヴィエは、技術はいくらあってもいいものだ、と語った。
ブリッグズ要塞は、特にドラクマとの国境に位置している。使い方によっては、良い武器になりそうだー。
それを聞いたアルは、反論した。
錬丹術は、医学に特化した技術だ。それを兵器として使うなんて・・
だがオリヴィエは、それを一刀両断に断ち切った。
国の内側で吠えるだけのくせに。貴様らの生活の安寧は、国境を守る者あってこそだということを忘れるな。
北の国境線は、自分が引く。その力になるなら、どんな技術でもいただく。
技術はいくらあってもいい。一の代価で十の戦果を立てることも可能だからな。
そこまで言うとオリヴィエは、メイ探しは自分たちに任せろ、と席を立った。
エドたちには外出しないように命じると、彼女は2人にも仕事をするように言いつけ、去って行く。
決して客扱いはしないー
彼女の強い意志を感じたエドたちは、反論する力もなくただ従うだけなのだった・・。
ー執務に戻る途中、バッカニアはオリヴィエに話しかけた。
なかなかハードな経歴を持つ奴らですな。
そう言うと、オリヴィエはふん、と鼻を鳴らす。
そこそこ修羅場慣れはしていそうだが、中身はまだまだ甘ちゃんだ・・。
それから、彼女はぽつりと呟いた。
それに・・まだ自分たちには言えない秘密があるということも、よく分かった・・。
その後、エドたちはオリヴィエの横についていたマイルズ少佐に案内され、仕事場へと向かうことになった。
仕事って何をするんだ?
エドが尋ねても、マイルズは何も答えない・・。
何か喋れよーイラっとしたエドは、気になっていたことに触れてみることにする。
ここで働く人たちは皆訳ありだーとさっき医師の1人が言っていたのだ。
それなら、マイルズも何かあるのか?自分たちだけ根掘り葉掘り聞かれるのはフェアじゃないだろー。
彼がそう口にすると、マイルズは足を止めた。
知りたいか・・?
彼はそう言うと、かけていたサングラスを外す。
その瞳が赤いのを見たエドたちは、イシュヴァ―ル人・・?!と目を見開く。
イシュヴァ―ル人の軍人は、殲滅戦の前に殺害されたと聞いたのに、なぜー?!
エドが訊くと、マイルズはイシュヴァ―ル出身ではないのだ・・と答えた。
彼にはイシュヴァ―ルの血は確かに流れているが、祖母や父は違う民族なのだという。
その心にも、確かにイシュヴァ―ルの血が流れているらしい・・。
マイルズはエドたちを睨みつける。
我が先祖の地、イシュヴァ―ルでは随分やってくれたな、アメストリス人よー。
3人はそのまま暫く、見合った。
重苦しい沈黙の中、エドは呼吸を整える。
それから彼はマイルズをきっと見据えた。
イシュヴァ―ル人こそうちの田舎を焼いてくれたり、自分たちの幼馴染の両親を殺してくれたなー。
アルは慌てて、エドを止める。
だがエドとマイルズは、そのままにらみ合い続けたー。
が、その時マイルズがおかしそうに笑い声をあげた。
そういう切り返し方をしてきた奴は、初めてだ。
彼は、自分を対等に扱ってくれてありがとうーとエドに礼を言った。
どうやらマイルズは、自分たちを試していたらしい・・。
エドたちが息をつくと、彼は非礼を詫びた。
内乱の後、普通の人は彼の容姿を見るだけで一歩引く。だからいちいち説明するのに、正直うんざりしている・・。
そう話しながら、マイルズは再びサングラスをかけた。
君は哀れみも怖がりもしないんだなー。
そう指摘されたエドは、スカーやクセルクセス遺跡で会ったイシュヴァ―ル人たちのことを思い出す。
色々あったし民族という括りだとどうしても衝突しがちだけど、個人個人なら対等に話し合えると思うよー。
彼はマイルズの瞳をしっかりと捉え、答えるー。
それから2人は、マイルズの話を少し聞いた。
彼は殲滅戦の時から、オリヴィエの下で補佐をしていたのだという。
マイルズがここに赴任してきてからすぐに、イシュヴァ―ル殲滅戦は始まった。
彼も、祖父や親族を殺されたそうだ・・。
それを聞いたエドは、軍を憎んだりはしなかったのか?と問う。
その問いに、マイルズは改めてエドを見つめた。
君は本当に恐れずに、真っすぐに何でも聞くんだなー。
その指摘に、エドは驚きながらも考える。
たぶん・・自分の無知さが嫌だから、訊くんだと思う・・。
その言葉に、マイルズは憎んださーと話した。
彼はそれと同時に、自分を追放せずに補佐として使い続けるオリヴィエに疑問を抱いたのだという。
マイルズの容姿は明らかにイシュヴァ―ル人のものであり、兵たちにも波風を立てるかもしれない・・。
そう考えたマイルズは、ある時オリヴィエに食ってかかった。
だがオリヴィエは、何を寝ぼけたことを言っているのだ、とマイルズの疑問を一蹴した。
差別は戦場において、自軍の死傷率を増加させる。
ブリッグズは落とされてはならぬ地。いかなることがあろうとも、主の意思の元に強くかつ柔軟に動かねばならない。
何事にも動じない、屈強な一軍でなければならないのだ!!
彼女はマイルズの中には、多様な民族の血が流れている、と言った。
それは多様な価値観を持ち、様々な角度からこの国を見ることができる血だ。
産まれも育ちもアメストリス人である自分には、マイルズのような者が必要だ。四の五の言わずについてこいー。
その言葉は、実に合理的でごまかしのない言葉だった、とマイルズは語る。
彼はエドたちに、ここの掟を知っているか?と尋ねる。
弱肉強食・・?
