前回、とらと共に紅蓮に向かううしお。
更にキリオが来たことによって、情勢は次第に変化していきます・・。

しかしそこで、紅蓮たちは退却。
彼らとの決着は、最終戦へと持ち越されてしまうのでした・・。

感想です☆



第四十五章「雨に現れ、雨に消え」~ 其ノ壱「去り、消え・・」




※以下、ネタバレあり※




◎あらすじ◎

紅蓮(ぐれん)たちが消え、うしおたちはようやく一息ついた。
彼らはすぐに真由子(まゆこ)たちが向かった小夜(さや)の家へと急ぐことにする。

その様子を、妖怪たちは黙って見ていた。
やっぱり記憶は戻らないか・・。
うしおはわかってはいたものの、どこか空しい気持ちになりながらその場を去るのだった。

同刻、麻子(あさこ)の治療を終えた真由子は、ジエメイと共に須磨子(すまこ)の元へ向かおうとしていた。
話を聞いた小夜は、それでいいの?!と真由子を引き留めようとする。
お役目様になったら、何百年も1人で白面の結界を守り続けることになる。もう2度と元の生活には戻れないのにそれでいいのー?!

けれども真由子は、笑顔でうなづいた。
そして語った。
自分はずっと、麻子のことをヒーローだと思ってあこがれていたのだ、と。

のんびりでどこか抜けている真由子にとって、麻子は明るくて元気ででもそれを鼻にもかけないで、とにかく憧れの存在だった。
でも麻子は、人にはその人のやるべきことがあるのだと言って、真由子には真由子の良さがあるといつも認めてくれた。

だから真由子は自分なりの人生を生きようと思ってきた。そんな自分に、お役目様という大役が舞い込んだのだ。
これでやっと人の役に立てるようになるのだ・・。

彼女はそう言い、だから自分は嫌々行くのではないのだ、と小夜に答える。
それを聞いた小夜も納得し、笑顔で2人を見送ることにするのだったー。


その数刻後、うしおたちが小夜たちの元に到着した。
早速事情を聞いたうしおととら、そしてキリオはそれぞれ無念と行き場のないやるせなさを抱え、唇を噛みしめる・・。

だが真由子も小夜も、自分にできることをやろうとしただけなのだ。
それも理解していたうしおは、それなら自分もーと麻子を抱きかかえる。

まずは麻子を病院に連れていく。その後、真由子の元へ行く。
彼はそう決め、再びとらたちと共に飛び立つことにした。

小夜は再び見送った。
うしおの腕に抱かれた麻子に、ほんの少し羨ましさを覚えながら・・。




















別れ

今回は真由子がジエメイと共に、須磨子の元へ旅立っていった回でした。
真由子・・いい子すぎるよ!!

本当は不安や恐怖だってかなりあったはず!
それでもそんなことは口にも顔にも出さず、自分には自分の役目があるから、と粛々と受け入れてほほ笑む。
彼女は麻子にあこがれると言ったけど、真由子だってとても魅力的な女の子ですよ。

どうか彼女の歩む道が少しでも希望あるものとなりますように・・。
ますます白面の滅亡を強く願ってしまう、そんな回でした。


紅蓮との戦いを終え、急ぎ小夜の元へ向かううしおたち。
一方小夜たちの元では、真由子とジエメイが旅立とうとしていました。

お役目様になったら、もう2度と元の生活には戻れないーと反対する小夜。
しかしそんな彼女に真由子が語ったのは、驚くほど前向きな言葉でした。

強くて優しい麻子に、ずっとあこがれてきた真由子。
彼女はそれでも自分には自分の良さがあるから・・と身の丈に合った生き方をしてきました。

しかしそんな彼女に、お役目様という大役が任じられた。
ようやく麻子のように、人の役に立てる生き方ができるー
そう思ったからこそ、真由子は自分の運命を受け入れることにしたのだそうです。

いや、わかるよ。わかるけど、もう皆と気軽に会うこともできなくなるし、ずっと白面の側で過ごすことになるのですよ。
そんな運命をまだ中学生の彼女が受け入れなければならないなんて、やっぱりわたしとしては喜ぶことはできないです・・。

小夜から話を聞いたうしおたちも、同じ思いでしょう。
誰かがお役目様の任を受けなければいけないことはわかる。でもだからといって、気持ちが受け入れられるかどうかは別なんですよね。

何か他に策があるかも。そもそも白面さえ倒してしまえば、お役目様の仕事もなくなるかもー。
まだ模索する手は残されています。
まずは真由子の元へ行き、彼女と今後どうするかを話し合っても遅くはないのではないでしょうか。

麻子だって、目覚めたときに真由子がいなくなっていたらどれだけ悲しむでしょう。
皆が真由子を必要としています。
やっぱり彼女を1人で行かせることは、できないですよー。

麻子は病院で手当てを受け、これから少しずつ回復していくようです。本当によかった。
しばらくはうしおは顔を出すことはできませんが、その間に元の生活に戻れるくらいにまで回復できるといいですね。

それまで、真由子のことはひとまずうしおたちに任せましょう。
ラスト、流かな?彼も動き出しました。
ここからどう展開するかわかりませんが、うしおたちが再び麻子と再会するときにはすべての戦いが終わっているといいな、と切に願います。

これ以上白面によって苦しむ人が、どうか増えませんように・・。







さて、次回はうしおたちが須磨子たちの元へ向かう回でしょうか。

真由子がお役目様の任を受け入れ、ジエメイと共に須磨子の元へ向かったと聞かされたうしおたち。
彼らは真由子を助けるため、後を追う決意をします。

一方、1人動き出した流。
彼の目的とはー?

次回も楽しみです☆