前回、秀秋の加勢を得たことで一気に戦いの手綱を握った徳川軍。
家康が出陣するよりも早く、戦いの決着はついたのでしたー。

勝利を得た家康、そして敗走の三成。
彼らの今後はー?!

感想です☆




第158席~ 「ぼくたちは失敗」






※以下、ネタバレあり※









◎あらすじ◎

1600年9月。
左太郎(さたろう)は関ケ原の戦いの決着がたった半日でついたとの知らせを受け、驚愕した。

これにより、長重(ながしげ)からは、自分は投降するので援軍はいらないという旨の書状も届いていた。
全てのはしごをはずされた形になった左太郎は、自身の早計な判断を悔やみ唇を噛みしめる。

この先は家康(いえやす)に詫びて許しを乞うしか、生き残る方法はないだろうー。
彼は乙将になりきれなかった自分を戒め、覚悟して家康の元へ向かうことを決める。
そして夜中であるにもかかわらず、彼は早馬を走らせるのだった。

一方、関ケ原での戦いを終えた武将たちは、それぞれ三成(みつなり)が籠城するであろう佐和山城へ向かっていた。
体中ボロボロの織部(おりべ)と有楽斎(うらくさい)は、荷馬車でひととき体を休める。

同行する忠興(ただおき)は、家康の今回の勇姿に心底惚れ込んでいるようだった。
織部も秀秋(ひであき)を説得した件で、おそらく家康からは褒章が送られるだろう・・。
だが彼は今はそんなことどうでもいい・・と、早く数奇に勤しみたいと遠い目をするのだった。

佐和山城。
敗戦の知らせを受けた正澄(まさずみ)は、これ以上城を守り切ることはできないーとけじめをつけることを決めた。

彼はただ静かに余生を噛みしめ、城中を綺麗にして回った。
そして全てが終わるとー恨み言も何一つ口にせず、切腹を成し遂げるのだった。

その佐和山城へ、三成は家臣たちと共に山に隠れながら向かっていた。

彼は道中、家臣たちに自分のふがいなさを謝罪する。
その瞳からは戦意はすっかり消え、自身の器が足りていなかった悔いばかりが口から洩れる。
あまりに意気消沈したその様子には、家臣たちもどう声をかけるべきか悩むほどだった。

彼らは持っていた柿を皆で分けて食べ、この後の計画を立てる。
ふと三成は柿から以前織部にもらった小茄子のことを思い出し、懐から取り出した。

そしてその小茄子を見た瞬間ー彼は本当の自分の気持ちに気づいた。
この割れた小茄子は、まさに今の自分自身のようだ。私は・・強引に隠していた自分の弱さ、もろさを、この小茄子に見ていたのだ・・!!

どこまで後悔しても、もう時は戻らない。
それでも三成は反省することでしか、もはや自分を保つことはできないのだった・・。




















戦いが終わって。

今回は関ケ原の戦いが終わり、武将たちがそれぞれのけじめをつけた回でした。

まずは左太郎。
思ったよりも早く関ケ原の決着がついてしまったため、結果的にかなりマズい立ち位置となってしまいました。

ここで自分の未熟さを思い知ることになるのは辛い・・。左太郎だって恩義があったから動いただけなのですよね。
でもその時の判断によって、命が脅かされる事態になるーそのことを身を以てしった彼は今、流動的に時流を読んで生きることの大切さを痛感したのだと思います。
戦争時においては、生き抜くことだけを最優先に考えることも大事なのですよね・・。

彼はこの後家康に助命を乞いに行くそうですが、これから武将たちの粛清を行うだろうと思うと、赦免されるのか不安を感じます。
 織部の弟子だから大丈夫だろうという思いと、その織部さえ切り捨てられたらどうなるのかという思い・・。
無事に済むといいのですが(><)

きっと同じような思いで生きた心地のしない武将たちは他にもたくさんいるのでしょうね。
彼らにどんな未来が待っているのかーしっかりと見て行きましょう。



さて、そして今回は石田家の武将たちに焦点が当たった回でした。
正澄、すごく静かでなんというか・・美しい最期でしたね。
後を汚していかない彼の所作に、美学を感じました。

弟を全力で支えると決めた時から、負けたらこうすると想定していたのでしょうね。
一切恨み言も言わず、取り乱したりもせず・・すごい人だったんだな、と感動させられました。
色々と尽力していたのですけどね・・。時代の流れには勝てず、お疲れ様でした。

一方敗走中の三成は、今までにないほど人間らしく感情を露わにしていますね。
これこそが、彼の本当の部分だったのでしょう。それが見えたのが、戦に負けてから・・というのが辛いところです。

一緒にいる家臣たちも、戸惑っているんだろうなぁ。正直これだけ弱ってしまうと、ついていっていいのか迷うくらいだと思います。
でも同時に、そこまで人間らしく振る舞えるようになった三成に、親近感を覚えたりする気持ちもあるのではないでしょうか・・。

やっぱり死を前にすると、人は全ての鎧が取り払われ、むき出しの人間性が見えるものなのかもしれませんね。
正澄の死は美しかったですが、三成のように人間らしくあがく姿もわたしは好きですよ。どっちも自分の人生を最大限に生きている感じがしますからー。

ただ武将としては、最後まで立派な姿を見せてほしかったかな・・と思うのも、本音。
今回の姿を見て家臣たちが失望し、三成を売る展開もあるかもなぁ・・と少し思ってしまいました。
今まで死んでいった武将たちにはない姿だからなぁ。それが受け入れられるかどうか、ってところですね。

この後の三成の動きも、気になります。
どこまでもあがき、逃げようとするのか。それとも自身の運命に真っ向から立ち向かうのかー。
彼の集大成、しっかり見守ろうと思います。









さて、次回は佐和山城に石田軍が籠城する話でしょうか。

徳川の手から逃げる三成一行。
三成はもはや気力衰えてしまっていますが、まだ彼の戦いは終わっていません。
家臣たちと共に、彼はどう戦い抜くのでしょうかー。

また石田派についていた武将たちの命運も気になります。
助命を願う者たちについては、寛大な処置があるといいのですが・・。

次回も楽しみです☆