そう答える2人に、彼はうなづき言った。
それはつまり、皆同じ天秤に乗っているということ。
力無き者、油断する者は死に、力有る者は生き残る。それは下っ端でもボスでも、同じことなのだ。
これはいついかなる時も変わらない真理で、そこには人種も民族も男女もないー。
それを聞きながら、エドたちは階段を上っていく。
ふとエドが段差につまづき、よろけた。
そこにー天井から巨大なつららが落ちてきた。
もしよろけていなかったら、直撃していただろうー。
その光景に、マイルズはこれも弱肉強食だ、と語る。
君は運が強いから、生き残ったのだー。
分かったような分からないような・・。
エドたちは命拾いしたことに、とりあえずほっと安堵の息をつく。
マイルズは天井を見上げ、つらら落としがエドたちの仕事だ、と言った。
彼らはそのまま道具を渡され、仕事をしている軍人たちの元に預けられる。
つらら落としは、建物の内外のつららや氷塊を落として回る仕事だ。
氷が歩行者に当たったり装置が動作不良を起こさないようにするための、大事な作業なのだー。
そう説明を受けたエドたちは早速やってみるが、エドは背が届かずまるで役に立たない・・。
その姿を見た軍人たちは、要領が悪くて面倒くさいな・・とため息をついた。
彼らは教育係を新人に任せようと目論み、その人物を呼ぶ。
すると奥の方から、走ってくる者がいた。
その男と目が合ったエドとアルは、思わずぽかんと口を開ける。
それは、北方司令部に異動となったファルマンだった。
彼は少尉に昇格したが、縁あって北方司令部から更にブリッグズ要塞に異動になったのだという。
久々の再会を喜び合った3人は、地味なつらら落としの作業を一緒に頑張るのだった。
その頃ー
ブリッグズ行きの貨物車の中では、スカーとキンブリーの戦いが始まっていた。
彼らは車両のつなぎ目に立ち、互いを見合う。
・・自分のことを覚えているのか?
スカーが尋ねると、キンブリーは笑顔でうなづいた。
よく覚えていますよ。あなた、イシュヴァ―ルのカンダ地区にいた・・。
キンブリーは記憶を呼び起こし、あの場にはスカーにそっくりな眼鏡の男性もいた、と話す。
左脇腹から血を流し、大層苦悶の表情を浮かべていた・・
その言葉にかっとなったスカーは、思いっきりキンブリーに分解をぶち込む。
たちまち物凄い爆炎が、周囲に巻き起こった。
ヨキは巻き込まれないように身を隠すだけで、精一杯だ。
スカーとキンブリーはそのまま揉み合い、車両の間を移動しながら組み合った。
まずい・・。
攻撃をかわしながら、キンブリーは自分に不利な状況であることを悟っていた。
彼は出所したばかりで、身体もなまっている。
対するスカーは内乱以来、ずっと戦い続けている。体力的には、圧倒的に彼の方が不利だった・・。
だが所詮は壊すことしかできない・・。
キンブリーはなんとかこの場を切り抜けようと考える。
しかしその時、スカーがパイプの破片を持っていることに彼は気付いた。
スカーはそのパイプを力強く投げる。
一瞬遅れを取ったキンブリーの左脇腹にパイプは直撃し、キンブリーは苦悶の表情を浮かべたー。
ーその騒ぎは、次第に操縦士の耳にも届き始めていた。
何か変な振動がする・・。
彼らは徐行運転に切り替え、何か問題がないかと後ろの方を確認に行く・・。
その最中、キンブリーは車両によりかかり、傷から血が滴るのを眺めていた。
スカーは拳を鳴らし、神に祈る間は与えん・・と止めを刺そうと近づく。
だがその時ーキンブリーが口を開いた。
残念ですね、同じイシュヴァ―ル人を2度も仕留め損ねるとは。
そして・・この私が、逃げとは・・。
そう言うや否や、彼は錬金術を発動し、列車を切り離した。
後ろの車両にいたスカーたちは、たちまち前の車両から距離を置かれてしまう。
スカーが目を見開くなか、キンブリーは痛みに表情を歪めながらも笑った。
とてつもない屈辱ですよ、スカー!
3度目の正直です、次は必ずケリをつけましょうー。
そう言う彼が、どんどん遠ざかっていく・・。
スカーはなす術なく、ただただキンブリーの名前を叫び続けるのだった。
ー車両を調べていた操縦士たちは、突然後ろの車両が切り離されたのを見て、驚いた。
彼らは急いで汽車を止め、後ろの車両へと駆ける。
そこで彼らは血を流すキンブリーを見つけ、驚いた。
パイプが刺さった腹の傷は深く、危険な状態だった。
操縦士たちは急いでキンブリーを助けようとするが、キンブリーはその手を止めた。
命令だ、このまま走らせろー。
彼は息をゼイゼイさせながら、眼光鋭く操縦士たちに凄む。
その顔には、この状況を楽しむ笑顔があった。
死が追ってきている。死を築く者は、死に追われるのだ・・。
常に死と隣り合わせ。魂を賭ける仕事にこそ、美しさがある。
なんとやりごたえのある、私の戦場だー!!
