前回、救世主が処刑される街。
そこではユダという少年が1人の男性を匿っていました。

救世主は本当にいるのか。ユダたちはその謎にどう関わっていくのでしょうかー。

感想です☆


第15話「父か子か聖霊か」




※以下、ネタバレあり※




◎あらすじ◎

ユダは家に帰ると、母親の小言を聞きながらテーブルについた。
そして目の前のー2匹のコウモリと会話をした。

2匹は仲が悪く、すぐ相手を堕とそうとする。
そんな言い争いを聞きながら、ユダは今日のことを思い返して首を傾げた。
今日処刑されるあの人は、本当の救世主じゃないのかな・・。

それは匿っている男性の様子から思ったことだった。
あんなに後悔していることこそ、本物だという証拠じゃないだろうかー・・。

だがコウモリたちは、そんなのはよくあることだ、と口々に言った。
大人の事情は分からないが、コウモリたちが言うならそうなのかもしれないな。
ユダはわかったようなわからないような気持ちで息をつく。

それから彼はコウモリたちに、2匹は神様じゃないの?と尋ねた。
すると1匹はそうだと答え、もう1匹は違うと答えた。
そしてまた2匹は喧嘩を始める。

うるさくしたら母親にバレるのではないかと思い、ユダは慌てて仲裁に入った。
途端コウモリたちは2匹ともユダをじっと見つめ、一緒に言った。
俺たちが神様かどうかはお前が決めろー。


それから数年後、ユダは家庭を持ち普通の生活を送っていた。
そんなある日彼は、老人を助ける1人の男性を目にする。

もしかして・・。
ユダはその男性に近づき、あなたは救世主か?と尋ねた。
そして救世主であるなら、神はどんな姿をしているか教えてくれないか、と続けた。

すると男性は老人の杖を借り、砂の上に絵を描いた。
その絵を見たユダは驚き、息を呑む。

なんとそこに描かれていたのは、コウモリだったのだ。
ユダは確信した。
この人は間違いなく救世主だ!!
そしてその日から、彼は男性に付き従うようになるのだった。

だが男性は不思議な力を持つ一方、ひどく暴力的な面もあった。
ユダはその後を追いながら、彼のことを次第に恐ろしく思うようになるー

そんなある日、男性は弟子たちと共に食卓を囲んだ。
その席で彼は、自分を裏切る者がこの中に1人いる、と話した。

彼はその者に今パンを与えようーそう言って、ワインにパンを浸した。
そしてそれをユダに渡した。

ユダが黙って受け取ると、男性は言った。
お前のしようとしていることをするのだーと。

その夜、ユダは動いた。
そしてローマ軍に密告した。

男性はすぐに掴まり、ユダとは永遠の別れとなった。
ユダはその後廃屋に身を隠しー罪悪感に苛まれる日々を送ることとなる。

そこに住み着いていることを知った少年が1人、たびたび廃屋に顔を出すようになった。
ユダは後悔を口にする。
すると彼の話を聞いていた少年は言った。
でもそれが筋書通りだったんだろうー?

ー確かにそれは男性の筋書の通りだった。
彼はユダを呼び出すと、自分は人々の罪を背負って死ななければならないのだ、とある日語ったのだ。
そしてそのためにはユダが男性をローマ軍に売らなければいけないのだ、とも。

ユダは男性を信じていたから、その使命も受け入れた。
最後だからーと彼は思い切って長年の疑問を尋ねてみることにする。
それは、初めて会ったときに描いてくれたコウモリは本当に神の姿だったのかー?ということだった。

その質問に男性は笑いながら、お前の頭の中を描いただけだよーと言い捨てた。
ユダはその時のことを思い起こし、また後悔に胸が張り裂けそうになる。

自分はコウモリに騙されていたのかもしれない。彼らはずっと男性を裏切れと言い続けてきた。
救世主だと信じていたからこそコウモリたちも神だと信じていたが、もしそれが違ったならー?!

