前回、紅蓮との戦いを終え、小夜の元へ向かったうしおたち。
そこで彼らは、真由子がお役目様の任のために旅立ったことを知りますー。

彼女を取り戻すため、追うことにした一行。
真由子はうしおたちの思いに、どんな反応を見せるのでしょうかー?

感想です☆



第四十五章「雨に現れ、雨に消え」~ 其ノ弐「去り、現る・・」




※以下、ネタバレあり※





◎あらすじ◎

麻子(あさこ)を病院に預けると、さっそくうしおたちは真由子(まゆこ)の元へ向かうことにした。
うしおととらには、真由子が望んだのなら・・という迷いがあった。
だがキリオが、絶対に彼女を助けたいと言い張ったのだ。

それを聞いたうしおは、策なしで行くのは良い手ではない・・と話した。
お役目様がいるのは海底深くで、近くには白面の者もいる。
それに結界が張られていて、近づくこともできないだろうー。

だからまずは敵を知り、どうすればいいか対策を立てるべきだ。
それを聞いたキリオは、納得してうなづく。
そして自分なりに白面について調べてみるーと言い、彼と九印(くいん)は真由子の家へ戻っていくのだった。

段取りがつき、うしおはほっと汗をぬぐった。
だがその時、彼は後ろから肩を叩かれて振り返る。

そこには警察が数人いて、彼の名前を確認すると交番まで来るように言った。
意味が分からず、うしおは抵抗する。
すると警察は、信じられないことを口にした。
うしおが、家などの器物損壊、そして真由子と麻子行方不明の重要参考人として手配されているのだーと。

うしおは驚愕し、慌てて警察の手を振りほどいた。
そしてどうすればいいのかもわからないまま、彼はとにかく逃げるために走り出したー

どうにか路地裏に駆け込み、彼は警察の追手を巻く。
事態を見ていたとらは説明すればいいのでは?と提案するが、事情がこんがらがっていてとても理解してもらえるとはうしおには思えなかった。

だがこれからどうすればいいー?
悩むうしおだったが、そこに1人の男性が歩み寄る。

彼はうしおの顔を確認すると、自分は警察ではないから安心してほしいと言った。
そして後ろに止まっている車を指さすと、会わせたい人がいるから乗ってくれーと促すのだった。

男性はいかにも怪しかった。しかし、他に有効な手立てもない・・。
そこでうしおは警戒しながらも、彼の車に乗り込んだ。

車が動き出すと、男性は守矢(もりや)だと名乗った。
テレビの社会部の記者で、ずっとうしおたちに会いたいと思っていたんだー。
それを聞いたうしおは、自分のことを忘れていない人を再び見つけて驚く。

どうやら彼はフィルム上でしかうしおを見たことがなかったので、影響を受けなかったらしい。
守矢はさすが記者だけあって、婢妖による騒ぎについてもすでに把握していた。
話を聞くうちに、うしおの中には彼への信用が芽生えていく・・。

そんな守矢が会わせたい人物とは、誰なのだろうかー。
そう考えていた時、守矢はつけられている・・とつぶやいた。
はっとし、うしおたちは後ろを振り返る。

車の後ろには、ぴったりと張りつくバイクがいた。
あれ?あの人は・・。
うしおが眉を上げたその瞬間、バイクに乗った男が錫を振り上げた。

そして彼はそれを守矢の車に打ち付けた。
ものすごい衝撃を受けた車は、そのまま道路の上を激しく転がるのだった・・。




















守矢

今回は警察に追われたうしおたちが、守矢と出会った話でした。

警察の包囲・・ちょっと状況がよくわかりませんね。
これも白面の力によるもの?それとも様々な事件を警察が調べた結果、うしおが一番怪しいという結論に至ったのでしょうかー。

どちらにしても、またしてもうしおたちはピンチに!
しかも今度は家にも帰れなくなってしまいました・・。
守矢と出会って当面は救われたものの、この先彼らはどうすればいいのでしょうかー?


麻子を病院に預けたうしおたち。
そのまま真由子の元へ向かうかと思われたのですが、彼らは一旦作戦を練るために出直すことにしました。

たしかにうしおの言うとおり、結界を超えられないという線はありそうですね。
それに、助けに行ったとして真由子が同意するかーというのも、なかなか怪しいところです。

真由子は自分の役目を受け入れているし、現実須磨子はもうお役目様としての力を失おうとしています。
そんな状況で真由子が任務を放棄するとは思えません。
なので今回のうしおの判断は、妥当と言えるとわたしは感じました。

ただキリオの気持ちもわかるから、辛い・・。彼の悲しそうな顔を見て、本当切なくなりました。
やっと安心できる場所を手に入れたのに、またそれが崩れていってしまうのですものね・・。
真由子のことだって姉のように思い始めたところだったのだから、彼がどれだけ今不安に思っていることかー。

そういう色々を考えても、策は必要であれどとにかく急ぐことも大事だろうと思いました。
うしおも追われる身となってしまったので、あまり大っぴらに動くことはもうできません。
であれば、もう白面との最終戦に臨むという展開もありなのではないでしょうか。

もちろん何の策もなしに突っ込んでいったら、負けることは目に見えています。
でも色々と準備をして、訓練をして・・という段階にはもう戻れないでしょう。
事態は刻一刻とうしおにとって悪い方向に向かっています。
それを打破するためには、多少無茶でも白面に直接ぶつかっていくのが一番効果ありなのではないかと感じたのです。

ただまずは、守矢が会わせたいという人物に会うのが先ですね。
これ、誰なんだろう・・。全然思い当たらないんだけど。
守矢が調べていた事件に関わっていた人?でもその中で頼りになりそうな厚沢なんかは、記憶を消されてしまっているしなぁ。。

っていうか、ここで守矢の登場、熱かったですよね!
以前番外編のように出てきた彼が、まさかうしおたちと直接接触するとは。
粋な展開にドキドキしちゃいました。

幸い彼はこれまで直接関わっていないため、記憶も奪われていません。
大人だし運転もできるし、記者として事実を広める手段もあるーということで、これから頼りになる味方になってくれそうですね。
不幸が続いても、たまにこういう幸福なこともあるからうしおも前を向き続けられるのだと思います。
本当にありがたいー。

が一方で、そこへ現れたバイクの人物については、また嫌な予感しかしませんね・・。
あれ、流ですよね?
彼も記憶を失っているのかもしれないけど(でもそうなると前回の発言と矛盾する気も・・)、車を攻撃するってうしおたちが死んでもいいと思っているということ・・。
用心は十分にしたほうが良さそうですね。

前回から不穏な動きを見せる流。その目的とはー?
次回、その辺が明らかにされることに期待して、引き続き見守っていきましょう。






さて、次回はうしおたちを流が攻撃する回でしょうか。

突然バイクで現れ、車を襲撃してきた謎の男。
おそらく流だと思われますが、彼はなぜうしおたちを攻撃したのでしょうかー?!

彼の言動からすると、記憶はあるようで・・となると意味がわからず、その目的を直接聞きたいなと思います。

次回も楽しみです☆