ーブリッグズ要塞。
仕事を終えたエドたちは、ファルマンに案内され要塞の中を見て回っていた。
ブリッグズ要塞は、戦いに備えられた施設だった。
開発層では国内最先端の技術が終結し、兵器開発が行われているという。
戦闘用のオートメイルの開発も、常に進められているらしい。
その設備の整った施設に感嘆しながら、エドたちは地下にある最下層のフロアへと向かう。
そこは暖かく、今までいた場所とは全く違っていた。
ここには要塞内の生活ラインが全て集まっているらしく、たとえ要塞上部が攻撃されても大丈夫であるように作られているのだという。
フロアを縦断するパイプにエドとアルが感心していると、そこを請け負っている軍人たちが何人か走ってきた。
どうやらパイプから変な音がするらしい・・。
耳を当てた軍人の1人は、確かにパイプの中からガリガリと引っ掻くような音がするのを確認する。
これは地下からだな。まるで岩を掘っている音のようだ・・。
そこまで突き止めた軍人たちは、ドラクマの人間が地下道を掘っているのかー?!と警戒する。
その音は、どんどん近づいてきているようだ・・。
地下でー岩が1つ崩れる音が、響いた。
ーその音は、1人の大男が出したものだった。
彼は素手で岩を掘りながら、少しずつ道を作っていく。
だがその動きはひどく緩慢で、なかなか進むことはなかった。
めん・・ど・・くせぇ・・。
男はぼそっと呟きながら、少しずつ岩を砕く。
めんどくさくて、死にそうだ。でも・・死ぬのも・・めんどうくせぇ・・。
そうして彼が掘って作った道は、次第に要塞の床をも侵食していくのだったー。
ブリッグズ要塞の女帝。
今回はエドたちがブリッグズ要塞に入り、オリヴィエたちのことを知る回でした。
北の人たち、皆サバサバしていてかっこいいですね!
魅力的なキャラばっかりで、一気に好きになってしまいました。
オリヴィエも怖いけど、信頼できる人物だと思います。
エドたち、協力関係になれるといいですね。
では見て行きます!
まずはブリッグズ要塞の人たちから。
要塞の中に入れてもらうことには成功したエドたち。
彼らは北で働く人たちと知り合いますが、皆色々訳ありだからか芯が強くて興味深い人たちばかりでした。
オリヴィエは怖いですが、イズミを経験しているエドたちなら上手く立ち回れるのでは?
好き嫌いはっきりしたタイプですが、仲間だと思ってくれれば強力な仲間となりそう。
人を見る目は本物のようなので、この際全てぶちまけて協力してもらう方が良さそうかも。
彼女もまた、更に上を見据える人なのですね。
そのためには多様な価値観を持ち、様々な角度から物事を見れる仲間が必要ー
実にすっきりとしていて、嘘偽りのない言葉です。
会ったばかりの子供にも、錬丹術を兵器として欲しい、とはっきり口にする。
芯があるから、答えがぶれないのでしょうね。
いつでも誠実に、真っすぐ物事を語るー
さすが上に立つに足る人物だと思います。
そういう偽らない人だから、ついていく仲間たちが多いのでしょうね。
こんなギリギリの場所に立った孤独の要塞でずっと仕事をしていくには、そういう関係が不可欠なのでしょう。
まだはっきり信用されていませんが、エドたちも真摯な姿を見せればきっと伝わるはずー。
これほど強力な仲間もいないので、どうか理解し合えるといいですね。
で、今回はマイルズにも焦点が当たりました。
イシュヴァ―ルの血を引くマイルズ・・。
彼もかなりの訳ありですね。
でもそんなマイルズを、大切な仲間として扱うオリヴィエ。
私たちには想像もできないほど、深い関係ですよね。
オリヴィエじゃなきゃ、これほど強力にマイルズの心を掴むことはなかったのでは・・と思います。
マイルズのことを思っての言葉ではなく、彼女自身のための言葉だからこそ、信ぴょう性があった。
イシュヴァ―ル人の生き残りとして憐れみの眼や好奇の眼にさらされてきた彼にとっては、1人の人間として扱ってもらえたことは喜びだったでしょう。
そういう人に、出会えて良かったと心から思います。
やっぱり個人個人なら、理解し合えるのだなーとつくづく感心させられました。
今後マイルズも、スカーやキンブリーと関わっていくことになるでしょう。
キンブリーが先かな?怪我をしたから、北方司令部に運ばれてくるでしょうし。
その時に彼がどんな反応をするのかー少し気になります。
特にスカーを見て、彼の目が復讐に囚われているのを見て、どう思うのでしょうか・・。
同じ民族同士きっと分かり合えることもあるでしょうし、2人が出会うことは楽しみですね。
メイとの出会いがスカーを少しずつ変えているように、同胞との出会いもきっとスカーを動かす力になるはず・・。
期待したいと思います。
さて、その他にもブリッグズの人たちは皆個性的ですね。
医師たちもそうですが、やっぱり目立つのはバッカニアかな。
彼のオートメイルは、やっぱり北方仕様でしたね。
なるほど、凍傷になってしまうのか・・。エド、冗談じゃなく命の危機だったんですね(^^;)
北で暮らすにはオートメイルを付け替えるのは必須みたいで・・となると、ウインリィがこっちに来ることになるのでしょうね。
ウインリィがエドへの気持ちに気付いてから、初再会か・・。
ちょっとドキドキしちゃいますねw
ただ北の方も何やら不穏な動きが起きているので、あんまり楽観視できないのが辛いところ。
それにこっちにはスカーも来ていますからね。再び邂逅・・となるのかも。
またウインリィが辛そうな顔をするのは見たくないです・・。
後はキンブリーも心配。
彼はスカーのことを覚えているくらいだから、当然ロックベル夫妻のことも覚えているでしょう。
ウインリィが彼らの子供だと知ったら、接触してきそうで怖い・・。
再会は楽しみですが、不安事項が多すぎますね。
ブラッドレイの目も光っているだろうし、エドたち3人がブリッグズに来ていると知ったら、ひょこっとやってきそうな気もしたり・・。
何にせよ、油断はできませんね。
ホントこの際、エドも兵器を仕込んだオートメイルにしちゃえばいいのにw
さて、続いてはスカーとキンブリー。
2人の熱い火花を散らした戦い・・
結果は持ち越されましたが、スカーが優勢となりましたね。
やっぱりキンブリーにとっては久々の戦闘が汽車の上というのはキツかったようです。
またスカーを侮ったのも、彼の敗因でしたね。
分解するだけではなく、スカーは元々戦闘に長けています。
そこを見越せなかったのだから、キンブリーの敗北は仕方なかったでしょう・・。
たださすがは国家錬金術師。
列車を切り離すことで、彼は一命を取り留めました。
2度もスカーを倒せなかったことで、キンブリーの彼への執着は最高潮となっていることでしょう。
となると、3度目の対戦が決着をつける戦いとなるのでしょうか。
それこそ互いの執念を賭けたすごい戦いになりそう・・。
ただ、今はキンブリーの怪我の度合いが気になります。
彼は人間なので、あの怪我だと命に関わるのではないでしょうか・・。
決着もつかずに死ぬことはないだろうけど、もしかして賢者の石を本当に体内に取り込む可能性もあったりするのでは・・と今回感じました。
少量の賢者の石しか持っていませんが、取り込んで成功すればホムンクルスになれるんですよね?