そう言って泣くユダに、少年はそれでいいんだよ、と言った。
それであいつは人間にとって永遠の存在になれたんだからー

ユダは顔を上げた。
そしてまじまじと少年を見つめ、尋ねた。
お前は誰だ・・?

すると少年の背後に、コウモリが現れた。
驚きながらもユダは、お前はあの方に会ったことがあるのか?!と訊いた。

コウモリの答えはーNOだった。
彼は一度も会ったことがないと言い、お前は俺に従っただけなんだから悩んだりしなくていいんだよ、と不穏な笑みを浮かべるのだった。




















救世主とはー

今回はユダがコウモリの声に従い、イエスを裏切った話でした。
なんと壮大な話なんだ・・。しかも賛否を呼びそうな・・。

こんな話を描けるのは、やっぱり浦沢先生以外にいないと思うんですよね。
ただこの物語がどこへつながるのかは相変わらずよくわからず・・。
とりあえず見ていこうと思います。


家に帰ったユダ。
そこで彼は2匹のコウモリと会話します。

いや、これめっちゃびっくりしましたね。普通に出てくるもんだから笑
つまりユダがやっぱり歴史の観測者で語り部ということなのでしょうね。
誰が選ばれるかに法則はあるのでしょうか・・。

どちらが白で黒なのかはわかりませんでしたが、おそらくコウモリが2匹いるのはこれで確定でしょう。白のコウモリの話を聞けば、平和が訪れるという感じなのでしょうか。
ユダは子供でまだ人生長いから、白も黒もそこにいて判断を任せてるのかもしれないですね。

そんな彼は大人になり、真に救世主だと確信できる人物と出会いました。
そうか、彼がイスカリオテのユダだったのか・・。ということは、男性はイエスですね。
なんか笑顔が不穏なイエスなのですが、この描写で大丈夫か・・?(^^;)

ユダがイエスを信じる決め手となったのは、彼が描いた神の絵。
コウモリを描いたのは後にユダの思考を読んだからだと明らかになりますが、これは信じちゃうよなぁ。
結果的には救世主ではなかったのかもしれないけれど、不思議な力を持っていることは確かでしょうし。

史実通りにイエスに付き従い、彼をローマ軍に売ったユダ。
しかしそれすらも、イエスとコウモリたちの手のひらの上でのことだったことに後々ユダは気が付きます。

イエスは本当に救世主だったのか?
それは永遠の謎となってしまいましたが、コウモリとユダが関わることによって史実的には救世主だ、ということになりました。
最後にユダの前に現れたコウモリはー黒だったのかな。。

要はどちらのコウモリの言葉を聞くかで歴史は変わり、その歴史の改変が正となってそのまま人類史は紡がれていってしまうということを伝えたかったのかな、と今回の話を読んで思いました。
だからこそコウモリに関わる人たちはちゃんとその事実に向き合い、精査し語り継いでいくことが必要なのかと。
その役目が、今ケヴィンに移ろうとしているのでしょうね。

ユダの選択が間違っていたとは思わないけれど、別の歴史もあったかもしれないと思うと面白いですね。
その時にはあんな不穏な笑みを浮かべるイエスが救世主と崇められる未来もなかったのかな・・。

そう考えるとコウモリと関わる人たちの使命って、半端じゃなく大きいですよね。
1人の人間が背負うにはなんと重い使命か・・。
でもその力の大きさに魅入られる人がいるのも、また現実なのだよなーとも思いました。

おそらくケヴィンはこれからそれらの策謀とも戦っていくことになるのでしょう。
そのうえで彼は白の未来を掴むことができるのかー
引き続き見守っていこう、と改めて思わされるエピソードでした。





さて、次回は別のエピソードが描かれる話でしょうか。

なんとなくこの物語が伝えたいことがわかってきましたね。
今後も歴史を紡いできた者たちの物語が様々描かれていくのではないでしょうか。

もしくは一旦ケヴィンサイドに話は戻り、アメリカに向かう様子などが描かれるのかもしれませんね。
一体どんな物語が待っているのでしょうかー

次回も楽しみです☆