そういう選択肢もあるのではないか、と。
でも一方で、キンブリーはそういう選択を好まない人のようにも思えます。
彼の美学に背くというか・・そういう逃げの方法を彼は取らないような気もするんですよね。
実際汽車で、彼は死の迫る音を聞いて昂揚しています。
もし死ぬならそれすらも受け入れるー
キンブリーってそういうタイプなのでは?とも思うんですよね。
いや、彼のことは全然理解できていないんですが・・。
とりあえず汽車はブリッグズ行きなので、キンブリーはこの後ブリッグズ要塞で手当てを受けることになるのかな、と予想されます。
そこでエドたちと出会い、オリヴィエたちと出会い・・そういう中で、彼がどんな選択をするのかは気になりますね。
未だ敵か味方かもよく分からないキンブリー・・。
彼の動向は、まだまだ気を付けて見て行かないといけませんね・・。
最後に、新たなホムンクルスについて。
今回ラストで突如現れたホムンクルス。
めんどくさい・・というセリフから見て、恐らく怠惰のスロウスでしょうね。
プライドとは口調も違うし、間違いないでしょう。
そういえば彼は別行動をしていたのですよね。ラストが以前そんなことを言っていました。
それがブリッグズ要塞の地下に道を作ることだったのか・・。
でも何のために、そんなことをしているのでしょう。
エンヴィーが言っていたように、次にホムンクルスが狙うのは北なのでしょう。
であればブリッグズ要塞を狙うのは分かりますが、なぜあんな回りくどいことをしているのか・・。
地下を掘る理由が、よく分からないですよね。
ただいつから掘っていたのかは分かりませんが、その進行具合はかなりのものと思われます。
これはもう、スロウスとの戦い一直線なのではー?!
余り強そうには見えないですが、そこはホムンクルス。
動きが鈍かろうが、すぐには死なない相手なのでそれなりに手こずることとなりそうです。
でも見方によってはここでホムンクルスの存在を知らせることで、オリヴィエたちにブラッドレイの秘密などを明かす機会にもなりますよね。
軍がホムンクルスに牛耳られていると知ったら、オリヴィエの性格上絶対許さないはず・・。
そこから協力関係になれる可能性はあると思います。
彼の登場が、どんな騒ぎを起こすのかー。
そしてその強さはー?!
次から次に色んなことが起きるので、相変わらず目まぐるしいですねw
でもスロウス相手なら、捕らえることもできるのではーと少し明るい見通しが持てるのも事実。
特にブリッグズ軍の力を以ってすれば、生け捕りにして事情を暴露させることもできそう。
オリヴィエたちの方が、圧倒的に強そうに見えるんだもん・・w
スロウスのやっていることから、ホムンクルスの目的の割り出しなるかー?
期待をこめて、見守っていこうと思います!
さて、次回はスロウスがブリッグズ要塞に現れる回ですね。
どっちかっていうとグラトニー同様知能は高くなさそうなホムンクルスですが、身体が大きいのが懸念事項ですね。
考えない分、ものすごい攻撃を放ってきそうな予感もします・・。
でもブリッグズ軍も錚々たるメンバーなので、きっとホムンクルス相手でも善戦してくれるはず。
オリヴィエたちがどれくらい強いのかーいよいよその力量が見られる時です!
キンブリーのことなど不安要素は多いですが、まずはお手並み拝見。
次回も楽しみです☆
彼らは遠い日の敵と出会い、激しい戦いを繰り広げます。
一方、アームストロングの姉を頼りに、ブリッグズに降り立ったエドたち。
しかしそこは弱肉強食の地ー
2人はこの地で無事にやっていけるのでしょうか?!
感想です☆
第65話~ 「鉄の掟」
※以下、ネタバレあり※
◎あらすじ◎
ブリッグズ要塞は、とても巨大だった。
中に通されたエドたちは、まずは医務室へと通される。
そこでエドは、オートメイルが凍傷になりかけていることを知った。
普通のオートメイルとは違い、北では専用のオートメイルが必要となるのだ。
柔軟性と軽量性を供えつつ、寒さに強いものでなくてはならない・・。
そこで北では、ジュラルミンや炭素繊維、ニッケル銅などを組み合わせたオートメイルが使用されているのだという。
バッカニアのオートメイルは鉄だけでできている訳ではないから、エドは分解できなかったのだ・・。
加えて、ここではオイルも寒冷地仕様のものではないといけないのだという。
マイナス7度以下の冷気に、3時間以上手足をさらしてはならないー
医師はエドに目安を教え、長くいるつもりなら技師を呼んでオートメイルを付け替えるべきだ、と話した。
そこでバッカニアたちは、そもそも普通のオートメイルで、ここに何をしに来たのだー?と尋ねる。
エドたちは用件を思い出し、紹介状を破り捨てたオリヴィエに憤りを感じる。
だがタイミングよく彼女が姿を見せたので、2人の勢いはすぐに鎮火する・・。
オリヴィエは席につくとすぐに、2人に全ての事情を明かせ、と迫った。
彼らはボディチェックをした際に、アルの鎧の中身が空っぽなのも知っていた。
司令部も通さずに会いに来た理由を教えろー。
そう言われたエドたちは、互いに顔を見合わせる。
オリヴィエの気の強さからは、到底逃れられないだろう・・。
彼らは諦め、ホムンクルスのこと以外は全て打ち明けることにする。
そうして2人は、人体錬成のことから話を始めたー。
ーその後、長い時間をかけて2人は身の上話を行った。
メイたちを探している理由までようやく話し終えると、オリヴィエはシャオメイの似顔絵を眺めながら、なるほど・・とうなづいた。
エドたちは、協力してくれるのかー?!と期待する。
だがオリヴィエは、2人を睨みつけた。
貴様らが深く考えず軽い気持ちで事を起こし、迂闊な行動で騒ぎを広げる粗忽者だということはよく分かったー。
その言葉に、エドとアルは凍り付く。
オリヴィエはそんな粗忽者を自分の城には置きたくない、とはっきり言った。
だが・・
彼女は再び2人に視線を移した。
錬丹術には興味がある。この国には無い技術だ、欲しい―。
オリヴィエは、技術はいくらあってもいいものだ、と語った。
ブリッグズ要塞は、特にドラクマとの国境に位置している。使い方によっては、良い武器になりそうだー。
それを聞いたアルは、反論した。
錬丹術は、医学に特化した技術だ。それを兵器として使うなんて・・
だがオリヴィエは、それを一刀両断に断ち切った。
国の内側で吠えるだけのくせに。貴様らの生活の安寧は、国境を守る者あってこそだということを忘れるな。
北の国境線は、自分が引く。その力になるなら、どんな技術でもいただく。
技術はいくらあってもいい。一の代価で十の戦果を立てることも可能だからな。
そこまで言うとオリヴィエは、メイ探しは自分たちに任せろ、と席を立った。
エドたちには外出しないように命じると、彼女は2人にも仕事をするように言いつけ、去って行く。
決して客扱いはしないー
彼女の強い意志を感じたエドたちは、反論する力もなくただ従うだけなのだった・・。
ー執務に戻る途中、バッカニアはオリヴィエに話しかけた。
なかなかハードな経歴を持つ奴らですな。
そう言うと、オリヴィエはふん、と鼻を鳴らす。
そこそこ修羅場慣れはしていそうだが、中身はまだまだ甘ちゃんだ・・。
それから、彼女はぽつりと呟いた。
それに・・まだ自分たちには言えない秘密があるということも、よく分かった・・。
その後、エドたちはオリヴィエの横についていたマイルズ少佐に案内され、仕事場へと向かうことになった。
仕事って何をするんだ?
エドが尋ねても、マイルズは何も答えない・・。
何か喋れよーイラっとしたエドは、気になっていたことに触れてみることにする。
ここで働く人たちは皆訳ありだーとさっき医師の1人が言っていたのだ。
それなら、マイルズも何かあるのか?自分たちだけ根掘り葉掘り聞かれるのはフェアじゃないだろー。
彼がそう口にすると、マイルズは足を止めた。
知りたいか・・?
彼はそう言うと、かけていたサングラスを外す。
その瞳が赤いのを見たエドたちは、イシュヴァ―ル人・・?!と目を見開く。
イシュヴァ―ル人の軍人は、殲滅戦の前に殺害されたと聞いたのに、なぜー?!
エドが訊くと、マイルズはイシュヴァ―ル出身ではないのだ・・と答えた。
彼にはイシュヴァ―ルの血は確かに流れているが、祖母や父は違う民族なのだという。
その心にも、確かにイシュヴァ―ルの血が流れているらしい・・。
マイルズはエドたちを睨みつける。
我が先祖の地、イシュヴァ―ルでは随分やってくれたな、アメストリス人よー。
3人はそのまま暫く、見合った。
重苦しい沈黙の中、エドは呼吸を整える。
それから彼はマイルズをきっと見据えた。
イシュヴァ―ル人こそうちの田舎を焼いてくれたり、自分たちの幼馴染の両親を殺してくれたなー。
アルは慌てて、エドを止める。
だがエドとマイルズは、そのままにらみ合い続けたー。
が、その時マイルズがおかしそうに笑い声をあげた。
そういう切り返し方をしてきた奴は、初めてだ。
彼は、自分を対等に扱ってくれてありがとうーとエドに礼を言った。
どうやらマイルズは、自分たちを試していたらしい・・。
エドたちが息をつくと、彼は非礼を詫びた。
内乱の後、普通の人は彼の容姿を見るだけで一歩引く。だからいちいち説明するのに、正直うんざりしている・・。
そう話しながら、マイルズは再びサングラスをかけた。
君は哀れみも怖がりもしないんだなー。
そう指摘されたエドは、スカーやクセルクセス遺跡で会ったイシュヴァ―ル人たちのことを思い出す。
色々あったし民族という括りだとどうしても衝突しがちだけど、個人個人なら対等に話し合えると思うよー。
彼はマイルズの瞳をしっかりと捉え、答えるー。
それから2人は、マイルズの話を少し聞いた。
彼は殲滅戦の時から、オリヴィエの下で補佐をしていたのだという。
マイルズがここに赴任してきてからすぐに、イシュヴァ―ル殲滅戦は始まった。
彼も、祖父や親族を殺されたそうだ・・。
それを聞いたエドは、軍を憎んだりはしなかったのか?と問う。
その問いに、マイルズは改めてエドを見つめた。
君は本当に恐れずに、真っすぐに何でも聞くんだなー。
その指摘に、エドは驚きながらも考える。
たぶん・・自分の無知さが嫌だから、訊くんだと思う・・。
その言葉に、マイルズは憎んださーと話した。
彼はそれと同時に、自分を追放せずに補佐として使い続けるオリヴィエに疑問を抱いたのだという。
マイルズの容姿は明らかにイシュヴァ―ル人のものであり、兵たちにも波風を立てるかもしれない・・。
そう考えたマイルズは、ある時オリヴィエに食ってかかった。
だがオリヴィエは、何を寝ぼけたことを言っているのだ、とマイルズの疑問を一蹴した。
差別は戦場において、自軍の死傷率を増加させる。
ブリッグズは落とされてはならぬ地。いかなることがあろうとも、主の意思の元に強くかつ柔軟に動かねばならない。
何事にも動じない、屈強な一軍でなければならないのだ!!
彼女はマイルズの中には、多様な民族の血が流れている、と言った。
それは多様な価値観を持ち、様々な角度からこの国を見ることができる血だ。
産まれも育ちもアメストリス人である自分には、マイルズのような者が必要だ。四の五の言わずについてこいー。
その言葉は、実に合理的でごまかしのない言葉だった、とマイルズは語る。
彼はエドたちに、ここの掟を知っているか?と尋ねる。
弱肉強食・・?
そう答える2人に、彼はうなづき言った。
それはつまり、皆同じ天秤に乗っているということ。
力無き者、油断する者は死に、力有る者は生き残る。それは下っ端でもボスでも、同じことなのだ。
これはいついかなる時も変わらない真理で、そこには人種も民族も男女もないー。
それを聞きながら、エドたちは階段を上っていく。
ふとエドが段差につまづき、よろけた。
そこにー天井から巨大なつららが落ちてきた。
もしよろけていなかったら、直撃していただろうー。
その光景に、マイルズはこれも弱肉強食だ、と語る。
君は運が強いから、生き残ったのだー。
分かったような分からないような・・。
エドたちは命拾いしたことに、とりあえずほっと安堵の息をつく。
マイルズは天井を見上げ、つらら落としがエドたちの仕事だ、と言った。
彼らはそのまま道具を渡され、仕事をしている軍人たちの元に預けられる。
つらら落としは、建物の内外のつららや氷塊を落として回る仕事だ。
氷が歩行者に当たったり装置が動作不良を起こさないようにするための、大事な作業なのだー。
そう説明を受けたエドたちは早速やってみるが、エドは背が届かずまるで役に立たない・・。
その姿を見た軍人たちは、要領が悪くて面倒くさいな・・とため息をついた。
彼らは教育係を新人に任せようと目論み、その人物を呼ぶ。
すると奥の方から、走ってくる者がいた。
その男と目が合ったエドとアルは、思わずぽかんと口を開ける。
それは、北方司令部に異動となったファルマンだった。
彼は少尉に昇格したが、縁あって北方司令部から更にブリッグズ要塞に異動になったのだという。
久々の再会を喜び合った3人は、地味なつらら落としの作業を一緒に頑張るのだった。
その頃ー
ブリッグズ行きの貨物車の中では、スカーとキンブリーの戦いが始まっていた。
彼らは車両のつなぎ目に立ち、互いを見合う。
・・自分のことを覚えているのか?
スカーが尋ねると、キンブリーは笑顔でうなづいた。
よく覚えていますよ。あなた、イシュヴァ―ルのカンダ地区にいた・・。
キンブリーは記憶を呼び起こし、あの場にはスカーにそっくりな眼鏡の男性もいた、と話す。
左脇腹から血を流し、大層苦悶の表情を浮かべていた・・
その言葉にかっとなったスカーは、思いっきりキンブリーに分解をぶち込む。
たちまち物凄い爆炎が、周囲に巻き起こった。
ヨキは巻き込まれないように身を隠すだけで、精一杯だ。
スカーとキンブリーはそのまま揉み合い、車両の間を移動しながら組み合った。
まずい・・。
攻撃をかわしながら、キンブリーは自分に不利な状況であることを悟っていた。
彼は出所したばかりで、身体もなまっている。
対するスカーは内乱以来、ずっと戦い続けている。体力的には、圧倒的に彼の方が不利だった・・。
だが所詮は壊すことしかできない・・。
キンブリーはなんとかこの場を切り抜けようと考える。
しかしその時、スカーがパイプの破片を持っていることに彼は気付いた。
スカーはそのパイプを力強く投げる。
一瞬遅れを取ったキンブリーの左脇腹にパイプは直撃し、キンブリーは苦悶の表情を浮かべたー。
ーその騒ぎは、次第に操縦士の耳にも届き始めていた。
何か変な振動がする・・。
彼らは徐行運転に切り替え、何か問題がないかと後ろの方を確認に行く・・。
その最中、キンブリーは車両によりかかり、傷から血が滴るのを眺めていた。
スカーは拳を鳴らし、神に祈る間は与えん・・と止めを刺そうと近づく。
だがその時ーキンブリーが口を開いた。
残念ですね、同じイシュヴァ―ル人を2度も仕留め損ねるとは。
そして・・この私が、逃げとは・・。
そう言うや否や、彼は錬金術を発動し、列車を切り離した。
後ろの車両にいたスカーたちは、たちまち前の車両から距離を置かれてしまう。
スカーが目を見開くなか、キンブリーは痛みに表情を歪めながらも笑った。
とてつもない屈辱ですよ、スカー!
3度目の正直です、次は必ずケリをつけましょうー。
そう言う彼が、どんどん遠ざかっていく・・。
スカーはなす術なく、ただただキンブリーの名前を叫び続けるのだった。
ー車両を調べていた操縦士たちは、突然後ろの車両が切り離されたのを見て、驚いた。
彼らは急いで汽車を止め、後ろの車両へと駆ける。
そこで彼らは血を流すキンブリーを見つけ、驚いた。
パイプが刺さった腹の傷は深く、危険な状態だった。
操縦士たちは急いでキンブリーを助けようとするが、キンブリーはその手を止めた。
命令だ、このまま走らせろー。
彼は息をゼイゼイさせながら、眼光鋭く操縦士たちに凄む。
その顔には、この状況を楽しむ笑顔があった。
死が追ってきている。死を築く者は、死に追われるのだ・・。
常に死と隣り合わせ。魂を賭ける仕事にこそ、美しさがある。
なんとやりごたえのある、私の戦場だー!!
ーブリッグズ要塞。
仕事を終えたエドたちは、ファルマンに案内され要塞の中を見て回っていた。
ブリッグズ要塞は、戦いに備えられた施設だった。
開発層では国内最先端の技術が終結し、兵器開発が行われているという。
戦闘用のオートメイルの開発も、常に進められているらしい。
その設備の整った施設に感嘆しながら、エドたちは地下にある最下層のフロアへと向かう。
そこは暖かく、今までいた場所とは全く違っていた。
ここには要塞内の生活ラインが全て集まっているらしく、たとえ要塞上部が攻撃されても大丈夫であるように作られているのだという。
フロアを縦断するパイプにエドとアルが感心していると、そこを請け負っている軍人たちが何人か走ってきた。
どうやらパイプから変な音がするらしい・・。
耳を当てた軍人の1人は、確かにパイプの中からガリガリと引っ掻くような音がするのを確認する。
これは地下からだな。まるで岩を掘っている音のようだ・・。
そこまで突き止めた軍人たちは、ドラクマの人間が地下道を掘っているのかー?!と警戒する。
その音は、どんどん近づいてきているようだ・・。
地下でー岩が1つ崩れる音が、響いた。
ーその音は、1人の大男が出したものだった。
彼は素手で岩を掘りながら、少しずつ道を作っていく。
だがその動きはひどく緩慢で、なかなか進むことはなかった。
めん・・ど・・くせぇ・・。
男はぼそっと呟きながら、少しずつ岩を砕く。
めんどくさくて、死にそうだ。でも・・死ぬのも・・めんどうくせぇ・・。
そうして彼が掘って作った道は、次第に要塞の床をも侵食していくのだったー。
ブリッグズ要塞の女帝。
今回はエドたちがブリッグズ要塞に入り、オリヴィエたちのことを知る回でした。
北の人たち、皆サバサバしていてかっこいいですね!
魅力的なキャラばっかりで、一気に好きになってしまいました。
オリヴィエも怖いけど、信頼できる人物だと思います。
エドたち、協力関係になれるといいですね。
では見て行きます!
まずはブリッグズ要塞の人たちから。
要塞の中に入れてもらうことには成功したエドたち。
彼らは北で働く人たちと知り合いますが、皆色々訳ありだからか芯が強くて興味深い人たちばかりでした。
オリヴィエは怖いですが、イズミを経験しているエドたちなら上手く立ち回れるのでは?
好き嫌いはっきりしたタイプですが、仲間だと思ってくれれば強力な仲間となりそう。
人を見る目は本物のようなので、この際全てぶちまけて協力してもらう方が良さそうかも。
彼女もまた、更に上を見据える人なのですね。
そのためには多様な価値観を持ち、様々な角度から物事を見れる仲間が必要ー
実にすっきりとしていて、嘘偽りのない言葉です。
会ったばかりの子供にも、錬丹術を兵器として欲しい、とはっきり口にする。
芯があるから、答えがぶれないのでしょうね。
いつでも誠実に、真っすぐ物事を語るー
さすが上に立つに足る人物だと思います。
そういう偽らない人だから、ついていく仲間たちが多いのでしょうね。
こんなギリギリの場所に立った孤独の要塞でずっと仕事をしていくには、そういう関係が不可欠なのでしょう。
まだはっきり信用されていませんが、エドたちも真摯な姿を見せればきっと伝わるはずー。
これほど強力な仲間もいないので、どうか理解し合えるといいですね。
で、今回はマイルズにも焦点が当たりました。
イシュヴァ―ルの血を引くマイルズ・・。
彼もかなりの訳ありですね。
でもそんなマイルズを、大切な仲間として扱うオリヴィエ。
私たちには想像もできないほど、深い関係ですよね。
オリヴィエじゃなきゃ、これほど強力にマイルズの心を掴むことはなかったのでは・・と思います。
マイルズのことを思っての言葉ではなく、彼女自身のための言葉だからこそ、信ぴょう性があった。
イシュヴァ―ル人の生き残りとして憐れみの眼や好奇の眼にさらされてきた彼にとっては、1人の人間として扱ってもらえたことは喜びだったでしょう。
そういう人に、出会えて良かったと心から思います。
やっぱり個人個人なら、理解し合えるのだなーとつくづく感心させられました。
今後マイルズも、スカーやキンブリーと関わっていくことになるでしょう。
キンブリーが先かな?怪我をしたから、北方司令部に運ばれてくるでしょうし。
その時に彼がどんな反応をするのかー少し気になります。
特にスカーを見て、彼の目が復讐に囚われているのを見て、どう思うのでしょうか・・。
同じ民族同士きっと分かり合えることもあるでしょうし、2人が出会うことは楽しみですね。
メイとの出会いがスカーを少しずつ変えているように、同胞との出会いもきっとスカーを動かす力になるはず・・。
期待したいと思います。
さて、その他にもブリッグズの人たちは皆個性的ですね。
医師たちもそうですが、やっぱり目立つのはバッカニアかな。
彼のオートメイルは、やっぱり北方仕様でしたね。
なるほど、凍傷になってしまうのか・・。エド、冗談じゃなく命の危機だったんですね(^^;)
北で暮らすにはオートメイルを付け替えるのは必須みたいで・・となると、ウインリィがこっちに来ることになるのでしょうね。
ウインリィがエドへの気持ちに気付いてから、初再会か・・。
ちょっとドキドキしちゃいますねw
ただ北の方も何やら不穏な動きが起きているので、あんまり楽観視できないのが辛いところ。
それにこっちにはスカーも来ていますからね。再び邂逅・・となるのかも。
またウインリィが辛そうな顔をするのは見たくないです・・。
後はキンブリーも心配。
彼はスカーのことを覚えているくらいだから、当然ロックベル夫妻のことも覚えているでしょう。
ウインリィが彼らの子供だと知ったら、接触してきそうで怖い・・。
再会は楽しみですが、不安事項が多すぎますね。
ブラッドレイの目も光っているだろうし、エドたち3人がブリッグズに来ていると知ったら、ひょこっとやってきそうな気もしたり・・。
何にせよ、油断はできませんね。
ホントこの際、エドも兵器を仕込んだオートメイルにしちゃえばいいのにw
さて、続いてはスカーとキンブリー。
2人の熱い火花を散らした戦い・・
結果は持ち越されましたが、スカーが優勢となりましたね。
やっぱりキンブリーにとっては久々の戦闘が汽車の上というのはキツかったようです。
またスカーを侮ったのも、彼の敗因でしたね。
分解するだけではなく、スカーは元々戦闘に長けています。
そこを見越せなかったのだから、キンブリーの敗北は仕方なかったでしょう・・。
たださすがは国家錬金術師。
列車を切り離すことで、彼は一命を取り留めました。
2度もスカーを倒せなかったことで、キンブリーの彼への執着は最高潮となっていることでしょう。
となると、3度目の対戦が決着をつける戦いとなるのでしょうか。
それこそ互いの執念を賭けたすごい戦いになりそう・・。
ただ、今はキンブリーの怪我の度合いが気になります。
彼は人間なので、あの怪我だと命に関わるのではないでしょうか・・。
決着もつかずに死ぬことはないだろうけど、もしかして賢者の石を本当に体内に取り込む可能性もあったりするのでは・・と今回感じました。
少量の賢者の石しか持っていませんが、取り込んで成功すればホムンクルスになれるんですよね?
そういう選択肢もあるのではないか、と。
でも一方で、キンブリーはそういう選択を好まない人のようにも思えます。
彼の美学に背くというか・・そういう逃げの方法を彼は取らないような気もするんですよね。
実際汽車で、彼は死の迫る音を聞いて昂揚しています。
もし死ぬならそれすらも受け入れるー
キンブリーってそういうタイプなのでは?とも思うんですよね。
いや、彼のことは全然理解できていないんですが・・。
とりあえず汽車はブリッグズ行きなので、キンブリーはこの後ブリッグズ要塞で手当てを受けることになるのかな、と予想されます。
そこでエドたちと出会い、オリヴィエたちと出会い・・そういう中で、彼がどんな選択をするのかは気になりますね。
未だ敵か味方かもよく分からないキンブリー・・。
彼の動向は、まだまだ気を付けて見て行かないといけませんね・・。
最後に、新たなホムンクルスについて。
今回ラストで突如現れたホムンクルス。
めんどくさい・・というセリフから見て、恐らく怠惰のスロウスでしょうね。
プライドとは口調も違うし、間違いないでしょう。
そういえば彼は別行動をしていたのですよね。ラストが以前そんなことを言っていました。
それがブリッグズ要塞の地下に道を作ることだったのか・・。
でも何のために、そんなことをしているのでしょう。
エンヴィーが言っていたように、次にホムンクルスが狙うのは北なのでしょう。
であればブリッグズ要塞を狙うのは分かりますが、なぜあんな回りくどいことをしているのか・・。
地下を掘る理由が、よく分からないですよね。
ただいつから掘っていたのかは分かりませんが、その進行具合はかなりのものと思われます。
これはもう、スロウスとの戦い一直線なのではー?!
余り強そうには見えないですが、そこはホムンクルス。
動きが鈍かろうが、すぐには死なない相手なのでそれなりに手こずることとなりそうです。
でも見方によってはここでホムンクルスの存在を知らせることで、オリヴィエたちにブラッドレイの秘密などを明かす機会にもなりますよね。
軍がホムンクルスに牛耳られていると知ったら、オリヴィエの性格上絶対許さないはず・・。
そこから協力関係になれる可能性はあると思います。
彼の登場が、どんな騒ぎを起こすのかー。
そしてその強さはー?!
次から次に色んなことが起きるので、相変わらず目まぐるしいですねw
でもスロウス相手なら、捕らえることもできるのではーと少し明るい見通しが持てるのも事実。
特にブリッグズ軍の力を以ってすれば、生け捕りにして事情を暴露させることもできそう。
オリヴィエたちの方が、圧倒的に強そうに見えるんだもん・・w
スロウスのやっていることから、ホムンクルスの目的の割り出しなるかー?
期待をこめて、見守っていこうと思います!
さて、次回はスロウスがブリッグズ要塞に現れる回ですね。
どっちかっていうとグラトニー同様知能は高くなさそうなホムンクルスですが、身体が大きいのが懸念事項ですね。
考えない分、ものすごい攻撃を放ってきそうな予感もします・・。
でもブリッグズ軍も錚々たるメンバーなので、きっとホムンクルス相手でも善戦してくれるはず。
オリヴィエたちがどれくらい強いのかーいよいよその力量が見られる時です!
キンブリーのことなど不安要素は多いですが、まずはお手並み拝見。
次回も楽しみです☆
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